JPH0664903A - 炭素スス分子及び有機金属錯体の励起状態を用いたガスまたは液体の反応制御方法及び装置 - Google Patents

炭素スス分子及び有機金属錯体の励起状態を用いたガスまたは液体の反応制御方法及び装置

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JPH0664903A
JPH0664903A JP5097886A JP9788693A JPH0664903A JP H0664903 A JPH0664903 A JP H0664903A JP 5097886 A JP5097886 A JP 5097886A JP 9788693 A JP9788693 A JP 9788693A JP H0664903 A JPH0664903 A JP H0664903A
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俊行 神谷
Yoshio Hanasato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリン
錯体及び金属フタロシアニン錯体の高い反応性を用いた
ガス及び液体の反応制御方法・装置及びこの中で特にこ
れら分子による活性酸素の製造方法・装置、並びに有害
物質の分解方法・装置を提供する。 【構成】 光照射等の物理化学的な方法により励起状態
とした炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体、金属フタ
ロシアニン錯体と酸素含有ガスを接触させることにより
活性酸素を生成させる。さらに有害物質を含むガス及び
液体を接触させ、上述の活性酸素または励起状態にある
これら分子の直接の反応によって有害物質が分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励起状態にある炭素ス
ス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン
錯体と種々のガス及び液体との反応を制御する方法及び
装置に関するものであり、特に被反応ガスとして酸素含
有ガスを用い、無機化合物、有機化合物などの有害物を
分解する能力が高いとされている活性酸素原子を製造す
る方法及び装置に関するものである。
【0002】さらに被反応ガス及び被反応液体として、
有害ガスまたは有害物質含有溶液を反応させることによ
り有害ガス及び有害物含有液体中の有害物質を、炭素ス
ス分子、金属ポルフィリン錯体または金属フタロシアニ
ン錯体により得られた活性酸素原子の利用、またはこれ
ら分子との直接の接触反応により分解する方法及び装置
に関するもので、特に、空気中あるいは水中の汚染物質
を浄化することができる装置に関するものである。従っ
て本発明は、近年特に問題となっている環境汚染の浄化
に拘わる技術に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の活性酸素原子種を用いた有害物質
の分解技術としては様々な技術が存在しており、現在実
用化されている例として、オゾナイザーにより発生させ
たオゾンによって有機化合物を分解する技術が存在す
る。
【0004】図10は田中正明と田端則一が、静電気学
会誌[第7巻3号、(1983)]で報告した無声放電
式オゾナイザーの構造を示す模式図である。図10にお
いて、1は原料ガス、2はオゾン化ガス、3は金属電
極、4は交流高電圧、5はガラスである。
【0005】次に、オゾナイザーのオゾン発生機構につ
いて説明する。酸素含有気体をガラスあるいはセラミッ
クスなどの誘電体を挟んだ金属電極間に流しながら、6
〜18kVの交流高電圧を印加すると無声放電が起こ
り、電極から放出された電子は、酸素分子と衝突して励
起酸素分子が生成される。生成された励起酸素分子は、
他の酸素分子と反応してオゾンを生成する。このオゾン
と有機物とを反応させ有機物を分解する。
【0006】一方、活性酸素原子種を用いず、直接の反
応により有害物質を分解する技術の例としては、活性汚
泥法に代表される生物の代謝機能を応用した下・廃水処
理技術や触媒を用いた自動車エンジンなど燃焼機器の廃
ガス分解技術などが挙げられる。
【0007】触媒を用いた廃ガスの分解技術では、触媒
として金属、金属酸化物および金属イオン交換ゼオライ
ト等が検討されており、岩本正和がJ.Chem.So
c.,Faraday Trans.I[第77巻、
(1981)]で報告しているように、銅イオン交換ゼ
オライトを触媒とし、4%のNOを500゜Cにおいて反
応させた場合、約90%の分解効率でNOが分解され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術で、生成さ
れるオゾンを用いる有害物分解技術は有効であるが、オ
ゾンの反応性から分解される有害物に制限がある。例え
ば、酢酸はオゾンでは分解され難いとされている。ま
た、高圧放電技術によってオゾンを生成するため、省エ
ネ・小形機器としての利用が難しい。更にオゾンは一度
生成されると数時間から数十時間安定であり、使用法に
よっては人体への悪影響も問題となる場合が生ずる。ま
た、活性汚泥などの生物処理技術では、大規模処理場が
必要、処理時間が長い、あとに生物が汚泥として残るな
どの様々な問題がある。さらに、触媒によるエンジン等
からの廃ガスの分解では、高温下でなければ分解反応は
進行しないという問題があった。
【0009】本発明は上記のような様々な問題点を解決
するためになされたもので、励起状態とした炭素スス分
子、金属ポルフィリン錯体または金属フタロシアニン錯
体と酸素分子との反応によって活性酸素原子を生成させ
るという、非常に簡単な活性酸素原子の製造方法及びそ
の装置を提供することにある。また、ここで得られた活
性酸素原子の利用あるいは励起状態とした炭素スス、金
属ポルフィリン錯体または金属フタロシアニン錯体の直
接の接触反応により有害物質を分解する方法及び装置を
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガス及び液
体の反応制御方法は、励起状態にある炭素スス分子、金
属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいず
れか一種以上とガスまたは液体を反応させようにしたも
のである。
【0011】また、本発明に係る活性酸素原子の製造方
法は、励起状態にある炭素スス分子、金属ポルフィリン
錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上と
ガスまたは液体の反応において、被反応ガスとして、酸
素ガスあるいは空気などの酸素含有ガスと不活性ガスと
の混合ガスを反応させることにより活性酸素原子を生成
させるようにしたものである。
【0012】また、本発明に係る有害物質の分解方法
は、励起状態にある炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上とガ
スまたは液体の反応において、被反応ガス及び被反応液
体として、酸素ガスあるいは空気などの酸素含有ガスと
不活性ガスとの混合ガス有害ガス及び、有害ガスまたは
有害物質含有溶液を反応させ、生成する活性酸素原子に
より有害ガスまたは有害物含有液体中の有害物質を分解
するようにしたものである。
【0013】また、本発明に係る有害物質の分解方法
は、励起状態にある炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上とガ
スまたは及び液体の反応において、被反応ガス及び被反
応液体として、有害ガスまたは有害物質含有溶液を反応
させることにより有害ガスまたは有害物含有液体中の有
害物質を分解するようにしたものである。
【0014】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素原子の製造方法及び有害物質の分解
方法は、炭素スス、金属ポルフィリン錯体ならびに金属
フタロシアニン錯体の励起状態の生成法として、波長2
00nm〜600nmの光を光源とした光照射、電極を
用いた電子注入及び電子供与体による還元反応等の物理
化学的な方法を、連続的あるいは間欠的に用いるように
したものである。
【0015】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素原子の製造方法及び有害物質の分解
方法は、炭素スス分子として、球殻状のフラーレン類分
子または球殻断片状の炭素分子 Cn (n=18〜300) を単一種類または複合種類混合して用いるようにしたも
のである。
【0016】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素原子の製造方法及び有害物質の分解
方法は、炭素スス分子として、粉末状態、粉末を担体に
担持した状態、薄膜状態または、粉末より形成された固
形化膜状態の炭素スス分子を用いるようにしたものであ
る。
【0017】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素原子の製造方法及び有害物質の分解
