JPH066774U - 軸方向制動装置の皿ばね状締付部材 - Google Patents

軸方向制動装置の皿ばね状締付部材

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JPH066774U
JPH066774U JP5276192U JP5276192U JPH066774U JP H066774 U JPH066774 U JP H066774U JP 5276192 U JP5276192 U JP 5276192U JP 5276192 U JP5276192 U JP 5276192U JP H066774 U JPH066774 U JP H066774U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸方向制動装置の皿ばね状締付部材におい
て、制動部材を押圧する締付け側と反対側をバックアッ
プする必要がなく、且つ従来と同様に効果的な締付作用
を得る。 【構成】 全体的には円錐斜面を有する皿ばね形状を成
すとともに、周方向に所定幅aを有する円環状外周部5
4と、その円環状外周部54の周方向の複数箇所から皿
ばね形状を成すように径方向の内側へ向かって一体に延
び出す複数の作用爪部56とを備えることにより、軸心
方向の推力を受けて偏平に弾性変形させられた際に、専
らその内周部での縮径作用を得るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、軸方向の相対移動可能に嵌合した内側および外側の2部材間の相対 移動を阻止する軸方向制動装置に係り、特に、その制動装置内部に配設される皿 ばね状締付部材の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軸方向に移動する軸部材を所定の位置で停止させたり、軸部材に沿って移動す る物体をその軸部材上の所定の位置で停止させたりするための制動装置として、 (a)円形外周面を有する軸部材と、(b)略円筒形状を成して前記軸部材の外 周側に同心に且つ軸心方向の相対移動可能に配設されるとともに軸心方向にスリ ットが形成されて縮径可能とされた制動部材と、(c)その制動部材の外周側に その制動部材に対して前記軸心方向の相対移動不能に配設された外筒部材とを備 え、前記制動部材が前記軸部材の外周面に押圧されることによりその軸部材と前 記外筒部材との相対移動を阻止する軸方向制動装置が知られている。また、かか る軸方向制動装置は一般に、(d)皿ばね形状を成して前記制動部材の外周側に 配設され、前記軸心方向の推力を受けて扁平となるように弾性変形させられるこ とにより、内周部が縮径して前記制動部材を前記軸部材に押し付ける皿ばね状締 付部材を備えて構成されている。実開昭60−116433号公報や実開昭62 −55705号公報に開示されている軸方向制動装置はその一例であり、シリン ダ本体に対して出力ロッドを任意の位置で停止させることができるようになって いる。
【0003】 図7は、上記皿ばね状締付部材の一例を示す正面図であり、皿ばね形状を成し ているとともに、その内周縁および外周縁から交互に放射状の切欠き130およ び132が等角度間隔で形成されている。そして、かかる皿ばね状締付部材は、 軸心方向の推力を受けて扁平となるように弾性変形させられると、図8に示すよ うにその内径dがd′に縮径すると同時に外径DがD′に拡径する。上記各公報 に記載された従来の装置では、この皿ばね状締付部材がピストンによって扁平に 押圧されるが、同時に皿ばね状締付部材の外周側をピストンに形成した座ぐり穴 により拘束してバックアップすることにより、外周側への拡径を阻止して制動部 材を締め付けるために必要な内周側での縮径作用が十分に得られるようになって いる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、皿ばね状締付部材の外周側をバックアップするためには、上記 ピストン等に設けられる座ぐり穴を皿ばね状締付部材の外径寸法に対応させて高 い精度で加工する必要があるとともに、締付けが不均一とならないように皿ばね 状締付部材自体の外径や内径の寸法精度、軸部材と座ぐり穴との同心度等を高い 精度で確保する必要がある。また、それ等の座ぐり穴と軸部材との間の環状空間 内に皿ばね状締付部材は配設されることになるが、上記のように高い寸法精度で 加工されることから遊びが少なく、その組付けが面倒で時間がかかる。
