JPH0669069A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents
金属化フィルムコンデンサInfo
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- JPH0669069A JPH0669069A JP24416092A JP24416092A JPH0669069A JP H0669069 A JPH0669069 A JP H0669069A JP 24416092 A JP24416092 A JP 24416092A JP 24416092 A JP24416092 A JP 24416092A JP H0669069 A JPH0669069 A JP H0669069A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 蒸着膜電極を複数個に区分して保安機能を付
加した金属化フイルムコンデンサの、保安機能と容量減
少の両特性を満足させる。 【構成】 幅方向の端部に絶縁マ−ジンを設けた一対の
金属化フイルムのうち、何れか一方の金属化フイルムの
蒸着膜電極を、フイルムの幅方向に絶縁溝で複数個区分
し、あるいは該絶縁溝を延長して蒸着電極を牛首状に狭
さくしてヒュ−ズ機能をもたせた金属化フイルムを、対
向して巻回してコンデンサ素子を構成し、引出端子を設
けて外装した金属化フイルムコンデンサにおける、複数
個区分の絶縁溝の間隔寸法が、保安性と容量特性との関
係が相反する性質を利用して、前記絶縁溝の間隔を、保
安性と容量の両特性が満足できる、絶縁溝の最適寸法幅
を設定することによって該コンデンサの保安性、並に容
量特性を安定化させることができる。
加した金属化フイルムコンデンサの、保安機能と容量減
少の両特性を満足させる。 【構成】 幅方向の端部に絶縁マ−ジンを設けた一対の
金属化フイルムのうち、何れか一方の金属化フイルムの
蒸着膜電極を、フイルムの幅方向に絶縁溝で複数個区分
し、あるいは該絶縁溝を延長して蒸着電極を牛首状に狭
さくしてヒュ−ズ機能をもたせた金属化フイルムを、対
向して巻回してコンデンサ素子を構成し、引出端子を設
けて外装した金属化フイルムコンデンサにおける、複数
個区分の絶縁溝の間隔寸法が、保安性と容量特性との関
係が相反する性質を利用して、前記絶縁溝の間隔を、保
安性と容量の両特性が満足できる、絶縁溝の最適寸法幅
を設定することによって該コンデンサの保安性、並に容
量特性を安定化させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体に保安機能を備
えた金属化フイルムコンデンサの電気特性の改良に関す
るものである。
えた金属化フイルムコンデンサの電気特性の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】コンデンサを構成する一対の金属化フイ
ルムのうち、何れか一方の金属化フイルムの蒸着膜電極
が長さ方向に対して幅方向に複数個の絶縁溝で小区分さ
れた、いわゆる小区分小容量の集合体金属化フイルムコ
ンデンサは保安機能付加形コンデンサとしてすでに公知
のことである。
ルムのうち、何れか一方の金属化フイルムの蒸着膜電極
が長さ方向に対して幅方向に複数個の絶縁溝で小区分さ
れた、いわゆる小区分小容量の集合体金属化フイルムコ
ンデンサは保安機能付加形コンデンサとしてすでに公知
のことである。
【0003】このようなコンデンサは、誘電体を介した
有効電極面積内の1個所で絶縁破壊が生じても、瞬時的
に過電流が流れて絶縁破壊した1個所が電気回路から除
外され、他の正常な区分集合体には影響することなくコ
ンデンサ機能は引続き安全に保たれる。このようなコン
デンサを保安機構付コンデンサと呼んでいる。
有効電極面積内の1個所で絶縁破壊が生じても、瞬時的
に過電流が流れて絶縁破壊した1個所が電気回路から除
外され、他の正常な区分集合体には影響することなくコ
ンデンサ機能は引続き安全に保たれる。このようなコン
デンサを保安機構付コンデンサと呼んでいる。
【0004】そしてこの種のコンデンサの蒸着膜電極
は、その厚さが通常500オングストロ−ム以下と非常
