JPH0665873U - 静電気発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 除電の作業を自動的に行うことができ、試験
作業が容易で作業ミスがなくなり、かつ感電事故等の発
生を防止できる電気発生装置を提供する。 【構成】 高電圧を発生する高圧電源１と、この高圧電
源１の高電圧を充電する主コンデンサ４及び充放電を切
り換えるスイッチ３，６を有する充電部と、この充電部
に結合され被試験体に対して放電を行う放電チップ７と
を備える静電気発生装置において、除電リレースイッチ
２７及び除電用抵抗器２６を含む除電プローブ部３０
と、前記除電リレースイッチ２７を制御するリレースイ
ッチ駆動回路２１とを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ノイズに対する電子機器の許容度を試験するためにサージ電圧・電 流を発生させる静電気発生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、電子技術の進歩により通信機器や制御機器等の電子機器は、小型化と実 装密度の向上が図られているが、ノイズ、特に、そのうちの突発的サージによる 電子機器の誤動作、故障、破壊といった被害が増大している。ここでサージとは 、短時間に激しく変化する過渡的な電圧または電流のことで、例えば、人体に帯 電し静電気が機器に接触したときに発生する放電現象のような電流または電圧が 典型的な例である。このサージによる電子機器の被害を防止するために、回路的 な対策を立てることが重要になり、そのために人工的に発生させたサージを電子 機器に与えてその影響を詳しく調べる必要がある。

【０００３】 図３は従来から使用されている静電気発生装置の基本的な回路を示しており、 静電気発生装置は、高圧電源１より発生する高電圧が充電抵抗器２、充電リレー スイッチ３を経由して主コンデンサ４に充電され、充電リレースイッチ３が開い た後、放電リレースイッチ６が閉じ主コンデンサ４に蓄えられた電荷が放電抵抗 器５を経由してプローブ７に発生し、グランド端子８に結合される被試験体との 間で放電が起こる。

【０００４】 図４は従来の静電気発生装置を用いて電子機器の許容度を試験する標準的な試 験環境を示しており、静電気発生装置９及び試験テーブル１２は、例えば、フロ ア上等に敷いた導電体からなる第１のグランドプレーン１３の上に設置され、ま た被試験体１４は、試験テーブル１２上の導電体からなる第２のグランドプレー ン１６上に敷かれた絶縁シート１５の上に設置される。第１及び第２のグランド プレーン１３及び１６間は、通常、４７０ＫΩの抵抗器１７で接続される。被試 験体１４は、第１のグランドプレーン１３に対して絶縁状態にあり、見かけ上の 浮遊コンデンサ１８が存在する。第１のグランドプレーン１３に接続された静電 気発生装置９のグランドケーブル１１とプローブ１０との間に主コンデンサ４に 蓄えられた電荷が被試験体１４に与えられる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このような環境で静電気試験を行うときには、電荷は被試験体１４と第２のグ ランドプレーン１６との間で絶縁破壊をおこさない限り、浮遊コンデンサ１８に 蓄積され、結果的に被試験体１４の筐体電位が上昇することになる。この状態で さらに静電試験を継続した場合には、被試験体１４の筐体電位が徐々に上昇し、 やがて絶縁破壊を起こす電位に達するとサージを発生し、筐体電位が下がる。

【０００６】 被試験体１４の定常的な静電気試験の許容度を試験する場合には、その初期段 階において被試験体１４の筐体電位を零にする必要がある。そのため、図４の第 １のグランドプレーン１３に除電用放電抵抗１９を介して接続した除電プローブ ２０を用い、この除電プローブ２０を手操作にて被試験体１４の筐体に接触させ 、予め除電する必要があった。従って、この静電気試験では、手操作による除電 作業に手間がかかるとともに、作業ミスにより試験結果の不整合の原因ともなり 、さらには感電事故を発生する危険があった。

【０００７】 そこで本考案は、除電の作業を自動的に行うことができ、試験作業が容易で作 業ミスがなくなり、かつ感電事故等の発生を防止できる電気発生装置を提供する ことを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の静電気発生装置は、高電圧を発生する高 圧電源と、この高圧電源の高電圧を充電する主コンデンサ及び充放電を切り換え るスイッチを有する充電部と、この充電部に結合され被試験体に対して放電を行 う放電チップとを備える静電気発生装置において、除電リレースイッチ及び除電 用抵抗器を含む除電プローブ部と、前記除電リレースイッチを制御するリレース イッチ駆動回路とを設けたものである。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、静電気発生装置に除電リレースイッチ及び除電用抵抗器を含 む除電プローブ部を設け、除電リレースイッチをリレースイッチ駆動回路でオン ・オフの制御することで、除電作業を自動化して手間が省け、かつ作業ミスによ る試験結果の不整合を防ぎ、作業者の感電事故も防止できる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図示の一実施例により具体的に説明する。図１は本考案実施例 の静電気発生装置の構成を説明する回路図である。なお、従来例に対応する部分 は同一の符号を記す。

