JPH0668404U - 養土鎮圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転可能の鎮圧ローラーに具備した鎮圧具
を、搬送される育苗用のポット内に充填された養土表面
に挿入して、播種用の穴を穿つ構成の養土鎮圧装置にお
いて、ポットの搬送に追従して鎮圧ローラーが回転する
のに伴い、鎮圧具が養土中において回動して、播種用の
穴が広がり、その後の播種工程に不具合が生じるという
問題を解決することを目的とする。 【構成】 鎮圧具１を鎮圧ローラー２に対して搬送方向
に回動可能に枢支するよう構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、育苗用のポット内の養土に播種装置にて播種する前に播種用の穴を 穿つための養土鎮圧装置の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、搬送される育苗ポットに具備された碁盤目状の各セル内に充填した養土 表面に播種用の穴を穿つために、鎮圧具を具備した鎮圧ローラーを該育苗ポット 上にて回転可能に設置し、該鎮圧具を養土表面に挿入する構成の養土鎮圧装置は 公知となっているが、従来の鎮圧具は、鎮圧ローラーに対して固定されているも のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

鎮圧具が鎮圧ローラーに対して固定していると、各セル内の養土内に挿入した 鎮圧具が、育苗ポットの搬送に伴って回転する鎮圧ローラーに追随して回動して 養土から引き抜かれるので、該鎮圧具にて穿った穴が、該鎮圧具の回動した側に 広がってしまう。即ち、播種用の穴が楕円形になり、しかも、穴が広がった側の 土が盛り上がる。これは、その後の播種作業において、播種された種子が該穴の 中央に落下せず、場合によっては、穴が大きいために種子が飛散し、穴の広がっ た部分の偏った位置に種子が落ち、播種位置が浅くなって、育苗過程で、ポット 上面にまで根を張ってしまうという弊害をもたらすおそれもある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の如き課題を解決するために、次のような構造となっているも のである。即ち、回転可能の鎮圧ローラーに具備した鎮圧具を、搬送される育苗 用のポット内に充填された養土表面に挿入して、播種用の穴を穿つ構成の養土鎮 圧装置において、該鎮圧具を該鎮圧ローラーに対して搬送方向に回動可能に枢支 する。

【０００５】

【作用】

鎮圧具が育苗用のポット内の養土内に挿入され、なおポットが搬送されるに伴 って鎮圧ローラーが回転しても、該鎮圧具が該鎮圧ローラーに対して回動可能で あることから、該養土内において、該鎮圧具が常に垂直状の姿勢を保持したまま 引き抜かれていくので、播種用穴が、該養土の中央部分に穿設され、穴が広がっ たり土を盛り上げてしまったりすることもない。

【０００６】

【実施例】

本考案の解決すべき課題及び構成は以上の如くであり、次に添付の図面に示し た本考案の実施例を説明する。図１は播種プラントの全体斜視図、図２は養土鎮 圧装置Ｃの全体側面図、図３は鎮圧ローラー２の側面断面図、図４は鎮圧具１の 横断面図、図５は養土充填装置Ａの側面図、図６は同じく正面図、図７は養土充 填装置Ａにおける回転刃１２付近の部分側面図、図８は回転刃１２及び受棒１３ の配置を示す平面図、図９は回転刃１２の形状を示す部分側面図、図１０は同じ く横断面図、図１１は育苗ポットＰ及びトレイＴの斜視図、図１２は同じく側面 図である。

【０００７】 図１において、播種プラントの全体構成について説明する。図１１及び図１２ の如く碁盤目状にセルＰａを有する育苗ポットＰを載置したトレイＴを搬送する 自動搬送装置Ｌの上に、養土充填装置Ａ、灌水装置Ｂ、養土鎮圧装置Ｃ、播種装 置Ｄ、覆土装置Ｅ、及び灌水装置Ｆを順次配設しており、該トレイＴをＸ側より 該自動搬送装置Ｌ上に供給すると、自動的に搬送される過程にて、養土充填、播 種等が施されて播種完了された育苗ポットを載置したトレイＴをＹ側より搬出す るのである。

【０００８】 搬送されるトレイＴにおける育苗ポットＰの各セルＰａ内には、養土充填装置 Ａにて養土が充填され、均平されて、灌水装置Ｂにて養土に灌水が施される。な お、養土充填装置Ａの後方には、養土回収装置Ａ’が設置され、該養土充填装置 Ａより余分に供給されて自動搬送装置Ｌの下方に落下した余分養土を回収する。 灌水装置Ｂを経ると、養土鎮圧装置Ｃにて突起状の鎮圧具を多数放射状に具備し た鎮圧ローラーの回転により、各セルＰａ内の養土に播種用の穴が形成され、そ して、播種装置Ｄにて該穴内に各々播種が施される。播種された育苗ポットＰは 、覆土装置Ｅにて覆土され、灌水装置Ｆにて灌水されて、播種完了状態となるの である。

