JPH0666597A - アブソリュート型ロータリエンコーダ - Google Patents

アブソリュート型ロータリエンコーダ

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Publication number
JPH0666597A
JPH0666597A JP21923392A JP21923392A JPH0666597A JP H0666597 A JPH0666597 A JP H0666597A JP 21923392 A JP21923392 A JP 21923392A JP 21923392 A JP21923392 A JP 21923392A JP H0666597 A JPH0666597 A JP H0666597A
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JP
Japan
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signal
absolute
sine wave
light receiving
rotation
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Application number
JP21923392A
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English (en)
Inventor
Eiji Ooya
英詞 大矢
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アブソリュート型の特徴を生かしながら、イ
ンクリメンタル型と同程度の高速応答性を有するアブソ
リュート型ロータリエンコーダを得る。 【構成】 回転円板上のアブソリュート部の円環スリッ
トからの透過光を検知することによりアブソリュート信
号を得る。回転円板上の三角関数部の円環スリットから
の透過光を三角関数受光素子で検知することにより位相
の異なる2種類の余弦波を得る。三角関数受光素子は受
光面が猫目形状をしており、回転円板の回転にともなっ
て余弦波を出力する。2種類の位相が異なる余弦波は、
その余弦波の一周期ごとの回転の偏位を表す内挿分割デ
ータに変換される。この内挿分割データと、アブソリュ
ート信号とを加算することにより、最終的なアブソリュ
ート値が得られる。そのため、インクリメンタル型に匹
敵する高速応答性を有するアブソリュート型ロータリエ
ンコーダが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転角度の検出に使用
されるロータリエンコーダに関する。特に、回転角度の
絶対値を出力するアブソリュート型エンコーダに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、軸の回転速度を検出するために、
ロータリエンコーダが広く用いられている。このロータ
リエンコーダは、インクリメンタル型とアブソリュート
型の2種類が一般に用いられている。
【0003】インクリメンタル型ロータリエンコーダ
は、軸に結合された回転円板上に等間隔の2値化符合パ
ターンが形成され、この回転円板の回転にともなってこ
の2値化符合パターンをパルス信号として検出し、この
パルス信号をカウンタ等で積算することによって、軸の
回転角度を検出する。
【0004】このインクリメンタル型ロータリエンコー
ダは回転円板上のパターン形成が比較的容易である。ま
た、検出されたパルス信号を逓倍することによって、よ
り高分解能とすることが可能である。
【0005】しかし、軸の回転速度が低い場合には、パ
ルス間隔が長くなり正確な制御ができなくなったり、電
気ノイズ等による検出誤差の影響が大きくなりやすいと
いう欠点がある。また、回転が高速になり過ぎ、カウン
タが誤動作を起こすと、その誤差が累積してしまうの
で、誤動作の場合には再び初期化が必要となる。
【0006】一方、アブソリュート型ロータリエンコー
ダは、インクリメンタル型とは異なり、カウンタを用い
ておらず、センサから回転角度に相当する信号を瞬時に
得られるという特徴を有する。また、停電などによっ
て、出力が停止した場合においても、再び電源が復旧し
