JPH0669520A - トンネル効果型半導体装置 - Google Patents

トンネル効果型半導体装置

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JPH0669520A
JPH0669520A JP22132492A JP22132492A JPH0669520A JP H0669520 A JPH0669520 A JP H0669520A JP 22132492 A JP22132492 A JP 22132492A JP 22132492 A JP22132492 A JP 22132492A JP H0669520 A JPH0669520 A JP H0669520A
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tunnel
junction
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gaas
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悌二 山本
Makoto Inai
誠 稲井
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A T R KOUDENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
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A T R KOUDENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大電流増幅を行い高出力を得ることができる
とともに、従来に比較してより高速のスイッチング特性
を得ることができ、しかも半絶縁性半導体基板上で形成
することができるトンネル効果型半導体装置を提供す
る。 【構成】 平坦部1a,1b間に斜面部1cが形成され
るように段差を形成した半絶縁性化合物半導体基板1上
に、結晶成長法によって電子の状態密度が増大するよう
に、活性層となるプレーナドープ層3、変調ドーピング
層、多重量子井戸層、又は半導体超格子型井戸層として
両性不純物をドープした化合物半導体層を形成し、その
上に化合物半導体にてなるコンタクト層5a,5b,5
cと電極6,7とを形成することによって、上記段差に
よって形成される上記活性層の平坦部と斜面部との間に
於いて伝導型の違いで横方向p−n接合を形成しかつ上
記横方向のp−n接合においてトンネル効果を出現させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネルダイオードな
ど、横方向のp−n接合によるトンネル効果を有するト
ンネル効果型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性半導体基板上に、種々のド
ーパンドを用いてGaAs、AlGaAs、Si又はG
eを例えば分子線エピタキシャル法などの結晶成長法に
より、その結晶の成長方向、すなわち半導体基板に対し
て垂直方向(縦方向)にp−n接合を形成して、いわゆ
るエサキダイオードと呼ばれるトンネルダイオードを作
製してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トンネルダイオードで
は、実際制御できるトンネル電流を大きくすることが重
要である。当該トンネル電流は、一般にトンネル確率と
キャリア供給関数との積で与えられる。従来の高濃度ド
ープされたn型とp型のバルク材料同士の接合では、ポ
テンシャルエネルギーが急峻に変化し、空乏層幅は電子
がトンネルできる程度の厚さ(例えば100Å未満)に
まで薄くなるため、トンネル確率は大きくなる。しかし
ながら、バルク材料であるため、電子又は正孔のキャリ
アの状態密度関数からみて、単位エネルギー当たりの状
態数は低く、高濃度ドープされた伝導帯から価電子帯へ
のトンネルに寄与できる電子数(すなわち供給関数)は
少なく、トンネル電流密度は小さい。従って、大電流増