【0005】 なお、上例では外筒部材に軸心方向の相対移動不能に配設された制動部材を軸 部材に押圧することにより、軸部材と外筒部材との相対移動を阻止する軸方向制 動装置について説明したが、制動部材を軸部材に軸心方向の相対移動不能に配設 し、その制動部材の内周側に配設された皿ばね状締付部材を介して制動部材を外 筒部材に押圧することにより、軸部材と外筒部材との相対移動を阻止するように 構成することも可能である。その場合でも、皿ばね状締付部材の外周側での拡径 作用を十分に確保するため、内周部の縮径を阻止するようにバックアップする場 合には上記と同様の問題が生じる。
【0006】 本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、 締付け側と反対側をバックアップする必要がなく、且つ従来と同様に効果的な締 付作用が得られる皿ばね状締付部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】 かかる目的を達成するため、本考案の第1の手段は、(a)円形外周面を有す る軸部材と、(b)略円筒形状を成して前記軸部材の外周側に同心に且つ軸心方 向の相対移動可能に配設されるとともに軸心方向にスリットが形成されて縮径可 能とされた制動部材と、(c)その制動部材の外周側にその制動部材に対して前 記軸心方向の相対移動不能に配設された外筒部材とを備え、前記制動部材が前記 軸部材の外周面に押圧されることにより該軸部材と前記外筒部材との相対移動を 阻止する軸方向制動装置において、皿ばね形状を成して前記制動部材の外周側に 配設され、前記軸心方向の推力を受けて扁平となるように弾性変形させられるこ とにより、内周部が縮径して前記制動部材を前記軸部材に押し付ける皿ばね状締 付部材であって、(d)周方向に連続して径方向に所定幅を有する円環状外周部 と、(e)その円環状外周部の周方向の複数箇所から皿ばね形状を成すように径 方向の内側へ向かって一体に延び出す複数の作用爪部とを有することを特徴とす る。
【0008】
【第1の手段の作用および効果】 このような皿ばね状締付部材においては、軸心方向の推力を受けて扁平となる ように弾性変形させられると、周方向に連続して径方向に所定幅を有する円環状 外周部では殆ど径寸法変化が生じないので、その円環状外周部から径方向の内側 に向かって延び出した複数の作用爪部の先端にて構成される内周部が専ら縮径さ せられ、これにより、制動部材が軸部材に押し付けられて外筒部材と軸部材との 相対移動が阻止される。この場合に、かかる本考案の皿ばね状締付部材は、外径 側のバックアップがなくても内周側において充分な縮径作用が得られるため、外 径を拘束するための高い加工精度を要する座ぐり穴等が不要になるとともに、皿 ばね状締付部材の外径寸法や内径と外径との同心度などについても要求精度が軽 減される。また、外径を拘束する必要がないことから、扁平時には締付け側のみ で径方向の押圧作用が生じて皿ばね状締付部材が制動部材さらには軸部材に対し て自動的に同心とされ、周方向において締付力を均一に作用させることができる のであり、更に、かかる皿ばね状締付部材を組み付ける際には、制動部材の外周 側に嵌合するだけで良いため、その組付作業が容易となる利点がある。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】 前記目的を達成するための第2の手段は、(f)円形内周面を有する外筒部材 と、(g)略円筒形状を成して前記外筒部材の内周側に同心に且つ軸心方向の相 対移動可能に配設されるとともに軸心方向にスリットが形成されて拡径可能とさ れた制動部材と、(h)その制動部材の内周側にその制動部材に対して前記軸心 方向の相対移動不能に配設された軸部材とを備え、前記制動部材が前記外筒部材 の内周面に押圧されることによりその外筒部材と前記軸部材との相対移動を阻止 する軸方向制動装置において、皿ばね形状を成して前記制動部材の内周側に配設 され、前記軸心方向の推力を受けて扁平となるように弾性変形させられることに より、外周部が拡径して前記制動部材を前記外筒部材に押し付ける皿ばね状締付 部材であって、(i)周方向に連続して径方向に所定幅を有する円環状内周部と 、(j)その円環状内周部の周方向の複数箇所から皿ばね形状を成すように径方 向の外側へ向かって一体に延び出す複数の作用爪部とを有することを特徴とする 。
