JPH0668732A - 繊維強化複合材料製碍子とその製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材料製碍子とその製造方法

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JPH0668732A
JPH0668732A JP14444493A JP14444493A JPH0668732A JP H0668732 A JPH0668732 A JP H0668732A JP 14444493 A JP14444493 A JP 14444493A JP 14444493 A JP14444493 A JP 14444493A JP H0668732 A JPH0668732 A JP H0668732A
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reinforced composite
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Takeshi Taniguchi
毅 谷口
Takeshi Takahashi
高橋  毅
Hironari Honma
宏也 本間
Jun Yasuda
純 安田
Yasuhiko Iwasaki
康彦 岩崎
Yoshinobu Komatani
嘉信 駒谷
Hirohiko Terada
裕彦 寺田
Keigo Noma
敬吾 野間
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Shikishima Boseki KK
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Shikibo Ltd
Central Research Institute of Electric Power Industry
Shikishima Boseki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトな形状で高強度が得られ、ボイド
レスな高品質FRP碍子を提供すること。 【構成】 連続繊維をレーストラック状に巻付けて樹脂
を含浸硬化させて形成された繊維強化複合材料製のベー
ス部(1f)と、その上に同じまたは別の連続繊維をレ
ーストラック形状に沿って幅方向の両端部から中央部に
かけて肉厚を漸次厚くして断面半円柱状に対向する繊維
強化複合材料製の肉盛部(1b)とからなり、これを碍
子主体(1)とし、両端に端金具(2)(2)を装備さ
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配電線及び送電線等の
絶縁支持材として使用される繊維強化複合材料製碍子と
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている碍子の多くは磁器製
である。このような現用の磁器碍子は、既に配電線及び
送電線において長期間の実績を有している。しかし、経
年劣化が少ない反面、重量が重く壊れ易い欠点があっ
た。磁器は高い弾性率(剛性)を持つが反面脆い材料で
あり衝撃に弱く、引張り強度、曲げ強度、圧縮強度等の
力学的強度は低い。送電線等の大きな荷重の架かる絶縁
支持材として使用した場合、多量の磁器を使用する必要
があり、大きくかつ重い支持材となる。従って、このよ
うな磁器製碍子の取り付け作業は大がかりなものとな
り、危険を伴い、さらにぶつかると壊れ易いなど取り扱
いに十分な注意が必要であり、取り付け作業の効率も悪
かった。
【0003】このため碍子をコンパクト化する目的で例
えば繊維強化複合材料製の碍子が検討され提案されてい
る。その構成は、引抜き成形法等で製作された繊維強化
プラスチック棒(以下FRPロッドという)の両端に端
金具を取付けたものである。プラスチックを繊維で強化
した高分子碍子は、軽量で落としたりぶつかったりして
も壊れることがなく、取り扱いが極めて容易であり、ま
た、経年劣化に対しても、同種の高分子碍子を用いた加
速劣化試験の結果、20年以上の屋外使用に十分耐えられ
ることが明らかにされている。
【0004】しかし、このような従来の繊維強化複合材
料製の碍子は、FRPロッドと端金具の接合方法につい
て色々と検討が行なわれてきたが、接合部分の表面性や
接合状態の微妙な違いが引張り強度に大きな影響を与え
た。また、FRPロッドが破壊に至る前に端金具が外れ
るため、十分な引張り強度は得られなかった。従って、
高引張り強度が要求される配電線及び送電線等の絶縁支
持材(例えば、耐張碍子)への適用は出来なかった。