た後、初期化することなしに瞬時に出力を得ることが可
能である。
【0007】代表的なアブソリュート型ロータリエンコ
ーダは、軸に結合された回転円板上に出力符号ビット数
に応じた数の円環パターンが形成されている。この円環
パターンは、軸を中心に同心円状に設けられており、各
円環パターンが出力信号の1ビットの信号出力に対応す
る。
【0008】このような構成とすることによって、前記
符号ビット数をnとすると、一回転(360度)を2n
分割したロータリエンコーダが得られる。例えば、10
個の円環パターンを用いれば一回転を210(=102
4)個に分割したロータリエンコーダが得られる。
【0009】このように、アブソリュート型ロータリエ
ンコーダは優れた特徴を有するが、分解能を上げようと
した場合に、より微細な円環パターン、及びそのパター
ンを検出する多数の高精度のセンサが必要となる。した
がって、インクリメンタル型に比べて高価なものとなっ
てしまう。
【0010】また、アブソリュート型ロータリエンコー
ダは、上述したように多数の円環パターンを回転円板に
備えており、複数のセンサが各円環パターンに応じた複
数のパターンの信号を出力する。したがって、それぞれ
のセンサが出力する信号の周波数が異なるため、後続す
る信号処理回路での位相遅延が信号ごとに異なってしま
う。その結果、高速回転においては、各信号間の位相差
が大きくなり、正しい出力信号が得られなくなってしま
う。これに対し、インクリメンタル型では、通常位相が
90度異なる同一周波数の信号を用いているため、信号
ごとに位相差が生じることはない。そのため、一般にイ
ンクリメンタル型のほうが高速応答性が優れており、よ
り高速回転まで計測することが可能である。
【0011】さらに、アブソリュート型において、回転
円板を小さくすると、円環パターンの直径方向の幅が狭
くなり、各円環パターンの情報を確実に検出することが
困難になってくる。そのため、回転円板の小型化には一
定の限界がある。
【0012】このような課題を解決することを目的とし
たロータリエンコーダが、例えば特開平1−30531
6号公報に記載されている。ここに記載されているロー
タリエンコーダは、回転量の絶対値であるアブソリュー
ト信号を出力するアブソリュート信号検出手段と、回転
量の相対値であるインクリメンタル信号を出力するイン
クリメンタル信号検出手段とを備えたロータリエンコー
ダである。そして、アブソリュート信号を上位ビットと
し、インクリメンタル信号を下位ビットとして最終的な
出力信号を得ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載されて
いるいわゆる複合型ロータリエンコーダは、高速応答が
必要なビット、すなわち出力信号の下位ビットをインク
リメンタル型を用いて作成したものである。その結果、
高速応答を得ることはできたが、前述したようにインク
リメンタル型は電気ノイズ等により検出誤差が出やすい
という問題があった。したがって、アブソリュート型で
はあるが、インクリメンタル型の欠点を一部に含んだロ
ータリエンコーダである。
【0014】このため、アブソリュート型の特徴を生か
し、インクリメンタル型の欠点を含まないロータリエン
コーダが切望されている。
【0015】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、アブソリュート型の特徴を
生かしながら、インクリメンタル型と同程度の高速応答
性を有するロータリエンコーダを得ることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】第一の本発明は上記課題
を解決するために、軸の回転量の絶対値を出力するアブ
ソリュート型ロータリエンコーダであって、前記軸と連
動して回転し、光を透過するスリットを有する回転円板
と、前記回転円板に対し、光を照射する発光素子と、前
記発光素子から照射された光を、前記スリットを通過し
た後に受光する受光素子と、を備え、前記回転円板に設
けられているスリットは、2つの異なる半径方向の直線
と、2つの異なる円周方向の曲線とによって囲まれた形
状をなしており、前記受光素子の受光面は、前記回転円
板の中心を原点とする極座標系(r,θ)における下記
曲線(1)と曲線(2)によって囲まれた形状をなして
いることを特徴とするアブソリュート型ロータリエンコ