【0010】
【第2の手段の作用および効果】 このような皿ばね状締付部材においては、軸心方向の推力を受けて扁平となる ように弾性変形させられると、周方向に連続して径方向に所定幅を有する円環状 内周部では殆ど径寸法変化が生じないので、その円環状内周部から径方向の外側 に向かって延び出した複数の作用爪部の先端にて構成される外周部が専ら拡径さ せられ、これにより、制動部材が外筒部材に押し付けられて軸部材と外筒部材と の相対移動が阻止される。この場合に、かかる本考案の皿ばね状締付部材は、内 径側のバックアップがなくても外周側において充分な拡径作用が得られるため、 内径を拘束するための高い加工精度を要する軸部加工等が不要になるとともに、 皿ばね状締付部材の内径寸法や外径と内径との同心度などについても要求精度が 軽減される。また、内径を拘束する必要がないことから、扁平時には締付け側の みで径方向の押圧作用が生じて皿ばね状締付部材が制動部材さらには外筒部材に 対して自動的に同心とされ、周方向において締付力を均一に作用させることがで きるのであり、更に、かかる皿ばね状締付部材を組み付ける際には、制動部材の 内周側に嵌合するだけで良いため、その組付作業が容易となる利点がある。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、本考案の第1の手段による一実施例である皿ばね状締付部材52を備 えた軸方向制動装置(以下、単に制動装置という)10の断面図である。図にお ける12は、この図の右側に延長して位置固定に設けられたエアシリンダのピス トンロッドであり、円形外周面を有する軸部材に相当する。そして、制動装置1 0は、そのエアシリンダに取り付けられてピストンロッド12を任意の位置で停 止させるためのものである。制動装置10の本体部分を成すシリンダブロック1 4は、上記エアシリンダのロッドカバー16に着脱可能に取り付けられており、 外形が四角形をなすとともにピストンロッド12と同心に両側から一対の円形の シリンダボア18がそれぞれ形成された本体ハウジング20と、その本体ハウジ ング20を軸心方向の両側から覆蓋する一対の蓋部材22とから構成されている 。シリンダブロック14の先端側にはロッドカバー24が嵌合されており、それ らを貫通して配設された複数のボルト26およびナット28により制動装置10 がエアシリンダの先端側に一体的に固定されている。上記シリンダブロック14 は外筒部材に相当する。
【0012】 シリンダブロック14内には円環状を成す一対のピストン30が軸心方向に対 向する状態でピストンロッド12の外周側に配設されており、それぞれその内外 周に装着されたOリングにより気密を保たれているとともに、シリンダボア18 内の軸心方向の摺動可能とされている。一対のピストン30の間には本体ハウジ ング20の内向きフランジ部32を貫通して軸心と平行に複数の圧縮コイルスプ リング34が配設されており、一対のピストン30はこれらの圧縮コイルスプリ ング34により互いに離間するように所定の付勢力で付勢されている。なお、本 体ハウジング20、一対の蓋部材22、ロッドカバー16,24、ピストンロッ ド12の各部材間での気密状態は、それぞれ各所に配設された種々のOリングに よって保持されている。また、図1から明らかなように、シリンダブロック14 の内部においては、各部品が軸心方向の中央、すなわち上記フランジ部32に対 して対称に配設されており、以下、その両側のそれぞれについて特に区別するこ となく説明する。
【0013】 前記一対の蓋部材22の内周側の位置におけるピストンロッド12の外周側に は、略円筒形状を成す制動部材としての一対のブレーキシュー36が、蓋部材2 2に対して軸心方向の相対移動不能且つピストンロッド12に対して摺動可能に それぞれ配設されている。このブレーキシュー36は、図2にその単品図を示す ように、軸心方向にスリット38が形成されて自らの弾性により縮径可能とされ ているとともに、一方の端部にはフランジ40を備えている。このフランジ40 が蓋部材22とロッドカバー16および24との間に挟まれた図1の状態に配設 されることにより、シリンダブロック14に対して軸心方向の相対移動不能とさ れる。また、このブレーキシュー36は、通常はその外周面42が蓋部材22の 内周面44に密着しており、自身の内周面46とピストンロッド12の外周面4 8との間に微小な隙間を有している。