方法は、金属ポルフィリン錯体ならびに金属フタロシア
ニン錯体として、粉末を担体に担持した状態、粉末状
態、薄膜状態、粉末より形成された固形化膜状態の金属
ポルフィリン錯体ならびに金属フタロシアニン錯体を用
いるようにしたものである。
【0018】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素原子の製造方法及び有害物質の分解
方法は、炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体ならびに
金属フタロシアニン錯体を励起状態とする過程、および
活性酸素原子生成および有害物質分解の反応過程におい
て、これらに熱を連続的あるいは間欠的に加えるように
したものである。
【0019】また、本発明に係る活性酸素原子の製造装
置は、気体導入口及び気体導出口を備える容器と、該容
器の内面に設置された炭素スス分子、金属ポルフィリン
錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上
と、これらを励起状態とするための光源部、電極部もし
くは電子供与体注入口とを備えるようにしたものであ
る。
【0020】また、本発明に係る有害ガスの分解装置
は、気体導入口及び有害ガス導入口並びにそれらの下流
に設置されたガス混合部及び気体導出口を備える容器
と、該容器の内面に設置された炭素スス分子、金属ポル
フィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一
種以上と、これを励起状態とするための光源部、電極部
もしくは電子供与体注入口とを備えるようにしたもので
ある。
【0021】また、本発明に係る液体中の有害物の分解
装置は、気体導入口、エゼクタに連通する液体導入口及
び活性酸素原子と被処理液体とを混合接触させるための
エゼクタを備える容器と、該容器の気体導入口からエゼ
クタまでの間の内面に設置された炭素スス分子、金属ポ
ルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか
一種以上と、これらを励起状態とするための光源部、電
極部もしくは電子供与体注入口とを備えるようにしたも
のである。
【0022】また、本発明に係る有害ガスの分解装置
は、気体導入口及び有害ガス導入口並びにそれらの下流
に設置されたガス混合部及び気体導出口を備える容器
と、該容器の内面に設置された炭素スス分子、金属ポル
フィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一
種以上と、これらを励起状態とするための光源部、電極
部もしくは電子供与体注入口とを備えるようにしたもの
である。
【0023】また、本発明に係る液体中の有害物の分解
装置は、液体導入口及び液体導出口を備える容器と、該
容器の内面に設置された炭素スス分子、金属ポルフィリ
ン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上
と、これらを励起状態とするための光源部、電極部もし
くは電子供与体注入口とを備えるようにしたものであ
る。
【0024】また、前記有害物の分解装置の気体導入口
または液体導入口の下流側にセンサ部と該センサ部から
の信号を電源に送るための制御部を備え、所定の種類、
濃度の有害物を該センサ部で感知して必要に応じてその
信号により光源部を点灯する、電極に電圧を加える、も
しくは電子供与体を導入させることにより、炭素スス、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のい
ずれか一種以上を励起状態として有害物を分解する構成
とすることにより、所定の種類、所定の濃度以上の有害
物の連続的な分解が可能な装置とすることができる。
【0025】
【作用】炭素スス分子はグラファイトを真空条件下で放
電により蒸発させる、あるいはグラファイトに高エネル
ギーのレーザー光を照射することにより生じる炭素のみ
からなる分子であり、炭素原子数が60、70、76、
78、82、84、90等の球殻状安定分子であるフラ
ーレン類分子及び炭素数が100以上の球殻状分子及び
管状分子、さらに炭素数60未満の球殻断片状の分子も
存在する。本明細書における述語「炭素スス分子」はこ
れらの物質を全て包含するものとする。
【0026】本発明のガス及び液体の反応制御方法は、
この炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタ
ロシアニン錯体が光照射、電極による電子注入もしくは
電子供与体による還元反応等の物理化学的な方法によっ
て励起状態となり、種々のガス及び液体との反応性が極
めて高くなることを利用したものであり、従来法では困
難であったようなガス及び液体の反応を進めることがで
きる。
【0027】さらに、本発明の活性酸素原子の製造方法
は、励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及
び金属フタロシアニン錯体が酸素分子との間で高い反応
性を有することを利用したものであり、励起状態にある
これら分子と酸素分子とを接触させると酸素分子とこれ
ら分子との間で電子移動反応が起こり、活性酸素原子
(一重項酸素原子)が生成されるものである。
【0028】上記のようにして生成された活性酸素原子
は、無機化合物、有機化合物などの他の分子との反応性
が高く、これらの化合物を酸素分解する能力が高い。こ
の活性酸素原子の分解反応性は、従来の有害物分解法と
して利用されているオゾンの分解反応性と比較すると格
段に高いことが知られている。
【0029】このように、活性酸素原子は無機化合物や
有機化合物に対する反応性に優れるため、有害物との反
応を利用して従来法よりも分解能力の高い有害物の分解
方法として使用することができる。
【0030】一方、励起状態にある炭素スス分子、金属
ポルフィリン錯体および金属フタロシアニン錯体は、有
害ガスおよび有害物含有液体中の有害物質との間で高い
反応性を有し、励起状態にあるこれら分子と有害物質と
を接触させると有害物質とこれら分子との間に電子移動
反応が起こり、その結果、有害物質の分解反応が進行す
る。
【0031】また、励起状態とした炭素スス分子、金属
ポルフィリン錯体および金属フタロシアニン錯体は、有
害物質との間で高い反応性を有するため、従来からの分
解触媒よりも高い有害物質の分解能を有し、低い温度条
件下において高い分解活性を有する。
【0032】したがって、本発明の有害物質の分解方法
は、励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及
び金属フタロシアニン錯体によって得られた活性酸素原
子により、もしくは励起状態とした炭素スス、金属ポル
フィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体の直接の接触
反応により有害物質を分解するものであり、従来法より
も広範囲の物質を高い効率で分解することができる。
【0033】本発明の有害物質の分解方法を利用して分
解可能な有害物としては、例えばNOX、SOX、CO等
の有害ガス、アンモニア、アルデヒド、メルカプタン等
の悪臭成分ガス、酢酸水溶液やトリハロメタン、ジエオ
スミン、2−メチルイソボルネオール等のかび臭物質等
が含まれる水等の液体を挙げることができる。
【0034】また、炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体の励起状態生成には光照
射、電極による電子注入または電子供与体による還元反
応等の物理化学的な方法を用いるが、これに要するエネ
ルギーは従来のオゾン生成に要するエネルギーよりも格
段に小さく、かつ低温での反応も可能なため、省エネ・
小型の活性酸素原子の製造装置及び有害物質の分解装置
を提供することができる。
【0035】なお、従来利用されていたオゾンは一度生
成されると数時間から数十時間安定であり、使用法によ
っては人体への悪影響も問題となる場合があるが、本発
明方法により製造された活性酸素原子はその寿命が短
く、短時間で酸素分子に変化する。従って、人体への悪
影響がないため、室内などの人間の活動する場における
NOX、SOX、CO、悪臭などの有害物の分解方法、装
置として有効である。
【0036】上述のように活性酸素原子はその寿命が短
いため、有害物との接触反応を瞬時に行う必要がある。
従って、有害物が気体の場合には、フラーレン類分子膜
に酸素含有ガスと有害物ガスとを同時に流すことができ
る装置、また、有害物が液体中に含まれる場合には、エ
ゼクタを用いて該液体と活性酸素原子とを高速で接触、
混合させることができる装置を用いて気相または液相の
有害物を分解、無害化することができる。
【0037】さらに、分解装置の有害物ガス導入口や液
体導入口に被処理物に感応するセンサを設置し、被処理
物の濃度が所定濃度を超えた場合に、センサからの信号
により光源部を点灯する、電極に電圧を加える、または
電子供与体を導入させることにより、炭素スス、金属ポ
ルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体を励起状態
