JPH0666200U

JPH0666200U - 音響再生装置

Info

Publication number: JPH0666200U
Application number: JP1058193U
Authority: JP
Inventors: 讓治笠井
Original assignee: Onkyo Corp
Current assignee: Onkyo Corp
Priority date: 1993-02-16
Filing date: 1993-02-16
Publication date: 1994-09-16

Abstract

(57)【要約】【目的】ヘッドホン再生において、音像を全方向に定
位させることができる音響再生装置を提供する。【構成】サラウンド処理回路１によってデコードされ
た各チャンネル信号は、信号切換回路３によって伝達関
数補正回路４に入力され、各チャンネル信号について、
受聴位置の正面を基準とした各チャンネル信号に対応す
る理想音源位置の角度θで規定される、受聴位置に位置
する受聴者の左右の耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，
θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）により、夫々補正される。左耳に
対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、右耳に対する伝達関数
Ｈ_R（ｓ，θ）により補正された信号は、夫々第１、第
２の加算回路５、６に入力され、加算される。加算され
て生成されたヘッドホン用左チャンネル信号、ヘッドホ
ン用右チャンネル信号はヘッドホン７により再生され
る。また、このヘッドホン再生と同期して、映像がヘッ
ドマウントディスプレー８により再生される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サラウンド処理された音声信号のヘッドホン再生を行う音響再生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年の音響再生では、音像の全方向定位を行うために、例えば音声信号処理手段であるサラウンド処理回路によりデコードされた、受聴位置に対して水平方向の理想位置に複数配置されている音源から再生されることを基本として設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャンネル信号を、受聴者の位置に対する前記理想音源位置に配置した所定のスピーカによってそれぞれ再生することで音場再生を行っている。

【０００３】従来、このような音響再生装置におけるヘッドホン再生は、サラウンド処理回路によるデコード前、またはデコード後の左チャンネル信号及び右チャンネル信号を、それぞれ独立にヘッドホンに出力することにより、再生が行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような構造を有する従来の音響再生装置におけるヘッドホン再生では、サラウンド処理回路によるデコード前、デコード後の左チャンネル、右チャンネル信号を、それぞれ独立にヘッドホンで再生しているだけであるため、受聴者の位置に対する各チャンネル信号の理想音源位置に配置した所定のスピーカにより、各チャンネル信号をそれぞれ再生する場合のように、音像の全方向定位が成された音場再生を行うことができなかった。

【０００５】特に、各種サラウンド処理が成された映像記録媒体を再生する場合、従来の音響再生装置におけるヘッドホン再生では、映像記録媒体に成されている各種サラウンド処理による音場が形成できず、映像と音像との一体化が成されなかった。

【０００６】そこで本考案は、上記従来例に付する欠点を解消し、サラウンド処理回路によりデコードされた各チャンネル信号を、受聴位置を基準とした各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置の角度によって規定される伝達関数により補正し、２チャンネルにエンコードして、ヘッドホンに出力することにより、ヘッドホン再生において、音像を全方向に定位させることができる音響再生装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案に係る音響再生装置は、請求項１では、受聴位置に対して水平方向の理想位置に複数配置されている音源から再生されることを基本として設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャンネル信号を出力する音声信号処理手段１と、受聴位置を基準とした前記各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置の角度によって規定される、受聴位置に位置した受聴者の両耳に対する伝達関数により、音声信号処理手段１から出力された各チャンネル信号を補正して、各チャンネルの左耳用信号、右耳用信号を夫々生成する伝達関数補正手段４と、伝達関数補正手段４から出力された各チャンネルの左耳用信号同士及び右耳用信号同士を加算する加算手段５，６と、加算手段５，６から出力された左右の信号を夫々独立に再生するヘッドホン７とを備えたことを特徴とし、請求項２では、請求項１記載の音響再生装置において、前記伝達関数が、受聴位置にダミーヘッド１１を配置するとともに、このダミーヘッド１１を基準とした所定角度で現される前記各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置に、音源１４を配置し、音源１４から発生させるインパルスに対するダミーヘッド１１両耳の応答により、求められているものであることを特徴とし、請求項３では、請求項１記載の音響再生装置において、受聴者の頭部に装着されているヘッドマウントディスプレー８により、前記ヘッドホン７による左右の信号の再生と同期して、映像を再生することを特徴とする。