に薄く、高電位傾度設計された交流回路用コンデンサで
は課電中の電界下でコロナ放電が発生し、コロ−ジョン
と称する金属膜の酸化劣化現象が進行する。この電極劣
化は電位傾度が高い程、また蒸着膜電極厚が薄い程、小
区分化された蒸着膜電極の面積または小区分化のために
長さ方向に区分した絶縁溝の間隔が狭い程その進行が顕
著である。
は、その厚さが通常500オングストロ−ム以下と非常
に薄く、高電位傾度設計された交流回路用コンデンサで
は課電中の電界下でコロナ放電が発生し、コロ−ジョン
と称する金属膜の酸化劣化現象が進行する。この電極劣
化は電位傾度が高い程、また蒸着膜電極厚が薄い程、小
区分化された蒸着膜電極の面積または小区分化のために
長さ方向に区分した絶縁溝の間隔が狭い程その進行が顕
著である。
【0005】また、蒸着膜電極の金属の種類によっても
電極の劣化進行が異る。例えば亜鉛の場合とアルミニウ
ムの場合などである。このようにして長時間課電された
強電界下において蒸着膜電極が劣化するので、コンデン
サは徐々に容量減少する。このような現象は金属化フイ
ルムコンデンサの最大の欠点でもある。
電極の劣化進行が異る。例えば亜鉛の場合とアルミニウ
ムの場合などである。このようにして長時間課電された
強電界下において蒸着膜電極が劣化するので、コンデン
サは徐々に容量減少する。このような現象は金属化フイ
ルムコンデンサの最大の欠点でもある。
【0006】しかしながら、一対の金属化フイルムのう
ち、何れか一方の金属化フイルムの蒸着膜電極をフイル
ムの長さ方向に小区分することの本来の目的は、前記し
たように保安機能の付加にある。そして、この保安機能
の信頼性は、小区分電極の絶縁溝の間隔が狭ければ狭い
程良好で、余り間隔が広すぎると良好でないことが知ら
れている。
ち、何れか一方の金属化フイルムの蒸着膜電極をフイル
ムの長さ方向に小区分することの本来の目的は、前記し
たように保安機能の付加にある。そして、この保安機能
の信頼性は、小区分電極の絶縁溝の間隔が狭ければ狭い
程良好で、余り間隔が広すぎると良好でないことが知ら
れている。
【0007】保安機能の信頼性と前記絶縁溝の間隔に関
する従来例は特開昭56−101732号公報、特開昭
57−114219号公報、特開昭57−133616
号公報、特開昭58−222517号公報に示されてい
るが、何れの例でもその寸法については保安性だけを記
載しており、前記の金属化フイルムコンデンサ特有の欠
点である容量減少との関係にまで言及していない。
する従来例は特開昭56−101732号公報、特開昭
57−114219号公報、特開昭57−133616
号公報、特開昭58−222517号公報に示されてい
るが、何れの例でもその寸法については保安性だけを記
載しており、前記の金属化フイルムコンデンサ特有の欠
点である容量減少との関係にまで言及していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、蒸着膜電極の小区分化によって得られる保安
機能効果を最大限に保持するとともに、金属化フイルム
コンデンサの持つ最大の欠点である蒸着膜電極の過電劣
化による容量減少を最小限に抑制する点にある。
る課題は、蒸着膜電極の小区分化によって得られる保安
機能効果を最大限に保持するとともに、金属化フイルム
コンデンサの持つ最大の欠点である蒸着膜電極の過電劣
化による容量減少を最小限に抑制する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンデンサの
保安機能を目的とした蒸着膜電極の小区分化が、逆に課
電中の蒸着膜劣化を促進させて容量減少によるコンデン
サの機能低下を招くのである。小区分化する絶縁溝の間
隔を特定の寸法に固定化することなく、保安性と容量減
少の相方の安全限界を求めた妥協範囲の寸法を自由選択
することによって、前記課題の解決を図ることができ
た。すなわち、フイルムの幅方向の端部に絶縁マ−ジン
を設けて蒸着膜電極を形成し、かつフイルムの幅方向に
蒸着膜電極の少なくとも一部に絶縁溝を設けて長さ方向
に複数個に区分した第1の金属化電極と、前記絶縁溝を
有しない幅方向の端部にのみ絶縁マ−ジンを設けた第2
の金属化電極を、前記絶縁マ−ジンが対向するように重