【0005】そこで、FRPロッドに代えて繊維強化複
合材料により、レーストラック形状に成形し、両端の円
弧部に端金具との結合ピンを挿通するようにした碍子
(以下レーストラック製碍子という)が提供されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のレーストラ
ック製碍子は、両端の円弧部の内径Dと肉厚tとの比D
/tの設定に制限があり、FRPの特性を効果的に利用
出来なかった。即ち、引張特性、軽量化、コンパクト化
等で制限があった。また、ボイドレス(気泡なし)のF
RPを作るのが困難であった(特に、両端の円弧部)。
しかも、このままでは、断面が矩形であるため、二次加
工で最終形状(円形断面)にする必要がある。さらに、
トラック間に空間が出来る。この空間には樹脂、コア材
等の充填材が充填されるが、この充填材により、FRP
と充填材の界面部等、長さ方向での亀裂発生の原因とな
る。また、充填材添加による重量増加で充分な軽量化が
出来ない。しかも、繊維の配置、端金具の取り付け等で
作業効率が悪い等の問題点があった。
【0007】本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みて
提案されたもので、その目的とするところは、D/tの
設定が効果的に行なえること、コンパクトな形状で高強
度が得られること、ボイドレスな高品質FRP碍子が得
られること、最終形状として仕上げることが出来るこ
と、軽量、高品質FRP碍子が得られること、量産可能
であること、容易に製作出来、生産性がよいことなどを
可能とした繊維強化複合材料製碍子を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、連続繊維をレーストラック状に巻付けて
樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強化複合材料製の
ベース部と、その上に同じまたは別の連続繊維をレース
トラック形状に沿って幅方向の両端部から中央部にかけ
て肉厚を漸次厚くして断面半円柱状に対向する繊維強化
複合材料製の肉盛部とからなり、これを碍子主体とし、
両端に端金具を装備させて繊維強化複合材料製碍子を構
成したものである。この場合、上記碍子主体を、複数枚
の突縁状笠部を外周部にもつ樹脂製のカバー材で被覆し
てもよい。
【0009】また、本発明は、上記ベース部と肉盛部と
を一連一体に構成したことを特徴としている。この場合
も、碍子主体を、複数枚の突縁状笠部を外周部にもつ樹
脂製のカバー材で被覆してもよい。
【0010】さらに本発明は、連続繊維をレーストラッ
ク状に巻付けて樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強
化複合材料製のベース部のみで碍子主体を構成し、か
つ、レーストラック形状の平行直線部にそれぞれ複数枚
の突縁状笠部を外周部にもつ樹脂製のカバー材を被覆装
着し、レーストラック形状の両端の湾曲部に端金具を装
備させて二連型碍子を構成したことを特徴としている。
【0011】また、本発明は、連続繊維をレーストラッ
ク状に巻付けて樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強
化複合材料製のベース部のみ、或いは、その上に同じま
たは別の連続繊維をレーストラック形状に沿って幅方向
の両端部から中央部にかけて肉厚を漸次厚くして断面半
円柱状に対向する繊維強化複合材料製の肉盛部とともに
レーストラック形状の平行直線部を両端に略環状の連結
用孔を確保させた状態で密着させてメガネ型の碍子主体
を構成し、両端に端金具を装備させたことを特徴として
いる。この場合、上記碍子主体を、複数枚の突縁状笠部
を外周部にもつ樹脂製のカバー材で被覆してもよい。
【0012】また、本発明は、連続繊維をレーストラッ
ク状に巻付けて樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強
化複合材料製のベース部を幅広状態で製作し、これを所
定幅寸法に裁断して碍子主体を構成し、各碍子主体の両
端に端金具を装備させ、かつ、各碍子主体の外周に、複
数枚の突縁状笠部を外周部にもつ樹脂製のカバー材を被
覆装着したことを特徴とする繊維強化複合材料製碍子の
製造方法を提供するものである。
【0013】
【作用】本発明の断面円柱状の碍子主体は、コンパクト
な形状で高い引張強度が得られる。
【0014】また、二連型碍子は、コンパクトな形状で
高い引張強度が得られ、ボイドレスで軽量化が図れる。
【0015】さらに、メガネ型碍子は、コンパクトな形
