JPH0667624B2 - 印刷機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔目 次〕 概 要 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする問題点 問題点を解決するための手段（第１図） 作 用 実施例 （ａ） 一実施例全体構成の説明（第２図，第３図） （ｂ） 一実施例の要部の説明（第４図，第５図，第６
図） （ｃ） 他の実施例の説明（第７図） （ｄ） 別の実施例の説明 発明の効果 〔概 要〕 印刷ヘツドブロツクを駆動源によつて往復運動させて印
刷を行なう印刷機構において，印刷ヘツドブロツクの一
方はガイド部材によつてガイドし，他方は印刷ヘツドブ
ロツクのローラを固定部材上を移動させてガイドすると
ともに該ローラをバネ部材で引つ張ることによつて，他
方でのガイドと往復運動に要するエネルギーの低減化を
図るものである。

〔産業上の利用分野〕

本発明は，印刷ヘツドを印刷媒体上を左右に掃引して印
刷を行なう印刷機構に関し，特に印刷ヘツドの左右往復
運動のガイド機構を改良した印刷機構に関する。

多数の印刷素子を搭載した印刷ヘツドを左右に掃引して
印刷するプリンタが広く利用されている。

係るプリンタは，例えばドツトラインプリンタにおいて
は，第８図に示す如く，複数の印刷素子（ワイヤドツト
エレメント）1a〜1nを等間隔に並設した印刷ヘツド１に
印刷すべき用紙PPを対向して設け，駆動源であるリニア
モータ２によつて印刷ヘツド１を用紙PPに対し左右に往
復掃引駆動することによつて印刷を行うものである。従
つて，各印刷素子1a〜1nは，用紙PPに対して印刷ヘツド
１の駆動分l₁に相当する領域の印刷を受け持つことにな
り，各印刷素子1a〜1nで用紙PPの主走査方向の印刷を分
担して高速印刷を可能とするものである。

〔従来の技術〕

このようなプリンタは，印刷ヘツド10を左右に往復運動
するため，ガイド機構が設けられており，従来は第９図
及び第10図に示すガイド機構が用いられていた。

即ち，印刷ヘツド10を搭載するブロツク11の一方におい
ては，これを貫通するガイド軸3aによつて，ブロツク11
を回転自在に保持するとともに往復運動のガイドを行な
い，ブロツク11の他方においては，ブロツク11に設けら
れたローラ30を固定レール31とコの字状のストツパ32と
の間にはさみ込み，ローラ30をレール31とストツパ32間
で移動させることによつてガイドを行つていた。

尚,6はプラテンである。

係る従来の構成によれば，印刷ヘツド10を搭載したブロ
ツク11は第10図の如く両側においてガイド軸3aとローラ
30とレール31,ストツパ32の組合せによつて，往復運動
方向と直交する面においては位置決めされ，往復運動方
向にはガイド軸3aとローラ30のレール31,ストツパ32間
の移動によつてガイドされる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような従来の構成によれば，ブロツク11の片側にお
いては，ローラ30を固定レール31上を移動するようにす
るとともにローラ30の浮き上がりはストツパ32によつて
防止するものであつた。

このストツパ32と固定レール31との間隔は，ローラ30の
径より若干大の微小のガタがあることがローラ30の移動
にとつて好ましいが，ガタが大であると，印刷ヘツド10
及びブロツク11がガイド軸3aを中心に回動してしまい，
プラテン６との距離が変化し，印刷品質の低下が生じ，
その調整が難しいという問題があつた。

又，ストツパ32と固定レール31はローラ30の単なるガイ
ドであるため，駆動エネルギーの低減の効果は得られな
いという問題も生じていた。

本発明の目的は，ローラの浮き上がり防止の調整が容易
で且つ駆動エネルギーを低減することのできるガイド機
構を有する印刷機構を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理説明図である。

図中，第９図，第10図で示したものと同一のものは同一
の記号で示してあり,33はバネ部材であり，一端は支持
され，他端はローラ30に係合し，ローラ30を固定部材31
方向に引つ張るものである。