幅を行うことができず、大電力を得ることができないと
いう問題点があった。
【0004】また、電子及び正孔のエネルギーに対する
状態数の分布が比較的広いため負の微分抵抗は小さく、
これによって、数十ピコ秒以下の高速のスイッチング特
性を得ることができないという問題点があった。
【0005】さらに、従来のトンネルダイオードは電流
を流す向きが縦方向のデバイスであるため、横方向(水
平方向)の電流を駆動させるデバイスである、MOS、
MESFET、HEMT等の高周波デバイスと、同一の
半絶縁性半導体基板上で形成することができないという
問題点があった。
【0006】本発明の目的は以上の問題点を解決し、大
電流増幅を行い高出力を得ることができるとともに、従
来に比較してより高速のスイッチング特性を得ることが
でき、しかも半絶縁性半導体基板上で形成することがで
きるトンネル効果型半導体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトンネル効
果型半導体装置は、平坦部間に斜面部が形成されるよう
に段差を形成した半絶縁性化合物半導体基板上に、結晶
成長法によって電子の状態密度が増大するように、活性
層となるプレーナドープ層、変調ドーピング層、多重量
子井戸層、又は半導体超格子型井戸層として両性不純物
をドープした化合物半導体層を形成し、その上に化合物
半導体にてなるコンタクト層と電極とを形成することに
よって、上記段差によって形成される上記活性層の平坦
部と斜面部との間に於いて伝導型の違いで横方向p−n
接合を形成しかつ上記横方向のp−n接合においてトン
ネル効果を出現させることを特徴とする。
【0008】
【作用】以上のように構成された半導体装置において、
本発明者は、より狭い領域に、不純物濃度が極めて低く
高純度であってかつ所定値以上の比較的高いドープ量の
両性不純物をドープさせて電子の状態密度を増大させる
ことができ、これによって、以下に説明するように本発
明に係る半導体装置において、トンネル効果を出現させ
ることができることを発見した。
【0009】上述の構成を有する半導体装置において、
上記横方向p−n接合に順方向電圧を印加することによ
って、上記p−n接合に順方向電流が流れるとき、上記
p−n接合の部分で伝導帯のサブバンドから、価電子帯
のサブバンドへ電子がトンネリングし、p−n接合間に
トンネル電流が流れ、その電流電圧特性は、負の微分抵
抗をもつ。
【0010】一般に、上記p−n整合部分に流れる電子
の数はキャリアの状態数のエネルギー分布に依存し、そ
のキャリアの状態数のエネルギー分布関数はキャリアの
状態密度関数とフェルミ分布関数の積で表される。
【0011】従来例で用いられるバルク半導体と、本発
明で用いられる活性層であるプレーナドープ層、変調ド
ーピング層、多重量子井戸層、半導体超格子型井戸層な
どの量子構造との大きな違いは、詳細後述するように、
状態密度関数が互いに異なることである。バルク半導体
の状態密度関数は電子のエネルギーの平方根に比例する
放物線関数である。一方、1次元方向の閉じ込められた
構造、例えばプレーナドープ層、変調ドープ構造の三角
ポテンシャル井戸層、多重量子井戸層、または半導体超
格子型井戸層などのキャリアの状態密度関数はステップ
関数又は擬似ステップ関数になる。ここで、例えば量子
細線などの2次元方向の閉じ込めでは、状態密度は電子
のエネルギーの平方根に反比例する。例えば量子箱など
の3次元方向の閉じ込めではδ関数になり、正孔及び電
子の状態数はエネルギーに対して無限大又は0になる。
フェルミ準位を状態密度関数が0である最高のエネルギ
ー位置におくとき、1次元方向に閉じ込められた構造の
状態数はバルク半導体の10倍以上となり、2次元量子
井戸の量子細線では100倍以上となる。従って、単位
エネルギー当たりのキャリアの状態数は状態密度関数に
大きく依存することになる。
【0012】従来例の多くの光電子デバイスにおいて用
いられているp−n接合は、上述のように、バルク半導
体の状態密度関数を有するp型及びn型の伝導型を示す
材料同士の接合であるため、上述のようにキャリアの状