ーダである。
【0017】 r=(M+Nsin(Kθ))1/2 (0度≦θ≦180度) (1) r=(M−Nsin(Kθ))1/2 (0度≦θ≦180度) (2) (ここで、rは原点からの距離、θは前記原点の回りの
回転角度、M、N及びKは正の実数である。)したがっ
て、上記回転円板のスリットを通過して受光素子に照射
される光の面積は、回転円板の回転量をΘとすると、後
述するように(1−cosΘ)に比例した面積となる。
【0018】また、第二の本発明は上記課題を解決する
ために、軸の回転量の絶対値を出力するアブソリュート
型ロータリエンコーダであって、前記軸の回転に伴い、
第一の正弦波信号を発生する第一の正弦波発生手段と、
前記軸の回転に伴い、前記第一の正弦波信号と略90度
位相が異なる第二の正弦波信号を発生する第二の正弦波
発生手段と、前記軸の回転に伴い、その回転量の絶対値
をデジタル信号で表した絶対値デジタル信号を出力する
絶対値出力手段と、前記第一の正弦波信号を第一のデジ
タル信号に変換し、第一のデジタル正弦波信号を出力す
る第一のA/Dコンバータと、前記第二の正弦波信号を
第二のデジタル信号に変換し、第二のデジタル正弦波信
号を出力する第二のA/Dコンバータと、前記第一と第
二のデジタル正弦波信号を、それらの信号の一周期ごと
に回転量を表す信号に変換する変換手段であって、一周
期ごとの角度の偏位量を表す内挿分割デジタル信号に変
換する内挿分割手段と、前記内挿分割デジタル信号の最
上位ビットと、前記絶対値デジタル信号の最下位ビット
とのビット位置を合致させて、両デジタル信号を加算す
る加算手段と、を備え、前記内挿分割デジタル信号は出
力信号の下位ビットを構成することを特徴とするアブソ
リュート型ロータリエンコーダである。
【0019】したがって、出力信号の中で高速応答が要
求される下位ビットは、正弦波発生手段からの正弦波を
A/D変換したデジタル正弦波から作成された信号であ
る。そのため、高い高速応答性を有し、その一方でイン
クリメンタル型のようにカウンタを必要としない。
【0020】
【作用】第一の本発明における受光素子に光が照射され
る面積は、回転円板の回転角度をΘとすると、以下実施
例において説明するように(1−cosΘ)に比例す
る。そのため、この受光素子から出力される信号は、余
弦波に比例した信号が出力される。
【0021】第二の本発明による内挿分割手段は2つの
互いに90度位相が異なるデジタル正弦波から、各周期
ごとに回転量の偏位量を表す内挿分割デジタル信号を生
成する。そのため、インクリメンタル型と異なり、カウ
ンタ等によりパルスを積分する必要がない。
【0022】
【実施例】以下、この発明の好適な一実施例を図に基づ
いて説明する。
【0023】図1は本実施例のアブソリュート型ロータ
リエンコーダの断面図である。図1に示されているよう
に、回転を計測するロータ軸10の一端には、回転円板
12が取り付けられている。そして、この回転円板12
を挟むようにして、発光素子であるLED14と、受光
基板16とが配置されている。受光基板16には不図示
の受光素子が備えられており、この受光素子の出力信号
は信号基板18上の回路によって信号処理された後、リ
ード線20を介して外部に取り出される。
【0024】図1のアブソリュート型ロータリエンコー
ダにおいて、回転量の検出をする部分は、LED14
と、回転円板12と、受光素子を備えた受光基板16で
あり、図中Xで示されている部分である。このXで示さ
れている部分の部分拡大図が図2に示されている。図2
に示されているように、受光基板16上の受光素子22
は、回転円板12を挟んでLED14と対向しており、
受光素子22はLED14から発光され回転円板12を
透過してきた光を受光する。
【0025】図3に、回転円板12の部分平面図が示さ
れている。図3に示されているように、回転円板12に
は、同心円状に円環スリットが設けられている。本実施
例においては、この円環スリットを透過してきた光を受
光素子22が受けとることによって、ロータ軸10の回
転量が検知される。円環スリットは、外周部の6個の円
環スリットからなるアブソリュート部24と、内周部の
2個の円環スリットからなる三角関数部26とに分類さ
れる。本実施例における回転円板12のアブソリュート
部24は、回転量の絶対値を出力するのに用いられ、三