【０００８】

【作用】

そして、このような構成の音響再生装置では、音声信号処理手段から出力された、受聴位置に対して水平方向の理想位置に複数配置されている音源から再生されることを基本として設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャンネル信号が、伝達関数補正手段に入力される。伝達関数補正手段では、入力された各チャンネルの信号について、受聴者の左右の耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ ）、Ｈ_R（ｓ，θ）により、それぞれ補正を行い、各チャンネルにおける右耳用信号、左耳用信号を生成する。これらの伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ ）は、受聴位置を基準とした各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置の角度θによって規定されており、これらは、例えばダミーヘッドを用い、ダミーヘッドが配置された受聴位置を基準とした所定角度で現される各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置に、音源を配置して、この音源からインパルスを発生させ、これに対するダミーヘッド左耳、右耳における応答を測定して、この測定結果から計算する等によって求められている。伝達関数補正手段から出力された各チャンネルの左耳用信号、右耳用信号は、加算手段に入力される。加算手段では、各チャンネルの左耳用信号同士を加算して、ヘッドホン用左信号を生成し、同じく各チャンネルの右耳用信号同士を加算して、ヘッドホン用右信号を生成する。そして、このように生成された左右の信号は、ヘッドホンに出力され、ヘッドホンにより、左右独立に再生される。また、このようなヘッドホンによる再生と同期して、映像を再生する場合は、ヘッドマウントディスプレーにより再生される。

【０００９】

【実施例】

図１〜図３により、本考案の実施例を詳述すると、図１は本考案の実施例における音響再生装置を説明するブロック図、図２は同実施例でのバイノーラル録音法を説明する図、図３は同実施例での伝達関数測定を説明する図である。

【００１０】図１において、１はサラウンド処理回路であり、入力端子群２の各種端子から入力された音声信号にサラウンド処理を行い、受聴位置に対して水平方向の理想位置に複数配置されている音源から再生されることを基本として設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャンネル信号を出力する。３は、サラウンド処理回路１から出力された各チャンネル信号を、ヘッドホン７側出力とスピーカ１０側出力とに切換える信号切換回路である。４は、サラウンド処理回路１から出力された各チャンネル信号を、受聴位置に位置する受聴者の左右の耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）により補正する伝達関数補正回路であり、５は、受聴者の左耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）により補正された全チャンネル信号を加算し、この加算信号をヘッドホン７の左側ユニットに出力する第１の加算回路、６は、同じく右耳に対する伝達関数Ｈ_R（ｓ，θ）により補正された全チャンネル信号の加算を行い、加算信号をヘッドホン７の右側ユニットに出力する第２の加算回路である。また、８はヘッドマウントディスプレーであり、９は、サラウンド処理回路２から出力された各チャンネル信号をそれぞれ増幅するチャンネルアンプ、１０は、チャンネルアンプ９の各チャンネル出力端子にそれぞれ接続され、受聴者に対する各チャンネル信号の理想音源位置に配置されているスピーカである。

【００１１】実施例の音響再生装置について、その動作を図１により説明する。

【００１２】サラウンド処理が成されている映像記録媒体を再生して得られた２チャンネルの音声信号Ｌ_T、Ｒ_Tはサラウンド処理回路１に入力され、サラウンド処理回路１によって、多チャンネル信号にデコードされる。この多チャンネル信号には、センターチャンネル信号Ｃ、左チャンネル信号Ｌ、右チャンネル信号Ｒ、第１〜第ｎの左チャンネルサラウンド信号ＬＳ₁〜ＬＳ_n、第１〜第ｎの右チャンネルサラウンド信号ＲＳ₂〜ＲＳ_nがあり、これらの信号がサラウンド処理回路１の各端子から出力される。出力された各チャンネル信号は、信号切換回路３により、受聴者がヘッドホン７により受聴する場合には、伝達関数補正回路４に入力され、受聴者がスピーカ１０により受聴する場合には、チャンネルアンプ９に入力されて各チャンネル用スピーカ１０により再生される。伝達関数補正回路４に入力されたチャンネル信号は、各チャンネル信号について、受聴位置に位置する受聴者の左右の耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）により、それぞれ補正される。これらの伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）において、 θは受聴位置の正面を基準とした各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置の角度であり、センターチャンネル信号Ｃではθ₀（θ₀＝０°）、左チャンネル信号Ｌではθ_L、右チャンネル信号Ｒではθ_R、第１〜第ｎの左チャンネルサラウンド信号ＬＳ₁〜ＬＳ_nではθ_LS1〜θ_LSn、第１〜第ｎの右チャンネルサラウンド信号ＲＳ₂〜ＲＳ_nではθ_RS1〜θ_RSnとなっており、これらの角度において、上記伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）はそれぞれ規定されている。

