JPH0666479A - 電気炉の溶鋼排出用耐火物 - Google Patents
電気炉の溶鋼排出用耐火物Info
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- JPH0666479A JPH0666479A JP4241362A JP24136292A JPH0666479A JP H0666479 A JPH0666479 A JP H0666479A JP 4241362 A JP4241362 A JP 4241362A JP 24136292 A JP24136292 A JP 24136292A JP H0666479 A JPH0666479 A JP H0666479A
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- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
- Furnace Charging Or Discharging (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 出鋼時間のばらつき或いはスラグカットがし
にくい等操業上の問題点を解決し、操業性及び施行性と
もに優れる電気炉の溶鋼排出用耐火物を提供する。 【構成】 電気炉のタップホール部に装着される溶鋼排
出用耐火物Ａは溶鋼の流入側から排出側に至るまで継ぎ
目の無い一体の成形体と成っており、かつ少なくとも溶
鋼が接触する溶鋼流入側表層部並びに溶鋼が通過する内
孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物配設部Ａ−２を設
け、それ以外を黒鉛−アルミナ質耐火物配設部Ａ−１で
構成したことを特徴としている。 【効果】 目地部への地金差し、それに起因する開口不
良、最悪の場合の操業不能等の問題が発生することな
く、さらには施行性及び解体性も良好である。また耐ス
ラグ性の高い黒鉛−マグネシア質耐火物は局部的な配置
にとどめ、それ以外は高耐スポール性の黒鉛−アルミナ
質耐火物を配設するため、熱的スポールの発生による突
発的な亀裂発生ほとんど無い。
にくい等操業上の問題点を解決し、操業性及び施行性と
もに優れる電気炉の溶鋼排出用耐火物を提供する。 【構成】 電気炉のタップホール部に装着される溶鋼排
出用耐火物Ａは溶鋼の流入側から排出側に至るまで継ぎ
目の無い一体の成形体と成っており、かつ少なくとも溶
鋼が接触する溶鋼流入側表層部並びに溶鋼が通過する内
孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物配設部Ａ−２を設
け、それ以外を黒鉛−アルミナ質耐火物配設部Ａ−１で
構成したことを特徴としている。 【効果】 目地部への地金差し、それに起因する開口不
良、最悪の場合の操業不能等の問題が発生することな
く、さらには施行性及び解体性も良好である。また耐ス
ラグ性の高い黒鉛−マグネシア質耐火物は局部的な配置
にとどめ、それ以外は高耐スポール性の黒鉛−アルミナ
質耐火物を配設するため、熱的スポールの発生による突
発的な亀裂発生ほとんど無い。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電気炉の溶鋼排出用耐火
物に関するものである。
物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の電気炉の溶鋼排出用耐火物を図面
を参照しながら説明する。図１は電気炉の炉底部に取り
付けられた従来の溶鋼排出用耐火物のセット状況を示す
垂直断面図である。電気炉の炉底部に開口部４が有り、
その開口部４の内周壁面に添ってＭｇＯ質のセッティン
グブロック５が配設され、その内孔部にウェアリングチ
ューブ３及びターミナルブロック２でなる溶鋼排出用耐
火物Ａ’が装着され、セッティングブロック５と該溶鋼
排出用耐火物Ａ’との空隙６にはＭｇＯ質の粉末が充填
される。
を参照しながら説明する。図１は電気炉の炉底部に取り
付けられた従来の溶鋼排出用耐火物のセット状況を示す
垂直断面図である。電気炉の炉底部に開口部４が有り、
その開口部４の内周壁面に添ってＭｇＯ質のセッティン
グブロック５が配設され、その内孔部にウェアリングチ
ューブ３及びターミナルブロック２でなる溶鋼排出用耐
火物Ａ’が装着され、セッティングブロック５と該溶鋼
排出用耐火物Ａ’との空隙６にはＭｇＯ質の粉末が充填
される。
【０００３】なお溶鋼排出用耐火物Ａ’のターミナルブ
ロック２の固定には、ターミナルブロック２の外周に鉄
製ホルダー１が装着されており、その鉄製ホルダー１と
