JPH066732Y2 - 係止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、面ファスナーに関し、さらに詳しくは、着脱
自在に係合・分離し、かつ強固に係合可能な係止装置に
関するものである。

（従来の技術） 着脱自在な係止装置として、従来鉤状またはキノコ状の
面ファスナーと輪奈状の面ファスナーを組み合わせたも
のが使用されている。さらに強固に係合しうる係止用装
置として実開昭49-88905号および実開昭51-16510号にて
開示されているように、面ファスナーをダブルにして噛
み合わせるクリップ方式が提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述した係止用装置は、面ファスナー単
体使いでは、着脱自在であるが、強固に係合するために
面ファスナーをダブル使いにした場合、分離するのに単
体使いに比べ２倍の手間がかかり取りはずしが困難な欠
点を有しており、着脱自在に係合・分離できかつ強固に
係合可能な係止装置が望まれていた。

（課題を解決するための手段） 本考案の係止用装置は、上記課題を解決するために、着
脱可能な面ファスナーからなり、第１の係合素子を少な
くともその１面にもつ板状体と、第２の係合素子をその
１面にもつ２枚の帯状面ファスナーを第２の係合素子が
互いに向い合うように配置し、該２枚の帯状面ファスナ
ーの一端部をベルトに固定し、他端を互いに外側に折り
返すよう配置しかつ該他端を移動可能なスライダーに固
定すると共に該ベルトを該スライダーの中間部に挿通し
た連動体からなり、該板状体を該連動体の２枚の帯状面
ファスナーの間に設置し、該スライダーを該２枚の帯状
面ファスナー上を移動させることにより第１と第２の係
合素子の着脱を行うように構成した係止装置である。

本考案の係止装に用いられる板状体は、それ自体で自立
性をもつ比較的硬いものが望ましく、各種の形状のもの
が使用できる。その具体例の１つは、第１図に示すよう
に連動体の２枚の帯状面ファスナーの間への配置がしや
すいように、先端に丸みをつけたものである。板状体に
設けられる第１の係合素子は、フック状係合素子又はル
ープ状係合素子のいずれでもよいが、連動体に設けられ
る２枚の帯状面ファスナーがループ状係合素子をもつも
のであることが好ましいので、該板状体は第１の係合素
子としてフック状係合素子をもつものが好ましい。フッ
ク状係合素子の具体例は、ナイロン、ポリエステル等の
合成繊維を織編成し、鉤状体、又はキノコ状体を形成し
たもの、または合成樹脂の押出成形により、フック状、
キノコ状又は矢ジリ状体をその基板と一体に成形したも
ので、一般的に面ファスナーとして知られるものであ
る。好適例の１つはマジックテープ（登録商標）として
知られるフィラメントを織編成した面ファスナーであ
る。板状体は少くともその１面に第１の係合素子を有し
ていればよく、より大きな係合力を望む場合は、両面に
係合素子を設ける。板状体は、上記した面ファスナーを
直接用いてもよいし、適当な基板上に面ファスナーを重
合したものでもよい。

本考案の連動体は、二枚の帯状面ファスナー、スライダ
ーおよびベルトから構成されるものであり、以下図面を
参照して説明する。第２図は本考案の連動体の１例を示
す斜視図であり、第４図は第２図のＢ−Ｂ線における断
面図である。連動体に用いられる帯状面ファスナーは、
上述した板状体がもつ第１の係合素子と係合するための
第２の係合素子を、その一面にもち、２枚の帯状面ファ
スナーによって板状体をはさむように構成される。第１
の係合素子がフック状係合素子であれば、第２の係合素
子はループ状係合素子であり、又逆の関係もありうる。
連動体に用いる面ファスナーは、より軟かいもの及び係
合素子同志が接合した際に自己係合しないことが望まし
いので、ループ状係合素子をもつものが望ましい。ルー
プ状係合素子をもつ面ファスナーは多条繊維を織編成し
ループ状体を形成したものや毛あしの長い織編物、不織
布等が使用できる。

連動体に用いる２枚の帯状面ファスナーは、係合素子が
互いに向い合うよう、即ち内側に向い合うように配置
し、その一端をベルトの一端に固定し、他端を互いに外
側に折り返すように配置し、該他端はスライダーの一端
に固定される。この構造は第２図及び第４図に示される
とおりである。