状で高い引張強度と軽量化が実現でき、層間引張破壊が
無く、応力集中が分散されるためD/t設定に制限がな
い。また、本発明の製造方法によれば、量産が可能でコ
ストダウンが図れる。
【0016】
【実施例】図1の(A)は本発明の第1実施例の斜視図
でカバー材を除去して示しており、(B)は第1実施例
の分解斜視図、(C)は第1実施例の完成品の斜視図で
カバー材を切断して示している。
【0017】図1の(A)〜(C)において、(1)は
碍子主体、(2)(2)は端金具、(3)(3)は連結
具、(4)(4)は止め金具、(5)は補助カバー、
(6)はカバー材を示している。
【0018】碍子主体(1)は、両端に端金具(2)
(2)への連結用孔(1a)(1a)を長手方向に直交
する方向に形成し、この孔(1a)(1a)を含めて全
体を電気絶縁性の長く連続した繊維でエンドレスのレー
ストラック形状に巻き付けて繊維強化複合材料製のベー
ス部(1f)を形成し、その上に肉盛部(1b)を形成
したものである。
【0019】端金具(2)(2)は、例えば、耐海水性
アルミ合金等の金属で構成され、外側端部に取付孔(2
a)(2a)が形成され、内側端部には、図1の(B)
に示す様に、碍子主体(1)の挿入孔(2b)(2b)
が形成され、この挿入孔(2b)(2b)の奥部両側に
は孔(2c)(2c)が横断して形成されている。尚、
端金具(2)(2)の別の実施例として、図1の(A)
に示す様に、ねじプラグ(2d)を端金具(2)に螺合
させ、このねじプラグ(2d)の外側面に2つのブラケ
ット(2e)(2e)を平行かつ一体に形成し、このブ
ラケット(2e)(2e)に孔(2f)(2f)を設
け、この孔(2f)(2f)に連結具(3)を挿通し、
止め金具(4)で止めて碍子主体(1)の端部をねじプ
ラグ(2d)に連結し、この状態でねじプラグ(2d)
を端金具(2)にねじ込んで連結部(a)を端金具
(2)内に隠すようにしてもよい。
【0020】補助カバー(5)は、例えば、シリコン製
等の樹脂製円筒体であって、碍子主体(1)の両端の端
金具(2)(2)間に嵌合し、碍子主体(1)を被覆さ
せるものである。この補助カバー(5)の上からカバー
材(6)をかぶせて内部を密閉して、図1の(C)に示
す碍子完成品を得る。この場合、内部の空間の空気は排
除して真空とするか、或いは、窒素その他の不活性ガス
または電気絶縁性充填材等を充填するのが好ましい。
【0021】カバー材(6)は、筒体の外周部に複数枚
の突縁状笠部(6a)を有し、全体を電気絶縁材料、例
えば、熱収縮性シリコーンゴム等により形成する。熱収
縮性シリコーンゴムを使用した場合では、補助カバー
(5)上に装着した後、加熱してカバー材(6)を収縮
させることにより、一体化することができ、耐候性及び
汚損時耐電圧にも優れている。カバー材(6)はシリコ
ーンゴムに限らず塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等の電気
絶縁性を有する他の材料で構成することもできる。
【0022】図1に示す第1実施例の組立の一例を示す
と、先ず、繊維強化複合材料で製作される碍子主体
(1)の一端を図1の(B)に示す様に一方の端金具
(2)に連結具(3)と止め金具(4)とで連結し、こ
の状態で碍子主体(1)の他端より、補助カバー(5)
を挿入し、続いて、その上にカバー材(6)を挿入し、
この状態で碍子主体(1)の他端に他方の端金具(2)
を嵌合し、連結具(3)と止め金具(4)とで連結す
る。そして、カバー材(6)が熱収縮性シリコーンゴム
製の場合には、この段階で加熱して熱収縮させ、一体化
させるものである。
【0023】図2の(A)は本発明に係る碍子主体
(1)の実施例を示すもので、ベース部(1f)の周囲
に肉盛部(1b)を固着して図2の(B)に示す様に円
柱形状とし、カバー材(6)を直接装着したものであ
る。この場合の肉盛部(1b)は、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂等により、碍子主体(1)との一体化が容
易な樹脂が好ましく、その際、それらの樹脂は、単体で
あってもよいが、電気絶縁性の充填材、繊維を含むもの
であってもよい。また、肉盛部(1b)は、碍子主体
(1)の両端部の連結用孔(1a)(1a)を除く中空
部(1c)を埋めるものであってもよい。
【0024】さらに、碍子主体(1)の周囲に固着する
肉盛部(1b)には、碍子主体(1)と同一組成の連続
繊維に樹脂を含浸させたものを図5の(C)に示す治具
(14)と同様な治具を使用して碍子主体(1)の長手
方向に連続的に巻付けて図2の(B’)に示すような円
柱形状とすることができる。この肉盛部(1b)には、