電気炉底部とをボルトまたはコッターにて締め付け、固
定している。
ロック２の固定には、ターミナルブロック２の外周に鉄
製ホルダー１が装着されており、その鉄製ホルダー１と
電気炉底部とをボルトまたはコッターにて締め付け、固
定している。
【０００４】従来の溶鋼排出用耐火物Ａ’は図１に示す
ように４〜５個に小割化されたウェアリングチューブ３
と１個のターミナルブロック２とを空目地にて継ぎ合わ
せて一体物として使用されていた。
ように４〜５個に小割化されたウェアリングチューブ３
と１個のターミナルブロック２とを空目地にて継ぎ合わ
せて一体物として使用されていた。
【０００５】そして各々の材質としてはウェアリングチ
ューブ３は、不焼成のＭｇＯ質、又ターミナルブロック
２は焼成されたＡｌ2Ｏ3−Ｃ質がそれぞれ適用されてい
る。
ューブ３は、不焼成のＭｇＯ質、又ターミナルブロック
２は焼成されたＡｌ2Ｏ3−Ｃ質がそれぞれ適用されてい
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかして上述のような
従来の構造では以下のような問題点が有る。
従来の構造では以下のような問題点が有る。
【０００７】特に流出側のウェアリングチューブ間、又
はウェアリングチューブとターミナルブロック間に目地
部が存在するために、その部への地金差しが発生し易
い。そうした場合、空隙のオリビンサンド等の詰物がそ
の部位でブリッジを形成し、開口不良が発生してしまう
ことがある。また地金差しが溶鋼排出用耐火物の外周
部、即ち粉末のＭｇＯ質充填材部まで進展してしまう
と、溶鋼排出用耐火物の取換え作業が非常に困難となっ
てしまう。又これについては溶鋼流入側の粉末ＭｇＯ質
充填材部は特に高熱に曝露されているため熱的に焼結し
易く、特に溶鋼流入側のウェアリングチューブは取換え
が容易ではない。
はウェアリングチューブとターミナルブロック間に目地
部が存在するために、その部への地金差しが発生し易
い。そうした場合、空隙のオリビンサンド等の詰物がそ
の部位でブリッジを形成し、開口不良が発生してしまう
ことがある。また地金差しが溶鋼排出用耐火物の外周
部、即ち粉末のＭｇＯ質充填材部まで進展してしまう
と、溶鋼排出用耐火物の取換え作業が非常に困難となっ
てしまう。又これについては溶鋼流入側の粉末ＭｇＯ質
充填材部は特に高熱に曝露されているため熱的に焼結し
易く、特に溶鋼流入側のウェアリングチューブは取換え
が容易ではない。
【０００８】更には従来ウェアリングチューブは不焼成
のＭｇＯ−Ｃ質であるため、耐酸化性が低いことに起因
して、特に溶鋼流入側の上部目地部の局部溶損が激し
く、かつ耐スポール性が低いことも相重なり、最悪の場
合、上部のウェアリングチューブが浮上してしまうこと
もある。その結果、出鋼時間のばらつきあるいはスラグ
カットがしにくい等操業上の問題点を誘発することにな
る。
のＭｇＯ−Ｃ質であるため、耐酸化性が低いことに起因
して、特に溶鋼流入側の上部目地部の局部溶損が激し
く、かつ耐スポール性が低いことも相重なり、最悪の場
合、上部のウェアリングチューブが浮上してしまうこと
もある。その結果、出鋼時間のばらつきあるいはスラグ
カットがしにくい等操業上の問題点を誘発することにな
る。
【０００９】本発明は、上記従来の問題点を解決し、操
業性及び施工性ともに優れる電気炉の溶鋼排出用耐火物
を提供することを目的とするものである。
業性及び施工性ともに優れる電気炉の溶鋼排出用耐火物
を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、電気炉のタップホール部に装着されるウェアリン
グチューブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼
排出用耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにタ
ーミナルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側
に至るまで一体の成形体となっており、かつ少なくとも
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過す
る内孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、そ
れ以外が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていること
を特徴とする電気炉の溶鋼排出用耐火物である。
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、電気炉のタップホール部に装着されるウェアリン
グチューブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼
排出用耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにタ
ーミナルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側
に至るまで一体の成形体となっており、かつ少なくとも
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過す
る内孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、そ
れ以外が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていること
を特徴とする電気炉の溶鋼排出用耐火物である。
【００１１】
【作用】本発明の電気炉の溶鋼排出用耐火物は、電気炉
の炉底部のタップホール部に装着され、溶鋼の流入側か
ら排出側に至るまで、即ちウェアリングチューブとター
ミナルブロックを継ぎ目の無い一体構造としているた
め、目地部への地金差し、更にはその部の局部溶損、操
業的にも目地部への地金差しに起因する詰物のブリッジ
形成による開口不良が発生することが無い。
の炉底部のタップホール部に装着され、溶鋼の流入側か
ら排出側に至るまで、即ちウェアリングチューブとター
ミナルブロックを継ぎ目の無い一体構造としているた
め、目地部への地金差し、更にはその部の局部溶損、操
業的にも目地部への地金差しに起因する詰物のブリッジ
形成による開口不良が発生することが無い。
【００１２】又溶鋼が接触する部位には、耐スラグ性の
高い黒鉛−マグネシア質の焼成耐火物が配設されている
ため、従来の不焼成の黒鉛−マグネシア質の耐火物と比
較し、耐酸化性は高く、酸化損耗の心配は無い。更に
は、黒鉛−マグネシア質耐火物の外周には、耐スポーリ
ング性の高い黒鉛−アルミナ質耐火物が配設され、一体
構造となっていることより熱的スポーリングの発生によ
るウェアリングチューブに相当する部位の上部が浮き上
がる心配も無い。
高い黒鉛−マグネシア質の焼成耐火物が配設されている
ため、従来の不焼成の黒鉛−マグネシア質の耐火物と比
較し、耐酸化性は高く、酸化損耗の心配は無い。更に
は、黒鉛−マグネシア質耐火物の外周には、耐スポーリ
ング性の高い黒鉛−アルミナ質耐火物が配設され、一体
構造となっていることより熱的スポーリングの発生によ
るウェアリングチューブに相当する部位の上部が浮き上
がる心配も無い。
【００１３】以上のことから一体構造された溶鋼排出用
耐火物の取換作業が比較的容易にかつ効率よく出来る。
耐火物の取換作業が比較的容易にかつ効率よく出来る。
【００１４】
【実施例】本発明の電気炉の溶鋼排出用耐火物を以下実
施例について図面を参照しながら説明する。
施例について図面を参照しながら説明する。
【００１５】図２及び図３は本発明の溶鋼排出用耐火物
Ａの垂直断面図を示している。先ず図２ではタップホー
ルの溶鋼流入側から排出側に至るまで一体化しており、
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部、並びに、溶鋼流入
側から排出側に至るまでの内孔表層部に黒鉛−マグネシ
ア質耐火物配設部Ａ−２を配設し、それ以外が黒鉛−ア
ルミナ質耐火物で配設部Ａ−１で構成された一体型二層
式構造となっている。
Ａの垂直断面図を示している。先ず図２ではタップホー
ルの溶鋼流入側から排出側に至るまで一体化しており、
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部、並びに、溶鋼流入
側から排出側に至るまでの内孔表層部に黒鉛−マグネシ
ア質耐火物配設部Ａ−２を配設し、それ以外が黒鉛−ア
ルミナ質耐火物で配設部Ａ−１で構成された一体型二層
式構造となっている。
【００１６】また図３では黒鉛−マグネシア質耐火物の
配設に於いて、ウェアリングチューブに相当する部位３
０で溶鋼と接触する溶鋼流入側表層部並びに内孔表層部
には黒鉛−マグネシア質耐火物配設部Ａ−２が配設され
るが、ターミナルブロックに相当する部位２０の内孔表
層部には配設せず、黒鉛−アルミナ質耐火物配設部Ａ−
１のみで構成された、一体型二層式構造となっている。
配設に於いて、ウェアリングチューブに相当する部位３
０で溶鋼と接触する溶鋼流入側表層部並びに内孔表層部
には黒鉛−マグネシア質耐火物配設部Ａ−２が配設され
るが、ターミナルブロックに相当する部位２０の内孔表
層部には配設せず、黒鉛−アルミナ質耐火物配設部Ａ−
１のみで構成された、一体型二層式構造となっている。