として有害物を分解する構成とすることにより、連続的
に有害物ガスや有害物含有液体を分解することができる
装置を提供することができる。
【0038】
【実施例】
実施例1.以下、本発明の一実施例を説明する。まず、
炭素スス分子の薄膜または固形化膜の形成方法を説明す
る。炭素スス分子の薄膜の場合には、炭素スス分子を真
空蒸着法、ICB蒸着法、キャスティング法及びスピン
コーティング法等を用いてフィルムまたは電極上に50
〜200nm程度の厚さの炭素スス分子膜を形成する。
ここでフィルムの材質は特に限定されず、例えばポリイ
ミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリエステル等のような一般的なフィルムを
使用することができる。また、電極としては金、アルミ
ニウム等の金属電極を使用することができる。さらにこ
れら薄膜を形成したフィルム及び電極にイオン注入、加
熱等の処理を施すことによって、より性能の優れた薄膜
を得ることができる。次に、炭素スス分子の固形化膜の
場合には、炭素スス分子の粉末をペースト状にして塗布
することにより形成する。この場合、無機系バインダー
例えば低融点ガラスなどを使用し、バインダーが溶融状
態となるまで加熱してペースト状とし、これをフィルム
または基板に塗布すればよい。なお、炭素スス分子の固
形化膜の厚さはその形成方法からして100μm程度が
下限となる。
【0039】次に、本発明による活性酸素原子の製造方
法及び装置についての実施例を示す。図1は活性酸素原
子の製造装置の一実施態様を示す断面図であり、6は炭
素スス分子の薄膜または固形化膜7を表面に塗布したフ
ィルムである。8はフィルム6を設置するための容器、
9は炭素スス分子膜または固形化膜7を励起するための
光源部、10は光源部を動作させるための電源、11は
気体導入口、12は気体導出口である。
【0040】次に上述のようにしてフィルム6上に形成
された炭素スス分子の薄膜または固形化膜7を容器8の
内面に装着する。容器8の材質は特に限定されるもので
はないが、以下の実施例で用いる装置においてはステン
レスを使用した。次に容器8の内面に装着された炭素ス
ス分子の薄膜または固形化膜7に光を照射するための光
源部9を設置する。この際、光源部9は炭素スス分子膜
または固形化膜7に均一に光を照射できるようにするこ
とが望ましい。なお光源部9としては、200〜600
nmの波長の光を照射することが可能なものであれば特
に限定されるものではなく、例えばキセノンランプ、タ
ングステンランプ、水銀ランプ、重水素ランプなどを用
いることができる。また、この範囲の波長の光を照射可
能なレーザ光源、例えばエキシマレーザ、高調波YAG
レーザ、高調波YAG色素レーザ、Arレーザ、高調波
Ar色素レーザなどを用いることもできる。
【0041】更に、容器8の内部形状並びに炭素スス分
子の薄膜または固形化膜7の表面形状は、気体導入口1
1から導入される酸素含有ガス中の酸素が光励起状態の
炭素スス分子との間で電子移動反応が効率的に進行する
ように設計することが好ましい。
【0042】次に図1に記載した活性酸素原子の製造装
置の動作について説明する。まず、酸素ガスまたは空気
などの酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスが気体導
入口11より取り入れられ、炭素スス分子の薄膜または
固形化膜7の表面に接触するように流れる。このとき、
光源部9を点灯すると炭素スス分子の薄膜または固形化
膜7中の炭素スス分子は光励起される。このようにして
光励起された炭素スス分子は酸素と反応して活性酸素原
子である一重項酸素原子を生成する。この一重項酸素原
子は気体導出口12から取り出され、有害物分解反応な
どの他の用途に用いられる。
【0043】実施例2.図1に記載の活性酸素原子の製
造装置において、フィルム6としてポリイミドフィル
ム、炭素スス分子の薄膜または固形化膜7としてC60
ラーレン分子の蒸着膜、光源部9としてキセノンランプ
を使用し、C60フラーレン分子蒸着膜にキセノンランプ
を照射した状態で気体導入口11から空気を導入し、光
励起状態のフラーレン分子と空気中の酸素を、室温状態
において反応させた。気体導出口12から取り出された
ガスを光励起発光法によって分析したところ、ガス中に
活性酸素原子の存在が認められ、光照射によって励起状
態としたC60フラーレン分子により良好に活性酸素原子
が生成されることが確認された。
【0044】実施例3.次に本発明による活性酸素原子
の製造方法及び装置についての他の実施例を示す。図2
は活性酸素原子の製造装置の一実施態様を示す断面図で
あり、13は炭素スス分子の薄膜または固形化膜7を保
持し、これに電子を注入するための電極部、8は電極部
13を設置するための容器、14は電極部13に電圧を
加え電子注入を行うための電源、11は気体導入口、1
2は気体導出口である。図2に示す活性酸素原子の製造
装置は、図1の活性酸素原子の製造装置において光源部
9及びその電源10のかわりに、炭素スス分子の薄膜ま
たは固形化膜7に電子を注入するための電極部13及び
電極部13に電圧を加え電子注入を行うための電源14
を設置したものである。
【0045】ここで電極部13の構造を図3の断面図に
示す。図3において15、16は金、アルミニウム等の
金属電極またはITO等の透明電極、7は電極15上に
形成した炭素スス分子の薄膜または固形化膜、17はイ
オン伝導度の高い固体電解質の薄膜、14は電源であ
る。電極15と16の間に電圧を加えると、電極15と
固体電解質17の間で電子及びイオンの移動が生じ炭素
スス分子の薄膜または固形化膜に電子が注入され、炭素
スス分子が電子を受け取り励起状態となる。また、炭素
スス分子の薄または固形化膜を形成した電極15または
電極部全体を多孔性として、炭素スス分子と気体との接
触を高めることにより、励起状態にある炭素スス分子を
気体との反応に用いることができる。
【0046】次に図2に記載した活性酸素原子の製造装
置の動作について説明する。まず、酸素ガスまたは空気
などの酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスが気体導
入口11より取り入れられ、炭素スス分子の薄膜または
固形化膜7を保持した電極部に接触するように流れる。
このとき、電極部13に電圧を加えると炭素スス分子の
薄膜または固形化膜7中の炭素スス分子は励起状態とな
る。このようにして励起された炭素スス分子は酸素と反
応して活性酸素原子である一重項酸素原子を生成する。
この一重項酸素原子は気体導出口11から取り出され、
有害物分解反応などの他の用途に用いられる。
【0047】実施例4.図2に記載の活性酸素原子の製
造装置において、電極として金電極を用い、かつ15の
電極を多孔性とした電極部13、炭素スス分子の薄膜ま
たは固形化膜7としてC60フラーレン分子の蒸着膜を用
い、電極に電圧を加えC60フラーレン分子蒸着膜に電子
を供給した状態で気体導入口11から空気を導入し、光
励起状態のC60フラーレン分子と空気中の酸素を、室温
状態において反応させた。気体導出口12から取り出さ
れたガス中に実施例2と同様の活性酸素原子の存在が認
められ、電極による電子注入によって励起状態としたC
60フラーレン分子により良好に活性酸素原子が生成され
ることが確認された。
【0048】なお、ここで使用した電極部には電極15
をのみを多孔性としたものを用いたが、これに限るもの
ではなく、電極全体を多孔性とし気体透過性に優れた電
極部を設計し用いても同様の効果が得られる。
【0049】実施例5.次に、本発明による有害ガス中
の有害物質の分解に活性酸素原子を用いた有害物質の分
解方法及び装置の実施例を示す。図4は有害ガスの分解
装置の一実施態様を示す断面図である。図4に示す有害
ガスの分解装置は、被処理ガスを容器8に導入するため
の有害ガス導入口18が気体導入口19と併設されてお
り、更にこれら2つの導入口の下流側にガス混合部20
が設置されている点が、図1の活性酸素の製造装置と異
なる点である。なお、図4に示す装置において、フィル
ム6、炭素スス分子の薄膜または固形化膜7、光源部9
並びに電源10は図1に記載された装置と実質上同一の
構成によるものであり、ガス混合部20で混合された混
合ガスは分解反応が効率的に進行するように流路設計さ
れた容器8の内面に設置された炭素スス分子の薄膜また
は固形化膜7表面上に導かれるようになっている。
【0050】次に図4に記載する有害ガスの分解装置の
動作について説明する。まず、有害ガスは有害ガス導入
口18により取り入れられ、その組成に応じて分解反応
が効率的に進行するようにガス混合部20で、気体導入
口19から取り入れられた酸素ガスあるいは空気などの
酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスと混合され、容
器8の混合ガス導入部21を介して容器内すなわち分解
反応相に取り込まれ、炭素スス分子の薄膜または固形化
膜7の表面に接触するように流れる。このとき、光源部
を点灯すると炭素スス分子が励起状態となり、励起状態
の炭素スス分子は有害ガスと共存している酸素と反応