角関数部26は、ロータ軸10の回転にともなって正弦
波または余弦波を発生するのに用いられる。
【0026】アブソリュート部24は、6個の円環スリ
ットから構成され、それぞれ1ST、2ND、3RD、
4TH、5TH、6THと呼ぶ。これら6個の円環スリ
ットからの透過光を受信する6個の受光素子の出力から
6ビットのアブソリュート信号が得られる。また、三角
関数部26は、2個の円環スリットから構成され、それ
ぞれ7TH、反転7THと呼ばれる。この2つの円環ス
リットはその位相が180度異なっており、そのため2
つの円環スリットからの透過光を受信する受光素子の出
力は位相が180度異なる正弦波または余弦波となる。
【0027】図4に、受光基板16の平面図が示されて
いる。図4に示されているように、受光基板16上の受
光素子22は、前記アブソリュート部24からの透過光
を受信するアブソリュート受光素子22aと、前記三角
関数部26からの透過光を受信する三角関数受光素子2
2bとに分類される。アブソリュート受光素子22a
は、6個の円環スリットからの透過光を受信するため、
6個備えられており、三角関数受光素子22bは、2個
の円環スリットからの透過光を受信するため2種類備え
られている。本実施例はアブソリュート型であるため、
回転の実際の量を検知するロータリエンコーダであり、
回転方向はその量の変化から外部で算出する必要があ
る。しかし一般的にはインクリメンタル型と同様に、回
転方向の信号がロータリエンコーダからそのまま出力さ
れているほうが便利なので本実施例においても回転方向
の信号をエンコーダ内部で作り出している。そのため、
インクリメンタル型と同様に回転方向を検知するため一
個の円環スリット(7THまたは反転7TH)に対して
図4に示されているように2個の三角関数受光素子22
bが備えられている。したがって、三角関数受光素子2
2bは全部で4個備えられている。
【0028】本実施例において特徴的なことは、この三
角関数受光素子22bの受光面の形状である。図に示さ
れているように、この形状は、猫の目のような形状をし
ている。以下、本文においてはこれを猫目形状と呼ぶ。
一般に受光素子からの出力信号は、受光素子面上に光が
当たる面積に比例する。ところで、円環スリット7TH
及び反転7THの個々のスリットの形状はほぼ長方形で
ある。そのため、円環スリットと、猫目形状の受光素子
面とが重なった面積に比例する信号が三角関数受光素子
22bから出力される。したがって、この出力信号は以
下に説明するように正弦波または余弦波となる。
【0029】図5に、本実施例における円環スリット7
THの形状の詳細図が示されている。図5に示されてい
るように、円環スリット7THは、回転円板12の中央
部(実際には中心にはロータ軸10が嵌合されるため、
回転円板12の中央部は空である)から半径Rの円周上
に並んだスリットの集まりである。各スリットは中心か
ら見てπ/32ラジアンの角度分だけ円周方向に長さを
有している。また、各スロット間もπ/32ラジアンの
角度分だけ離れている。
【0030】そして、各スリットは半径Rの円周を中心
にして外側と内側にdずつ幅を有している。したがっ
て、各スリットの半径方向の幅は2dである。
【0031】図6に、本実施例における三角関数受光素
子22bの受光面形状の詳細図が示されている。図6に
示されているように、三角関数受光素子22bの受光面
は、回転円板12の中央からの半径Rの円周に沿った猫
目形状をなしている。半径Rの円周から外側の部分の受
光面の輪郭は関数r=f(θ)で表され、内側の部分の
輪郭は関数r=g(θ)で表される。これらの関数は、
回転円板の中心を原点とする極座標(r、θ)上の関数
である。関数r=f(θ)、r=g(θ)はそれぞれ以
下の式で表される。 r=f(θ)=(R2 +d(2R+d)sin(32θ))1/2 ・・・(1) r=g(θ)=(R2 −d(2R−d)sin(32θ))1/2 ・・・(2) これらの関数の0≦θ≦π/32(ラジアン)の区間の
グラフを描けば、図6に示されているように、猫目形状
となる。本実施例に係る三角関数受光素子22bはこの
ような形状の受光面を有する受光素子である。一般に、
受光素子は光の強さが等しければ、光が照射される面積
に比例した信号を出力するが、本実施例における受光素