ね合せて巻回し、その両端部に溶射金属で引出電極を形
成して構成したコンデンサ素子を外装してなる金属化フ
イルムコンデンサにおいて、前記第1の金属化電極の長
さ方向に設けた複数個に区分した絶縁溝の間隔が12〜
24mmの長さであることを特徴とする金属化フイルム
コンデンサである。また上記金属化フイルムコンデンサ
であって、第1の金属化電極の一部に設けた絶縁溝は、
フイルムの幅方向の端部に設けた絶縁マ−ジンと反対側
端に沿って牛首状に狭さくした形状であって、かつ長さ
方向に複数個に区分した絶縁溝の間隔が12〜24mm
の長さであることを特徴とする金属化フイルムコンデン
サである。
保安機能を目的とした蒸着膜電極の小区分化が、逆に課
電中の蒸着膜劣化を促進させて容量減少によるコンデン
サの機能低下を招くのである。小区分化する絶縁溝の間
隔を特定の寸法に固定化することなく、保安性と容量減
少の相方の安全限界を求めた妥協範囲の寸法を自由選択
することによって、前記課題の解決を図ることができ
た。すなわち、フイルムの幅方向の端部に絶縁マ−ジン
を設けて蒸着膜電極を形成し、かつフイルムの幅方向に
蒸着膜電極の少なくとも一部に絶縁溝を設けて長さ方向
に複数個に区分した第1の金属化電極と、前記絶縁溝を
有しない幅方向の端部にのみ絶縁マ−ジンを設けた第2
の金属化電極を、前記絶縁マ−ジンが対向するように重
ね合せて巻回し、その両端部に溶射金属で引出電極を形
成して構成したコンデンサ素子を外装してなる金属化フ
イルムコンデンサにおいて、前記第1の金属化電極の長
さ方向に設けた複数個に区分した絶縁溝の間隔が12〜
24mmの長さであることを特徴とする金属化フイルム
コンデンサである。また上記金属化フイルムコンデンサ
であって、第1の金属化電極の一部に設けた絶縁溝は、
フイルムの幅方向の端部に設けた絶縁マ−ジンと反対側
端に沿って牛首状に狭さくした形状であって、かつ長さ
方向に複数個に区分した絶縁溝の間隔が12〜24mm
の長さであることを特徴とする金属化フイルムコンデン
サである。
【0010】
【作用】一対の金属化フイルムのうち、何れか一方の金
属化フイルムの蒸着膜電極をフイルム幅方向に複数個の
絶縁溝による小区分蒸着膜電極とした集合体コンデンサ
は、課電中に不慮の絶縁欠陥が起因する誘電体の絶縁破
壊が生じても、小区分された個々の蒸着膜電極に課した
ヒュ−ズ作用によって故障電極のみが排除され、他の蒸
着膜電極に故障が波及しない。即ち、コンデンサの保安
機能効果が得られる。
属化フイルムの蒸着膜電極をフイルム幅方向に複数個の
絶縁溝による小区分蒸着膜電極とした集合体コンデンサ
は、課電中に不慮の絶縁欠陥が起因する誘電体の絶縁破
壊が生じても、小区分された個々の蒸着膜電極に課した
ヒュ−ズ作用によって故障電極のみが排除され、他の蒸
着膜電極に故障が波及しない。即ち、コンデンサの保安
機能効果が得られる。
【0011】反面、前記蒸着膜電極の小区分化が過剰す
ぎると保安機能効果が良好になるかわりに、小区分電極
の周囲から浸触される課電中の電極劣化が加速し、コン
デンサの異常容量減少を引起こしてコンデンサに必要な
機能を低下させてしまう。
ぎると保安機能効果が良好になるかわりに、小区分電極
の周囲から浸触される課電中の電極劣化が加速し、コン
デンサの異常容量減少を引起こしてコンデンサに必要な
機能を低下させてしまう。
【0012】このような2つの相反する作用を十分把握
すれば保安性にも支障なく、蒸着膜電極の小区分化によ
る容量減少も実用的に支障のない、前記幅方向に設けた
複数個の絶縁溝の間隔をその妥協し得る安全帯域に設定
することが可能である。
すれば保安性にも支障なく、蒸着膜電極の小区分化によ
る容量減少も実用的に支障のない、前記幅方向に設けた
複数個の絶縁溝の間隔をその妥協し得る安全帯域に設定
することが可能である。
【0013】
【実施例1】図1は本発明の金属化フイルムコンデンサ
の一実施例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視図
である。各誘電体はポリプロピレン(PP)フイルム
で、厚さはそれぞれ5μm、各蒸着膜電極はアルミニウ
ム(Al)で、それぞれ蒸着膜抵抗は2,3,5,6Ω
/□の4種類、また小区分蒸着膜電極の絶縁溝の間隔8
