JPH0667037A - 光導波路デバイスの気密構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光導波路デバイスのケース内の気密性を確実
に確保出来るようにすること。 【構成】 蓋部材１とケース部材２を嵌合して成るブッ
シュ３と、蓋部材１とケース部材２の対向する位置に夫
々形成した４本の光ファイバ４を通す貫通孔５，６と、
ケース部材２の対向する位置に形成した蓋部材１とケー
ス部材２とから成る空間７内に樹脂８を充填するための
貫通孔９と空気抜き用の貫通孔１０とから成り、樹脂８
を充填するための貫通孔９を下方にすると共に空気抜き
用の貫通孔１０を上方にして、貫通孔９から低粘性接着
剤の熱硬化樹脂８を注入し、加熱して樹脂８を硬化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光通信に使用する光導
波路デバイスの気密構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の光導波路デバイスの気密構造とし
ては、光導波路デバイスのケースに設けて光ファイバを
通すブッシュと光ファイバとの隙間を外部から接着剤で
充填するようにしたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、ブッ
シュと光ファイバと接着剤の接触面積が十分でない場合
や、接着剤中の気泡の存在などにより光導波路デバイス
のケース内の気密が保たれないという問題点を有してい
た。また、光導波路デバイスのケースに衝撃力が加わっ
た場合にもブッシュと光ファイバの間に隙間が生じて光
導波路デバイスのケース内の気密が保たれないという問
題点を有していた。

【０００４】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、光導波路デバイスのケース内の気密性を確実に
確保出来る光導波路デバイスの気密構造を提供しようと
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、１つの光信号を複数の光信号に分割したり、逆
に複数の光信号を１つの光信号として結合したりする光
導波路デバイスの気密構造において、ケースに設けるブ
ッシュを介して光ファイバをケース内に配線する場合
に、前記ブッシュと前記光ファイバとの隙間を樹脂によ
り充填するするようにした。

【０００６】また、前記ブッシュは蓋部材とケース部材
を嵌合して成り、前記蓋部材とケース部材には夫々前記
光ファイバを通す貫通孔を対向する位置に形成すると共
に前記ケース部材の対向する位置に前記蓋部材とケース
部材とから成る空間内に前記樹脂を充填するための貫通
孔と空気抜き用の貫通孔を形成してもよい。

【０００７】また、前記樹脂充填用の貫通孔を下方にす
ると共に前記空気抜き用の貫通孔を上方にして、前記樹
脂を前記空間と、前記ブッシュと前記光ファイバとの隙
間に充填するとよい。

【０００８】

【作用】ブッシュと光ファイバとの隙間が樹脂により充
填され、光導波路デバイスのケース内の気密性が確実に
確保される。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図１は請求項２に係る光導波路デバイスの気
密構造の平断面図、図２は同じく背面図、図３は本発明
に係る光導波路デバイスの気密構造を適用した光導波路
デバイスの平断面図、図４は同じく側断面図である。

【００１０】本実施例では、１つの光信号を４つの光信
号に分割する光導波路デバイスにおける気密構造につい
て記載している。光導波路デバイスの気密構造のうち出
力側においては、蓋部材１とケース部材２を嵌合して成
るブッシュ３と、蓋部材１とケース部材２の対向する位
置に夫々形成した４本の光ファイバ４を通す貫通孔５，
６と、ケース部材２の対向する位置に形成した蓋部材１
とケース部材２とから成る空間７内に樹脂８を充填する
ための貫通孔９と空気抜き用の貫通孔１０とから構成さ
れている。

【００１１】樹脂８を充填する場合には、先ずブッシュ
３に形成した貫通孔５，６に光ファイバ４を通し、次に
樹脂８を充填するための貫通孔９を下方にすると共に空
気抜き用の貫通孔１０を上方にして、貫通孔９から低粘
性接着剤の熱硬化樹脂８などを注入する。すると、注入
された樹脂８は、低粘性であるから樹脂８の中に含まれ
る気泡や空間７内の空気などを排除しながら蓋部材１と
ケース部材２とから成る空間７と貫通孔５，６を充填す
る。

【００１２】そして、光ファイバ４が通された貫通孔
５，６と空気抜き用の貫通孔１０から樹脂８が吐出した
ら樹脂８の注入を終了し、加熱して樹脂８を硬化させ
る。樹脂８の硬化によって、貫通孔５，６と空間７内に
おいてブッシュ３と光ファイバ４とが樹脂８を介して密
着される。