【０００９】 以上のような配置構成の播種プラントにおいて、まず、養土充填装置Ａについ て、図５乃び図６より説明する。養土充填装置Ａは、自動搬送装置Ｌ上に充填部 Ａ１及び均平部Ａ２を設置して構成されるものである。自動搬送装置Ｌは、両側 に側板１８・１８を配設し、該側板１８・１８間に付設したモーターにて駆動さ れる各搬送駆動軸１９・１９・・・に搬送ローラー２０・２０を固設し、育苗ポ ットＰを載置したトレイＴを該搬送ローラー２０・２０上に載置して搬送するも のである。搬送充填部Ａ１においては、充填部カバー７上に立設したホッパー８ より養土を供給し、該充填部カバー７内において駆動される土送りベルト９上に のった養土を、該土送りベルト９の下方にて搬送されるトレイＴに載置した育苗 ポットＰに落下し、各セルＰａ内に充填するのである。

【００１０】 ホッパー８内の中心部には、攪拌棒１０を具備した攪拌棒駆動軸１０ａが横設 されており、また供給口にはレバー１１ａにて回動可能なシャッター１１が配設 されており、該レバー１１ａの操作による該シャッター１１の開閉調節によって 、土送りベルト９より育苗ポットへの養土供給量が調節される。また、該シャッ ター１１の下端部は、土送りベルト９の水平部終端部に位置させて、該土送りベ ルト９停止時や該シャッター１１閉鎖時に、該土送りベルト９終端の湾曲部より 養土がこぼれ落ちないようにしている。こうして、ホッパー８内で攪拌棒１０に て攪拌し、下方に送られた養土が土送りベルト９上に落下し、該供給口終端部に おいてシャッター１１にて量が調節されて、育苗ポットＰ上に供給されるのであ る。

【００１１】 ところで、養土にピートモスの含量が多い場合等、水分が多く含まれる場合に は、該攪拌棒１０による攪拌に伴って、養土が団子状になりやすく、その団子状 となった土塊が、土送りベルト９の出口におけるシャッター１１の手前に詰まり やすい。こうなると、詰まった土塊の分だけ該シャッター１１より出てくる養土 の量が削減され、育苗ポットへの充填不足を生じてしまう。そこで、図５及び図 ７の如く、シャッター１１の手前に、図９及び図１０の如き形状の回転刃１２を 具備した回転刃駆動軸１２ａを横設し、平面視にて図８の如く、該回転刃１２と 交互になるように、該回転刃１２の後方に受け棒１３を固設し、該回転刃１２を 回転駆動して該受け棒１３と交差させることによって、土塊を破砕するように構 成した。これにより、該シャッター１１の手前で土塊が詰まることがなくなり、 また、養土が細かく砕かれているので、育苗ポットＰの各セルＰａ内への養土の 充填性が向上するのである。

【００１２】 以上のような構成にて、充填部Ａ１にてセルＰａ内に養土を充填された育苗ポ ットＰは、図５に図示される均平部Ａ２の均平部カバー１４内において回転駆動 する均平用ブラシ１５・１７及び均平用ローラー１６の下部を通過し、その際に 、該均平用ブラシあるいは均平用ローラーによって各セルＰａ内の養土表面の余 分な養土が掻き落とされ、均平されて、次工程の灌水装置Ｂへと搬出されるので ある。

【００１３】 以上の構成の養土充填装置Ａにおける駆動構造を図５及び図６より説明すると 、充填部カバー７内の搬送手前側（Ｘ側）に搬送駆動用モーターＭ１及びベルト 駆動用モーターＭ２が固設されており、該搬送駆動用モーターＭ１の駆動力は、 該搬送駆動用モーターＭ１の駆動軸より伝動する前記の各搬送駆動軸１９・１９ ・・の端部に固着したスプロケット２１にチェーン２２・２２・・を巻回してお り、また、その中の一搬送駆動軸１９よりチェーンを介して均平部Ａ２の均平用 ブラシ１５・１７及び均平用ローラー１６に伝動している。また、ベルト駆動用 モーターＭ２の駆動軸よりチェーン２３を土送り用ベルト９の駆動軸９ａ固設の スプロケットに巻回して、該土送りベルト９を駆動している。

【００１４】 更に、前記ホッパー８の搬送手前側（Ｘ側）に攪拌駆動用モーターＭ３を固設 しており、該攪拌駆動用モーターＭ３の駆動軸より攪拌棒駆動軸１０ａ及び回転 刃駆動軸１２ａ固設のスプロケットにチェーン２４を巻回して、攪拌棒１０及び 回転刃１２を駆動しているのである。