子もこれと同様に、光の照射されている面積に比例した
出力信号が得られる受光素子が用いられている。
【0032】このような受光面形状を有する受光素子
と、上述したような開口形状を有するスリットとによっ
て、三角関数受光素子22bの受光面上の光が照射され
ている部分の面積が回転円板12の回転と共にどのよう
に変化するかを図7を用いて説明する。図7には、回転
円板12がθラジアン回転し、三角関数受光素子22b
と円環スリット7THの個々のスリットとが重なってい
る様子が示されている。この重なった部分が受光面積と
なる。図に示されているように、この面積Sは、半径R
の円周より外側の部分の面積S1と、内側の部分の面積
S2とに分けられる。まず、面積S1は、以下の式で表
される。 S1=(1/2)∫(f(t)2 −R2 )dt (積分区間は0からθまで) =(1/2)∫(r(2R+r)sin32t)dt =r(2R+r)(1−cos32θ)/64 ・・・(3) そして、面積S2は、以下の式で表される。 S2=(1/2)∫(R2 −g(t)2 )dt (積分区間は0からθまで) =(1/2)∫(r(2R−r)sin32t)dt =r(2R−r)(1−cos32θ)/64 ・・・(4) したがって、受光面積Sは、 S=S1+S2=rR(1−cos32θ)/16 ・・・(5) で表される。上式(5)式から理解されるように、受光
面積は、余弦関数に比例した値となるため、本実施例の
三角関数受光素子22bが出力する信号は余弦関数に比
例した値となる。
【0033】本実施例において特徴的なことは、このよ
うに受光素子の受光面を猫目形状にしたため、受光素子
上に光が照射される面積が、回転量に対して余弦関数的
に変化することである。したがって、そこから出力され
る信号も余弦関数的に変化する。すなわち、極めて容易
に余弦波を生成することが可能である。なお、本実施例
では余弦波を生成する場合についての例を示したが、正
弦波でも実質上まったく同一であることはいうまでもな
い。図8には、回転円板12の回転量と受光面積Sとの
関係を表すグラフが示されている。このグラフにおいて
横軸は回転量である角度(ラジアン)であり、縦軸は受
光面積Sである。
【0034】ところで図4において示されていたよう
に、三角関数受光素子22bは円環スリット7TH、反
転7THごとにそれぞれ設けられているが、それぞれの
受光素子の出力信号の位相が180度異なるように、円
環スリット7TH及び反転7THのパターンもその位相
が180度異なっている。また、一つの円環スリット7
TH(もしくは反転7TH)には、前述したように、三
角関数受光素子22bが2個設けられており、それぞれ
互いに位相が90度異なる信号を出力するような位置に
設けられている。したがって、本実施例においては、余
弦関数に比例した信号であって、互いに位相が90度異
なった信号が回転円板12の回転に伴ってそれぞれ発生
する。
【0035】以上述べたように、本実施例によれば円環
スリット7TH(もしくは反転7TH)に基づいて、2
つの位相が互いに90度異なる余弦波が生成される。
【0036】本実施例のアブソリュート型ロータリエン
コーダにおいては、上述したアブソリュート部の1ST
から6THまでの円環スリットによって得られた回転量
の絶対値であるアブソリュート信号と、前記2つの余弦
波とから、最終的な出力であるアブソリュート値が生成
される。以下、この最終的な出力の生成動作について説
明する。
【0037】円環スリット7TH(もしくは反転7T
H)と2個の三角関数受光素子22bとに由来する2種
類の余弦波が内挿分割データに変換される様子が図9に
示されている。この2種類の余弦波は、まずそれぞれA
/Dコンバータ27によって8ビットのデジタルデータ
に変換される。そしてこれらのデジタルデータは内挿分
割データ変換テーブル28に入力される。内挿分割デー
タ変換テーブル28はROMから構成され、上記デジタ
ルデータはこのROMのアドレス端子に入力される。そ
してこのROMのデータ出力端子から内挿分割データが
出力される。なお、本実施例においてはこの内挿分割デ
ータも8ビットのデジタルデータI0 〜I7 である。
【0038】内挿分割データとは、余弦波の一周期を所
定の値で分割した角度を一単位として表した角度の値で
ある。本実施例における内挿分割データは、前述したよ