し、活性酸素原子である一重項酸素原子を生成する。こ
の活性酸素原子は反応性が非常に高く、有害ガス中の有
害物質と反応して、これを分解することができ、分解後
のガスが気体導出口12から排出される。
【0051】実施例6.図4の有害ガスの分解装置にお
いて、フィルム6としてポリイミドフィルム、炭素スス
分子の薄膜または固形化膜7としてC60フラーレン分子
の蒸着膜、光源部9としてキセノンランプを使用し、フ
ラーレン分子蒸着膜にキセノンランプを照射した状態で
有害ガス導入口18から100ml/分ないし1000
ml/分の速度で1000ppm程度までの濃度のアセ
トアルデヒドを含むガスを導入した。また、気体導入口
19から空気をアセトアルデヒド含有ガスの1/5〜1
/10程度の流速で導入し、ガス混合部20で混合し、
容器8の混合ガス導入部21を介して容器8内に導入
し、光励起状態のC60フラーレン分子と室温状態におい
て反応させた。気体導出口12から排出されるガスを質
量分析法及びガスクロマトグラフィ−により分析したと
ころ、導入されたアセトアルデヒドの約80%がCO2
とH2Oに分解されていることが確認された。また、気
体導入口より空気を導入しない場合には、アセトアルデ
ヒドのCO2とH2Oへの分解は約10%であったことか
ら、光照射で励起状態としたC60フラーレン分子により
生成された活性酸素原子によってアセトアルデヒドがC
2とH2Oにまで分解されることが確認された。
【0052】実施例7.次に、本発明による有害ガス中
の有害物質の分解に励起状態の分子を直接用いた有害物
質の分解方法及び装置の実施例を示す。図5は有害ガス
の分解装置の一実施態様を示す断面図である。図5に示
す有害ガスの分解装置は、炭素スス分子の励起を促進す
るため光源部9に加え、実施例3で示した電極部13及
びその電源14が併設されている。なお、ここでの電極
部は電極として透明電極を用い光照射による炭素スス分
子の励起効果を阻害しないようにしたものである。ま
た、図5に示す装置において、炭素スス分子の薄膜また
は固形化膜7、光源部9、電源10、有害ガス導入口1
8、気体導入口19は図4に記載された装置と実質上同
一の構成によるものであり、ガス混合部20で混合され
た混合ガスは分解反応が効率的に進行するように流路設
計された容器8の内面に設置された炭素スス分子の薄膜
または固形化膜7を保持する電極部に導かれるようにな
っている。
【0053】次に図5に記載する有害ガスの分解装置の
動作について説明する。まず、有害ガスは有害ガス導入
口18により取り入れられる。気体導入口19からは有
害ガス濃度を分解反応が効率的に進行するために希釈す
る希釈ガスとして酸素を含まない不活性ガスを導入し、
ガス混合部20で混合され、容器8の混合ガス導入部2
1を介して容器内すなわち分解反応相に取り込まれ、炭
素スス分子の薄膜または固形化膜7を保持する電極部に
接触するように流れる。このとき、光源部9を点灯し、
かつ電極部13に電圧を加えると炭素スス分子が励起状
態となり、励起状態の炭素スス分子は有害ガス中に存在
する有害物質と直接反応して、有害物質が分解され、分
解後の気体が気体導出口12から排出される。
【0054】実施例8.図5の有害物ガスの分解装置に
おいて、透明電極としてITOを用い、かつ15の電極
を多孔性とした電極部13、炭素スス分子の薄膜または
固形化膜7としてC60フラーレン分子の蒸着膜、光源部
9としてキセノンランプを使用し、有害ガス導入口18
から500ppm程度までの濃度のNO含有ガスを導入
し、気体導入口19から希釈ガスとしてアルゴンガスを
NO含有ガスの1/5〜1/10程度の流速で導入し、
ガス混合部20で混合し、容器8の混合ガス導入部21
を介して容器8内に導入した。その後、有害ガス導入
口、気体導入口および気体導出口をバルブ等で閉じ密閉
状態とし、フラーレン分子蒸着膜にキセノンランプを照
射し、かつ電極に電圧を加え、C60フラーレン分子を励
起状態とし、これを混合ガスとを室温状態において反応
させた。容器内のガスを質量分析法及びガスクロマトグ
ラフィ−により経時的に分析した。この時のNOの分解
を図6の特性図に示す。図6において横軸は時間、縦軸
はガス濃度であり図中a、b、cの曲線はそれぞれN
O、N2 、N2Oを示す。図6に示すようにNOはN2
の状態を経て、導入後約20分でほぼ全てのNOがN2
にまで分解されていることが確認された。
【0055】実施例9.さらに図5の有害物ガスの分解
装置において、透明電極としてITOを用い、かつ、1
5の電極を多孔性とした電極部13、炭素スス分子の薄
膜または固形化膜7としてC60フラーレン分子の蒸着
膜、光源部9としてキセノンランプを使用し、キセノン
ランプを照射し、かつ、電極に電圧を加えた状態で有害
ガス導入口18から100ml/分ないし1000ml
/分の速度で500ppm程度までの濃度のNOを含む
ガスを導入し、気体導入口19から希釈ガスとしてアル
ゴンガスをNOを含むガスの1/5〜1/10程度の流
速で導入し、ガス混合部20で混合し、容器8の混合ガ
ス導入部21を介して容器8内に導入し、励起状態のC
60フラーレン分子と室温状態において反応させた。気体
導出口12から排出されるガスを質量分析法及びガスク
ロマトグラフィ−により分析したところ、実施例7と同
様、導入したNOのほぼ100%がN2 へと分解されて
いることが認められ、また、この分解は数十時間安定に
みられた。以上より、光照射および電極による電子注入
によって励起状態としたC60フラーレン分子とNOが直
接反応しN2Oを経てN2に分解され、しかもその分解は
安定に保持されることが確認された。
【0056】実施例10.次に、本発明による有害物質
含有液体中の有害物質の分解に、活性酸素原子を用いた
有害物質の分解方法及び装置の実施例を示す。図7は有
害物質含有液体の分解装置の一実施態様を示す断面図で
ある。図7において、27は有害物含有液体を導入する
ための被処理液体供給口であり、容器8内に設けられた
ノズル28は内径が狭められており、高速で液体をスロ
ート喉部30へ噴射できる構成となっており、これら部
材とスロート(反応部)31によりエゼクタが構成され
ている。ノズル28の外周にはフィルム6に塗布された
炭素スス分子の薄膜または固形化膜7が装填されてお
り、光源部9は、光を炭素スス分子の薄膜または固形化
膜7に均一に照射するために複数個設けられている。ま
た、導入される酸素ガス雰囲気あるいは空気などの酸素
含有ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気を導入するた
めの気体導入口29を複数個設けることができる。光励
起状態のフラーレン分子と接触することにより製造され
た活性酸素原子は被処理液体供給口27のノズル28か
ら高速で噴射される液体の流速により、スロート喉部3
0へノズル28より取り込まれ、スロート(反応部)31
中で瞬間的に混合されるような構成となっており、有害
物を分解された液体が液体導出口31から排出される。
ここで、エゼクタを使用して活性酸素原子を瞬時に液体
と混合する構成にすることにより、寿命の短い活性酸素
原子を有効に使用することができる。
【0057】実施例11.図7に示す有害物含有液体の
分解装置において、フィルム6としてポリイミドフィル
ムを用い、炭素スス分子の薄膜または固形化膜7として
60フラーレン分子及びC70フラーレン分子を混合し、
低融点ガラスをバインダーとして添加し、加熱してペー
スト状としたものをポリイミドフィルム上に約100μ
mの厚さに塗布して得た固形化膜を用い、光源部として
キセノンランプを用いた。この装置に有害物含有液体と
して数十ppm程度の濃度の酢酸水溶液を被処理液体供
給口27より導入し、一方、キセノンランプを照射して
フラーレン分子を光励起状態としたところに気体導入口
29より空気を導入して活性酸素原子を発生させ、ノズ
ル28から噴射される酢酸水溶液と接触、混合させた。
反応後の溶液中の成分を液体クロマトグラフィーによ
り、また発生するガスの成分をガスクロマトグラフィー
により分析したところ、導入された酢酸のほぼ100%
がCO2とH2Oに分解されていることが認められ、光照
射によって励起状態としたC60フラーレン分子により生
成された活性酸素原子によって酢酸がCO2とH2Oに分
解されることが確認された。
【0058】実施例12.次に、本発明による有害物質
含有液体中の有害物質の分解に励起状態の分子を直接用
いた有害物質の分解方法及び装置の実施例を示す。図8
は有害物質含有液体の分解装置の一実施態様を示す断面
図である。図8において、13は実施例3で示した電極
部、8は電極部13を設置するための容器、14は電極
部13に電圧を加え電子注入を行うための電源、40は
液体導入口、41は液体導出口である。この場合の電極
部には図3において17の固体電解質部分を空洞とし、
ここにそれ自身電解質である有害物質を含む液体が直接
導入されるよう設計された電極を用いた。また、容器を
中に電極を複数個設け、各々の電極に液体が効率よく導
入され、液体中の有害物質と励起状態にある分子が効率
的に反応するように配置されている。
【0059】次に、図8に記載する有害物質含有液体の
分解装置の動作について説明する。まず、有害物質含有