【００１３】ここで、これらの伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）について図２〜図３により説明する。

【００１４】本実施例においては、上記伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）を、図２のように、バイノーラル録音法を用いて求めた。図２において、１１はダミーヘッド、１２は左耳用マイクロホン、１３は右耳用マイクロホン、１４は音源である。

【００１５】このような構成において、ダミーヘッド１１を中心とした円周上の所定位置に音源１４となるスピーカを配置する。この音源１４の位置は、ダミーヘッドを受聴位置とした所定のチャンネル信号に対応する理想音源位置であり、ダミーヘッド１１の正面を基準とした所定角度θで現される。そして、この音源１４から図３（ａ）のようなインパルスｅ（ｔ）を発生させ、ダミーヘッド耳内に配置された左耳用マイクロホン１２、右耳用マイクロホン１３で収音する。ここで、左耳用マイクロホン１２で収音されたパルスをｅ_L（ｔ）とすると、このパルスｅ_L （ｔ）と音源１４から発生させたインパルスｅ（ｔ）との関係は、 £［ｅ_L（ｔ）］＝Ｈ_L（ｓ，θ）×£［ｅ（ｔ−ｔｄ）］但し、ｔｄは音源１４から左耳用マイクロホン１２に至る遅延時間となり、これより、所定角度θの位置を音源とした場合における受聴者の左耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）が求められる。また、右耳用マイクロホン１３で収音されたパルスｅ_R（ｔ）からも、同様に、所定角度θの位置を音源とした場合における受聴者の右耳に対する伝達関数Ｈ_R（ｓ，θ）が求められる。

【００１６】再び図１に戻って、本実施例における音響再生装置の動作を説明する。

【００１７】伝達関数補正回路４により補正された全チャンネル信号のうち、受聴者の左耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）により補正された信号Ｈ_L（ｓ，θ₀）×Ｃ、Ｈ_L（ｓ，θ_L）×Ｌ、Ｈ_L（ｓ，θ_R）×Ｒ、Ｈ_L（ｓ，θLS₁）×ＬＳ₁、Ｈ_L（ｓ，θRS₁）×ＲＳ₁、・・・Ｈ_L（ｓ，θLS_n）×ＬＳ_n、Ｈ_L（ｓ， θRS_n）×ＲＳ_nは、第１の加算回路５に、右耳に対する伝達関数Ｈ_R（ｓ，θ ）により補正された信号Ｈ_R（ｓ，θ₀）×Ｃ、Ｈ_R（ｓ，θ_L）×Ｌ、Ｈ_R（ｓ，θ_R）×Ｒ、Ｈ_R（ｓ，θLS₁）×ＬＳ₁、Ｈ_R（ｓ，θRS₁）×ＲＳ₁、・・・Ｈ_R（ｓ，θLS_n）×ＬＳ_n、Ｈ_R（ｓ，θRS_n）×ＲＳ_nは、第２の加算回路６にそれぞれ入力され、各加算回路５、６において、全チャンネル信号は加算される。加算されて生成されたヘッドホン用左チャンネル信号、ヘッドホン用右チャンネル信号はヘッドホン７に入力され、再生される。また、このヘッドホン再生と同期して、映像がヘッドマウントディスプレー８により再生される。

【００１８】次に、ドルビーサラウンド記録（ドルビーは登録商標）が成されている映像記録媒体の再生を行う本実施例における音響再生装置の変形例１について説明する。

【００１９】図１より、ドルビーサラウンド記録されている映像記録媒体を再生して得られた２チャンネルの音声信号Ｌ_T、Ｒ_Tは、サラウンド処理回路１に入力され、サラウンド処理回路１のドルビーサラウンドデコーダにより、センターチャンネル信号Ｃ、左チャンネル信号Ｌ、右チャンネル信号Ｒ、左チャンネルサラウンド信号ＬＳ、右チャンネルサラウンド信号ＲＳにデコードされる。すなわち、図１においては、ＬＳ₁＝ＬＳＲＳ₁＝ＲＳＬＳ₂〜ＬＳ_n＝０ＲＳ₂〜ＲＳ_n＝０となる。