うに8ビットのデジタルデータI0 〜I7 であるので一
周期は256分割されていることになる。なお、上述し
たように、円環スリット7THの個々のスリットはπ/
32ラジアンごとに設けられているので、回転円板12
の一回転で32周期の余弦波が発生し、その一周期ごと
に0から255までの前記内挿分割データが発生する。
【0039】本実施例において特徴的なことは、このよ
うに、2つの位相の異なる信号から内挿分割によって
(その信号の)一周期ごとの内挿分割データを得たこと
である。この内挿分割データは、従来のインクリメンタ
ル型とは異なり、カウンタ等によって計数する必要がな
い。そのため、高速応答性を従来のインクリメント型と
同等に維持しながら、インクリメンタル型の短所であっ
たカウンタ等のリセットを行う必要がない。
【0040】なお、内挿分割データ変換テーブル28に
供給されるデジタルデータは、8ビットが2個であり、
また出力されるデジタルデータは、前述したように8ビ
ットI0 〜I7 であるので、この変換テーブルは、65
536ワード×8ビットのROMを用いて構成されてい
る。
【0041】このROM内に記憶されているテーブルは
上述したように、余弦波を内挿分割データに変換する表
であるから、逆余弦関数を形成しなければならない。
【0042】ところで、LEDやスリットの組み付け状
態やLEDの光が平行でないために、2つの信号は余弦
波から少しずれている。この歪んだ波形から精度良く内
挿分割データを得るために、上記ROM内の表は、これ
らの歪みを取り除くように構成されている。すなわち、
上記ROMは、各個々のエンコーダ毎にその内容が異な
ったものである。以下、ROM内の表を歪みを取り除く
ような内容とする手法を説明する。
【0043】図10には、上述したように、ROMの内
容を決定している様子が示されている。図に示されてい
るように、まずROMを決定しようとする対象である対
象エンコーダ40を、あらかじめ校正がなされている高
精度エンコーダ42と向かい合わせに連結する。
【0044】連結した後、両者を回転させる。そして、
回転角度を高精度エンコーダの出力を監視することによ
り検出し、単位角度ごとに、その対象エンコーダの出力
を記録する。この記録は、1周期を256分割した角度
ごとに行われる。すなわち、7TH及び反転7TH側に
対して、角度ごとの出力量の変化を関数として求める。
本文ではこれらの関数をそれぞれDA (θ)、D
B (θ)と呼ぶ。その結果、256個のDA (0)…、
A (255)、DB (0)…、DB (255)の値が
得られる。この関数の様子が図11に示されている。図
11には、横軸が角度であり、縦軸がA/Dコンバータ
を介して出力された対象エンコーダの出力データである
グラフが示されている。なお、この取り込みの際、DB
(0)=0となるように、あらかじめ位置合わせをして
おく。
【0045】これらDA (θ)、DB (θ)を求めた
後、次の式によりROM内のデータα(x、y)を求め
る。ここでx、yはDA (θ)、DB (θ)の値であ
る。すなわちx、yは、ROMに供給されるアドレスの
上位と下位である。
【0046】 α(x、y)=tan-1((y−128)/(x−128)) このようにして、各アドレスに対するROMの内容が決
定される。なお、前述したように、DB (0)=0とな
るように位置合わせがされているため、必ずα(x、
0)は0となる。α(x、y)の値がROMに書き込ま
れている模式図が図12に示されている。
【0047】このようにして求めた内挿分割データ8ビ
ットが、前述した6ビットのアブソリュート信号と組み
合わされて出力される。この様子が図13に示されてい
る。アブソリュート部の各円環スリット1STから6T
Hまでによって得られた回転量のアブソリュート信号は
加算器30に供給される。加算器30は5ビットの加算
器であり、A入力(A0 〜A4 )と図示されていないB
入力(B0 〜B4 )とを加算し、加算結果であるΣ0
Σ4 を出力する。本実施例においてはB入力には固定的
に0が入力され、実質的には下位からのキャリー入力C
だけが入力Aに加えられてその結果が出力される。その
キャリー入力Cには、内挿分割データI7 の反転値と、
円環スリット6THからの信号との論理和が印加されて
いる。この論理和はANDゲート32で算出される。す