【0014】 前記ピストン30は座ぐり穴50を蓋部材22側に備えており、その座ぐり穴 50と蓋部材22と前記ブレーキシュー36とが形成する環状の空間内には、皿 ばね形状を成す皿ばね状締付部材52が2枚ずつ板厚方向に重ねられた状態でそ れぞれ配設されている。皿ばね状締付部材52は、軸心方向から見た正面図であ る図3、および中央での軸心に平行な断面図である図4にそれぞれ示すように、 全体的には直線的な円錐斜面を有する皿ばね形状を成すとともに、周方向に連続 して径方向に所定幅aを有する円環状外周部54と、その円環状外周部54の周 方向の複数箇所から皿ばね形状を成すように径方向の内側へ向かって一体に延び 出す複数(本実施例では12本)の作用爪部56とを有している。この皿ばね状 締付部材52は、例えばばね用炭素鋼などの金属弾性材料にて構成され、径方向 の圧縮応力が生じさせられる締付状態において上記作用爪部56に座屈を生じる ことがないように所定の強度が備えられている。皿ばね状締付部材52の内周部 、すなわち作用爪部56の先端側部分における内径寸法d1 は、前記ブレーキシ ュー36の外径寸法と略同じ寸法とされており、例えば極僅かなスキマバメ状態 のはめあいが得られるように予め寸法公差が定められている一方、円環状外周部 52の外径寸法D1 は、ピストン30の座ぐり穴50の内径よりも所定量小さい 寸法に定められている。そして、皿ばね状締付部材52が軸心方向に挾圧されて 扁平に弾性変形させられた状態においては、円環状外周部54では殆ど外径寸法 D1 の変化が生じず、専ら複数の作用爪部52が一様に撓んでその内周部先端に よる内径d1 が縮径させられる。
【0015】 前記シリンダブロック14には、一対のピストン30間に形成された圧力室6 0やピストン30と蓋部材22との間にそれぞれ形成された一対の圧力室62に 圧力エアを導くための図示しない接続ポートが設けられており、エア源64から 切換弁66および配管68または70をそれぞれ介してそれら圧力室60または 62に択一的に圧力エアが供給されるようになっている。上記切換弁66は、通 常は配管68とエア源64とを連通させるとともに、配管70を大気に解放させ る状態に保持されるようになっているが、励磁電流が供給されることにより、配 管70とエア源64とを連通させるとともに、配管68を大気に解放させる状態 に切り換えられる。なお、エア源64としては、制動装置10が取り付けられた 前記エアシリンダを作動させるためのエア源を利用することも可能である。
【0016】 図1に示す通常の状態では、圧力室60にエア圧が作用するとともに圧力室6 2が大気圧とされているため、ピストン30は圧力室62側に軸心方向の推力を 発生させて皿ばね状締付部材52を蓋部材22との間で挾圧している。この状態 では皿ばね状締付部材52が扁平に弾性変形させられてその内周部(作用爪部5 6の先端側)が縮径させられるため、ブレーキシュー36がピストンロッド12 の外周面48に押し付けられている。これにより、ピストンロッド12の軸心方 向への移動が阻止されるため、通常の圧力エアの作用状態においては制動装置1 0が制動状態に保持される。一方、前記切換弁66が切り換えられた場合には、 圧力室62にエア圧が作用するとともに圧力室60が大気圧とされるため、ピス トン30は圧縮コイルスプリング34の付勢力に抗してフランジ32側へ移動さ せられ、蓋部材22との間での皿ばね状締付部材52の挾圧状態が解除される。 この状態では、皿ばね状締付部材52が自身の弾性により元の形状に復帰させら れ、その内周部が前記内径d1 となるまで拡径させられるため、ブレーキシュー 36のピストンロッド12の外周面48に対する押付けが解除されてピストンロ ッド12の軸心方向への移動が許容される。このように切換弁66が切り換えら れた場合には、制動装置10が非制動状態に保持される。