【００１７】図２及び図３の各々の溶鋼と接触する部位
に配設される黒鉛−マグネシア質耐火物の厚みはそれぞ
れの使用条件に応じて変更し、かつ黒鉛含有量及びマグ
ネシア含有量等もそれぞれの使用条件に応じて変更し、
配設する部位を適材適所にて検討、変更することが好ま
しい。又黒鉛−マグネシア質耐火物の外周に配設され
る、黒鉛−アルミナ質耐火物も黒鉛−マグネシア質耐火
物と同様の処置をすることが好ましい。
に配設される黒鉛−マグネシア質耐火物の厚みはそれぞ
れの使用条件に応じて変更し、かつ黒鉛含有量及びマグ
ネシア含有量等もそれぞれの使用条件に応じて変更し、
配設する部位を適材適所にて検討、変更することが好ま
しい。又黒鉛−マグネシア質耐火物の外周に配設され
る、黒鉛−アルミナ質耐火物も黒鉛−マグネシア質耐火
物と同様の処置をすることが好ましい。
【００１８】それぞれの用途に適した黒鉛−アルミナ質
及び黒鉛−マグネシア質の化学成分値及び物性値を表１
に示す。
及び黒鉛−マグネシア質の化学成分値及び物性値を表１
に示す。
【００１９】
【表１】
【００２０】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の電気炉の
溶鋼排出用耐火物は電気炉のタップホール部に装着さ
れ、溶鋼の流入側から排出側に至る上から下までを全く
目地部が無い一体構造となっており、かつ少なくとも溶
鋼と接触する部位、即ち溶鋼流入側上部の表層部及び内
孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物が配設され、それ
以外には黒鉛−アルミナ質耐火物が配設された構造体と
なっていることより目地部への地金差し、又それに起因
する開口不良、最悪の場合の操業不能等の問題が発生す
ること無く、さらには施行性及び解体性も良好である。
溶鋼排出用耐火物は電気炉のタップホール部に装着さ
れ、溶鋼の流入側から排出側に至る上から下までを全く
目地部が無い一体構造となっており、かつ少なくとも溶
鋼と接触する部位、即ち溶鋼流入側上部の表層部及び内
孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物が配設され、それ
以外には黒鉛−アルミナ質耐火物が配設された構造体と
なっていることより目地部への地金差し、又それに起因
する開口不良、最悪の場合の操業不能等の問題が発生す
ること無く、さらには施行性及び解体性も良好である。
【００２１】また耐スラグ性の高い黒鉛−マグネシア質
耐火物は上述のように局部的な配置にとどめ、それ以外
は高耐スポール性の黒鉛−アルミナ質耐火物を配設する
ため熱的スポールの発生による突発的な亀製発生はほと
んど無い。
耐火物は上述のように局部的な配置にとどめ、それ以外
は高耐スポール性の黒鉛−アルミナ質耐火物を配設する
ため熱的スポールの発生による突発的な亀製発生はほと
んど無い。
【図１】従来の電気炉へのセット状況を示した説明図で
ある。
ある。
【図２】本発明の溶鋼排出用耐火物の縦断図面である。
【図３】本発明の溶鋼排出用耐火物の縦断図面である。
１ 鉄製ホルダー ２，２０ ターミナルブロック ３，３０ ウェアリングチューブ ４ 開口部 ５ セッティングブロック ６ 空隙（オリビンサンド充填部） Ａ，Ａ’ 溶鋼排出用耐火物 Ａ−１ 黒鉛−アルミナ質耐火物配設部 Ａ−２ 黒鉛−マグネシア質耐火物配設部
【表−１】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成５年３月２４日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】 電気炉のタップホール部に装着されるウェアリングチュ
ーブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼排出用
耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにターミナ
ルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側に至る
まで一体の成形体となっており、かつ少なくとも溶鋼が
接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過する内孔
表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、それ以外
が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていることを特徴
とする電気炉の溶鋼排出用耐火物。
ーブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼排出用
耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにターミナ
ルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側に至る
まで一体の成形体となっており、かつ少なくとも溶鋼が
接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過する内孔
表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、それ以外
が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていることを特徴
とする電気炉の溶鋼排出用耐火物。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電気炉の溶鋼排出用耐火
物に関するものである。
物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の電気炉の溶鋼排出用耐火物を図面
を参照しながら説明する。図１は電気炉の炉底部に取り
付けられた従来の溶鋼排出用耐火物のセット状況を示す
垂直断面図である。電気炉の炉底部に開口部４が有り、
その開口部４の内周壁面に添ってＭｇＯ質のセッティン
グブロック５が配設され、その内孔部にウェアリングチ
ューブ３及びターミナルブロック２でなる溶鋼排出用耐
火物Ａ’が装着され、セッティングブロック５と該溶鋼
排出用耐火物Ａ’との空隙６にはＭｇＯ質の粉末が充填
される。
を参照しながら説明する。図１は電気炉の炉底部に取り
付けられた従来の溶鋼排出用耐火物のセット状況を示す
垂直断面図である。電気炉の炉底部に開口部４が有り、
その開口部４の内周壁面に添ってＭｇＯ質のセッティン
グブロック５が配設され、その内孔部にウェアリングチ
ューブ３及びターミナルブロック２でなる溶鋼排出用耐
火物Ａ’が装着され、セッティングブロック５と該溶鋼
排出用耐火物Ａ’との空隙６にはＭｇＯ質の粉末が充填
される。
【０００３】なお溶鋼排出用耐火物Ａ’のターミナルブ
ロック２の固定には、ターミナルブロック２の外周に鉄
製ホルダー１が装着されており、その鉄製ホルダー１と
電気炉底部とをボルトまたはコッターにて締め付け、固
定している。
ロック２の固定には、ターミナルブロック２の外周に鉄
製ホルダー１が装着されており、その鉄製ホルダー１と
電気炉底部とをボルトまたはコッターにて締め付け、固
定している。
【０００４】従来の溶鋼排出用耐火物Ａ’は図１に示す
ように４〜５個に小割化されたウェアリングチューブ３
と１個のターミナルブロック２とを空目地にて継ぎ合わ
せて一体物として使用されていた。
ように４〜５個に小割化されたウェアリングチューブ３
と１個のターミナルブロック２とを空目地にて継ぎ合わ
せて一体物として使用されていた。
【０００５】そして各々の材質としてはウェアリングチ
ューブ３は、不焼成のＭｇＯ質、又ターミナルブロック
２は焼成されたＡｌ２Ｏ３−Ｃ質がそれぞれ適用されて
いる。
ューブ３は、不焼成のＭｇＯ質、又ターミナルブロック
２は焼成されたＡｌ２Ｏ３−Ｃ質がそれぞれ適用されて
いる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかして上述のような
従来の構造では以下のような問題点が有る。
従来の構造では以下のような問題点が有る。
【０００７】特に流出側のウェアリングチューブ間、又
はウェアリングチューブとターミナルブロック間に目地
部が存在するために、その部への地金差しが発生し易
い。そうした場合、空隙のオリビンサンド等の詰物がそ
の部位でブリッジを形成し、開口不良が発生してしまう
ことがある。また地金差しが溶鋼排出用耐火物の外周
部、即ち粉末のＭｇＯ質充填材部まで進展してしまう
と、溶鋼排出用耐火物の取換え作業が非常に困難となっ
てしまう。又これについては溶鋼流入側の粉末ＭｇＯ質
充填材部は特に高熱に曝露されているため熱的に焼結し
易く、特に溶鋼流入側のウェアリングチューブは取換え
が容易ではない。
はウェアリングチューブとターミナルブロック間に目地
部が存在するために、その部への地金差しが発生し易
い。そうした場合、空隙のオリビンサンド等の詰物がそ
の部位でブリッジを形成し、開口不良が発生してしまう
ことがある。また地金差しが溶鋼排出用耐火物の外周
部、即ち粉末のＭｇＯ質充填材部まで進展してしまう
と、溶鋼排出用耐火物の取換え作業が非常に困難となっ
てしまう。又これについては溶鋼流入側の粉末ＭｇＯ質