なわち、これによって、アブソリュート信号の最下位ビ
ット(円環スリット6THによる信号)と、内挿分割デ
ータの最上位ビットI7 とのビット位置が合わせられ
て、両者が加算される。
【0048】加算器30の出力Σ0 〜Σ4 は、本アブソ
リュート型ロータリエンコーダの最終的な出力の上位5
ビットD12〜D8 になる。また、内挿分割データのI7
からI0 まではそのまま本アブソリュート型ロータリエ
ンコーダの最終的な出力の下位8ビットD7 からD0
でになる。
【0049】以上のようにして、図13の加算器30及
びANDゲート32によって、アブソリュート部の円環
スリット(1ST〜6TH)から得られたアブソリュー
ト値と、2つの余弦波から得られた内挿分割データI7
からI0 とを加算することによって、本アブソリュート
型ロータリエンコーダの最終的な13ビットの出力信号
であるD12〜D0 が生成される。
【0050】本実施例において特徴的なことは、このよ
うに、アブソリュート値と、2つの位相が異なる信号か
ら内挿分割によって得たデータとを重み付けが同一のビ
ットの位置を合わせて加算したことである。そのため、
従来の単にアブソリュート型とインクリメンタル型とを
組み合わせたロータリエンコーダとは異なり、インクリ
メンタル値のリセットを行う必要がない。
【0051】以上述べたように、本実施例においては、
2つの互いに位相が異なる円環スリットによる位相の異
なる正弦波(余弦波)から内挿分割データを得て、この
データと、アブソリュート部の円環スリットからのアブ
ソリュート信号とを、重みの同一なビットを合わせて加
算した。
【0052】したがって、本実施例によれば、内挿分割
データを、位相の異なる2つの正弦波(余弦波)から内
挿分割データ変換テーブル28によって変換することに
よって得ているので、インクリメンタル型とは異なり、
計数手段やそのリセット手段を備える必要がない。その
結果、インクリメンタル型と同程度の高速応答性を有す
るロータリエンコーダでありながら、停電やノイズ等に
強いロータリエンコーダが得られるという効果を有す
る。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、第一の本発明によれ
ば、受光素子の受光面を前述したように曲線(1)及び
(2)によって囲まれた形状としたため、回転円板の回
転と共に、その受光素子の出力信号は余弦波に比例した
信号となる。なお、受光素子の位置を調節すれば、正弦
波に比例した信号を出力することもできることはいうま
でもない。
【0054】したがって、第一の本発明によれば、軸の
回転に比例した余弦波(正弦波)を極めて簡易な構成で
出力することが可能である。そのため、この余弦波(正
弦波)信号を利用するロータリエンコーダを小型に構成
することができるという効果を有する。
【0055】また、第二の本発明によれば、カウンタ等
の計数手段を使用せずに、互いに90度位相が異なる正
弦波から内挿分割デジタル信号を生成可能である。
【0056】したがって、第二の本発明によれば、イン
クリメンタル型に匹敵する高速応答性を備えたアブソリ
ュート型ロータリエンコーダを得られるという効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例であるアブソリュート
型ロータリエンコーダの断面図である。
【図2】図1のX部分の部分拡大図である。
【図3】回転円板の部分平面図である。
【図4】受光基板の平面図である。
【図5】円環スリット7THの形状の詳細図である。
【図6】三角関数受光素子22bの受光面形状の詳細図
である。
【図7】回転円板12がθラジアン回転し、三角関数受
光素子22bと円環スリット7THの個々のスリットと
が重なっている様子を示す図である。
【図8】回転円板12の回転量と受光面積Sとの関係を
表すグラフである。
【図9】2種類の余弦波が、内挿分割データに変換され
る様子を示す図である。
【図10】内挿分割データ変換テーブルを構成するRO
M内容を決定するために、対象エンコーダと、高精度エ
ンコーダが接続されている様子を示す説明図である。
【図11】図10のように接続し、角度に対する対象エ
ンコーダの出力のグラフを表す図である。
【図12】内挿分割データ変換テーブルを構成するRO
Mの内容を表す模式図である。