連続繊維(1b’)を碍子主体(1)と同様に埋設す
る。このような断面形状に巻付けるには、樹脂を含浸さ
せた連続繊維の巻付け密度を、幅方向の両端部から中央
部に向けて漸次高くし、中央部が最大となるようにす
る。
【0025】図2の(C)(D)は碍子主体(1)と端
金具(2)との連結構造例を示すもので、先ず、(C)
は、碍子主体(1)の端部の連結用孔(1a)に連結具
(3)を挿通固着し、両端を突出させておく。そして、
端金具(2)には、連結具(3)の両端突出部を案内す
る長手方向案内溝(2g)と、これに続く円周方向係止
溝(2h)とからなるL形鈎溝(2i)を形成し、これ
に連結具(3)を挿入係止させることによって碍子主体
(1)と端金具(2)とを連結させるようにしている。
(D)は、碍子主体(1)が円柱形状であるため、端金
具(2)も単に円形孔(2j)を形成し、両方の孔(1
a)(2c)に連結具(3)を挿通し、止め金具(4)
で止めるようにしたものを示す。
【0026】図3の(A)(B)(C)は、本発明の第
2実施例を示すものであって、前記実施例の碍子主体
(1)と端金具(2)とを連結した後に連結部(a)及
びベース部(1f)の中空部(1c)を含めて碍子主体
(1)の周囲に樹脂(1d)を被覆固着し、全体を図3
の(B)のように円柱形状としたものである。この場
合、連結具(3)を固定する止め金具(4)は、図3の
(A)に示す様に、割ピンとし、嵩張らないようにして
いる。また、図3の(C)に示すカバー材(6)を一方
の端金具(2)側から挿入し、熱収縮性を利用して固着
させるものである。
【0027】図4の(A)(B)は、本発明の第3実施
例を示すものであって、前記した第2実施例がカバー材
(6)を後から挿入して固着させていたものをさらに発
展させて、碍子主体(1)の周囲に被覆固着させる樹脂
で複数枚の突縁状笠部(6a)を有するカバー材(6)
を構成したもので使用する樹脂は、耐候性と汚損時耐電
圧に優れたものであればよい。
【0028】次に、碍子主体(1)の製造方法の一例を
説明する。図5の(A)に示す様に、厚さ30mm、端部の
R部分が15mmのマンドレル(10)に、エポキシ樹脂の
入った樹脂バス(11)を通して樹脂含浸させたガラス
ロービングからなる電気絶縁性の連続繊維(12)を所
定幅及び厚さに巻き付ける。そして、この樹脂含浸させ
た連続繊維(12)を巻き付けたマンドレル(10)を
温度130゜Cで1時間熱処理後、温度140゜Cで4時間更に
熱処理する。樹脂の硬化後、マンドレル(10)から脱
型し、幅20mmに切断して図5の(B)に示す厚さ6mm、
直線部分の長さが1mのエンドレス状の碍子主体(1)
を得る。ここで得られた碍子主体(1)を図1(B)に
示した第1実施例の組み立て方法で組み立てして図1
(C)と同様な碍子完成品を得た。この碍子完成品の引
張り破断荷重は21トンで、碍子主体部の重量は512gであ
った。
【0029】図5の(C)は、他の製造方法を示すもの
で、この場合、両端部の曲率半径が5mmの長円形巻枠治
具(14)にガラスロービングからなる電気絶縁性の連
続繊維(12)を所定幅及び厚さに巻付ける。そして、
これを円筒状金型(図示省略)に入れ、エポキシ樹脂を
金型内に注入し、温度130゜Cで1時間熱処理後、温度14
0゜Cで4時間更に熱処理して、金型から脱型し、図5の
(D)(E)に示す様な外径30mmの円柱形状をした碍子
主体(1)を得た。ここで得られた碍子主体(1)を図
4の(A)(B)に示した第4実施例の方法で碍子完成
品を製作した。この碍子完成品の引張り破断荷重はどの
完成品も18トン前後の安定した値を示した。次に、引抜
き成形法で製作した外径30mmの円柱形状のFRPロッド
に端金具を取り付け、碍子を製作し、その引張り破断荷
重を測定した。
【0030】端金具を取り付ける方法として、円柱状
内面をもつ端金具内に接着剤をつけ接着させる方法、
端金具をかしめる方法、FRPロッド自体にテーパー
やくぼみをつけたり、くさびを入れる等の方法、円錐
状の内面をもつ端金具にうめ込む方法等を用いた。
【0031】引張り破断荷重の測定結果では、どの方法
も端金具の取り付け部で破断し、14トン以上の強度を示
すものは得られなかった。また、最も高い破断荷重を示
したの方法では、接合部の表面状態や取り付け時のセ
ッティング方法等による測定値のバラツキが大きかっ
た。
【0032】また、図5の(C)の方法で、直径D=1
0mmの引張金具(ピン)間を、1120TEX(某社
製商品名)のT−ガラス繊維を300回巻付け、図5の
(F)(G)に示すような、両端部の連結用孔(1a)
(1a)の内径D=10mm、外径φ=26mmの形状