は6,12,18,24,30,40mmの6種類とし
た。
の一実施例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視図
である。各誘電体はポリプロピレン(PP)フイルム
で、厚さはそれぞれ5μm、各蒸着膜電極はアルミニウ
ム(Al)で、それぞれ蒸着膜抵抗は2,3,5,6Ω
/□の4種類、また小区分蒸着膜電極の絶縁溝の間隔8
は6,12,18,24,30,40mmの6種類とし
た。
【0014】試料コンデンサの定格は200V−50μ
Fで、巻回したコンデンサ素子を樹脂ケ−スに収容し、
十分乾燥したあと熱硬化性樹脂を充填封止して図3に示
す試料コンデンサを製作した。試料コンデンサの数は蒸
着膜抵抗別に4種類、小区分蒸着膜電極の絶縁溝の間隔
別に6種類で、各水準10台ずつ、合計240台を製作
した。
Fで、巻回したコンデンサ素子を樹脂ケ−スに収容し、
十分乾燥したあと熱硬化性樹脂を充填封止して図3に示
す試料コンデンサを製作した。試料コンデンサの数は蒸
着膜抵抗別に4種類、小区分蒸着膜電極の絶縁溝の間隔
別に6種類で、各水準10台ずつ、合計240台を製作
した。
【0015】前記試料コンデンサについて、次の2通り
の試験を行い評価した。
の試験を行い評価した。
【0016】保安性試験による保安機能の評価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計120台を、45℃
にセットした恒温槽に収容し、それぞれ1試料毎につい
て、試験電圧AC,60Hz,260Vを連続課電し、
これに図4の回路条件で、充電用コンデンサCoの放電
パルス電圧を15秒サイクルで間欠的に試料コンデンサ
Cxに充電して、試料コンデンサCxの試験電流がゼロ
になるまでこれを続けた。なお、Coは充電用コンデン
サで、充電電圧は試料コンデンサCxの定格電圧の7倍
以下の直流電圧、また充電用コンデンサCoの容量は8
5μFとした。
にセットした恒温槽に収容し、それぞれ1試料毎につい
て、試験電圧AC,60Hz,260Vを連続課電し、
これに図4の回路条件で、充電用コンデンサCoの放電
パルス電圧を15秒サイクルで間欠的に試料コンデンサ
Cxに充電して、試料コンデンサCxの試験電流がゼロ
になるまでこれを続けた。なお、Coは充電用コンデン
サで、充電電圧は試料コンデンサCxの定格電圧の7倍
以下の直流電圧、また充電用コンデンサCoの容量は8
5μFとした。
【0017】この試験の結果は、試験中および試験終了
後において発煙、発火、クラツク、著しい外観の損傷が
生じなかったものを保安性合格と評価した。
後において発煙、発火、クラツク、著しい外観の損傷が
生じなかったものを保安性合格と評価した。
【0018】連続耐用試験による静電容量の変化の評価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計120台を、45℃
にセットした恒温槽に収容し、試験電圧AC,60H
z,250Vを連続課電し、その初期値を0として50
0,1250,2500時間後の容量値を測定した。そ
の結果、2500時間後における初期値に対する容量変
化率(△C/C)が4%以下であったものを合格と評価
した。
にセットした恒温槽に収容し、試験電圧AC,60H
z,250Vを連続課電し、その初期値を0として50
0,1250,2500時間後の容量値を測定した。そ
の結果、2500時間後における初期値に対する容量変
化率(△C/C)が4%以下であったものを合格と評価
した。
【0019】上記の2試験の結果は表1に示す通りであ
り、表の太線枠内が保安性と容量変化率で評価したコン
デンサの耐用性を満足する範囲であった。
り、表の太線枠内が保安性と容量変化率で評価したコン
デンサの耐用性を満足する範囲であった。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例2】図2は本発明の金属化フイルムコンデンサ
の他の実施例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視
図である。各誘電体はポリプロピレン(PP)フイルム
で、厚さはそれぞれ4.5μm、各蒸着膜電極は亜鉛