【図13】図9で求められた内挿分割データ8ビット
が、6ビットのアブソリュート信号と組み合わされて出
力される様子を示す図である。
【符号の説明】
10 ロータ軸 12 回転円板 14 LED 16 受光基板 18 信号基板 20 リード線 22 受光素子 22a アブソリュート受光素子 22b 三角関数受光素子 24 アブソリュート部 26 三角関数部 27 A/Dコンバータ 28 内挿分割データ変換テーブル 30 加算器 32 ANDゲート 40 対象エンコーダ 42 高精度エンコーダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸の回転量の絶対値を出力するアブソリュ
    ート型ロータリエンコーダであって、 前記軸と連動して回転し、光を透過するスリットを有す
    る回転円板と、 前記回転円板に対し、光を照射する発光素子と、 前記発光素子から照射された光を、前記スリットを通過
    した後に受光する受光素子と、 を備え、 前記回転円板に設けられているスリットは、2つの異な
    る半径方向の直線と、2つの異なる円周方向の曲線とに
    よって囲まれた形状をなしており、 前記受光素子の受光面は、前記回転円板の中心を原点と
    する極座標系(r,θ)における下記曲線(1)と曲線
    (2)によって囲まれた形状をなしていることを特徴と
    するアブソリュート型ロータリエンコーダ。 r=(M+Nsin(Kθ))1/2 (0度≦θ≦180度/K) (1) r=(M−Nsin(Kθ))1/2 (0度≦θ≦180度/K) (2) (ここで、rは前記原点からの距離、θは前記原点の回
    りの回転角度、M、N及びKは正の実数である。)
  2. 【請求項2】軸の回転量の絶対値を出力するアブソリュ
    ート型ロータリエンコーダであって、 前記軸の回転に伴い、第一の正弦波信号を発生する第一
    の正弦波発生手段と、 前記軸の回転に伴い、前記第一の正弦波信号と略90度
    位相が異なる第二の正弦波信号を発生する第二の正弦波
    発生手段と、 前記軸の回転に伴い、その回転量の絶対値をデジタル信
    号で表した絶対値デジタル信号を出力する絶対値出力手
    段と、 前記第一の正弦波信号を第一のデジタル信号に変換し、
    第一のデジタル正弦波信号を出力する第一のA/Dコン
    バータと、 前記第二の正弦波信号を第二のデジタル信号に変換し、
    第二のデジタル正弦波信号を出力する第二のA/Dコン
    バータと、 前記第一と第二のデジタル正弦波信号を、それらの信号
    の一周期ごとに回転量を表す信号に変換する変換手段で
    あって、一周期ごとの角度の偏位量を表す内挿分割デジ
    タル信号に変換する内挿分割手段と、 前記内挿分割デジタル信号の最上位ビットと、前記絶対
    値デジタル信号の最下位ビットとのビット位置を合致さ
    せて、両デジタル信号を加算する加算手段と、 を備え、前記内挿分割デジタル信号は出力信号の下位ビ
    ットを構成することを特徴とするアブソリュート型ロー
    タリエンコーダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9115483B2 (en) 2013-01-18 2015-08-25 Komatsu Ltd. Hydraulic excavator and method for measuring stroke of hydraulic cylinder of hydraulic excavator
JP2020034392A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 富士電機株式会社 エンコーダ、処理装置、処理方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9115483B2 (en) 2013-01-18 2015-08-25 Komatsu Ltd. Hydraulic excavator and method for measuring stroke of hydraulic cylinder of hydraulic excavator
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