【００２０】デコードされたこれら５つのチャンネル信号は、信号切換回路３を介して、伝達関数補正回路４に入力され、受聴位置に位置する受聴者の左右の耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）により、それぞれ補正される。ここで、これらの伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）を規定する、受聴位置を基準とした各チャンネルに対応する理想音源位置の角度θは、センターチャンネル信号Ｃでの角度θ₀が０°、左チャンネル信号Ｌでの角度θ_Lが３０°〜６０°、右チャンネル信号Ｒでの角度θ_Rが−３０°〜−６０°、左チャンネルサラウンド信号ＬＳでの角度θ_LS（図１においてはそれぞれＬＳ₁とθ_LS1）が９０°〜１８０°、右チャンネルサラウンド信号ＲＳでの角度θ_RS（図１においてはそれぞれＲＳ₁とθ_RS1）が−９０°〜−１８０°に規定されている。そして、受聴者の左耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）によって補正された信号は第１の加算回路５で加算される。また、受聴者の右耳に対する伝達関数Ｈ_R（ｓ，θ）によって補正された信号は第２の加算回路６で加算される。加算されて生成されたヘッドホン用左チャンネル信号、ヘッドホン用右チャンネル信号はヘッドホン７に入力され、再生される。また、このヘッドホン再生と同期して、映像がヘッドマウントディスプレー８により再生される。

【００２１】更に、アンビソニックサラウンド録音（ＡＭＢＩＳＯＮＩＣは登録商標）が成されている録音媒体の再生を行う本実施例における音響再生装置の変形例２について説明する。

【００２２】図１より、アンビソニックサラウンド録音されている録音媒体を再生して得られた２チャンネルの音声信号Ｌ_T、Ｒ_Tは、サラウンド処理回路１に入力され、サラウンド処理回路１のアンビソニックサラウンドデコーダにより、左前方チャンネル信号ＬＦ、右前方チャンネル信号ＲＦ、左後方チャンネル信号ＬＢ、右後方チャンネル信号ＲＢにデコードされる。すなわち、図１においては、Ｃ＝０Ｌ＝ＬＦＲ＝ＲＦＬＳ₁＝ＬＢＲＳ₁＝ＲＢＬＳ₂〜ＬＳ_n＝０ＲＳ₂〜ＲＳ_n＝０となる。

【００２３】デコードされたこれら４つのチャンネル信号は、信号切換回路３を介して、伝達関数補正回路４に入力され、受聴位置に位置する受聴者の左右の耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）により、それぞれ補正される。ここで、これらの伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）を規定する、受聴位置を基準とした各チャンネルの仮想音源位置の角度θは、左前方チャンネル信号ＬＦでの角度θ_LF（図１においてはθ_L）が４５°、右前方チャンネル信号ＲＦでの角度 θ_RF（図１においてはθ_R）が−４５°、左後方チャンネル信号ＬＢでの角度θ _LB （図１においてはθ_LS1）が１３５°、右後方チャンネル信号ＲＢでの角度θ _RB （図１においてはθ_RS1）が−１３５°に規定されている。そして、受聴者の左耳に対する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）によって補正された信号は第１の加算回路５で加算される。また、受聴者の右耳に対する伝達関数Ｈ_R（ｓ，θ）によって補正された信号は第２の加算回路６で加算される。加算されて生成されたヘッドホン用左チャンネル信号、ヘッドホン用右チャンネル信号はヘッドホン７に入力され、再生される。

【００２４】このような本実施例の音響再生装置のヘッドホン再生では、サラウンド処理回路１によりデコードされた各チャンネル信号を、受聴者の位置に対する各チャンネル信号の理想音源位置に配置した所定のスピーカ１０で再生した場合と同じように、音像の全方向定位が成された音場再生を行うことができる。また、ヘッドマウントディスプレー８を用いて映像信号を再生することにより、受聴者の頭に対して相対的に固定された音像と、相対的に固定された映像とを、受聴者に与えることができ、音像と映像とが一体となった再生を行うことができる。

【００２５】また、本実施例の変形例のように、ドルビーサラウンドデコーダ又はアンビソニックサラウンドデコーダを用い、かつこれらによりデコードされた各チャンネル信号を補正する伝達関数Ｈ_L（ｓ，θ）、Ｈ_R（ｓ，θ）の角度θの値を、各サラウンド記録に適応した値とすることによって、ドルビーサラウンド記録されている映像記録媒体又はアンビソニックサラウンド録音されている録音媒体の再生においても、各サラウンド記録に適応するスピーカでの再生と同じ音場再生をヘッドホンにより行うことができる。