液体は液体導入口40により取り入れられ、その後電極
中へ導入され、電極に保持された炭素スス分子の薄膜ま
たは固形化膜7の表面に接触するように流れる。このと
き、電極に電圧を加えると、炭素スス分子が励起状態と
なり、励起状態の炭素スス分子が液体中の有害物質と反
応し、分解反応が起こり、分解後の液体が液体導出口4
1から排出される。
【0060】実施例13.図8に示す有害物含有液体の
分解装置において、金電極を用いた電極部13、炭素ス
ス分子の薄膜または固形化膜7としてC60フラーレン分
子及びC70フラーレン分子を混合し、低融点ガラスをバ
インダーとして添加し、加熱してペースト状としたもの
を金電極上に約100μmの厚さに塗布して得た固形化
膜を用いた。この装置に有害物含有液体として数十pp
m程度の濃度の酢酸水溶液を被処理液体供給口27より
導入し、電極に電圧を加え、フラーレン分子を励起状態
とし、接触反応させた。反応後の溶液中の成分を液体ク
ロマトグラフィーにより、また発生するガスの成分をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、導入され
た酢酸の約100%がCO2とH2Oに分解されているこ
とが認められ、電極による電子注入によって励起状態と
したC60フラーレン分子により酢酸がCO2 とH2Oに
分解されることが確認された。
【0061】実施例14.次に、本発明による有害物質
の連続分解装置の実施例を示す。図9は有害ガスの連続
分解装置の一実施様態を示す断面図である。本連続分解
装置は室内燃焼廃ガスを分解することを意図したもの
で、分解反応相部32は図4と実質上と同一であり、フ
ィルム6、炭素スス分子膜または固形化膜7、容器8、
光源部9、電源部10、室内ガス導入口38、センサ部
38、制御部39からなる。室内ガス導入口38から導
入されたガスはセンサ部37で所定の種類、所定の濃度
以上のガスの有無を検出するために作用し、センサ部3
7からの信号を受ける制御部39でその存在が確認させ
た場合には、電源10へ信号を送り、光源部9を点灯さ
せることにより、炭素スス分子を光励起状態とし、以
下、図3に記載の装置と同様の動作により気体中の有害
物を連続的かつ必要に応じて分解することができる。
【0062】この装置は例えばセンサ部37をNOX
感応する検知器とすることにより、室内のNOX 濃度が
人体に有害な濃度レベルに達するとそれを検知して分解
反応を行うことができる。
【0063】なお、センサ部37として用いられるセン
サとしては、NOX センサ以外にも一酸化炭素センサ、
炭化水素センサ、SOX センサ、臭センサ、雑ガスセン
サなども用いることができる。また、この装置は室内の
みららず、自動車の車室内に設置することにより、車外
からのエンジンの廃ガスの分解装置やタバコの煙などの
雑ガス分解装置として利用できる。
【0064】また、センサ部37を図7に示す装置の液
体導入口27に設置することにより、液体中の有害物を
連続的かつ必要に応じて分解させる装置として使用する
こともできる。
【0065】なお、上記実施例では材料の炭素スス分子
として、C60フラーレン分子及びC70フラーレン分子を
用いたがこれに限るものではなく、その他のフラーレン
分子およびC40分子等の球殻断片状の分子を用いても同
様の効果が得られる。
【0066】実施例15.活性酸素原子の製造および有
害物質の分解の材料分子として、金属ポルフィリン錯体
の一種であるクロムテトラフェニルポルフィリンクロラ
イドあるいはルテニウムフタロシアニンを用い、上記実
施例で示した炭素スス分子の場合と同様の装置を構築
し、酸素または有害物質を含む有害ガスおよび液体とを
反応させたところ、炭素スス分子の場合とほぼ同様の効
果が得られ、励起状態としたクロムテトラフェニルポル
フィリンクロライド及びルテニウムフタロシアニンによ
る活性酸素の生成、及び有害物質の分解が確認された。
【0067】なお、実施例15では金属ポルフィリン錯
体、金属フタロシアニン錯体としてクロムテトラフェニ
ルポルフィリンクロライドあるいはルテニウムフタロシ
アニンを用いたがこれに限るものではなく、ポルフィリ
ン環が飽和炭化水素鎖及び不飽和炭化水素鎖を有する化
学式1で示される金属ポルフィリン錯体、及びポルフィ
リン環がフェニル基を有する化学式2で示される金属ポ
ルフィリン錯体、及びフタロシアニン環が飽和炭化水素
鎖および不飽和炭化水素鎖を有する化学式3で示される
金属フタロシアニン錯体等の金属ポルフィリン錯体、金
属フタロシアニン錯体を用いても同様の効果が得られ
る。
【0068】
【化1】
【0069】
【化2】
【0070】
【化3】
【0071】また、上記実施例において炭素スス分子、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体を励
起状態とする際に光照射及び電極による電子注入を用い
たが、これに限るものではなく、水素などの還元性のガ
スによる還元反応またはこれと光照射、電極による電子
注入の併用によっても同等かあるいはそれ以上の効果が
得られる。
【0072】また、上記実施例において炭素スス分子、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体の形
態は薄膜または固形化膜であったが、これに限るもので
はなく、これら分子の粉末を活性炭等の担体に担持させ
カラムに充填するなどの形態で用いても同様の効果が得
られる。
【0073】また、上記実施例において炭素スス分子、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体はそ
れぞれ単独に用いたがこれに限るものではなく、2種以
上の混合状態として用いても同等かあるいはそれ以上の
効果が得られる。
【0074】また、上記実施例における活性酸素原子の
製造及び有害物質の分解は室温状態で行われたが、反応
装置にヒーター及び温度制御装置を設置して高温状態と
し、同様の反応を行うと、活性酸素原子の生成反応及び
有害物質の分解反応が促進され、室温と同等かあるいは
それ以上の効果が得られる。
【0075】また、上記実施例における有機物質の分解
について対象物としてアセトアルデヒド、NO、酢酸を
用いたがこれに限るものではなく、ガス中のSOx 、C
O、アンモニア、メルカプタン及び液体中のトリハロメ
タン、ジオスミン、2―メチルイソボルネオール等につ
いても種類、濃度により差異はあるものの分解すること
ができる。
【0076】さらに、図1に記載した活性酸素原子の製
造装置の容器8内の任意の部位に固体の有害物を置くこ
とにより、固形状の有害物を分解することもできる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、光照射、電極による電
子注入または電子供与体による還元反応等により励起状
態とした炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属
フタロシアニン錯体のいずれか一種以上を用いることに
より、従来では反応制御が難しかったために実用レベル
で実現されていなかった活性酸素原子の製造方法及び装
置を提供できる。
【0078】さらに得られた活性酸素原子の利用または
反応性の高い励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリ
ン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上
の直接の反応により従来法よりも分解能力が高く、かつ
省エネ・小型の有害ガス及び有害物質含有液体中の有害
物質分解装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による活性酸素原子の製造装置の断面図
である。
【図2】本発明による他の活性酸素原子の製造装置の断
面図である。
【図3】本発明における電極部の断面図である。
【図4】本発明による有害ガスの分解装置の断面図であ
る。
【図5】本発明による他の有害ガスの分解装置の断面図
である。
【図6】本発明の有害ガスの分解装置によるNO分解を
示す特性図である。
【図7】本発明による有害物含有液体の分解装置の断面
図である。
【図8】本発明による他の有害物含有液体の分解装置の
断面図である。
【図9】本発明による有害物ガスの連続分解装置の断面
図である。
【図10】従来の有害物分解方法として用いられる無声
放電式オゾナイザーの構造を示す模式図である。
【符号の説明】
6 フィルム 7 炭素スス分子の薄膜または固形化膜 8 容器 9 光源部 10 光源部の電源 11 気体導入口 12 気体導出口 13 電極部 14 電極部の電源 15 電極 16 電極 17 固体電解質の薄膜 18 有害物ガスの導入口 19 気体導入口 20 ガス混合部 21 混合ガス導入口 27 被処理液体供給口 28 ノズル 29 気体導入口 30 スロート喉部 31 スロート(反応部) 32 分解反応相部 37 センサ部 38 室内ガス導入口 39 制御部 40 液体導入口 41 液体導出口
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 炭素スス分子及び有機金属錯体の励起