態数が低いという問題点があった。
【0013】一方、本発明に係るトンネル効果型半導体
装置の構成では上記量子構造を用いて横方向のp−n接
合を実現するので、従来のバルク半導体よりもはるかに
多いキャリアの状態数を有し、かつp型及びn型の伝導
型を有する材料の接合を実現できることになる。このこ
とは、従来のp−n接合型デバイスの電気的特性を飛躍
的に向上させることができるという利点を有している。
本発明に係る装置では、高濃度にドープされたp型及び
n型の接合部分に現れるトンネル効果をデバイスに応用
したエサキダイオードの電気的特性を大幅に改善するこ
とができる。
【0014】上述したように、サブバンド又はミニバン
ドにおけるp−n接合を介してトンネリングする電子の
数は大幅に増加し、従来のバルク半導体でのトンネル現
象に比較して大きなトンネル電流密度を得ることがで
き、大電流駆動高出力デバイスを実現できる。また、逆
にトンネリングする電子数を増大した分だけトンネル確
率を減少させてもよく、電子のサブバンドと正孔のサブ
バンドとの間のエネルギー差である実効的なバンドギャ
ップを増大させることができる。すなわち、バンドギャ
ップを増大させることによって、拡散電流を低減させる
ことができ、これによってトンネルダイオードの電気的
性能特性の1つであるピーク/バレー比率を高めること
ができる。また、エネルギーに対する電子と正孔の状態
数の分布が狭くなるため、順方向印加電圧のわずかな変
化でトンネル電流が大きく変化し、従って、大きな負の
微分抵抗を得ることができる。
【0015】一方、従来例のバルク半導体を用いたトン
ネルダイオードは動作電圧が比較的低い。トンネル電流
の最大を示す印加電圧値は、一般にキャリアの状態数の
最大エネルギー位置で決定される。従来例のバルク半導
体と本発明において用いる量子構造では、上述したよう
に、状態関数が大きく異なる。サブバンドやミニバンド
でのp−n接合を用いたエサキダイオードでは、キャリ
アの状態関数が実質的にステップ関数又はδ関数になっ
ているために、トンネル電流の最大を示す順方向電圧は
従来例のバルク半導体の場合よりも高い傾向を示す。こ
れは、大電力が得られるという意味で、デバイス設計や
集積化において有利である。
【0016】また、p−n接合部上面に形成したゲート
電極に制御電圧を印加することによって、p型領域もし
くは、n型領域の正孔及び電子のエネルギーポテンシャ
ルを変化させる。それにより、電子のトンネル確率及び
供給関数を変化させ、トンネル電流を電圧制御法で高速
に変調する例えばトンネルトランジスタなどのトンネル
効果型半導体装置を実現することができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による実施例に
ついて説明する。
【0018】<第1の実施例>図1は、本発明による第
1の実施例であるプレーナドープ構造を有する横方向p
−n接合型トンネルダイオードの構造を示す縦断面図で
ある。
【0019】この第1の実施例のプレーナドープ構造型
トンネルダイオードは、平坦部1a,1b間に斜面部1
cが形成されるように段差を形成した半絶縁性GaAs
基板1上に、不純物濃度が1014cm-3未満である高純
度のGaAs層2を成長させ、そして当該成長を中断さ
せドーピングだけを施して厚さ100Å未満、好ましく
は50Å未満のプレーナドープ層3を形成した後、さら
に不純物濃度が1014cm-3未満である高純度のGaAs
層4a,4b,4cを形成し、最後にSiをドープした
GaAsコンタクト層5a,5b,5cを成長し、その
斜面部5c及び下部平坦部5bにわたりn型オーミック
電極7を形成し、その平坦部5aにはp型オーミック電
極6を形成することによって、当該段差における横方向
のp−n接合を形成しかつ当該p−n接合部においてト
ンネル効果を出現させることを特徴としている。
【0020】図1に示すように、半絶縁性のGaAs基
板1の上面である(111)A面に対して面方位(31
1)Aを有する斜面部1cが形成されるようにウエット
エッチング法によって段差加工を行い、これによって当