充填材部は特に高熱に曝露されているため熱的に焼結し
易く、特に溶鋼流入側のウェアリングチューブは取換え
が容易ではない。
【０００８】更には従来ウェアリングチューブは不焼成
のＭｇＯ−Ｃ質であるため、耐酸化性が低いことに起因
して、特に溶鋼流入側の上部目地部の局部溶損が激し
く、かつ耐スポール性が低いことも相重なり、最悪の場
合、上部のウェアリングチューブが浮上してしまうこと
もある。その結果、出鋼時間のばらつきあるいはスラグ
カットがしにくい等操業上の問題点を誘発することにな
る。
のＭｇＯ−Ｃ質であるため、耐酸化性が低いことに起因
して、特に溶鋼流入側の上部目地部の局部溶損が激し
く、かつ耐スポール性が低いことも相重なり、最悪の場
合、上部のウェアリングチューブが浮上してしまうこと
もある。その結果、出鋼時間のばらつきあるいはスラグ
カットがしにくい等操業上の問題点を誘発することにな
る。
【０００９】本発明は、上記従来の問題点を解決し、操
業性及び施工性ともに優れる電気炉の溶鋼排出用耐火物
を提供することを目的とするものである。
業性及び施工性ともに優れる電気炉の溶鋼排出用耐火物
を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、電気炉のタップホール部に装着されるウェアリン
グチューブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼
排出用耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにタ
ーミナルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側
に至るまで一体の成形体となっており、かつ少なくとも
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過す
る内孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、そ
れ以外が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていること
を特徴とする電気炉の溶鋼排出用耐火物である。
するためになされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、電気炉のタップホール部に装着されるウェアリン
グチューブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼
排出用耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにタ
ーミナルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側
に至るまで一体の成形体となっており、かつ少なくとも
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過す
る内孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、そ
れ以外が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていること
を特徴とする電気炉の溶鋼排出用耐火物である。
【００１１】
【作用】本発明の電気炉の溶鋼排出用耐火物は、電気炉
の炉底部のタップホール部に装着され、溶鋼の流入側か
ら排出側に至るまで、即ちウェアリングチューブとター
ミナルブロックを継ぎ目の無い一体構造としているた
め、目地部への地金差し、更にはその部の局部溶損、操
業的にも目地部への地金差しに起因する詰物のブリッジ
形成による開口不良が発生することが無い。
の炉底部のタップホール部に装着され、溶鋼の流入側か
ら排出側に至るまで、即ちウェアリングチューブとター
ミナルブロックを継ぎ目の無い一体構造としているた
め、目地部への地金差し、更にはその部の局部溶損、操
業的にも目地部への地金差しに起因する詰物のブリッジ
形成による開口不良が発生することが無い。
【００１２】又溶鋼が接触する部位には、耐スラグ性の
高い黒鉛−マグネシア質の焼成耐火物が配設されている
ため、従来の不焼成の黒鉛−マグネシア質の耐火物と比
較し、耐酸化性は高く、酸化損耗の心配は無い。更に
は、黒鉛−マグネシア質耐火物の外周には、耐スポーリ
ング性の高い黒鉛−アルミナ質耐火物が配設され、一体
構造となっていることより熱的スポーリングの発生によ
るウェアリングチューブに相当する部位の上部が浮き上
がる心配も無い。
高い黒鉛−マグネシア質の焼成耐火物が配設されている
ため、従来の不焼成の黒鉛−マグネシア質の耐火物と比