【００１１】 同図において、本実施例の静電気発生装置は、従来例と同様に高圧電源１、充 電抵抗器２、充電リレースイッチ３、主コンデンサ４、放電抵抗器５、放電リレ ースイッチ６、放電プローブ７及びグランド端子８を備えている。また、静電気 発生装置は、被試験体１４に帯電した電荷を除電するための除電プローブ部３０ と、各部のリレースイッチを制御するためのリレースイッチ駆動回路２１とが設 けられている。除電プローブ部３０は、除電リレースイッチ２７、除電用放電抵 抗２６、除電プローブ２８を有する。この除電リレースイッチ２７は、一方が除 電用放電抵抗２６を経由して除電用グランド端子２５に接続され、他方が除電プ ローブ２８に接続されている。除電用グランド端子２５は、グランド端子と同様 に第１のグランドプレーン１３に接続され、除電プローブ２８は被試験体１４の 筐体に接続される。

【００１２】 図２は本考案実施例のリレースイッチ駆動回路のタイミングを説明する図であ り、リレースイッチ駆動回路２１は、充電リレースイッチ３を駆動する駆動コイ ル２２及び放電リレースイッチ６を駆動する駆動コイル２３を制御し静電気を発 生させ、さらに除電リレースイッチ２７を駆動する駆動コイル２４を駆動する。 除電リレースイッチ２７は、放電リレースイッチ６がオンになる直前（t1時間前 ）にオフとなり、その後放電リレースイッチ６がオンし、放電を完了させるに十 分な時間をおいて放電リレースイッチ６をオフした後の一定時間後（t2時間後） にオンするタイミングで駆動される。

【００１３】 上記構成の静電気発生装置によれば、リレースイッチ駆動回路２１が、駆動コ イル２２を駆動して充電リレースイッチ３をオンすることで、高圧電源１より発 生する高電圧が充電抵抗器２、充電リレースイッチ３を経由して主コンデンサ４ に充電され、続いて充電リレースイッチ３をオフした後、放電リレースイッチ６ がオンすることで、主コンデンサ４に蓄えられた電荷が放電抵抗器５を経由して プローブ７に発生し、グランド端子８に結合される被試験体１４との間で放電が 起こる。このとき、リレースイッチ駆動回路２１は、駆動コイル２４を駆動して 除電リレースイッチ２７を放電リレースイッチ６がオンになる直前のｔ１時間前 にオフとし、その後放電リレースイッチ６がオンし、放電を完了させるに十分な 時間をおいて放電リレースイッチ６をオフした後、ｔ２時間後にオンすることで 、除電リレースイッチ２７がオンしている間に、浮遊コンデンサ１８に蓄積され ることがある電荷が、被試験体１４の筐体、除電プローブ２８、除電リレースイ ッチ２７、除電用放電抵抗２６を経由して除電用グランド端子２５から第１のグ ランドプレーン１３に流れる。従って、リレースイッチ駆動回路２１により、自 動的に被試験体１４の筐体を除電することができるため、手操作による除電作業 の手間がなくなるとともに、作業ミスによる試験結果の不整合がなくなり、再現 性がよくなり、さらには感電事故を防止できる。

【００１４】 なお、上記実施例において、リレースイッチ駆動回路２１は、除電リレースイ ッチ２７を、少なくとも放電リレースイッチ６をオンして放電を行う前にオフし 、放電リレースイッチ６をオフした後にオンするように駆動コイル２４を駆動す ればよい。また、このような放電試験を連続的に行うときには、上記のタイミン グで連続的に各リレースイッチのオン・オフの制御が行われる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、静電気発生装置に駆動コイルでリレー スイッチを制御するリレースイッチ駆動回路を備え、除電の機能を付加すること により、静電気試験を手間をかけずに円滑、安全、かつ再現性よく行うことがで きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の静電気発生装置の構成を説明す
る回路図である。

【図２】本考案実施例のリレースイッチ駆動回路のタイ
ミングを説明する図である。

【図３】従来例の静電気発生装置の基本的な回路を示す
図である。

【図４】従来例の静電気発生装置を用いて電子機器の許
容度を試験する標準的な試験環境を示す図である。

【符号の説明】

１ 高圧電源 ２ 充電抵抗器 ３ 充電リレースイッチ ４ 主コンデンサ ５ 放電抵抗器 ６ 放電リレースイッチ ７ 放電プローブ ８ グランド端子 ９ 静電気発生装置 １０ プローブ １１ グランドケーブル １２ 試験テーブル １３ 第１のグランドプレーン １４ 被試験体 １５ 絶縁シート １６ 第２のグランドプレーン １７ 結合抵抗 １８ 浮遊コンデンサ １９ 除電用放電抵抗器 ２１ リレースイッチ駆動回路 ２２、２３、２４ 駆動コイル ２５ 除電用グランド端子 ２６ 除電用放電抵抗器 ２７ 除電リレースイッチ ２８ 除電プローブ ３０ 除電プローブ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高電圧を発生する高圧電源と、この高圧
   電源の高電圧を充電する主コンデンサ及び充放電を切り
   換えるスイッチを有する充電部と、この充電部に結合さ
   れ被試験体に対して放電を行う放電チップとを備える静
   電気発生装置において、除電リレースイッチ及び除電用
   抵抗器を含む除電プローブ部と、前記除電リレースイッ
   チを制御するリレースイッチ駆動回路とを設けたことを
   特徴とする静電気発生装置。