【0017】 ここで、制動装置10が上述の如き制動状態にあって皿ばね状締付部材52が 扁平に弾性変形させられてその内周部が縮径する状況においては、円周状外周部 54では殆ど径寸法変化が生じず、専ら作用爪部56の内周部が縮径させられる ことから、従来の制動装置において用いられていた図7に示す皿ばね状締付部材 を用いる場合に比較して、外周側のバックアップがなくても内周側において充分 な縮径作用が得られる。このため、前記座ぐり穴50を皿ばね状締付部材の外径 D1 よりもある程度大きめにしておけばよく、その加工に際して外径D1 を拘束 するための高い加工精度が要求されることがないとともに、その外径D1 そのも のや内径d1 と外径D1 との同心度などについても要求精度が軽減される。また 、外周側が拘束されず、内周側のみで径方向の押圧作用が生じることから、扁平 時には皿ばね状締付部材52がブレーキシュー36さらにはピストンロッド12 に対して自動的に同心となる調心作用が得られ、周方向において締付力を均一に 作用させることができる。更に、はめあい関係が必要とされる相手がブレーキシ ュー36の外径だけとなるため、かかる皿ばね状締付部材52を組み付ける際に はブレーキシュー36に嵌合させるだけで良く、その組付作業が容易となるので ある。
【0018】 次に、本考案の第2の手段による一実施例を説明する。 図5に部分断面を示す軸方向制動装置(以下、単に制動装置という)80は、 外筒部材82を軸部材84に対して任意の位置で停止させるものである。図にお いて、位置固定に設けられた軸部材84の外周側には、その大径部86の両側か ら軸嵌合してその軸部材84に対して軸心方向の移動不能とされた第1中間部材 88、第2中間部材90、および第3中間部材91が一体的に配設されている。 第1中間部材88と第2中間部材90との間には、第1中間部材88内に形成さ れた円形のシリンダボア92と上記大径部86とにそれぞれ摺動可能に環状のピ ストン94が配設されているとともに、第2中間部材90の外周側には外筒部材 82の円形の内周面96に対して摺動可能に制動部材としてのブレーキシュー9 8が固定されており、ピストン94と第2中間部材90との間の環状の空間内に は、皿ばね状締付部材100が板厚方向に2枚重ねて配設されている。また、外 筒部材82、第1中間部材88、第2中間部材90、第3中間部材91、軸部材 84、ピストン94の各部材間での気密状態は、それぞれ各所に配設された種々 のOリングによって保持されている。
【0019】 ブレーキシュー98は、略円筒形状を成すとともに、前記ブレーキシュー36 と同様に軸心方向に図示しないスリットが形成されており、内側から押圧される ことにより拡径可能とされているとともに、一方の端部には内向きのフランジ1 02を備えている。このフランジ102が第2中間部材90の段部104と第3 中間部材91との間に挟まれて図5の状態に配設されることにより、軸部材84 に対して軸心方向の相対移動不能とされている。このブレーキシュー98は、通 常はその内周面106が第2中間部材90の外周面108に密着しており、自身 の外周面110と外筒部材82の内周面96との間に微小な隙間を有している。
【0020】 前記皿ばね状締付部材100は、全体的には直線的な円錐斜面を有する皿ばね 形状を成すとともに、軸心方向から見た正面図である図6に示すように、周方向 に連続して径方向に所定幅bを有する円環状内周部112と、その円環状内周部 112の周方向の複数箇所から皿ばね形状を成すように径方向の外側へ向かって 一体に延び出す複数(本実施例では18本)の作用爪部114とを有している。 この皿ばね状締付部材100も前記皿ばね状締付部材52と同様の金属弾性材料 から構成され、締付状態において上記作用爪部114に座屈を生じることがない ように所定の強度が備えられている。皿ばね状締付部材100の外周部、すなわ ち作用爪部114の先端側部分における外径寸法D2 は、前記ブレーキシュー9 8の内径寸法と略同じ寸法とされており、例えば極僅かなスキマバメ状態のはめ あいが得られるように予め寸法公差が定められている一方、円環状内周部112 の内径寸法d2 は、ピストン94の小径部115の外径よりも所定量大きい寸法 に定められている。そして、皿ばね状締付部材100が軸心方向に挾圧されて扁 平に弾性変形させられた状態においては、円環状内周部112では殆ど内径寸法 d2 の変化が生じず、専ら複数の作用爪部114が撓んでその外周部先端による 外径D2 が拡径させられる。
