JPH0669400U - 特殊液体用のポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品コストを低廉化し、又異種類の液体を並
列的に汲み出す作業を一台で可能にし、保管スペースの
節減化や低コスト化を図れるようにする。 【構成】 容器１内の液体を加圧する気体媒体の発生源
２と、この発生源２に接続する少なくとも一つの補助器
具３とで形成する。そしてこの補助器具３を、容器１の
開口部１ａに取り付けられ容器１を密閉する着脱自在の
蓋状部４と、この蓋状部４に設けられ上記発生源２が供
給する気体媒体を容器１内に導く通気管５と、又上記の
蓋状部４に設けられ上記通気管５を介して容器１内に流
入する気体媒体の圧力で押し上げられる液体を外部に導
く吐出管６とで形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、ポンプに関し、更に詳しくは例えば塩酸や硫酸、或はフッ化水素酸等 の反応性の強い液体の汲み出しに特に適した特殊液体用のポンプに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種液体用のポンプでは、通常、液体に晒される例えば羽根車やケーシ ング、吸込管、吐出管等の全ての箇所が、耐食性、耐薬品性の高い金属で形成さ れたり、或は耐食加工等の表面処理が施されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従ってこの種従来品の場合は、一般的に製造コストが高く付くのを避けられず 、その分、高価に付くという不利益があった。

【０００４】 又従来品の場合は、例えば異なる種類のこの種液体を、一台で並列的同時的に 汲み出すと、種類の異なる液体同士が混入し合うことになる。 そこで従来品を使用して、異種類の液体の汲み出し作業を並列処理する場合は 、汲み出す液体の種類毎に、専用のポンプを揃える必要があった。従って従来品 では、この種の作業に際し、保管スペースの増加、経費の増加を避けられないと いう問題点があった。

【０００５】 本案は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。 従って本案の技術的課題は、製品コストを低廉化でき、又異種類の液体を並列 的に汲み出す作業を一台で可能にし、保管スペースの節減化や低コスト化を図れ るよう形成した特殊液体用のポンプを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本案は、上記の課題を解決するために次のような技術的手段を採る。 即ち本案は、容器１内の液体を加圧する気体媒体の発生源２と、この発生源２ に接続される少なくとも一つの補助器具３とで形成され、この補助器具３が、上 記容器１の開口部１ａに取り付けられ容器１を密閉する着脱自在の蓋状部４と、 この蓋状部４に設けられ上記発生源２が供給する気体媒体を容器１内に導く通気 管５と、又上記の蓋状部４に設けられ上記通気管５を介して容器１内に流入する 気体媒体の圧力で押し上げられる液体を外部に導く吐出管６とで形成されたもの である。

【０００７】 この場合本案では、上記の吐出管６が蓋状部４から取り外し自在に形成される と良い。この場合は、上記の吐出管６だけを交換することにより、例えば異種類 の液体を、吐出管６の洗浄等を行なうことなく汲み出すことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本案の好適な一実施例を添付図面に従って説明する。 １は、例えば塩酸やフッ化水素酸等の反応性の強い化学薬品を収納した容器で ある。２は、この容器１内の、この種の特殊液体を加圧する気体媒体の発生源で ある。この発生源２は、この実施例では気体媒体としてのエアーを送気するエア ーポンプで形成されている。

【０００９】 又３は、上記の発生源２に接続される少なくとも一つの補助器具である。この 補助器具３は、上記の容器１の開口部１ａに取り付けられ容器１を密閉する着脱 自在の蓋状部４と、この蓋状部４に設けられ上記発生源２が供給する気体媒体を 容器１内に導く通気管５と、又上記蓋状部４に設けられ上記の通気管５を介して 容器１内に流入する気体媒体の圧力で押し上げられる液体を外部に導く吐出管６ とで形成されている。

【００１０】 上記の蓋状部４は、例えばポリエチレンで形成され、この蓋状部４の内周面４ ａは容器１の開口部１ａの雄螺子に螺合するよう雌螺子に形成されている。

【００１１】 又上記の通気管５は、図２に示される如く、この実施例ではその一端５ａが蓋 状部４の上面に形成された接続用の口部４ｂに嵌着され、これにより蓋状部４に 対して接続自在に形成されている。