較し、耐酸化性は高く、酸化損耗の心配は無い。更に
は、黒鉛−マグネシア質耐火物の外周には、耐スポーリ
ング性の高い黒鉛−アルミナ質耐火物が配設され、一体
構造となっていることより熱的スポーリングの発生によ
るウェアリングチューブに相当する部位の上部が浮き上
がる心配も無い。
【００１３】以上のことから一体構造された溶鋼排出用
耐火物の取換作業が比較的容易にかつ効率よく出来る。
耐火物の取換作業が比較的容易にかつ効率よく出来る。
【００１４】
【実施例】本発明の電気炉の溶鋼排出用耐火物を以下実
施例について図面を参照しながら説明する。
施例について図面を参照しながら説明する。
【００１５】図２及び図３は本発明の溶鋼排出用耐火物
Ａの垂直断面図を示している。先ず図２ではタップホー
ルの溶鋼流入側から排出側に至るまで一体化しており、
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部、並びに、溶鋼流入
側から排出側に至るまでの内孔表層部に黒鉛−マグネシ
ア質耐火物配設部Ａ−２を配設し、それ以外が黒鉛−ア
ルミナ質耐火物で配設部Ａ−１で構成された一体型二層
式構造となっている。
Ａの垂直断面図を示している。先ず図２ではタップホー
ルの溶鋼流入側から排出側に至るまで一体化しており、
溶鋼が接触する溶鋼流入側の表層部、並びに、溶鋼流入
側から排出側に至るまでの内孔表層部に黒鉛−マグネシ
ア質耐火物配設部Ａ−２を配設し、それ以外が黒鉛−ア
ルミナ質耐火物で配設部Ａ−１で構成された一体型二層
式構造となっている。
【００１６】また図３では黒鉛−マグネシア質耐火物の
配設に於いて、ウェアリングチューブに相当する部位３
０で溶鋼と接触する溶鋼流入側表層部並びに内孔表層部
には黒鉛−マグネシア質耐火物配設部Ａ−２が配設され
るが、ターミナルブロックに相当する部位２０の内孔表
層部には配設せず、黒鉛−アルミナ質耐火物配設部Ａ−
１のみで構成された、一体型二層式構造となっている。
配設に於いて、ウェアリングチューブに相当する部位３
０で溶鋼と接触する溶鋼流入側表層部並びに内孔表層部
には黒鉛−マグネシア質耐火物配設部Ａ−２が配設され
るが、ターミナルブロックに相当する部位２０の内孔表
層部には配設せず、黒鉛−アルミナ質耐火物配設部Ａ−
１のみで構成された、一体型二層式構造となっている。
【００１７】図２及び図３の各々の溶鋼と接触する部位
に配設される黒鉛−マグネシア質耐火物の厚みはそれぞ
れの使用条件に応じて変更し、かつ黒鉛含有量及びマグ
ネシア含有量等もそれぞれの使用条件に応じて変更し、
配設する部位を適材適所にて検討、変更することが好ま
しい。又黒鉛−マグネシア質耐火物の外周に配設され
る、黒鉛−アルミナ質耐火物も黒鉛−マグネシア質耐火
物と同様の処置をすることが好ましい。
に配設される黒鉛−マグネシア質耐火物の厚みはそれぞ
れの使用条件に応じて変更し、かつ黒鉛含有量及びマグ
ネシア含有量等もそれぞれの使用条件に応じて変更し、
配設する部位を適材適所にて検討、変更することが好ま
しい。又黒鉛−マグネシア質耐火物の外周に配設され
る、黒鉛−アルミナ質耐火物も黒鉛−マグネシア質耐火
物と同様の処置をすることが好ましい。
【００１８】それぞれの用途に適した黒鉛−アルミナ質
及び黒鉛−マグネシア質の化学成分値及び物性値を表１
に示す。
及び黒鉛−マグネシア質の化学成分値及び物性値を表１
に示す。
【００１９】
【表１】
【００２０】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の電気炉の
溶鋼排出用耐火物は電気炉のタップホール部に装着さ
れ、溶鋼の流入側から排出側に至る上から下までを全く
目地部が無い一体構造となっており、かつ少なくとも溶
鋼と接触する部位、即ち溶鋼流入側上部の表層部及び内
孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物が配設され、それ
以外には黒鉛−アルミナ質耐火物が配設された構造体と
なっていることより目地部への地金差し、又それに起因
する開口不良、最悪の場合の操業不能等の問題が発生す
ること無く、さらには施行性及び解体性も良好である。
溶鋼排出用耐火物は電気炉のタップホール部に装着さ
れ、溶鋼の流入側から排出側に至る上から下までを全く
目地部が無い一体構造となっており、かつ少なくとも溶
鋼と接触する部位、即ち溶鋼流入側上部の表層部及び内
孔表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物が配設され、それ
以外には黒鉛−アルミナ質耐火物が配設された構造体と
なっていることより目地部への地金差し、又それに起因
