JPH0667469U - ガバナロープ張り車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成でガバナロープの緩みが検出でき
るガバナロープ張り車装置の提供。 【構成】 ガバナロープ６ａをガイドするガイド溝を有
するプーリ９ａと、昇降路１の任意の場所に固着され、
プーリ９ａに所定の押し力を与えるスプリング９ｆと、
スプリング９ｆに当接する作動片９ｂと、作動片９ｂの
移動で作動するスイッチ９ｃと、スイッチ９ｃの動作で
警報を発する報知装置１３とから構成されるガバナロー
プの張力検出装置９を有する構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガバナロープ張り車装置に係り、特にカバナロープの張力の減少に よるエレベータの事故を防止するのに好適なガバナロープ張り車装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にエレベータにあっては、昇降路内を昇降するかごにガバナロープの上側 ループ部を昇降路上部の機械室に設置される調速機に巻掛けて、この調速機によ りガバナロープを介してかごの昇降速度を制御している。そして、上記の昇降路 内に備えられるガバナロープ張り車装置は、ガバナロープの下側ループ部が巻掛 けられる張り車と、昇降路内に立設されるガイドレールの下部に締結される支持 金具と、この支持金具に一端が回動可能に取り付けられ、張り車を回転可能に支 持する支持体と、この支持体の他端に装着される錘とを含んでいる。

【０００３】 このようなガバナロープ張り車装置は、昇降路底部に設置されているため、か ご及び乗場から落下するゴミなどで支持体の回転部が固渋した場合、ガバナロー プは経年的に伸びるが、張り車はガバナロープに張力を与えることができず、ガ バナロープが緩んで昇降路機器に接触して非常止め装置が作動する事故が発生し たことがある。

【０００４】 そこで、実開昭６２−１６１１６０号公報記載の、調速機プーリと張り車との 回転速度を比較して調速機プーリ及び張り車の固渋を検出する装置を用いれば、 ガバナロープの緩みが検出できる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術は、調速機プーリと張り車の回転速度を検出する回転計を、機械 室と昇降路底部にそれぞれ設置しなければならないことや、回転計で検出したそ れぞれの回転速度を比較演算する装置が必要であり、回転計の設置場所が２個所 となり、かつ、比較演算装置の動作確認に専用の計測器が必要となるなど、装置 の点検作業に長時間を要したり、点検作業に高度の技術を要したり、装置が高価 となるなどの問題があった。

【０００６】 本考案の目的は、簡単な構成でガバナロープの緩みを検出できるガバナロープ 張り車装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、エレベータのかごが昇降する昇降路内 に備えられ、前記かごに両端をそれぞれ連絡したガバナロープの下側ループ部が 巻掛けられる張り車と、前記昇降路内に立設されたガイドレールの下部に締結さ れる支持金具と、この支持金具に一端が回動可能に取り付けられ、中間部に前記 張り車が回転可能に支持される支持体と、この支持体の他端に装置される錘とを 有するガバナロープ張り車装置において、前記昇降路の任意の場所に固着され、 前記ガバナロープをガイドするガイド溝を有するプーリと、このプーリに所定の 押し力を与えるスプリングと、このスプリングに当接する作動片と、この作動片 の移動で作動するスイッチと、このスイッチの動作で警報を発する報知装置とを 有するガバナロープの張力検出装置を備えたものである。

【０００８】

【作用】

このように構成されているので、ガバナロープに緩みが生じると、スプリング の押し力とガバナロープの張力との均衡が崩れ、スイッチが作動方によって動作 して報知装置が警報を発するので、簡単な構成でガバナロープの緩みが検出でき るとともに、ガバナロープの緩みによる事故を未然に防止することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。 図において、昇降路１にかご２と釣合い錘３がロープ４を介して接続されてい る。かご２は昇降路１に立設されているガイドレール５に案内されて走行してい る。また、ガバナロープ６ａは、かご２に無端状に締結され昇降路１の上部の機 械室７に設置されるガバナ６のプーリ６ｂに巻掛けられている。一方、昇降路１ の底部にガイドレール５の最下部にレールクリップ８ａによって締結されている 張り車装置８は、ガバナロープ６ａに下部ループ部が巻掛けられる張り車８ｂと 、昇降路１に立設されているガイドレール５の下部に締結されている支持金具８ ｃと、この支持金具８ｃに一端が回動可能に取り付けられ、張り車８ｃを支点ピ ン８ｄにて回転可能に支持し、この支持金具８ｄの他端には、張り車８ｂの錘８ ｅが設けられている。