【0021】 また、前記ピストン94は、第1中間部材88内に配設された圧縮コイルスプ リング116によって第2中間部材90側へ所定の付勢力にて付勢されていると ともに、ピストン94自身と第1中間部材88および第2中間部材90との間に それぞれ形成された第1圧力室118および第2圧力室120には、軸部材84 の内部に形成された通路122および124を通して圧力エアが択一的に供給さ れるようになっている。図5に示す状態では、圧力室118にエア圧が作用させ られており、ピストン94は皿ばね状締付部材100を第2中間部材90との間 で挾圧して軸心方向に推力を作用させている。この状態では皿ばね状締付部材1 00が扁平に弾性変形させられてその外周部(作用爪部114の先端側)が拡径 させられるため、ブレーキシュー98が外筒部材82の内周面96に押し付けら れる。これにより、外筒部材82の軸心方向への移動を阻止する制動状態に制動 装置80が保持される。一方、圧力エアの供給状態が切り換えられて圧力室12 0にエア圧が作用させられると、ピストン94は圧縮コイルスプリング116の 付勢力に抗して第1中間部材88側へ移動させられ、皿ばね状締付部材100の 挾圧状態が解除される。この状態では、皿ばね状締付部材100が元の形状に復 帰させられてその外周部が前記外径D2 となるまで縮径させられるため、ブレー キシュー98の外筒部材82の内周面96に対する押付けが解除され、外筒部材 82の軸心方向への移動が許容される非制動状態とされる。
【0022】 ここで、制動装置80が上述した制動状態にあって、皿ばね状締付部材100 が扁平に弾性変形させられてその外周部が拡径する状況においては、円環状内周 部112では殆ど径寸法変化が生じず、専ら作用爪部114の外周部が拡径させ られることから、従来の制動装置において用いられていた図7に示す皿ばね状締 付部材を用いる場合に比較して、内周側のバックアップがなくても外周側におい て充分な拡径作用が得られる。このため、例えば前記小径部115の加工に際し て皿ばね状締付部材の内径d2 を拘束するための高い加工精度が要求されないと ともに、その内径d2 そのものや内径d2 と外径D2 との同心度などについても 要求精度が軽減される。また、内径d2 を拘束する必要がないことから、扁平時 には皿ばね状締付部材100がブレーキシュー98さらには外筒部材82に対し て自動的に同心とされ、周方向において締付力を均一に作用させることができる のであり、更に、かかる皿ばね状締付部材100を組み付ける際には、ブレーキ シュー98の内周側に嵌合するだけで良いため、その組付作業が容易となるので ある。
【0023】 以上、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案は他の態様 で実施することもできる。
【0024】 たとえば、前述の各実施例において、皿ばね状締付部材52における円環状外 周部54の径方向の所定幅aや、皿ばね状締付部材100における円環状内周部 112の径方向の所定幅bは任意に定められ得るとともに、作用爪部56,11 4の数およびその形状は適宜変更され得る。
【0025】 また、前述の各実施例における皿ばね状締付部材52および100は、ともに 直線的な円錐斜面を備えた皿ばね形状を成していたが、円錐斜面に正または負の 曲率が与えられた皿ばね形状を成すものであっても良い。
【0026】 また、前述の各実施例においては、制動装置10および80がいずれも位置固 定に配設されている場合であったが、ピストンロッド12や外筒部材82が位置 固定に配設されるとともにそれらに対して制動装置10や80等が移動させられ るように設けられ、それらの移動が阻止および許容される構成であっても良い。
【0027】 また、前述の各実施例においては、ピストン30の座ぐり穴50内に所定の隙 間を有する状態で皿ばね状締付部材52が配設されるとともに、ピストン94の 小径部115の外周側スペースに所定の隙間を有する状態で皿ばね状締付部材1 00が配設されていたが、上記それぞれの場合における隙間は必ずしも必要でな いとともに、座ぐり穴50や小径部115を省略することもできる。
【0028】 また、前述した図1の実施例においては、一対のピストン30の駆動によって ピストンロッド12を制動するようになっていたが、何れか一方のピストン30 のみによってピストンロッド12を制動するようにすることも可能である。