従つて，本発明では，ストツパ32の代りにバネ部材33を
設けて，ローラ30の浮き上がりを防止する構成をとつて
いる。

〔作 用〕

本発明では，固定部材31上を移動するローラ30の浮き上
がりをバネ部材33の引張力によつて防止しているので，
調整がほとんど必要なく，安定に浮き上がりを防止でき
る。

又，バネ部材33は一端が支持されているので，ブロツク
11及び印刷ヘツド10の一方向の移動に対し伸ばされ，強
い復帰力を与えるから，往復運動の反転時の最も駆動エ
ネルギーの必要とする時に，係る復帰力によつて反転エ
ネルギーを低減することができる。

〔実施例〕

（ａ） 一実施例の全体構成の説明 第２図は本発明印刷機構の適用される一実施例プリンタ
装置全体構成図である。

図中，第１図，第９図，第10図で示したものと同一のも
のは同一の記号で示してあり,4はリンク機構であり，リ
ニアモータ２の駆動力をブロツク11に伝達するもの,5は
インクリボンであり，インクリボン送り機構5a,5bによ
つて印刷ヘツド10と用紙PPとの間を送られるもの,6は前
述のプラテンであり，用紙PPを介し印刷ヘツド10に対向
して設けられるもの,7は紙送り機構であり，プラテン６
及び後述するトラクタを駆動して，用紙PPを送るもの,8
はトラクタであり，プラテン６上部に設けられ，用紙PP
のスプロケツト孔と係合して用紙PPを図の上方へ送るも
の,9a,9bはフレームであり，各部を支持するためのも
の,34はスプリング固定部であり，スプリングで構成さ
れたバネ部材33の一端を固定するものである。

第３図は印刷ヘツド10の前面図である。

図中,10a〜10nは各々印刷素子であり，各印刷素子10a〜
10nは斜め６つのワイヤドツト100が２列設けられて構成
され，従つて図の縦方向（紙送り方向）12ドツトの同時
印刷が可能なものである。

従つて，用紙PPは紙送り機構７によつて駆動されるプラ
テン６及びトラクタ８によつて送られ，インクリボン５
を介し印刷ヘツド10によつてドツト印刷が行われる。

一方，印刷ヘツド10を搭載したブロツク11は，固定され
たガイド軸3a及びガイドローラ30によつてガイドされ，
プラテン６下部に設けられたリニアモータ２によつてリ
ンク機構４を介して左右方向に掃引される。

印刷ヘツド10のワイヤドツト100は，インクリボン5,用
紙PPを介しプラテン６を打撃し，用紙PP上にドツト印刷
を行うものである。

（ｂ） 一実施例ガイド機構の説明 第４図は本発明に用いられる一方のガイド機構及び駆動
機構の構成図である。

図中，第２図で示したものと同一のものは同一の記号で
示してあり,20はヨークであり，両側の円形溝壁面に円
筒状の永久磁石を有し，後述する動作軸に固定されるも
の,21は動作軸であり，ヨーク20が固定され，第４図の
矢印方向に可動であるもの,22,23は励磁コイルであり，
後述する側板に固定された円形コイルであり，ヨーク20
の円形溝に対応した位置に設けられるもの,24,25は側板
であり，各々励磁コイル22,23が取付けられ，軸受を介
し，可動軸21を支持するものである。

従つて，リニアモータ２は周知のムービングマグネツト
型ボイスコイルモータで構成され，ヨーク20の永久磁石
と励磁コイル22,23との吸引，反発によつてヨーク20及
び可動軸21を左右に往復駆動するものである。

40は第１のリンクであり，一端が軸21aによつてリニア
モータ２の可動軸21と接続され，他端が後述する第２の
リンクに接続されるもの,41は第２のリンクであり，後
述するブラケツトで中央を回転自在に支持され，一端は
軸45によつて第１のリンク40によつて接続され，他端は
後述する第３のリンクに接続されるもの,42は第３のリ
ンクであり，一端は第２のリンク41と軸46によつて接続
され，他端は印刷ヘツドブロツク11の軸11cに接続され
るもの,43はブラケツトであり，第２のリンク41の中央
を軸44によつて回動自在に支持するものである。