(Zn)で、それぞれ蒸着膜抵抗は対向電極部が8±2
Ω/□、端子引出のための溶射金属に接する電極端部が
4±1Ω/□の変則蒸着膜抵抗のものとし、牛首状に絞
られた蒸着膜電極に設けたヒュ−ズ部9の寸法は0.5
±0.2mmとし、さらに小区分蒸着膜電極を構成する
絶縁溝の間隔8は6,12,18,24,30,40m
mの各6種類とし、加えて図2に示す蒸着膜電極の幅1
0の寸法をそれぞれ30,60,100mmの3種類と
した。
の他の実施例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視
図である。各誘電体はポリプロピレン(PP)フイルム
で、厚さはそれぞれ4.5μm、各蒸着膜電極は亜鉛
(Zn)で、それぞれ蒸着膜抵抗は対向電極部が8±2
Ω/□、端子引出のための溶射金属に接する電極端部が
4±1Ω/□の変則蒸着膜抵抗のものとし、牛首状に絞
られた蒸着膜電極に設けたヒュ−ズ部9の寸法は0.5
±0.2mmとし、さらに小区分蒸着膜電極を構成する
絶縁溝の間隔8は6,12,18,24,30,40m
mの各6種類とし、加えて図2に示す蒸着膜電極の幅1
0の寸法をそれぞれ30,60,100mmの3種類と
した。
【0022】試料コンデンサの定格は200V−17μ
F,33μF,66μFの3種類で、巻回したコンデン
サ素子を樹脂ケ−スに収容し、十分乾燥したあと熱硬化
性樹脂を充填封止して図3に示す試料コンデンサを製作
した。試料コンデンサの数は小区分蒸着膜電極の絶縁溝
の間隔別に6種類、蒸着膜電極の幅別に3種類で、各水
準10台ずつ、合計180台を製作した。
F,33μF,66μFの3種類で、巻回したコンデン
サ素子を樹脂ケ−スに収容し、十分乾燥したあと熱硬化
性樹脂を充填封止して図3に示す試料コンデンサを製作
した。試料コンデンサの数は小区分蒸着膜電極の絶縁溝
の間隔別に6種類、蒸着膜電極の幅別に3種類で、各水
準10台ずつ、合計180台を製作した。
【0023】前記試料について次の2通りの試験を行い
評価した。
評価した。
【0024】保安性試験による保安機能の評価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計90台を、45℃に
セットした恒温槽に収容し、それぞれ1試料毎について
試験電圧AC,60Hz,260Vを連続課電し、これ
に図4の回路条件で、充電用コンデンサCoの放電パル
ス電圧を15秒サイクルで間欠的に試料コンデンサCx
に充電して、試料コンデンサCxの試験電流がゼロにな
るまでこれを続けた。なお、Coは充電用コンデンサ
で、充電電圧は試料コンデンサCxの定格電圧の7倍以
下の直流電圧、また充電用コンデンサCoの容量は試料
コンデンサCxの容量が17μFのものに対して29μ
F、33μFに対して56μF、66μFに対して11
2μFとした。
セットした恒温槽に収容し、それぞれ1試料毎について
試験電圧AC,60Hz,260Vを連続課電し、これ
に図4の回路条件で、充電用コンデンサCoの放電パル
ス電圧を15秒サイクルで間欠的に試料コンデンサCx
に充電して、試料コンデンサCxの試験電流がゼロにな
るまでこれを続けた。なお、Coは充電用コンデンサ
で、充電電圧は試料コンデンサCxの定格電圧の7倍以
下の直流電圧、また充電用コンデンサCoの容量は試料
コンデンサCxの容量が17μFのものに対して29μ
F、33μFに対して56μF、66μFに対して11
2μFとした。
【0025】この試験結果は、試験中および試験終了後
において発煙、発火、クラツク、著しい外観の損傷が生
じなかったものを保安性合格と評価した。
において発煙、発火、クラツク、著しい外観の損傷が生
じなかったものを保安性合格と評価した。
【0026】連続耐用性試験による静電容量の変化の評
価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計90台を、45℃に
セットした恒温槽に収容し、試験電圧AC,60Hz,
250Vを連続課電し、その初期値を0として500,
1250,2500時間後の容量値を測定した。その結
果、2500時間後における初期値に対する容量変化率
(△C/C)が4%以下であったものを合格と評価し
た。