のFRP製の碍子主体(1)を製作し、引張試験を行な
った結果、13.55トンの引張強度が得られた。
【0033】図6の(A)に示す従来のレーストラック
形FRPで、ピンの直径DとFRP厚さtの比、つまり
D/tと引張強度との間には図6の(B)に示すような
関係がある。D/t=kのときの応力がσ(k)kgf
/mm2のとき、上記本発明品と同じ13.55トンの
引張強度を得るには、引張荷重が加わるFRP部分の断
面積は、13550/σ(k) mm2以上の断面積が
必要となる。
【0034】従って、13.55トンの引張強度を得る
には、外径φ=31.4mm以上が必要となる。外径φ
=31mm、ピンの直径D=16mmのレーストラック
形FRPを用いたFRP碍子について引張試験を行なっ
た結果では、約12.50トンの引張強度が得られた。
この結果、従来のレーストラック形FRP製碍子の場合
では、本発明品より外径で5mm大きなFRPが必要と
なる。
【0035】次に、高引張強度が要求されるFRPを製
作する方法として、前記した図6の(A)に示すレース
トラック形FRPを用いる方法があり、以下これを説明
する。
【0036】この場合、強化用繊維の特性を効果的に発
揮させ、高引張強度碍子を得るには、図6の(B)の関
係からD/tを大きくとる必要がある。D/tの大きい
FRPを従来からある一連型のFRP碍子とすると前述
した通り大きな形状となる。そこで、図7の(C)に示
すような二連型のFRP碍子とすることにより、コンパ
クト化、軽量化が可能で、強化用繊維の特性を効果的に
発揮させ、高引張強度碍子を得ることができる。
【0037】図7は、上記二連型のFRP碍子を得るた
めに、図5の(A)の方法で得られた、幅25mm、厚さ7
mm、直線部分の長さ1000mmの図5の(B)に示すエンド
レス状の碍子主体(1)を図7の(A)に示す端金具と
連結具が一体となった治具(23)(23)にはめ込
み、図7の(B)に示した二連型のFRP碍子主体を得
る。これにカバー材(6)をかぶせ図7の(C)に示す
碍子完成品を得た。この碍子完成品の引張り破断荷重は
48トンであった。
【0038】なお、比較例として、図7の(D)(E)
に示すように、厚さt=3mmの同じで、ピン直径D=
26mmとD=100mmのFRPを製作するために、
ガラス繊維を巻付けた金枠を金型内にセットし、金型内
を10torに減圧して後、30分かけて樹脂を注入し
た。樹脂の硬化後、得られたFRPの含浸状態を比較し
てみると、図7の(D)に示すD=26mmのものの湾
曲部分は、樹脂の含浸不良による白濁が発生しているこ
とが確認されたが、図7の(E)に示すD=100mm
のFRPの湾曲部分には白濁がなく、良好な含浸性が認
められた。両者の湾曲部分の切断面を電子顕微鏡で観察
したところ、D=26mmのものの湾曲部分には、ボイ
ド(気泡)の存在が認められたが、D=100mmのF
RPの湾曲部分には、ボイドは認められなかった。この
ボイドの存在部分は、引張力の作用下では、応力集中に
よる亀裂破断の起点となり、不利である。
【0039】図8は、碍子主体(1)をメガネ型とした
場合の形状形態例を示す。治具に繊維を巻付けてから、
これを金型内に入れ樹脂を注入する方法で図8(A)に
示すメガネ形状の碍子主体(1)を得る。これを図8
(B)に示すように、端金具と連結具が一体となった治
具(24)に取り付ける。この治具(24)は、碍子主
体(1)の端部の環状部(1e)を嵌合抱持し得る中央
突起付きの凹部(24a)を有する2つ割構造の挟持体(2
4b)(24c)と、両挟持体(24b)(24c)を結合する結
合リング(24d)とからなっている。図3の(B)
(C)に示す方法でカバー材(6)を固着させ、図8
(C)に示す軽量でコンパクトな碍子完成品を得た。
【0040】上記実施例と同じ形状で図8の(D)に示
すように、D=12mm、中央部のFRP部分の繊維体
積含有率(Vf値)が60%の碍子用FRPに、引張金
具をセットし、1mm/secの試験スピードで引張試
験を行なった。なお、比較のため、図8の(E)に示す
ように、D=26mm、厚さt=3mmで中央部のFR
P部分のVf値が60%の従来からのFRP材について
同一条件で引張試験を行なった。
【0041】繰り返し試験回数3回行なった測定結果の
平均値で、本発明による図8の(D)のもので、147
Kgf/mm2、図8の(E)に示す従来のもので13
5Kgf/mm2であった。図8の(E)のFRPは、
接合部と中央部の接点で応力集中して破壊したが、図8
の(D)に示す本発明品は中央部で破壊した。この結
果、図8の(E)に示すもので十分な引張強度を得るに