【００２６】以上、本考案に係る音響再生装置について代表的と思われる実施例を基に詳述したが、本考案による音響再生装置の実施態様は、例えば、サラウンド処理回路でサラウンド処理されて出力されるチャンネル信号のチャンネル数は、２チャンネル以上であればよく、またサラウンド処理の種類には限定されない等、上記実施例の構造に限定されるものではなく、前記した実用新案登録請求の範囲に記載の構成要件を具備し、本考案にいう作用を呈し、以下に述べる効果を有する限りにおいて、適宜改変して実施しうるものである。

【００２７】

【効果】

本考案に係る音響再生装置は、受聴位置に対して水平方向の理想位置に複数配置されている音源から再生されることを基本として設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャンネル信号を出力する音声信号処理手段と、受聴位置を基準とした前記各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置の角度によって規定される、受聴位置に位置した受聴者の両耳に対する伝達関数により、音声信号処理手段から出力された各チャンネル信号を補正して、各チャンネルの左耳用信号、右耳用信号を夫々生成する伝達関数補正手段と、伝達関数補正手段から出力された各チャンネルの左耳用信号同士及び右耳用信号同士を加算する加算手段と、加算手段から出力された左右の信号を夫々独立に再生するヘッドホンとを備えたものであり、音声信号処理手段から出力された、受聴位置に対して水平方向の理想位置に複数配置されている音源から再生されることを基本として設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャンネル信号を、受聴位置を基準とした前記各チャンネル信号に対応する夫々の理想音源位置の角度によって規定される、受聴位置に位置した受聴者の両耳に対する伝達関数により補正し、これによって形成された各チャンネルの左耳用信号同士及び右耳用信号同士を加算して２チャンネル信号とし、ヘッドホンで独立に再生することにより、受聴者の位置に対する各チャンネル信号の理想音源位置に配置した所定のスピーカにより、各チャンネル信号を再生する場合に得られる音場と同じ音場が、ヘッドホン再生によって得られ、ヘッドホンにより、音像の全方向定位が成された音場再生を行うことができる。

【００２８】また、この音響再生装置にヘッドマウントディスプレーを備えることにより、音声信号だけでなく、これと同期した映像信号も再生することができるとともに、ヘッドマウントディスプレーが受聴者の頭に対して相対的に固定された映像を受聴者に与えるものであるため、ヘッドマウントディスプレーにより得られる映像と、この音響再生装置により得られる受聴者の頭に対して相対的に固定された音像とによって、音像と映像の位置とが変化しにくく、一体となった再生を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における音響再生装置を説明す
るブロック図。

【図２】同実施例でのバイノーラル録音法を説明する
図。

【図３】同実施例での伝達関数測定を説明する図。

【符号の説明】

１入力端子群２サラウンド処理回路３信号切換回路４伝達関数補正回路５第１の加算回路６第２の加算回路７ヘッドホン８ヘッドマウントディスプレー９チャンネルアンプ１０スピーカ１１ダミーヘッド１２左耳用マイクロホン１３右耳用マイクロホン１４音源

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】受聴位置に対して水平方向の理想位置に
複数配置されている音源から再生されることを基本とし
て設定されている、前記理想音源位置に対応した各チャ
ンネル信号を、音声信号処理手段（１）から出力し、こ
の各チャンネル信号を再生することにより、音場再生を
行う音響再生装置において、受聴位置を基準とした前記各チャンネル信号に対応する
夫々の理想音源位置の角度によって規定される、受聴位
置に位置した受聴者の両耳に対する伝達関数により、音
声信号処理手段（１）から出力された各チャンネル信号
を補正して、各チャンネルの左耳用信号、右耳用信号を
夫々生成する伝達関数補正手段（４）と、伝達関数補正
手段（４）から出力された各チャンネルの左耳用信号同
士及び右耳用信号同士を加算する加算手段（５），
（６）と、加算手段（５），（６）から出力された左右
の信号を夫々独立に再生するヘッドホン（７）とを備え
たことを特徴とする音響再生装置。
【請求項２】前記伝達関数が、受聴位置にダミーヘッ
ド（１１）を配置するとともに、このダミーヘッド（１
１）を基準とした所定角度で現される前記各チャンネル
信号に対応する夫々の理想音源位置に、音源（１４）を
配置し、音源（１４）から発生させるインパルスに対す
るダミーヘッド（１１）両耳の応答により、求められて
いるものであることを特徴とする請求項１記載の音響再
生装置。
【請求項３】受聴者の頭部に装着されているヘッドマ
ウントディスプレー（８）により、前記ヘッドホン
（７）による左右の信号の再生と同期して、映像を再生
することを特徴とする請求項１記載の音響再生装置。