価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計90台を、45℃に
セットした恒温槽に収容し、試験電圧AC,60Hz,
250Vを連続課電し、その初期値を0として500,
1250,2500時間後の容量値を測定した。その結
果、2500時間後における初期値に対する容量変化率
(△C/C)が4%以下であったものを合格と評価し
た。
【0027】上記の2試験の結果は表2に示す通りであ
り、表の太線枠内が保安性と容量変化率で評価したコン
デンサの耐用性を満足する範囲であった。
り、表の太線枠内が保安性と容量変化率で評価したコン
デンサの耐用性を満足する範囲であった。
【0028】
【表2】
【0029】
【実施例3】図2は本発明の金属化フイルムコンデンサ
の他の実施例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視
図である。各誘電体はポリプロピレン(PP)フイルム
で、厚さはそれぞれ4.5μm、蒸着膜電極はアルミニ
ウム(Al)で、それぞれ蒸着膜抵抗は4.0±1Ω/
□とし、牛首状に絞られた蒸着膜電極に設けられたヒュ
−ズ部9の寸法は0.8±0.2mmとし、さらに小区
分蒸着膜電極を構成する絶縁溝の間隔8は6,12,1
8,24,30,40mmの各6種類とした誘電体材料
を用意した。
の他の実施例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視
図である。各誘電体はポリプロピレン(PP)フイルム
で、厚さはそれぞれ4.5μm、蒸着膜電極はアルミニ
ウム(Al)で、それぞれ蒸着膜抵抗は4.0±1Ω/
□とし、牛首状に絞られた蒸着膜電極に設けられたヒュ
−ズ部9の寸法は0.8±0.2mmとし、さらに小区
分蒸着膜電極を構成する絶縁溝の間隔8は6,12,1
8,24,30,40mmの各6種類とした誘電体材料
を用意した。
【0030】試料コンデンサの定格は250V−20μ
Fで、巻回したコンデンサ素子を樹脂ケ−スに収容し、
十分乾燥したあと熱硬化性樹脂を充填封止して図3に示
す試料コンデンサを製作した。試料コンデンサの数は6
種類、各10台ずつで、合計60台を製作した。
Fで、巻回したコンデンサ素子を樹脂ケ−スに収容し、
十分乾燥したあと熱硬化性樹脂を充填封止して図3に示
す試料コンデンサを製作した。試料コンデンサの数は6
種類、各10台ずつで、合計60台を製作した。
【0031】前記試料について次の2通りの試験を行い
評価した。
評価した。
【0032】保安性試験による保安機能の評価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計30台を、75℃に
セットした恒温槽に収容し、それぞれ1試料毎について
試験電圧AC,60Hz,325Vを連続課電し、これ
に図5の回路条件で、充電用コンデンサCoの放電パル
ス電圧を15秒サイクルで間欠的に試料コンデンサCx
に充電して、試料コンデンサCxの試験電流がゼロにな
るまでこれを続けた。なお、Coは充電用コンデンサ
で、充電電圧は試料コンデンサCxの定格電圧の7倍以
下の直流電圧、また充電用コンデンサCoの容量は35
μFとした。
セットした恒温槽に収容し、それぞれ1試料毎について
試験電圧AC,60Hz,325Vを連続課電し、これ
に図5の回路条件で、充電用コンデンサCoの放電パル
ス電圧を15秒サイクルで間欠的に試料コンデンサCx
に充電して、試料コンデンサCxの試験電流がゼロにな
るまでこれを続けた。なお、Coは充電用コンデンサ
で、充電電圧は試料コンデンサCxの定格電圧の7倍以
下の直流電圧、また充電用コンデンサCoの容量は35
μFとした。
【0033】この試験結果は、試験中および試験終了後
において発煙、発火、クラツク、著しい外観の損傷が生
じなかったものを保安性合格と評価した。
において発煙、発火、クラツク、著しい外観の損傷が生
じなかったものを保安性合格と評価した。
【0034】連続耐用性試験による静電容量の変化の評
価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計30台を、75℃に
セットした恒温槽に収容し、試験電圧AC,60Hz,