【００１０】 また、張り車装置８のほかに昇降路１の壁にブラケット１０によって取り付け たガバナロープ６ａの緩み検出装置９は、ガバナロープ６ａを係合するガイド溝 を有するプーリ９ａと、プーリ９ａの軸９ｂを嵌合し、常開接点９ｃａを有する スイッチ９ｃを作動させる作動片９ｄに連結される支持体９ｅと、ガバナロープ ６ａに対して所定の押し力を与え作動片９ｄに当接するスプリング９ｆと、スイ ッチ６ｃ、作動片９ｄ、スプリング９ｆを収納する収納体９ｇとから構成されて いる。

【００１１】 また、電源Ｐ−Ｎ間に、常開接点９ｃａと、リセットスイッチ１１ｂと、常開 接点１２ａ１、１２ａ２を有するガバナロープ緩み検出リレー１２とがそれぞれ 直列接続されており、常開接点９ｃａと並列に常開接点１２ａ１が接続されてい る。また同様に、電源Ｐ−Ｎ間に、常開接点１２ａ２と、エレベータの異常を通 信回線を介して遠隔的に監視する図示しない監視センタに通報する通報装置１３ とが直列接続されている。

【００１２】 次に、動作の説明をする。 今、図示しない乗場から図示しない紐状のゴミが落下し、支持金具８ｃなどに 絡まったり付着したりすると、支持ピン８ｄに固渋が発生し、支持金具８ｃの回 動が阻止されたままの状態でエレベータが稼働する。この状態のまましばらく経 過すると、経年によってガバナロープ６ａが伸びてガバナロープ６ａにたるみが 発生する。

【００１３】 このとき、緩み検出装置９は、収納体９ｇ内にあるスプリング９ｆが作動片９ ｂを押し、押された作動片９ｂがスイッチ９ｃを作動させると、Ｐ−９ｃａ−１ １−１２−Ｎの回路が形成され、ガバナロープ緩み検出リレー１２が付勢し、Ｐ −１２ａ１−１１−１２−Ｎの回路でガバナロープ緩み検出リレー１２は自己保 持される。

【００１４】 また、Ｐ−１２ａ２−１３−Ｎの回路が形成され、通報装置１３が起動され図 示しない監視センタに、ガバナロープ６ａにたるみが生じたことを報知すること で、ガバナロープ６ａにたるみに伴うエレベータ走行中の非常止め装置動作によ る事故が防止できる。

【００１５】 なお、本実施例では、緩み検出装置９の取付場所を昇降路１の壁面としたが、 ガイドレール５に取り付けても同様の効果が得られる。また、本実施例では、緩 み検出装置９のスプリング９ｆがガバナロープ６ａを押す方向に作用させたが、 引く方向に作用させても同様の効果が得られる。

【００１６】

【考案の効果】

このように構成されているので、ガバナロープに緩みが生じると、スプリング の押し力とガバナロープの張力との均衡が崩れ、スイッチが作動片によって動作 して報知装置が警報を発するので、簡単な構成でガバナロープの緩みが検出でき るとともに、ガバナロープの緩みによる事故を未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガバナロープの張り車装置の一実施例
を示す説明図である。

【図２】図１のＡ−Ａに沿う断面図である。

【図３】ガバナロープの張り車装置の回路図である。

【符号の説明】

６ａ ガバナロープ ９ 張力検出装置 ９ａ プーリ ９ｂ 作動片 ９ｃ スイッチ ９ｆ スプリング １３ 報知装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータのかごが昇降する昇降路内に
   備えられ、前記かごに両端をそれぞれ連絡したガバナロ
   ープの下側ループ部が巻掛けられる張り車と、前記昇降
   路内に立設されたガイドレールの下部に締結される支持
   金具と、この支持金具に一端が回動可能に取り付けら
   れ、中間部に前記張り車が回転可能に支持される支持体
   と、この支持体の他端に装置される錘とを有するガバナ
   ロープ張り車装置において、前記昇降路の任意の場所に
   固着され、前記ガバナロープをガイドするガイド溝を有
   するプーリと、このプーリに所定の押し力を与えるスプ
   リングと、このスプリングに当接する作動片と、この作
   動片の移動で作動するスイッチと、このスイッチの動作
   で警報を発する報知装置とを有するガバナロープの張力
   検出装置を備えたことを特徴とするガバナロープ張り車
   装置。