状態を用いたガスまたは液体の反応制御方法及び装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励起状態にある炭素ス
ス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン
錯体と種々のガス及び液体との反応を制御する方法及び
装置に関するものであり、特に被反応ガスとして酸素含
有ガスを用い、無機化合物、有機化合物などの有害物
を分解する能力が高いとされている活性酸素を製造する
方法及び装置に関するものである。
【0002】さらに被反応ガス及び被反応液体として、
有害ガスまたは有害物質含有溶液を反応させることによ
り有害ガス及び有害物含有液体中の有害物質を、炭素
スス分子、金属ポルフィリン錯体または金属フタロシア
ニン錯体により得られた活性酸素の利用、またはこれら
分子との直接の接触反応により分解する方法及び装置に
関するもので、特に、空気中あるいは水中の汚染物質を
浄化することができる装置に関するものである。従って
本発明は、近年特に問題となっている環境汚染の浄化に
拘わる技術に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の活性酸素種を用いた有害物質の分
解技術としては様々な技術が存在しており、現在実用化
されている例として、オゾナイザーにより発生させたオ
ゾンによって有機化合物を分解する技術が存在する。
【0004】図10は田中正明と田端則一が、静電気学
会誌[第7巻3号、(1983)]で報告した無声放電
式オゾナイザーの構造を示す模式図である。図10にお
いて、1は原料ガス、2はオゾン化ガス、3は金属電
極、4は交流高電圧、5はガラスである。
【0005】次に、オゾナイザーのオゾン発生機構につ
いて説明する。酸素含有気体をガラスあるいはセラミッ
クスなどの誘電体を挟んだ金属電極間に流しながら、6
〜18kVの交流高電圧を印加すると無声放電が起こ
り、電極から放出された電子は、酸素分子と衝突して励
起酸素分子が生成される。生成された励起酸素分子は、
他の酸素分子と反応してオゾンを生成する。このオゾン
と有機物とを反応させ有機物を分解する。
【0006】一方、活性酸素種を用いず、直接の反応に
より有害物質を分解する技術の例としては、活性汚泥法
に代表される生物の代謝機能を応用した下・廃水処理技
術や触媒を用いた自動車エンジンなど燃焼機器の廃ガス
分解技術などが挙げられる。
【0007】触媒を用いた廃ガスの分解技術では、触媒
として金属、金属酸化物および金属イオン交換ゼオライ
ト等が検討されており、岩本正和がJ.Chem.So
c.,Faraday Trans.I[第77巻、
(1981)]で報告しているように、銅イオン交換ゼ
オライトを触媒とし、4%のNOを500゜Cにおいて反
応させた場合、約90%の分解効率でNOが分解され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術で、生成さ
れるオゾンを用いる有害物分解技術は有効であるが、
オゾンの反応性から分解される有害物に制限がある。
例えば、酢酸はオゾンでは分解され難いとされている。
また、高圧放電技術によってオゾンを生成するため、省
エネ・小形機器としての利用が難しい。更にオゾンは一
度生成されると数時間から数十時間安定であり、使用法
によっては人体への悪影響も問題となる場合が生ずる。
また、活性汚泥などの生物処理技術では、大規模処理場
が必要、処理時間が長い、あとに生物が汚泥として残る
などの様々な問題がある。さらに、触媒によるエンジン
等からの廃ガスの分解では、高温下でなければ分解反応
は進行しないという問題があった。
【0009】本発明は上記のような様々な問題点を解決
するためになされたもので、励起状態とした炭素スス分
子、金属ポルフィリン錯体または金属フタロシアニン錯
体と酸素分子との反応によって活性酸素を生成させると
いう、非常に簡単な活性酸素の製造方法及びその装置を
提供することにある。また、ここで得られた活性酸素の
利用あるいは励起状態とした炭素スス、金属ポルフィリ
ン錯体または金属フタロシアニン錯体の直接の反応によ
り有害物質を分解する方法及び装置を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガス及び液
体の反応制御方法は、励起状態にある炭素スス分子、金
属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいず
れか一種以上とガスまたは液体を反応させようにしたも
のである。
【0011】また、本発明に係る活性酸素の製造方法
は、励起状態にある炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上とガ
スまたは液体の反応において、被反応ガスとして、酸素
ガスあるいは空気などの酸素含有ガスと不活性ガスとの
混合ガスを反応させることにより活性酸素を生成させる
ようにしたものである。
【0012】また、本発明に係る有害物質の分解方法
は、励起状態にある炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上とガ
スまたは液体の反応において、被反応ガス及び被反応液
体として、酸素ガスあるいは空気などの酸素含有ガスと
不活性ガスとの混合ガス及び有害ガスまたは有害物質含
有溶液を反応させ、生成する活性酸素により有害ガスま
たは有害物含有液体中の有害物質を分解するようにし
たものである。
【0013】また、本発明に係る有害物質の分解方法
は、励起状態にある炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上とガ
スまたは液体の反応において、被反応ガス及び被反応液
体として、有害ガスまたは有害物質含有溶液を反応させ
ることにより有害ガスまたは有害物含有液体中の有害
物質を分解するようにしたものである。
【0014】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素の製造方法及び有害物質の分解方法
は、炭素スス、金属ポルフィリン錯体ならびに金属フタ
ロシアニン錯体の励起状態の生成法として、波長200
nm〜600nmの光を光源とした光照射、電極を用い
た電子注入及び電子供与体による還元反応等の物理化学
的な方法を、連続的あるいは間欠的に用いるようにした
ものである。
【0015】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素の製造方法及び有害物質の分解方法
は、炭素スス分子として、球殻状のフラーレン類分子ま
たは球殻断片状の炭素分子 Cn (n=18〜300) を単一種類または複合種類混合して用いるようにしたも
のである。
【0016】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素の製造方法及び有害物質の分解方法
は、炭素スス分子として、粉末状態、粉末を担体に担持
した状態、薄膜状態または、粉末より形成された固形化
膜状態の炭素スス分子を用いるようにしたものである。
【0017】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素の製造方法及び有害物質の分解方法
は、金属ポルフィリン錯体ならびに金属フタロシアニン
錯体として、粉末を担体に担持した状態、粉末状態、薄
膜状態、粉末より形成された固形化膜状態の金属ポルフ
ィリン錯体ならびに金属フタロシアニン錯体を用いるよ
うにしたものである。
【0018】また、本発明に係るガスまたは液体の反応
制御方法、活性酸素の製造方法及び有害物質の分解方法
は、炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体ならびに金属
フタロシアニン錯体を励起状態とする過程、および活性
酸素原子生成および有害物質分解の反応過程において、
これらに熱を連続的あるいは間欠的に加えるようにした
ものである。
【0019】また、本発明に係る活性酸素の製造装置
は、気体導入口及び気体導出口を備える容器と、該容器
の内に設置された炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上と、
これらを励起状態とするための光源部、電極部もしくは
電子供与体注入口とを備えるようにしたものである。
【0020】また、本発明に係る有害ガスの分解装置
は、気体導入口及び有害ガス導入口並びにそれらの下流
に設置されたガス混合部及び気体導出口を備える容器
と、該容器の内に設置された炭素スス分子、金属ポル
フィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一
種以上と、これを励起状態とするための光源部、電極部
もしくは電子供与体注入口とを備えるようにしたもので
ある。
【0021】また、本発明に係る液体中の有害物の分解
装置は、気体導入口、エゼクタに連通する液体導入口及
び活性酸素と被処理液体とを混合接触させるためのエゼ
クタを備える容器と、該容器の気体導入口からエゼクタ