該斜面部1cの両側に面方位(111)Aを有する平坦
部1a,1bが形成される。両性不純物であるSiは、
結晶成長条件と基板面方位によりアクセプタにもドナー
にもなる。そこで、段差を有するGaAs基板1に分子
線エピタキシャル法により、Siドーパントが(11
1)A面の平坦部でアクセプタになりかつ、面方位(3
11)Aの斜面部でドナーとなる成長条件で、不純物濃
度が1014cm-3である高純度のGaAs層2を厚さ5
000Åだけ成長させ、そして当該成長を中断し、Si
のみをドープ量5×1012cm-2でドーピングを施して
厚さ100Å未満、好ましくは50Å未満のプレーナド
ープ層3を形成した後、さらに分子線エピタキシャル法
により不純物濃度が1014cm-3未満である高純度の厚
さ1000ÅのGaAs層4a,4b,4cを形成し、
最後に分子線エピタキシャル法によりSiをドープした
200ÅのGaAsコンタクト層5a,5b,5cを成
長させた。
【0021】最後に、フォトリソグラフィー法と真空蒸
着法を用いて、p型GaAsコンタクト層の平坦部5a
上に、Zu/Ni/Auにてなるp型オーミック電極6
を形成するとともに、n型GaAsコンタクト層の斜面
5c上から下部平坦面5bにかけてAuGe/Ni/A
uにてなるn型オーミック電極7を形成して電極の合金
化を行った。次いで、オーミック電極6,7間のコンタ
クトGaAs層5a,5bの一部をエッチングで除去
し、図1のダイオード素子のデバイスを得た。そして、
直流電源50を順方向でオーミック電極6,7間に接続
し、順方向に所定の電圧を印加することによって、図2
に示すような印加電圧対電流特性を得ることができる。
図2から明らかなように、トンネル電流を得ることがで
きるとともに、トンネルダイオード特有の負の微分抵抗
を有することがわかる。
【0022】両性不純物であるSiは、結晶成長条件と
基板面方位によりアクセプタにもドナーにもなる。これ
よりSiドーパントが面方位(111)Aの平坦部では
アクセプタになりかつ面方位(311)Aの斜面ではド
ナーとなるという成長条件で行うと、平坦部のプレーナ
ドープ層3の三角ポテンシャル井戸には正孔ガスが蓄積
し、斜面部のプレーナドープ層3の三角ポテンシャル井
戸には、電子ができる。よって、平坦部のプレーナドー
プ層3と斜面部のプレーナドープ層3との間で横方向p
−n接合が形成される。
【0023】本実施例のダイオードでは、Siのみをド
ープ量5×1012cm-2でドーピングだけを施して厚さ
100Å未満のプレーナドープ層3を形成したので、厚
さ100Å未満という極薄い領域にキャリアが閉じ込め
られているため、量子効果が生じ、キャリアの供給関
数、すなわち単位エネルギー当たりの電子の状態密度
は、従来例のバルク半導体の時よりも増加している。こ
のためトンネル確率がバルク半導体のときとたとえ同じ
でも、トンネル電流密度は増加する。従って、従来例に
比較して大電流で駆動可能な電流駆動特性及び高出力特
性を有するトンネルダイオードが得られる。
【0024】<第2の実施例>図3は、本発明による第
2の実施例である変調ドープ構造を有する横方向p−n
接合型トンネルトランジスタの構造を示す縦断面図であ
る。
【0025】この第2の実施例の変調ドープ構造型トン
ネルトランジスタは、平坦部10a,10b間に斜面部
10cが形成されるように段差を形成した半絶縁性Ga
As基板10上に、不純物濃度が1014cm-3未満の高
純度のGaAsにてなるキャリア蓄積層11a,11
b,11cを形成し、次いで、ドープされないAl0.3G
a0.7Asにてなるスペーサ層17a,17b,17cを
形成し、さらに、SiをドープしたAl0.3Ga0.7As
にてなるキャリア供給層12a,12b,12cを形成
した後、GaAsコンタクト層13a,13b,13c
を成長し、その斜面部13c及び下部平坦部13bにわ
たりn型オーミック電極16を形成し、その平坦部13
aにはp型オーミック電極15を形成し、そして、キャ
リア供給層12a,12c間に位置するp−n接合上面
にゲート電極14を形成することを特徴としている。こ