従つて，リニアモータ２の可動軸21の矢印方向の動き
は，可動軸21端部で軸21aにより回動自在に軸支されて
いる第１のリンク40を動かし，第１のリンク40の動きに
よつてブラケツト43に回転自在に軸支されている第２の
リンク41を回転させる。第２のリンク41は軸46を介し，
第３のリンク42を動かし，これによつて第２のリンク42
に軸支された印刷ヘツドブロツク11がガイド軸3aに沿つ
て矢印方向に動く。

この時，リニアモータ２の可動軸21の移動方向と印刷ヘ
ツド10の移動方向とは逆方向となつている。

そして，リニアモータ２の可動部であるヨーク20,永久
磁石及び可動軸21の合計質量は，印刷ヘツド10,11の質
量と第２のリンク41のレバー比によつて決定され，等価
質量をほぼ同一としている。

従つて，リニアモータ２の可動部が印刷ヘツド10,11の
カウンタバランスの役目を果たすことになり，駆動源で
あるリニアモータ２によつて印刷ヘツド10,11との動的
バランスのつり合いをとることができ，振動，騒音が減
少する。

第５図は本発明に係る他方のガイド機構の構成図であ
る。

ブロツク11に設けられたガイドローラ30は，ローラの軸
にスプリング（バネ部材）33の他端が係合され，スプリ
ング33の一端はスプリング固定部34に固定されている。
従つてガイドローラ30は，固定レール31方向にスプリン
グ33によつて引つ張られ，これによつてガイドローラ30
は固定レール31上を移動することになる。

第６図は係る他方のガイド機構の動作説明図である。

前述のスプリング固定部34は，ブロツク11の移動中心に
設けられているので，ブロツク11が第６図（Ａ）の如く
左方向に移動する時は，スプリング33は図の如く伸び矢
印方向であるスプリング固定部34方向に強い復帰力が与
えられる。このため，左方向から右方向への反転時には
前述の復帰力のブロツク11の移動方向の分圧力が復帰力
となり，反転時に必要とするリニアモータ２の駆動エネ
ルギーが少なくて済む。

同様にブロツク11が第６図（Ｂ）の如く右方向に移動す
る時は，スプリング33は図の如く伸び，スプリング固定
部方向に強い復帰力が与えられるから，右方向から左方
向への反転時には前述の復帰力の分圧力が復帰力とな
り，反転時に必要とするリニアモータ２の駆動エネルギ
ーが少なくて済む。

即ち，リニアモータ２の駆動エネルギーは，往復運動の
反転時に一方向へ移動するブロツクの慣性力に相当する
分余分に要し，この反転時に最大の駆動エネルギーを必
要とする。特に高速の印刷を行なうには往復運動に要す
る時間も短くなり，リニアモータ２の駆動エネルギーは
極めて大きいものが要求され，前述の印刷素子10a〜10n
を多数要する印刷ヘツド10はその質量も大であり一層駆
動エネルギーが大きいものが要求される。

従つて，印刷ヘツド10及びブロツク11の反転時に要求さ
れるエネルギーの一部をスプリング33の復帰力によつて
得ることにより，リニアモータ２の駆動エネルギーが小
で済むようにし，リニアモータ２を小型化できる。

逆に，同一能力のリニアモータ２であれば，反転動作を
早くすることができ，高速印刷が可能となる。

しかも，このスプリング33はガイドローラ30の固定レー
ル31からの浮き上がりを防止しているので，従来の様な
ガタを有せず且つ調整も容易なため，印刷品質の低下も
防止できる。