【００１２】 又６ａは、吐出管６の所定位置に、この吐出管６と一体状に形成されたナット 部である。このナット部６ａは、蓋状部４の上面に突出状に形成された接続口４ ｃの雄螺子に螺合するよう形成されている。従って吐出管６は、この実施例では その一端部６ｂが上記の接続口４ｃを介して容器１内に挿し込まれ、ナット部６ ａの螺合操作で蓋状部４に着脱自在に取り付けられている。

【００１３】 次にこの実施例の作用を説明する。 先ず上記の発生源２から気体媒体としての空気が、通気管５を介して容器１内 に送られる。するとこの空気は、容器１内の液体を加圧し、液体の水面を押し下 げる。その結果液体が、吐出管６の下端６ｃから一端部６ｂ内に流入し、上昇す る。そしてこの液体は、吐出管６に導かれ、その外部開放端６ｄからタンク７内 に汲み出される。

【００１４】 以上の処において、本案の場合上記の発生源２は、コンプレッサーでも良い。 又この発生源２は、空気の発生箇所には限られず、例えば汲み出す液体に不溶解 な且つ無害のガスを供給するボンベ等で形成されるのでも良い。

【００１５】 又本案では、上記の補助器具３は少なくとも一つ備えるので良い。即ち本案で は、図３に示される如く、上記の補助器具３を発生源２に並列状に接続し、補助 器具３を複数備えて形成するのでも良い。この場合は、容器１の個数が増加して も、補助器具３だけを増加することで済むという利点がある。

【００１６】 又本案では、上記の通気管５及び吐出管６が蓋状部４に固定されるのでも良く 、その他例えば通気管５の所望の位置に気体媒体の供給を制御する手元スイッチ が設けられるのでも良い。

【００１７】 更に本案では、上記の蓋状部４が容器１の開口部１ａに螺合される場合には限 られず、その他例えばパッキンを介して嵌着させることで密閉状に取り付けられ るのでも良い。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本案は、気体媒体の発生源から供給する気体で容器内の液 体を加圧し、吐出管を介して液体を汲み上げるものである。 従って本案の場合は、液体に直接晒される部分は吐出管に限定されるから、液 体が反応性の強い特殊な場合でも、少なくとも吐出管を耐食性、耐薬品性を有す る合成樹脂材等で形成すれば足りる。その結果本案によれば、その分、従来品に 比べ製品コストを低廉化でき、製品を安価に提供できるという実用上優れた効果 を奏する。 又本案は、上記の如く少なくとも一つの補助器具を備えて形成されるものであ る。従って本案では、一つの発生源に、複数の補助器具を並列接続して使用でき るから、例えば異種類の液体を並列的に汲み出す作業を行なう場合でも、発生源 は一台で済む。その結果本案を使用すれば、その分、保管スペースの節減化、低 コスト化を図れるという利点がある。

【００１９】 又請求項２記載の如く、吐出管が蓋状部から取り外し自在に形成される場合は 、通気管や蓋状部を共用し、吐出管だけを例えば液体の性質に応じて選定使用で きる。 従ってこれによれば、例えば異種類の液体の汲み出し作業の際、吐出管だけを 交換すれば良い分、経費の節減化を図れるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案ポンプの好適な一例を示す一部を切欠した
構成図である。

【図２】本案ポンプの一部を切欠した要部拡大断面図で
ある。

【図３】本案ポンプの使用状態の一例を示す構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 容器 １ａ 開口部 ２ 気体媒体の発生源 ３ 補助器具 ４ 蓋状部 ５ 通気管 ６ 吐出管

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器内の液体を加圧する気体媒体の発生
   源と、この発生源に接続される少なくとも一つの補助器
   具とで形成され、この補助器具が、上記容器の開口部に
   取り付けられ容器を密閉する着脱自在の蓋状部と、この
   蓋状部に設けられ上記発生源が供給する気体媒体を容器
   内に導く通気管と、又上記の蓋状部に設けられ上記通気
   管を介して容器内に流入する気体媒体の圧力で押し上げ
   られる液体を外部に導く吐出管とで形成された特殊液体
   用のポンプ。
2. 【請求項２】 吐出管が、蓋状部から取り外し自在に形
   成された請求項１記載の特殊液体用のポンプ。