する開口不良、最悪の場合の操業不能等の問題が発生す
ること無く、さらには施行性及び解体性も良好である。
【００２１】また耐スラグ性の高い黒鉛−マグネシア質
耐火物は上述のように局部的な配置にとどめ、それ以外
は高耐スポール性の黒鉛−アルミナ質耐火物を配設する
ため熱的スポールの発生による突発的な亀製発生はほと
んど無い。
耐火物は上述のように局部的な配置にとどめ、それ以外
は高耐スポール性の黒鉛−アルミナ質耐火物を配設する
ため熱的スポールの発生による突発的な亀製発生はほと
んど無い。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来の電気炉へのセット状況を示した説明図で
ある。
ある。
【図２】本発明の溶鋼排出用耐火物の縦断図面である。
【図３】本発明の溶鋼排出用耐火物の縦断図面である。
【符号の説明】 １ 鉄製ホルダー ２，２０ ターミナルブロック ３，３０ ウェアリングチューブ ４ 開口部 ５ セッテイングブロック ６ 空隙（オリビンサンド充填部） Ａ，Ａ’ 溶鋼排出用耐火物 Ａ−１ 黒鉛−アルミナ質耐火物配設部 Ａ−２ 黒鉛−マグネシア質耐火物配設部
Claims (1)
- 電気炉のタップホール部に装着されるウェアリングチュ
ーブ並びにターミナルブロックで構成された溶鋼排出用
耐火物に於いて、ウェアリングチューブ並びにターミナ
ルブロックが継ぎ目無く溶鋼の流入側から排出側に至る
まで一体の成形体となっており、かつ少なくとも溶鋼が
接触する溶鋼流入側の表層部並びに溶鋼が通過する内孔
表層部に黒鉛−マグネシア質耐火物を配設し、それ以外
が黒鉛−アルミナ質耐火物で構成されていることを特徴
とする電気炉の溶鋼排出用耐火物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4241362A JPH0666479A (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | 電気炉の溶鋼排出用耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4241362A JPH0666479A (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | 電気炉の溶鋼排出用耐火物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0666479A true JPH0666479A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=17073165
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4241362A Pending JPH0666479A (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | 電気炉の溶鋼排出用耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0666479A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0933174A (ja) * | 1995-07-20 | 1997-02-07 | Tokyo Yogyo Co Ltd | Ｅｂｔ耐火物 |
| JPH0933173A (ja) * | 1995-07-20 | 1997-02-07 | Tokyo Yogyo Co Ltd | Ｅｂｔ耐火物 |
| JP2009121770A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Kubota Corp | 溶解炉 |
-
1992
- 1992-08-17 JP JP4241362A patent/JPH0666479A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0933174A (ja) * | 1995-07-20 | 1997-02-07 | Tokyo Yogyo Co Ltd | Ｅｂｔ耐火物 |
| JPH0933173A (ja) * | 1995-07-20 | 1997-02-07 | Tokyo Yogyo Co Ltd | Ｅｂｔ耐火物 |
| JP2009121770A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Kubota Corp | 溶解炉 |
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