れによって、当該段差において横方向のp−n接合を形
成しかつ当該p−n接合においてトンネル効果を出現さ
せる。
【0026】図3に示すように、半絶縁性のGaAs基
板10の上面である(111)A面に対して面方位(3
11)Aを有する斜面10cが形成されるようにウェッ
トエッチング法によって段差加工を行い、これによって
当該斜面部10cの両側に面方位(111)Aを有する
平坦部10a,10bが形成される。次いで、段差を有
するGaAs基板10に、分子線エピタキシャル法によ
り不純物濃度が1014cm-3未満の高純度のGaAsに
てなるキャリア蓄積層11a,11b,11cを厚さ5
000Åだけ成長させ、次いで、分子線エピタキシャル
法によりドープされないAl0.3Ga0.7Asにてなるス
ペーサ層17a,17b,17cを厚さ60Åだけ成長
させ、そして分子線エピタキシャル法によりSiを3×
1018cm-3以上1×1019cm-3未満のドープ量でド
ープしたAl0.3Ga0.7Asを用いて厚さ1000Åの
キャリア供給層12a,12b,12cを形成し、最後
に分子線エピタキシャル法によりSiを5×1018cm
-3以上1×1019cm-3未満のドープ量でドープしたG
aAsを用いて厚さ200Åのコンタクト層13a,1
3b,13cを成長させた。以上のように形成されたキ
ャリア蓄積層11a,11b,11cと、スペーサ層1
7a,17b,17cと、キャリア供給層12a,12
b,12cとでいわゆる変調ドープ層を構成している。
【0027】最後に、フォトリソグラフィー法と真空蒸
着法を用いて、p型GaAsコンタクト層の平坦部13
a上に、Zu/Ni/Auにてなるp型オーミック電極
15を形成するとともに、n型GaAsコンタクト層の
斜面13c上から下部平坦面13bにかけてAuGe/
Ni/Auにてなるn型オーミック電極16を形成して
電極の合金化を行った。次いで、オーミック電極15,
16間のコンタクト層13a,13cの一部をウエット
エッチングで除去し、キャリア供給層12a,12c間
に位置するp−n接合上にAu/Tiからなるゲート電
極14をフォトリソグラフィーと真空蒸着法で形成し、
図3のトランジスタのデバイスを得た。そして、直流電
源52をオーミック電極15,16間に接続して順方向
電圧を印加するとともに、別の直流電源51をゲート電
極14とn型オーミック電極16との間に接続すること
によって、p型オーミック電極15に対して逆方向電圧
を印加しかつ、n型オーミック電極16に対して順方向
電圧を印加する。
【0028】以上のように構成されたトランジスタにお
いて、Siドーパントを面方位(111)Aの平坦部で
はアクセプタになりかつ、面方位(311)A斜面では
ドナーとなる成長条件で行うと、平坦部のスペーサ層1
7aとキャリア蓄積層11aとの界面には正孔ガスが蓄
積する一方、斜面部のスペーサ層17cとキャリア蓄積
層11cとの間の界面には、電子ガスが蓄積する。これ
によって、変調ドープ層内のスペーサ層の平坦部17a
と斜面部17cの間で横方向p−n接合が形成される。
【0029】当該トランジスタにおいては、キャリア供
給層12a乃至12cにおいてSiをドープ量3×10
18cm-3以上の極めて高いでドープ量でドープしかつ結
晶成長温度を低くすることでp−n接合界面のエネルギ
ーレベルを急峻に変化させることができ、これによっ
て、トンネル効果を得ることができる。
【0030】一般に、トンネル電流はトンネル確率関数
と、キャリアの供給関数すなわち単位エネルギー当たり
の電子の状態密度の積で表される。トンネル確率は、実
効的なバンドギャップや、電界、有効質量に依存し、電
子の状態密度関数は量子井戸構造により決められる。こ
のため、これらの物理量を変化させることでトンネル電
流を変化させることができる。本実施例のトランジスタ
においては、p−n接合上部に形成したゲート電極14
に印加する直流電圧を変化して電界を制御する電界制御
法を用いて、上記変調ドープ層内の量子構造を当該電界
により歪ませ、量子準位の位置を変化させる。それによ
って、キャリアの供給関数が変化し、トンネル電流が変