【0029】 また、前述の各実施例においては、制動状態を得るためにエア圧を圧力室60 や第1圧力室118に作用させてピストン30,94に軸心方向の推力を発生さ せるようになっていたが、所望の推力が得られるだけの付勢力を発生させる圧縮 コイルスプリング34,116を配設することなどにより、制動状態とするため の圧力エア供給を省略することも可能である。
【0030】 その他一々例示はしないが、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,改 良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の皿ばね状締付部材を備えた軸方向制動装
置の断面および空圧回路構成を示す図である。
【図2】図1の軸方向制動装置における制動部材の正面
図である。
【図3】本考案の第1の手段による一実施例である皿ば
ね状締付部材を軸心方向から見た正面図である。
【図4】図3の皿ばね状締付部材の中央断面図である。
【図5】図6の皿ばね状締付部材を備えた軸方向制動装
置の要部を示す部分断面図である。
【図6】本考案の第2の手段による一実施例である皿ば
ね状締付部材を軸心方向から見た正面図である。
【図7】従来の皿ばね状締付部材の一例を説明する図で
ある。
【図8】図7の皿ばね状締付部材の変形特性を説明する
図である。
【符号の説明】
10:軸方向制動装置 12:ピストンロッド(軸部材) 14:シリンダブロック(外筒部材) 36:ブレーキシュー(制動部材) 38:スリット 48:外周面 52:皿ばね状締付部材 54:円環状外周部 56:作用爪部 80:軸方向制動装置 82:外筒部材 84:軸部材 96:内周面 98:ブレーキシュー(制動部材) 100:皿ばね状締付部材 112:円環状内周部 114:作用爪部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】円形外周面を有する軸部材と、略円筒形状
    を成して前記軸部材の外周側に同心に且つ軸心方向の相
    対移動可能に配設されるとともに該軸心方向にスリット
    が形成されて縮径可能とされた制動部材と、該制動部材
    の外周側に該制動部材に対して前記軸心方向の相対移動
    不能に配設された外筒部材とを備え、前記制動部材が前
    記軸部材の外周面に押圧されることにより該軸部材と前
    記外筒部材との相対移動を阻止する軸方向制動装置にお
    いて、皿ばね形状を成して前記制動部材の外周側に配設
    され、前記軸心方向の推力を受けて扁平となるように弾
    性変形させられることにより、内周部が縮径して前記制
    動部材を前記軸部材に押し付ける皿ばね状締付部材であ
    って、 周方向に連続して径方向に所定幅を有する円環状外周部
    と、 該円環状外周部の周方向の複数箇所から皿ばね形状を成
    すように径方向の内側へ向かって一体に延び出す複数の
    作用爪部とを有することを特徴とする軸方向制動装置の
    皿ばね状締付部材。
  2. 【請求項2】円形内周面を有する外筒部材と、略円筒形
    状を成して前記外筒部材の内周側に同心に且つ軸心方向
    の相対移動可能に配設されるとともに該軸心方向にスリ
    ットが形成されて拡径可能とされた制動部材と、該制動
    部材の内周側に該制動部材に対して前記軸心方向の相対
    移動不能に配設された軸部材とを備え、前記制動部材が
    前記外筒部材の内周面に押圧されることにより該外筒部
    材と前記軸部材との相対移動を阻止する軸方向制動装置
    において、皿ばね形状を成して前記制動部材の内周側に
    配設され、前記軸心方向の推力を受けて扁平となるよう
    に弾性変形させられることにより、外周部が拡径して前
    記制動部材を前記外筒部材に押し付ける皿ばね状締付部
    材であって、 周方向に連続して径方向に所定幅を有する円環状内周部
    と、 該円環状内周部の周方向の複数箇所から皿ばね形状を成
    すように径方向の外側へ向かって一体に延び出す複数の
    作用爪部とを有することを特徴とする軸方向制動装置の
    皿ばね状締付部材。
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