【００１３】図３と図４は、本発明を適用した光導波路
デバイス１５を示し、上部ケーシング１６と下部ケーシ
ング１７により直方体のケース１８を形成し、密封され
たケース１８内部に設けられたベース１９の上に平板光
導波路２０を形成した光導波路基板２１などを配設して
構成されている。なお、光導波路基板２１には、イオン
交換法により周囲よりも高屈折率化した領域として光導
波路２０形成される。

【００１４】光導波路デバイス１５には、入力用光ファ
イバ２２が上部ケーシング１６と下部ケーシング１７の
境界でケース１８に設けられたブッシュ２３を介してケ
ース１８内部に挿入され、ベース１９に固着された受け
台２４と押え２５で固定されている。更に、入力用光フ
ァイバ２２の被覆が剥がされて露出した光ファイバ素線
２６がベース１９に固着された受け台２７と押え２８で
固定され、光ファイバ素線２６の先端部が光導波路２０
の一方の端面に機械的に接続された後に、接着剤２９で
接着固定されている。

【００１５】また、４本の出力用光ファイバ４が、ブッ
シュ２３に対向する上部ケーシング１６と下部ケーシン
グ１７の境界でケース１８に設けられたブッシュ３を介
してケース１８内部に挿入され、各光ファイバ４は夫々
ベース１９に固着された受け台３２と押え３３で固定さ
れている。更に、光ファイバ４の被覆が剥がされて露出
した光ファイバ素線３４がベース１９に固着された受け
台３５と押え３６で固定され、光ファイバ素線３４の先
端部が光導波路２０の他方の端面に機械的に接続された
後に、接着剤２９で接着固定されている。

【００１６】また、ブッシュ３，２３は夫々ケース１８
の外面とブッシュ３，２３の外周部とが接する部分に接
着剤４０を充填することでケース１８とブッシュ３，２
３とを接着してケース１８内部の気密を保持している。
なお、ブッシュ２３の構成はブッシュ３の構成と同様で
ある。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、外
気の水分や空気などがブッシュを通じて光導波路デバイ
ス内部に侵入することがない。また、請求項２によれ
ば、蓋部材とケース部材とから成る空間内に樹脂を充填
するため一部に気泡が生じても外気と光導波路デバイス
内部を貫通する貫通孔が形成されることはなく、気密性
が高い。また、光ファイバとブッシュを樹脂の充填によ
り一体化することによってユニット化出来、光導波路デ
バイスのケースとの着脱作業が容易且つ迅速になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項２に係る光導波路デバイスの気密構造の
平断面図

【図２】請求項２に係る光導波路デバイスの気密構造の
背面図

【図３】本発明に係る光導波路デバイスの気密構造を適
用した光導波路デバイスの平断面図

【図４】本発明に係る光導波路デバイスの気密構造を適
用した光導波路デバイスの側断面図

【符号の説明】

１…蓋部材、２…ケース部材、３，２３…ブッシュ、
４，２２…光ファイバ、５，６，９，１０…貫通孔、７
…空間、８…接着剤、１５…光導波路デバイス、１８…
ケース。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １つの光信号を複数の光信号に分割した
   り、逆に複数の光信号を１つの光信号として結合したり
   する光導波路デバイスの気密構造において、ケースに設
   けるブッシュを介して光ファイバをケース内に配線する
   場合に、前記ブッシュと前記光ファイバとの隙間を樹脂
   により充填することを特徴とする光導波路デバイスの気
   密構造。
2. 【請求項２】 前記ブッシュは蓋部材とケース部材を嵌
   合して成り、前記蓋部材とケース部材には夫々前記光フ
   ァイバを通す貫通孔を対向する位置に形成すると共に前
   記ケース部材の対向する位置に前記蓋部材とケース部材
   とから成る空間内に前記樹脂を充填するための貫通孔と
   空気抜き用の貫通孔を形成する請求項１記載の光導波路
   デバイスの気密構造。
3. 【請求項３】 前記樹脂充填用の貫通孔を下方にすると
   共に前記空気抜き用の貫通孔を上方にして、前記樹脂を
   前記空間と、前記ブッシュと前記光ファイバとの隙間に
   充填する請求項２記載の光導波路デバイスの気密構造。