までの間の内に設置された炭素スス分子、金属ポルフ
ィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種
以上と、これらを励起状態とするための光源部、電極部
もしくは電子供与体注入口とを備えるようにしたもので
ある。
【0022】また、本発明に係る液体中の有害物の分解
装置は、液体導入口及び液体導出口を備える容器と、該
容器の内に設置された炭素スス分子、金属ポルフィリ
ン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上
と、これらを励起状態とするための光源部、電極部もし
くは電子供与体注入口とを備えるようにしたものであ
る。
【0023】また、前記有害物の分解装置の気体導入口
または液体導入口の下流側にセンサ部と該センサ部から
の信号を電源に送るための制御部を備え、所定の種類、
濃度の有害物を該センサ部で感知して必要に応じてそ
の信号により光源部を点灯する、電極に電圧を加える、
もしくは電子供与体を導入させることにより、炭素ス
ス、金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体
のいずれか一種以上を励起状態として有害物を分解す
る構成とすることにより、所定の種類、所定の濃度以上
の有害物の連続的な分解が可能な装置とすることがで
きる。
【0024】
【作用】炭素スス分子はグラファイトを真空条件下で放
電により蒸発させる、あるいはグラファイトに高エネル
ギーのレーザー光を照射することにより生じる炭素のみ
からなる分子であり、炭素原子数が60、70、76、
78、82、84、90等の球殻状安定分子であるフラ
ーレン類分子及び炭素数が100以上の球殻状分子及び
管状分子、さらに炭素数60未満の球殻断片状の分子も
存在する。本明細書における述語「炭素スス分子」はこ
れらの物質を全て包含するものとする。
【0025】本発明のガス及び液体の反応制御方法は、
この炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタ
ロシアニン錯体が光照射、電極による電子注入もしくは
電子供与体による還元反応等の物理化学的な方法によっ
て励起状態となり、種々のガス及び液体との反応性が極
めて高くなることを利用したものであり、従来法では困
難であったようなガス及び液体の反応を進めることがで
きる。
【0026】さらに、本発明の活性酸素の製造方法は、
励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金
属フタロシアニン錯体が酸素分子との間で高い反応性を
有することを利用したものであり、励起状態にあるこれ
ら分子と酸素分子とを接触させると酸素分子とこれら分
子との間で電子移動、エネルギー移動反応が起こり、活
性酸素(一重項酸素)が生成されるものである。
【0027】上記のようにして生成された活性酸素は
無機化合物、有機化合物などの他の分子との反応性が高
く、これらの化合物を酸分解する能力が高い。この活
性酸素の分解反応性は、従来の有害物分解法として利
用されているオゾンの分解反応性と比較すると格段に高
いことが知られている。
【0028】このように、活性酸素は無機化合物や有機
化合物に対する反応に優れるため、有害物との反応を
利用して従来法よりも分解能力の高い有害物の分解方
法として使用することができる。
【0029】一方、励起状態にある炭素スス分子、金属
ポルフィリン錯体および金属フタロシアニン錯体は、有
害ガスおよび有害物含有液体中の有害物質との間で高
い反応性を有し、励起状態にあるこれら分子と有害物質
とを接触させると有害物質とこれら分子との間に電子移
動反応が起こり、その結果、有害物質の分解反応が進行
する。
【0030】また、励起状態とした炭素スス分子、金属
ポルフィリン錯体および金属フタロシアニン錯体は、有
害物質との間で高い反応性を有するため、従来からの分
解触媒よりも高い有害物質の分解能を有し、低い温度条
件下において高い分解活性を有する。
【0031】したがって、本発明の有害物質の分解方法
は、励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及
び金属フタロシアニン錯体によって得られた活性酸素に
より、もしくは励起状態とした炭素スス、金属ポルフィ
リン錯体及び金属フタロシアニン錯体の直接の接触反応
により有害物質を分解するものであり、従来法よりも広
範囲の物質を高い効率で分解することができる。
【0032】本発明の有害物質の分解方法を利用して分
解可能な有害物としては、例えばNOX、SOX、CO
等の有害ガス、アンモニア、アルデヒド、メルカプタン
等の悪臭成分ガス、酢酸水溶液やトリハロメタン、ジエ
オスミン、2−メチルイソボルネオール等のかび臭物質
等が含まれる水等の液体を挙げることができる。
【0033】また、炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体の励起状態生成には光照
射、電極による電子注入または電子供与体による還元反
応等の物理化学的な方法を用いるが、これに要するエネ
ルギーは従来のオゾン生成に要するエネルギーよりも格
段に小さく、かつ低温での反応も可能なため、省エネ・
小型の活性酸素の製造装置及び有害物質の分解装置を提
供することができる。
【0034】なお、従来利用されていたオゾンは一度生
成されると数時間から数十時間安定であり、使用法によ
っては人体への悪影響も問題となる場合があるが、本発
明方法により製造された活性酸素はその寿命が短く、短
時間で酸素分子に変化する。従って、人体への悪影響が
ないため、室内などの人間の活動する場におけるN
X、SOX、CO、悪臭などの有害物の分解方法、装
置として有効である。
【0035】上述のように活性酸素はその寿命が短いた
め、有害物との接触反応を瞬時に行う必要がある。従
って、有害物が気体の場合には、フラーレン類分子膜
に酸素含有ガスと有害ガスとを同時に流すことができる
装置、また、有害物が液体中に含まれる場合には、エ
ゼクタを用いて該液体と活性酸素とを高速で接触、混合
させることができる装置を用いて気相または液相の有害
を分解、無害化することができる。
【0036】さらに、分解装置の有害物ガス導入口や液
体導入口に被処理物に感応するセンサを設置し、被処理
物の濃度が所定濃度を超えた場合に、センサからの信号
により光源部を点灯する、電極に電圧を加える、または
電子供与体を導入させることにより、炭素スス、金属ポ
ルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体を励起状態
として有害物を分解する構成とすることにより、連続
的に有害ガスや有害物含有液体を分解することができ
る装置を提供することができる。
【0037】
【実施例】 実施例1.以下、本発明の一実施例を説明する。まず、
炭素スス分子の薄膜または固形化膜の形成方法を説明す
る。炭素スス分子の薄膜の場合には、炭素スス分子を真
空蒸着法、ICB蒸着法、キャスティング法及びスピン
コーティング法等を用いてフィルムまたは電極上に50
〜200nm程度の厚さの炭素スス分子膜を形成する。
ここでフィルムの材質は特に限定されず、例えばポリイ
ミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリエステル等のような一般的なフィルムを
使用することができる。また、電極としては金、アルミ
ニウム等の金属電極を使用することができる。さらにこ
れら薄膜を形成したフィルム及び電極にイオン注入、加
熱等の処理を施すことによって、より性能の優れた薄
膜を得ることができる。次に、炭素スス分子の固形化膜
の場合には、炭素スス分子の粉末をペースト状にして塗
布することにより形成する。この場合、無機系バインダ
ー例えば低融点ガラスなどを使用し、バインダーが溶融
状態となるまで加熱してペースト状とし、これをフィル
ムまたは基板に塗布すればよい。なお、炭素スス分子の
固形化膜の厚さはその形成方法からして100μm程度
が下限となる。
【0038】次に、本発明による活性酸素の製造方法及
び装置についての実施例を示す。図1は活性酸素の製造
装置の一実施態様を示す断面図であり、6は炭素スス分
子の薄膜または固形化膜7を表面に塗布したフィルムで
ある。8はフィルム6を設置するための容器、9は炭素
スス分子の薄膜または固形化膜7を励起するための光源
部、10は光源部を動作させるための電源、11は気体
導入口、12は気体導出口である。
【0039】次に上述のようにしてフィルム6上に形成
された炭素スス分子の薄膜または固形化膜7を容器8の
内面に装着する。容器8の材質は特に限定されるもので
はないが、以下の実施例で用いる装置においてはステン
レスを使用した。次に容器8の内面に装着された炭素ス
ス分子の薄膜または固形化膜7に光を照射するための光
源部9を設置する。この際、光源部9は炭素スス分子
膜または固形化膜7に均一に光を照射できるようにす
ることが望ましい。なお光源部9としては、200〜6
00nmの波長の光を照射することが可能なものであれ
ば特に限定されるものではなく、例えばキセノンラン
プ、タングステンランプ、水銀ランプ、重水素ランプな