帯状面ファスナーと連結したベルトは織編成した布帛、
不織布、プラスチックシート等からなり、スライダーの
中間部に挿通されるように配置される。スライダーをベ
ルト及び／または帯状面ファスナー上を移動させるこに
より、板状体と連動体の係合素子の着脱を行う。すなわ
ち第４図の状態で連動体に板状体を接近させ、スライダ
ーを板状体側へ移動させると、係合素子が係合し、板状
体と連動体が係止される。この際板状体は２枚の帯状面
ファスナーで係止されるので、その係止力は非常に大き
い。ベルトやスライダーに、スライダーが不必要に移動
しないよう適当なストッパー機構を加えることは何ら差
し支えない。

連動体に用いられるスライダーは、図示したように箱型
で中間に空隙部を設けたもののほか、ベルトが挿通する
スライダーの上下面の一方を全面被覆の板状構造の代り
に、両側面から適当な大きさの掛止片を突設し、ベルト
がスライダーの中間部から外れないような構造にするこ
ともできる。これはズボン保持用べルトに付帯するバッ
クルに似たものとなる。かかる種々の変更は本考案の機
能を損なわない範囲で自由にできる。

本考案において係止したスライダーをベルト側に移動さ
せると、板状体と帯状面ファスナーの係合を容易に外す
ことができる。かかる効果は、従来の係止装置では得ら
れないものであった。

以下図面により本考案を説明する。

第１図は本考案による係止装置の板状体の１例を示す斜
視図であり、第３図はそのＡ−Ａ線における断面図であ
る。板状体１はその先端部の平面に多数のフック状又は
ループ状係合素子２をもつ。第１図はフック状係合素子
をもつ態様を示している。係合素子２を板状体の両面に
もつものは、その係合力が極めて大きい。第２図は連動
体の１例を示す斜視図であり、第４図はそのＢ−Ｂ線で
の断面図である。連動体３は、２枚の帯状面ファスナー
4,4′、スライダー５及びベルト６より構成される。帯
状面ファスナーは係合素子２と係合する係合素子７が互
いに向い合うように配置され、その一端８をベルト６の
端部に固定する。そして、その他端は互いに外側に折り
返すように配置しスライダー５の一端９に固定される。
上記のように構成されたベルト６は、スライダー５から
外れないようその中間部10を通って、スライダーの反対
側端11に導出される。

第５図は第１図及び第２図で示した板状体と連動体が係
止した状態を示す断面図である。

（考案の効果） 本考案の係止装置は、面ファスナーの係合面積が大きい
ため係止力にすぐれる上に、係合の着脱が極めて容易に
できる利点を有し、安全ベルトや荷止めバンド等の係止
装置として使用できる。従来のクリップ式の係止装置で
は、係止装置が荷物に接する側のクリップの分離が困難
となるのに対し、本考案の係止装置はスライダーの移動
が係合素子の着脱ができるため、上述のような欠点がな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による係止装置の板状体の１例を示す斜
視図であり、第２図は本考案による連動体の１例を示す
斜視図である。第３図及び第４図は、それぞれ第１図お
よび第２図で示した板状体と連動体のＡ−Ａ線およびＢ
−Ｂ線における断面図である。第５図は板状体及び連動
体が係止した状態を示す断面図である。 １……板状体 ２……フック状係合素子 ４……連動体 4,4′……帯状面ファスナー ５……スライダー ６……ベルト ７……ループ状係合素子 ８……帯状面ファスナーとベルトの固定端部 ９……帯状面ファスナーとスライダーの固定端部 10……スライダーの中間部 11……ベルトの導出端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】着脱可能な面ファスナーからなる係止用装
   置であって、第１の係合素子を少なくともその１面にも
   つ板状体と、第２の係合素子をその１面にもつ２枚の帯
   状面ファスナーを第２の係合素子が互いに向い合うよう
   に配置し、該２枚の帯状面ファスナーの一端部をベルト
   に固定し、他端を互いに外側に折り返すよう配置しかつ
   該他端を移動可能なスライダーに固定すると共に該ベル
   トを該スライダーの中間部に挿通した連動体からなり、
   該板状体を該連動体の２枚の帯状面ファスナーの間に設
   置し、該スライダーを該２枚の帯状面ファスナー上を移
   動させることにより、第１と第２の係合素子の着脱を行
   うように構成した係止装置。