化する。すなわち、トンネル効果によってp−n接合を
流れるトンネル電流をゲート電極14に印加する電圧で
変調することができる。
【0031】本実施例のトンネルトランジスタは、第1
の実施例と同様に、大電流増幅を行うことができて大電
力が得られるとともに、従来例に比較して大きな負の微
分抵抗を得ることができるので、高速のスイッチング特
性を得ることができる。
【0032】<第3の実施例>図4は、本発明による第
3の実施例である本発明に係る第3の実施例である多重
量子井戸構造を有する横方向p−n接合型トンネルトラ
ンジスタの構造を示す縦断面図である。
【0033】この第3の実施例の多重量子井戸構造型ト
ンネルトランジスタは、平坦部20a,20b間に斜面
部20cが形成されるように段差を形成した半絶縁性G
aAs基板20上に、ドープしないGaAs層21を形
成し、Al0.4Ga0.6As層22を形成した後、1周期
の井戸層30がSiをドープしたGaAs層31とその
上に形成されるドープしないAl0.3Ga0.7As層32
とからなる15周期の多重量子井戸層23a,23b,
23cを形成し、さらに、SiをドープしないAl0.4
Ga0.6As障壁層24を形成した後、Siをドープし
たGaAsコンタクト層25a,25b,25cを成長
し、その斜面部25c及び下部平坦部25bにわたりp
型オーミック電極28を形成し、その平坦部25aには
n型オーミック電極27を形成し、そして、障壁層24
のp−n接合上面にゲート電極26を形成することを特
徴としている。これによって、当該段差において横方向
のp−n接合を形成しかつ当該p−n接合においてトン
ネル効果を出現させる。
【0034】図4に示すように、半絶縁性のGaAs基
板20の上面である(100)面に対して面方位(31
1)Aを有する斜面部20cが形成されるようにウェッ
トエッチング法によって段差加工を行い、これによって
当該斜面部20cの両側に面方位(100)を有する平
坦部20a,20bが形成される。次いで、段差を有す
るGaAs基板20に分子線エピタキシャル法により不
純物濃度が1014cm-3未満の高純度のGaAs層を厚
さ2000Åだけ成長させた後、ドープしないAl0.4
Ga0.6As層22を形成する。次いで、1周期の井戸
層30が、Siをドープ量5×1018cm-3以上1×1
19cm-3未満でドープした厚さ30ÅのGaAs層3
1と、その上に形成されるドープしない厚さ200Åの
Al0.3Ga0.7As層32とからなる15周期の多重量
子井戸層23a,23b,23cを形成する。次いで、
分子線エピタキシャル法によりドープしないAl0.4
0.6As障壁層24を厚さ1000Åだけ成長し、最
後に分子線エピタキシャル法でSiをドープしたGaA
sコンタクト層25a,25b,25cを厚さ200Å
だけ成長させた。
【0035】最後に、フォトリソグラフィー法と真空蒸
着法を用いて、p型GaAsコンタクト層25cの斜面
部から平坦部25bにわたりそれぞれ、Zu/Ni/A
uにてなるp型オーミック電極28を形成するととも
に、n型GaAsコンタクト層の上部平坦面25a上に
AuGe/Ni/Auにてなるn型オーミック電極27
を形成して電極の合金化を行った。次いで、オーミック
電極27,28間のGaAsコンタクト層25a,25
cの一部をエッチングで除去し、障壁層24上のp−n
接合上にAu/Tiからなるゲート電極26をフォトリ
ソグラフィー法と真空蒸着法で形成し、図4のトランジ
スタのデバイスを得た。そして、直流電源52をオーミ
ック電極27,28間に接続して順方向電圧を印加する
とともに、別の直流電源51をゲート電極26とp型オ
ーミック電極28との間に接続することによって、n型
オーミック電極27に対して逆方向電圧を印加しかつ、
n型オーミック電極28に対して順方向電圧を印加す
る。なお、これらの電圧印加方向はそれぞれ共に逆にし
てもよい。
【0036】以上のように構成された第3の実施例のト
ランジスタにおいては、AlGaAs障壁層24と、そ
の直下に位置するAlGaAs層32とGaAs層31
において、両性不純物であるSiは(100)の平坦部