【００１５】 養土充填装置Ａより搬出され、灌水装置Ｂにて灌水された育苗ポットＰは、次 に養土鎮圧装置Ｃにて養土に播種用の穴が施される。まず、養土鎮圧装置Ｃの全 体構成について、図２より説明すると、枠体３の上方には、後記鎮圧ローラー２ の鎮圧具１に付着する養土を掻き落とすための清掃ローラー４が、該鎮圧ローラ ー２に当接して回転可能に横設されている。また、該清掃ローラー４の下方で、 搬送される育苗ポットＰの上方位置において、該清掃ローラー４にて掻き落とさ れた養土を受けるための養土受皿６が配設されている。そして、該清掃ローラー ４の回転軸にリンク５を枢結して、該リンク５にて鎮圧ローラー２の回転軸を枢 支している。

【００１６】 鎮圧ローラー２は、育苗ポットＰを載置するトレイＴの搬送に追従して回転さ れるように横設されており、該鎮圧ローラー２の表面に鎮圧具１が各セルＰａの 位置に合致するよう、放射状に具備されている。該鎮圧具１の内側端部は、図３ に示す如く、該鎮圧ローラー２に設けた、搬送方向に長い長穴２ａに挿入して、 該鎮圧ローラー２の内部においてピン１ａにて係止され、搬送方向に回動可能と なっており、該鎮圧ローラー２の内部にて、該鎮圧具１の内側端の搬送方向前後 にストッパー２ｂが突設されていて、回動幅が一定に制限されている。このこと により、該鎮圧具１がセルＰａ内の養土に挿入され、搬送とともに鎮圧ローラー ２が回転しても、該鎮圧具１は、該鎮圧ローラー２の回転に関わらず、該養土内 にて垂直状態を保持したまま引き抜かれていくのである。

【００１７】 また、鎮圧具１の断面形状は図４の如く、トレイＴの搬送方向の前方側が半円 状となっている。これは、養土に挿入される時に、円滑に挿入され、鎮圧具１に かかる搬送方向の後方側への養土の圧力を逃がしやすく、従って、鎮圧ローラー ２のトレイＴの搬送に対する追従回転の効率が向上するのである。また、該鎮圧 具１の搬送方向の後部側が切欠かれているので、該後方の養土を引き抜き時に盛 り上げることがない。以上のことから、播種用の穴を、セルＰａ内の養土の中央 部に、後方に穴を広げることなく、限定的に穿ち、後方の養土を盛り上げること もないので、播種した種子が飛散して播種位置が上方となってしまうおそれもな いのである。

【００１８】 こうして、養土鎮圧装置Ｃにて播種用の穴を養土に穿たれた育苗ポットＰは、 播種装置Ｄにて該穴内に播種され、更に覆土装置Ｅにて覆土され、灌水装置Ｆに て灌水されて、播種完了するのである。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、以上のように構成する事により、次のような効果を奏するものであ る。即ち、請求項の如く構成したので、鎮圧具が育苗ポット内の養土に垂直状に 挿入された状態を保持したまま引き抜かれる。従って、育苗ポット内の養土の中 央部に播種用の穴が穿たれ、穴が前後に広がることもなく、播種された種子が正 確に、飛散することなく養土の中央部に落下し、また、該穴の後方において養土 が盛り上がる不具合も解消されているので、種子が該盛り上がり部分に飛散して 播種位置が上方となって、根が育苗ポットの上面に張ってしまうという弊害が生 じることもない。このように、該養土鎮圧装置の次工程において、良好な播種が 得られるようになるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】播種プラントの全体斜視図である。

【図２】養土鎮圧装置Ｃの全体側面図である。

【図３】鎮圧ローラー２の側面断面図である。

【図４】鎮圧具１の横断面図である。

【図５】養土充填装置Ａの側面図である。

【図６】同じく正面図である。

【図７】養土充填装置Ａにおける回転刃１２付近の部分
側面図である。

【図８】回転刃１２及び受棒１３の配置を示す平面図で
ある。

【図９】回転刃１２の形状を示す側面図である。

【図１０】同じく横断面図である。

【図１１】育苗ポットＰ及びトレイＴの斜視図である。

【図１２】同じく側面図である。

【符号の説明】

Ｃ 養土鎮圧装置 １ 鎮圧具 １ａ ピン ２ 鎮圧ローラー ２ａ 長孔 ２ｂ ストッパー ３ 枠体 ４ 清掃ローラー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転可能の鎮圧ローラーに具備した鎮圧
   具を、搬送される育苗用のポット内に充填された養土表
   面に挿入して、播種用の穴を穿つ構成の養土鎮圧装置に
   おいて、該鎮圧具を該鎮圧ローラーに対して搬送方向に
   回動可能に枢支したことを特徴とする養土鎮圧装置。