313Vを連続課電しその初期値を0として500,1
000時間後の容量値を測定した。その結果、1000
時間後における初期値に対する容量変化率(△C/C)
が5%以下であったものを合格と評価した。
価 試料コンデンサの各水準5台ずつ計30台を、75℃に
セットした恒温槽に収容し、試験電圧AC,60Hz,
313Vを連続課電しその初期値を0として500,1
000時間後の容量値を測定した。その結果、1000
時間後における初期値に対する容量変化率(△C/C)
が5%以下であったものを合格と評価した。
【0035】上記の2試験の結果は表3に示す通りであ
り、表の太線枠内が保安性と容量変化率で評価したコン
デンサの耐用性を満足する範囲であった。
り、表の太線枠内が保安性と容量変化率で評価したコン
デンサの耐用性を満足する範囲であった。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、一対の金
属化フイルムのうち、何れか一方の金属化フイルムの蒸
着膜電極をフイルム幅方向に複数個の絶縁溝による小区
分蒸着膜電極化によって構成した金属化フイルムコンデ
ンサのもつ、蒸着膜電極の小区分化によって得られる保
安機能効果の利点と、これに相反する小区分化によるコ
ンデンサ容量の減少の欠点とを、前記絶縁溝の間隔寸法
を効果的に設定することによって、コンデンサの保安性
が効果的で、かつ、課電中における容量減少問題も実用
上何等支障を来たすことのない、コンデンサの誘電体構
成要件を確立したものである。
属化フイルムのうち、何れか一方の金属化フイルムの蒸
着膜電極をフイルム幅方向に複数個の絶縁溝による小区
分蒸着膜電極化によって構成した金属化フイルムコンデ
ンサのもつ、蒸着膜電極の小区分化によって得られる保
安機能効果の利点と、これに相反する小区分化によるコ
ンデンサ容量の減少の欠点とを、前記絶縁溝の間隔寸法
を効果的に設定することによって、コンデンサの保安性
が効果的で、かつ、課電中における容量減少問題も実用
上何等支障を来たすことのない、コンデンサの誘電体構
成要件を確立したものである。
【0038】本発明の金属化フイルムコンデンサは、前
記誘電体の構成要件が具備されれば、コンデンサの蒸着
膜電極を小区分化する絶縁溝の間隔は、前記実験結果が
示す範囲の任意寸法に設定することによって、保安性と
耐用性の両方を満足し得る金属化フイルムコンデンサが
製造でき、工業的ならびに実用的価値大である。
記誘電体の構成要件が具備されれば、コンデンサの蒸着
膜電極を小区分化する絶縁溝の間隔は、前記実験結果が
示す範囲の任意寸法に設定することによって、保安性と
耐用性の両方を満足し得る金属化フイルムコンデンサが
製造でき、工業的ならびに実用的価値大である。
【図1】本発明の金属化フイルムコンデンサの一実施例
で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視図である。
で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の金属化フイルムコンデンサの他の実施
例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視図である。
例で、誘電体と蒸着膜電極の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の金属化フイルムコンデンサの一実施例
の正断面図である。
の正断面図である。
【図4】本発明の金属化フイルムコンデンサの実施例そ
の1、その2の保安性試験の回路図である。
の1、その2の保安性試験の回路図である。
【図5】本発明の金属化フイルムコンデンサの実施例そ
の3保安性試験の回路図である。
の3保安性試験の回路図である。
1.コンデンサ素子 2.溶射金属の引出電極 3.複数個に小区分した蒸着膜電極 4.複数個に小区分していない蒸着膜電極 5.フイルムの幅方向の端部に設けた絶縁マ−ジン 6.フイルムの幅方向に設けた絶縁溝 7.フイルムの幅方向の端部に設けた絶縁マ−ジンと反
対側端に沿って牛首状に狭さくした絶縁溝 8.フイルムの幅方向に設けた絶縁溝の間隔 9.ヒュ−ズ部の幅 10.複数個に小区分した蒸着膜電極の幅 11.樹脂ケ−ス 12.熱硬化性樹脂 13.端子