ではドナーになり、(311)A斜面部ではアクセプタ
となるという結晶成長条件で行うことで、図5に示すよ
うに、多重量子井戸層の平坦部23bには電子60が蓄
積され、その斜面部23cには正孔70が蓄積する。こ
れによって、多重量子井戸層の平坦部23aと斜面部2
3cとによって平坦部23bと斜面部23cの間で横方
向p−n接合が形成される。
【0037】当該トランジスタにおいては、多重量子井
戸層23a乃至23cにおいてSiをドープ量5×10
18cm-3以上の極めて高いでドープ量でドープしかつ結
晶成長温度を低くすることでp−n接合界面のエネルギ
ーレベルを急峻に変化させることができ、これによっ
て、トンネル効果を得ることができる。
【0038】多重量子井戸層では公知の通り、サブバン
ドが形成されており、この伝導帯側のサブバンドと価電
子側のサブバンドでトンネル電流が流れる。当該多重量
子井戸層に所定の直流電圧が印加されると、井戸の形状
がゆがんで、サブバンドのエネルギー準位が変化し、実
効的なバンドギャップが減少する。トンネル確率は、実
効的なバンドギャップや、電界、有効質量に依存するた
め、サブバンドの変化により実効的なバンドギャップを
減少させることでトンネル確率を変化させることができ
る。本実施例のトランジスタにおいては、p−n接合上
部に形成したゲート電極26に印加する直流電圧を変化
して電界を制御する電界制御法を用いて、上記変調ドー
プ層内の量子構造を当該電界により歪ませ、量子準位の
位置を変化させる。それによって、キャリアの供給関数
が変化し、トンネル電流が変化する。すなわち、トンネ
ル効果によってp−n接合を流れるトンネル電流をゲー
ト電極26に印加する電圧で変調することができる。
【0039】本実施例のトンネルトランジスタは、第1
と第2の実施例と同様に、大電流増幅を行うことがで
き、大電力を得られるとともに、従来例に比較して大き
な負の微分抵抗を得ることができるので、高速のスイッ
チング特性を得ることができる。
【0040】以上の第3の実施例において、1周期の多
重量子井戸層30内の層32としてAl0.3Ga0.7As
を用いているが、本発明はこれに限らず、AlAsを用
いてもよい。
【0041】以上の第3の実施例において、多重量子井
戸層23a,23b,23cを形成しているが、本発明
はこれに限らず、これに代えて、以下のように、半導体
超格子型井戸層を形成してもよい。この場合においても
第3の実施例と同様の作用が得られる。すなわち、ドー
プされない厚さ6ÅのAlAs層を形成し、次いで、S
iをドープ量5×1018cm-3でドープしたGaAsを
用いて全体の厚さ30Åの200周期の半導体超格子型
井戸層を形成し、分子線エピタキシャル法でドーピング
しない厚さ1000ÅのAl0.5Ga0.5As層を成長さ
せる。当該GaAs/AlAs半導体超格子構造の場
合、量子効果により、ミニバンドが形成される。両性不
純物であるSiは面方位(100)の平坦部ではドナー
になりやすく、平坦部のGaAs井戸層には電子が蓄積
する一方、斜面部ではSiはアクセプタになりやすいた
め、GaAs井戸層には正孔が蓄積する。ちょうど平坦
部と斜面部の横方向でp型とn型のミニバンドでの接合
が形成される。
【0042】以上の実施例において、GaAs層及びA
lGaAs層を分子線エピタキシャル法で成長させてい
るが、本発明はこれに限らず、有機金属化学的気相成長
法又は液相成長法などのその他の結晶成長法で形成して
もよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るトンネ
ル効果型半導体装置によれば、平坦部間に斜面部が形成
されるように段差を形成した半絶縁性化合物半導体基板
上に、結晶成長法によって電子の状態密度が増大するよ
うに、活性層となるプレーナドープ層、変調ドーピング
層、多重量子井戸層、又は半導体超格子型井戸層として
両性不純物をドープした化合物半導体層を形成し、その
上に化合物半導体にてなるコンタクト層と電極とを形成
することによって、上記段差によって形成される上記活
性層の平坦部と斜面部との間に於いて伝導型の違いで横