は、D/tを十分大きくする必要があり、さらに大きな
形状となる。
【0042】図9は、図8の変形実施例であって、図8
(A)と同一形状の碍子主体(1)に図9(B)に示す
ように、端金具と連結具が一体となった治具(25)を
取り付けたものである。この治具(25)は、図9
(A)に示すように、碍子主体(1)の端部の環状部
(1e)を嵌合抱持し得る凹部(25a)を有する2つ割
構造の挟持体(25b)(25c)と、両挟持体(25b)(25
c)を結合する結合リング(25d)とからなり、上記凹部
(25a)の中央には、碍子主体(1)の端部の環状部
(1e)の孔(1a)と連通する孔(25e)を有する。
そして、碍子主体(1)の端部の環状部(1e)を両挟
持体(25b)(25c)の凹部(25a)に嵌合抱持させ、結
合リング(25d)で結合した状態で、両挟持体(25b)
(25c)の孔(25e)と碍子主体(1)の端部の環状部
(1e)の孔(1a)とに連結具(図示省略)を挿通
し、この連結具によって碍子主体(1)と治具(25)
とを一体化して引張り荷重による抜脱を防止すると共
に、絶縁アーム等への取り付け部材に兼用させている。
この碍子主体(1)にも図3の(B)(C)に示す方法
でカバー材(6)を固着させて碍子完成品(図示省略)
とするものである。
【0043】以上、本発明の幾つかの実施例を説明して
きたが、本発明は、これらの実施例に制約されるもので
はなく、例えば、碍子主体(1)の形状については、両
端に連結用孔(1a)(1a)をもつものであれば、例
えば、図8に示すように、形状は任意の形状とすること
ができ、また使用する繊維は、モノフィラメント糸のよ
うな直線状に長く連続した繊維が望ましいけれども、マ
ルチフィラメント糸や紡績糸のような比較的短い繊維に
よって構成されるものでもよく、また織物状繊維、或い
は組み紐状繊維形態等であってもよい。さらに、端金具
(2)との連結構造も、連結具(3)で碍子主体(1)
を連結する方式であればどのような構造でもよい。図6
の(A)、図7の(B)および図8の(A)に示す端金
具(2)と連結具(3)が一体となった治具(23)
(24)(25)を用いてもよい。また、碍子主体
(1)は同時に2体以上使用することができ、また2個
以上の連結具に掛けて使用することもできる。また、カ
バー材(6)についても、笠部(6a)の形状や枚数等
を適宜変更して実施することができるものである。さら
に、本発明の碍子は、配電線、送電線等の耐張碍子に好
適であるが、軽量化・小型化の要求される6〜20KV
級の高圧配電線から、高い引張り強度を要求される60
KV級および、その電圧階級を越える超高圧送電線等の
耐張および引き留め等の支持碍子に適用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の円筒型レーストラック形状のF
RP碍子主体は、コンパクトで高引張強度、高品質のF
RP碍子が得られる。
【0045】また、本発明の二連型碍子は、コンパクト
でボイドレスで高引張強度、高品質のFRP碍子が得ら
れる。
【0046】さらに、本発明のメガネ型碍子主体は、コ
ンパクトで高引張強度、高品質のFRP碍子が得られ
る。
【0047】また、本発明の製造方法によれば、量産が
可能でコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施例の斜視図でカバー
材を除去しており、(B)は第1実施例の分解斜視図、
(C)は第1実施例の完成品の斜視図でカバー材を切断
してしめしている。
【図2】(A)は本発明に係る碍子主体の実施例を示す
斜視図、(B)はその断面図、(B’)はその変形例例
の断面図、(C)(D)は碍子主体と端金具との連結構
造の他の例を示す斜視図である。
【図3】(A)(B)(C)は本発明の第2実施例品の
製作順序を説明する斜視図である。
【図4】(A)(B)は本発明の第3実施例品の製作順
序を説明する斜視図である。
【図5】(A)は本発明に係る碍子主体の製造装置の一
例を示す要部概略斜視図、(B)はその製品の斜視図、
(C)は本発明に係る碍子主体の製造装置の他の例を示
す要部概略斜視図、(D)はその製品の斜視図、(E)
はその断面図、(F)は(D)の製品の変形例の長手方
向断面図、(G)はその直角方向断面図である。
【図6】(A)はレーストラック型FRPの斜視図、
(B)はレーストラック型FRPの両端の湾曲部の直径
Dと厚さtの比 D/tと引張強度との関係を示す特性
図である。
【図7】(A)(B)(C)は本発明の第4実施例品の
製作順序を説明する斜視図、(D)(E)は引張強度特
性を比較するためにレーストラック型FRPの両端の湾