対側端に沿って牛首状に狭さくした絶縁溝 8.フイルムの幅方向に設けた絶縁溝の間隔 9.ヒュ−ズ部の幅 10.複数個に小区分した蒸着膜電極の幅 11.樹脂ケ−ス 12.熱硬化性樹脂 13.端子
Claims (2)
- 【請求項1】 フイルムの幅方向の端部に絶縁マ−ジン
を設けて蒸着膜電極を形成し、かつフイルムの幅方向に
蒸着膜電極の少なくとも一部に絶縁溝を設けて長さ方向
に複数個に区分した第1の金属化電極と、前記絶縁溝を
有しない幅方向の端部にのみ絶縁マ−ジンを設けた第2
の金属化電極を、前記絶縁マ−ジンが対向するように重
ね合せて巻回し、その両端部に溶射金属で引出電極を形
成して構成したコンデンサ素子を外装してなる金属化フ
イルムコンデンサにおいて、前記第1の金属化電極の長
さ方向に設けた複数個に区分した絶縁溝の間隔が12〜
24mmの長さであることを特徴とする金属化フイルム
コンデンサ。 - 【請求項2】 前記請求項1記載の金属化フイルムコン
デンサであって、第1の金属化電極の一部に設けた絶縁
溝は、フイルムの幅方向の端部に設けた絶縁マ−ジンと
反対側端に沿って牛首状に狭さくした形状であって、か
つ長さ方向に複数個に区分した絶縁溝の間隔が12〜2
4mmの長さであることを特徴とする金属化フイルムコ
ンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24416092A JPH0669069A (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 金属化フィルムコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24416092A JPH0669069A (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 金属化フィルムコンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0669069A true JPH0669069A (ja) | 1994-03-11 |
Family
ID=17114663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24416092A Pending JPH0669069A (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 金属化フィルムコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0669069A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102522198A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-06-27 | 华中科技大学 | 一种金属化膜电容器组件 |
US8310802B2 (en) * | 2006-08-28 | 2012-11-13 | Panasonic Corporation | Metallization film capacitor having divided electrode with fuse |
-
1992
- 1992-08-19 JP JP24416092A patent/JPH0669069A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8310802B2 (en) * | 2006-08-28 | 2012-11-13 | Panasonic Corporation | Metallization film capacitor having divided electrode with fuse |
CN102522198A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-06-27 | 华中科技大学 | 一种金属化膜电容器组件 |
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