方向p−n接合を形成しかつ上記横方向のp−n接合に
おいてトンネル効果を出現させている。従って、以下の
ような特有の利点を有する。
【0044】(a)電子の状態密度が増大するように活
性層が形成されるているので、従来例に比較して電子の
数を増大させ、トンネル電流密度を増大させることがで
きるので、大電流増幅を行うことができる。 (b)また、電子の状態密度が増大するように活性層が
形成されているので、エネルギーに対する電子及び正孔
の状態数の分布が狭くなり、順方向の印加電圧のわずか
な変化でトンネル電流が大きく変化するので、従来例に
比較して大きな負の微分抵抗を得ることができる。従っ
て、従来に比較して高速のスイッチング特性を得ること
ができる。 (c)本発明に係る半導体装置を半絶縁性半導体基板上
で形成することができるので、MOS、HESFET、
又はHEMTなどと同時に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例であるプレーナド
ープ構造を有する横方向p−n接合型トンネルダイオー
ドの構造を示す縦断面図である。
【図2】 図1のトンネルダイオードの印加電圧に対す
る電流特性を示すグラフである。
【図3】 本発明に係る第2の実施例である変調ドープ
構造を有する横方向p−n接合型トンネルトランジスタ
の構造を示す縦断面図である。
【図4】 本発明に係る第3の実施例である多重量子井
戸構造を有する横方向p−n接合型トンネルトランジス
タの構造を示す縦断面図である。
【図5】 図4のトンネルトランジスタの動作を説明す
るための各層のエネルギー準位図である。
【符号の説明】
1…半絶縁性GaAs基板、 1a,1b…GaAs基板の平坦部、 1c…GaAs基板の斜面部、 2…GaAs層、 3…プレーナドープ層、 4a,4b,4c…GaAs層、 5a,5b,5c…GaAsコンタクト層、 6…p型オーミック電極、 7…n型オーミック電極、 10…半絶縁性GaAs基板、 10a,10b…GaAs基板の平坦部、 10c…GaAs基板の斜面部、 11a,11b,11c…キャリア蓄積層、 17a,17b,17c…スペーサ層、 13a,13b,13c…コンタクト層 14…ゲート電極、 15…p型オーミック電極、 16…n型オーミック電極、 20…半絶縁性GaAs基板、 20a,20b…GaAs基板の平坦部、 20c…GaAs基板の斜面部、 21…GaAs層、 22…Al0.4Ga0.6As層、 23a,23b,23c…多重量子井戸層、 24…Al0.4Ga0.6As障壁層、 25a,25b,25c…GaAsコンタクト層、 26…ゲート電極、 27…p型オーミック電極、 28…n型オーミック電極、 50,51,52…直流電源。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平坦部間に斜面部が形成されるように段
    差を形成した半絶縁性化合物半導体基板上に、結晶成長
    法によって電子の状態密度が増大するように、活性層と
    なるプレーナドープ層、変調ドーピング層、多重量子井
    戸層、又は半導体超格子型井戸層として両性不純物をド
    ープした化合物半導体層を形成し、その上に化合物半導
    体にてなるコンタクト層と電極とを形成することによっ
    て、上記段差によって形成される上記活性層の平坦部と
    斜面部との間に於いて伝導型の違いで横方向p−n接合
    を形成しかつ上記横方向のp−n接合においてトンネル
    効果を出現させることを特徴とするトンネル効果型半導
    体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7521721B2 (en) 2005-03-18 2009-04-21 Seiko Epson Corporation Surface-emitting type device and its manufacturing method

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