（ｃ） 他の実施例の説明 第７図は他方のガイド機構の他の実施例の説明図であ
る。

前述のように，第６図に示す構成のガイド機構では，確
かに反転時にスプリング33の復帰が作用し，反転時の駆
動エネルギーを小とすることができる。しかしながら，
例えば第７図（Ａ）に示すように，ブロツク11がスプリ
ング33の中立点（スプリング33が最も短かくなる点）か
ら右あるいは左方向へ移動させるように駆動する場合，
スプリング33の復帰力（矢印ａで示す方向の力に対する
分圧力）が負荷として作用する。従つて，スプリング33
は中立点の一方の側から他方の側へ移動させるとき，中
立点までは加速させるが中立点以降は負荷となるため，
掃引動作中に若干の速度変動を来たすことになる。

このため，本実施例では，第７図（Ｂ）に示すように，
固定レール31側にブロツク11の移動方向と平行なスライ
ド溝31aを設け，スプリング固定部34をスライド溝31a内
をスライド可能に支持するように構成したものである。

そして，このスライド溝31aは，ブロツク11が左右の移
動限界点近傍でスプリング33が延びて制動力が加わるよ
うな長さに設定する。

このように構成することにより，左右の移動限界点から
逆の方向への移動の際にスプリング33の復帰力による加
速と，限界点に達するときの制動力が得られると共に，
移動時にはスプリング固定34がスライド溝31a内をスラ
イドするので，移動時の負荷を少なくすることができ，
掃引動作時に速度変動が生じることがないガイド機構が
得られる。

（ｄ） 別の実施例の説明 上述の実施例では，バネ部材33にスプリングを用いた例
で説明したが，他の周知の板バネを変形したものを用い
てもよい。

又，印刷ヘツド10が打撃型のワイヤドツトプリンタであ
るため，印字反力を受ける方向に固定レール31を設けて
いるが，他のインクジエツト方式等の非打撃式のプリン
タを用いる場合には，固定レール31をローラ30の上方に
設け，スプリング33によつてローラ30を上方へ引つ張る
ようにしてもよい。

更に，駆動源としてリニアモータを用いているが，他の
周知の駆動源を用いてもよい。

以上本発明を実施例により説明したが，本発明は本発明
の主旨に従い種々の変形が可能であり，本発明からこれ
らを排除するものではない。

〔発明の効果〕

以上説明した様に，本発明によれば，印刷ヘツドブロツ
クの他方をガイドローラを固定部材（レール）方向にバ
ネ部材で引つ張つてガイド機構を構成しているので，印
刷ヘツドの一方のガイド機構を中心とする回動を容易に
防止できるガイド機構を提供できるという効果を奏し，
印刷品質の低下を防止できる。

又，往復運動する印刷ヘツドの反転時のエネルギーの一
部をバネ部材の復帰力によつて得ることができるので，
駆動源に要する反転時の駆動エネルギーを減少すること
もできるという効果も奏し，駆動源の小型化及び印刷速
度の向上に寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理説明図， 第２図は本発明の一実施例全体構成図， 第３図は第２図構成の印刷ヘツドの構成図， 第４図は第２図構成の駆動機構の構成図， 第５図は第２図構成の他方のガイド機構の構成図， 第６図は第５図構成の動作説明図， 第７図は他方のガイド機構の他の実施例の説明図， 第８図はドツトラインプリンタの説明図， 第９図及び第10図は従来技術の説明図である。 図中,10……印刷ヘツド， 11……ブロツク， ２……駆動源， 3a……ガイド棒（ガイド部材）， 30……ローラ， 31……固定レール（固定部材）， 33……バネ部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷ヘッドを有する印刷ヘッドブロックを
   駆動源によって往復運動させて該印刷ヘッドを印刷媒体
   上を左右に掃引して印刷を行なう印刷機構において、 該印刷ヘッドブロックの一方において該往復運動のガイ
   ドを行なうガイド部材と、 該印刷ヘッドブロックの他方に設けられ、固定部材上を
   移動するローラと、 一端が支持され、他端が該ローラと係合するバネ部材と
   を有し、 該バネ部材によって該印刷ヘッドブロックのローラを該
   固定部材方向に引っ張ることを特徴とする 印刷機構。