曲部の直径Dを大小異ならせて製作したものの斜視図で
ある。
【図8】(A)(B)(C)は本発明の第5実施例品の
製作順序を説明する斜視図、(D)(E)は引張強度特
性を比較するために本発明の第5実施例品と従来のレー
ストラック型FRPとを示す斜視図である。
【図9】(A)(B)は本発明の第6実施例品の製作順
序を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 碍子主体 2 端金具 3 連結具 4 止め金具 5 補助カバー 6 カバー材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 純 愛知県西春日井郡師勝町大字鹿田1751の2 (72)発明者 岩崎 康彦 滋賀県八日市市上之町2−7−403 (72)発明者 駒谷 嘉信 滋賀県八日市市建部北町297番地 (72)発明者 寺田 裕彦 奈良県桜井市大字茅原629 (72)発明者 野間 敬吾 兵庫県芦屋市若葉町6−2−363

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維をレーストラック状に巻付けて
    樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強化複合材料製の
    ベース部と、その上に同じまたは別の連続繊維をレース
    トラック形状に沿って幅方向の両端部から中央部にかけ
    て肉厚を漸次厚くして断面半円柱状に対向する繊維強化
    複合材料製の肉盛部とからなり、これを碍子主体とし、
    両端に端金具を装備させたことを特徴とする繊維強化複
    合材料製碍子。
  2. 【請求項2】 上記ベース部と肉盛部とを一連一体に構
    成したことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合
    材料製碍子。
  3. 【請求項3】 連続繊維をレーストラック状に巻付けて
    樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強化複合材料製の
    ベース部のみで碍子主体を構成し、かつ、レーストラッ
    ク形状の平行直線部にそれぞれ複数枚の突縁状笠部を外
    周部にもつ樹脂製のカバー材を被覆装着し、レーストラ
    ック形状の両端の湾曲部に端金具を装備させて二連型碍
    子を構成したことを特徴とする繊維強化複合材料製碍
    子。
  4. 【請求項4】 連続繊維をレーストラック状に巻付けて
    樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強化複合材料製の
    ベース部のみ、或いは、その上に同じまたは別の連続繊
    維をレーストラック形状に沿って幅方向の両端部から中
    央部にかけて肉厚を漸次厚くして断面半円柱状に対向す
    る繊維強化複合材料製の肉盛部とともにレーストラック
    形状の平行直線部を両端に略環状の連結用孔を確保させ
    た状態で密着させてメガネ型の碍子主体を構成し、両端
    に端金具を装備させたことを特徴とする繊維強化複合材
    料製碍子。
  5. 【請求項5】 碍子主体を、複数枚の突縁状笠部を外周
    部にもつ樹脂製のカバー材で被覆したことを特徴とする
    請求項1、2または4に記載の繊維強化複合材料製碍
    子。
  6. 【請求項6】 連続繊維をレーストラック状に巻付けて
    樹脂を含浸硬化させて形成された繊維強化複合材料製の
    ベース部を幅広状態で製作し、これを所定幅寸法に裁断
    して碍子主体を構成し、各碍子主体の両端に端金具を装
    備させ、かつ、各碍子主体の外周に、複数枚の突縁状笠
    部を外周部にもつ樹脂製のカバー材を被覆装着したこと
    を特徴とする繊維強化複合材料製碍子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009219321A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Chugoku Electric Power Co Inc:The 水平分岐スペーサ、水平分岐スペーサの製造方法
JP2014175120A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Chugoku Electric Power Co Inc:The コッター挿入補助具

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