どを用いることができる。また、この範囲の波長の光を
照射可能なレーザ光源、例えばエキシマレーザ、高調波
YAGレーザ、高調波YAG色素レーザ、Arレーザ、
高調波Ar色素レーザなどを用いることもできる。
【0040】更に、容器8の内部形状並びに炭素スス分
子の薄膜または固形化膜7の表面形状は、気体導入口1
1から導入される酸素含有ガス中の酸素が光励起状態の
炭素スス分子との間で反応が効率的に進行するように設
計することが好ましい。
【0041】次に図1に記載した活性酸素の製造装置の
動作について説明する。まず、酸素ガスまたは空気など
の酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスが気体導入口
11より取り入れられ、炭素スス分子の薄膜または固形
化膜7の表面に接触するように流れる。このとき、光源
部9を点灯すると炭素スス分子の薄膜または固形化膜7
中の炭素スス分子は光励起される。このようにして光励
起された炭素スス分子は酸素と反応して活性酸素の一つ
である一重項酸素を生成する。この一重項酸素は気体導
出口12から取り出され、有害物分解反応などの他の用
途に用いられる。
【0042】実施例2.図1に記載の活性酸素の製造装
置において、フィルム6としてポリイミドフィルム、炭
素スス分子の薄膜または固形化膜7としてC60フラーレ
ン分子の蒸着膜、光源部9としてキセノンランプを使用
し、C60フラーレン分子蒸着膜にキセノンランプを照射
した状態で気体導入口11から空気を導入し、光励起状
態のフラーレン分子と空気中の酸素を、室温状態におい
て反応させた。気体導出口12から取り出されたガス
赤外領域の発光を分析したところ、ガス中に一重項酸素
の存在が認められ、光照射によって励起状態としたC60
フラーレン分子により良好に一重項酸素が生成されるこ
とが確認された。
【0043】実施例3.次に本発明による活性酸素の
造方法及び装置についての他の実施例を示す。図2は活
性酸素の製造装置の一実施態様を示す断面図であり、1
3は炭素スス分子の薄膜または固形化膜7を保持し、こ
れに電子を注入するための電極部、8は電極部13を設
置するための容器、14は電極部13に電圧を加え電子
注入を行うための電源、11は気体導入口、12は気体
導出口である。図2に示す活性酸素の製造装置は、図1
の活性酸素の製造装置において光源部9及びその電源1
0のかわりに、炭素スス分子の薄膜または固形化膜7に
電子を注入するための電極部13及び電極部13に電圧
を加え電子注入を行うための電源14を設置したもので
ある。
【0044】ここで電極部13の構造を図3の断面図に
示す。図3において15、16は金、白金、銀、アルミ
ニウムITO、SnO2 の電極、7は電極15上に形
成した炭素スス分子の薄膜または固形化膜、17はイオ
ン伝導度の高い固体電解質の薄膜、14は電源である。
電極15と16の間に電圧を加えると、電極15と固体
電解質17の間で電子及びイオンの移動が生じ炭素スス
分子の薄膜または固形化膜に電子が注入され、炭素スス
分子が電子を受け取り励起状態となる。また、炭素スス
分子の超薄膜を電極15上に形成する、あるいは炭素ス
ス分子の薄または固形化膜を形成した電極15または
電極部全体を多孔性とすることによって、炭素スス分子
と気体との接触を高めることにより、励起状態にある炭
素スス分子を気体との反応に用いることができる。
【0045】次に図2に記載した活性酸素の製造装置の
動作について説明する。まず、酸素ガスまたは空気など
の酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスが気体導入口
11より取り入れられ、炭素スス分子の薄膜または固形
化膜7を保持した電極部に接触するように流れる。この
とき、電極部13に電圧を加えると炭素スス分子の薄膜
または固形化膜7中の炭素スス分子は励起状態となる。
このようにして励起された炭素スス分子は酸素と反応し
て活性酸素の一つである一重項酸素を生成する。この一
重項酸素は気体導出口11から取り出され、有害物
解反応などの他の用途に用いられる。
【0046】実施例4.図2に記載の活性酸素の製造装
置において、電極として金電極を用い、かつ15の電極
を多孔性とした電極部13、炭素スス分子の薄膜または
固形化膜7としてC60フラーレン分子の蒸着膜を用い、
電極に電圧を加えC60フラーレン分子蒸着膜に電子を供
給した状態で気体導入口11から空気を導入し、励起状
態のC60フラーレン分子と空気中の酸素を、室温状態に
おいて反応させた。気体導出口12から取り出されたガ
ス中に実施例2と同様の一重項酸素の存在が認められ、
電極による電子注入によって励起状態としたC60フラー
レン分子により良好に一重項酸素が生成されることが確
認された。
【0047】なお、ここで使用した電極部には電極1
みを多孔性としたものを用いたが、これに限るもので
はなく、電極全体を多孔性とし気体透過性に優れた電極
部を設計し用いても同様の効果が得られる。
【0048】実施例5.次に、本発明による有害ガス中
の有害物質の分解に活性酸素を用いた有害物質の分解方
法及び装置の実施例を示す。図4は有害ガスの分解装置
の一実施態様を示す断面図である。図4に示す有害ガス
の分解装置は、被処理ガスを容器8に導入するための有
害ガス導入口18が気体導入口19と併設されており、
更にこれら2つの導入口の下流側にガス混合部20が設
置されている点が、図1の活性酸素の製造装置と異なる
点である。なお、図4に示す装置において、フィルム
6、炭素スス分子の薄膜または固形化膜7、光源部9並
びに電源10は図1に記載された装置と実質上同一の構
成によるものであり、ガス混合部20で混合された混合
ガスは分解反応が効率的に進行するように流路設計され
た容器8の内面に設置された炭素スス分子の薄膜または
固形化膜7表面上に導かれるようになっている。
【0049】次に図4に記載する有害ガスの分解装置の
動作について説明する。まず、有害ガスは有害ガス導入
口18により取り入れられ、その組成に応じて分解反応
が効率的に進行するようにガス混合部20で、気体導入
口19から取り入れられた酸素ガスあるいは空気などの
酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスと混合され、容
器8の混合ガス導入部21を介して容器内すなわち分解
反応相に取り込まれ、炭素スス分子の薄膜または固形化
膜7の表面に接触するように流れる。このとき、光源部
を点灯すると炭素スス分子が励起状態となり、励起状態
の炭素スス分子は有害ガスと共存している酸素と反応
し、活性酸素の一つである一重項酸素を生成する。この
一重項酸素は反応性が非常に高く、有害ガス中の有害物
質と反応して、これを分解することができ、分解後のガ
スが気体導出口12から排出される。
【0050】実施例6.図4の有害ガスの分解装置にお
いて、フィルム6としてポリイミドフィルム、炭素スス
分子の薄膜または固形化膜7としてC60フラーレン分子
の蒸着膜、光源部9としてキセノンランプを使用し、フ
ラーレン分子蒸着膜にキセノンランプを照射した状態で
有害ガス導入口18から100ml/分ないし1000
ml/分の速度で1000ppm程度までの濃度のアセ
トアルデヒドを含むガスを導入した。また、気体導入口
19から空気をアセトアルデヒド含有ガスの1/5〜1
/10程度の流速で導入し、ガス混合部20で混合し、
容器8の混合ガス導入部21を介して容器8内に導入
し、光励起状態のC60フラーレン分子と室温状態におい
て反応させた。気体導出口12から排出されるガスを質
量分析法及びガスクロマトグラフィ−により分析したと
ころ、導入されたアセトアルデヒドの約80%がCO2
とH2Oに分解されていることが確認された。また、気
体導入口より空気を導入しない場合には、アセトアルデ
ヒドのCO2とH2Oへの分解は約10%であったことか
ら、光照射で励起状態としたC60フラーレン分子により
生成された一重項酸素によってアセトアルデヒドがCO
2とH2Oにまで分解されることが確認された。
【0051】実施例7.次に、本発明による有害ガス中
の有害物質の分解に励起状態の分子を直接用いた有害物
質の分解方法及び装置の実施例を示す。図5は有害ガス
の分解装置の一実施態様を示す断面図である。図5に示
す有害ガスの分解装置は、炭素スス分子の励起を促進す
るため光源部9に加え、実施例3で示した電極部13及
びその電源14が併設されている。なお、ここでの電極
部は電極として透明電極を用い光照射による炭素スス分
子の励起効果を阻害しないようにしたものである。ま
た、図5に示す装置において、炭素スス分子の薄膜また
は固形化膜7、光源部9、電源10、有害ガス導入口1
8、気体導入口19は図4に記載された装置と実質上同
一の構成によるものであり、ガス混合部20で混合され
た混合ガスは分解反応が効率的に進行するように流路設
計された容器8の内面に設置された炭素スス分子の薄膜
または固形化膜7を保持する電極部に導かれるようにな
っている。
【0052】次に図5に記載する有害ガスの分解装置の
動作について説明する。まず、有害ガスは有害ガス導入
口18により取り入れられる。気体導入口19からは有
害ガス濃度を分解反応が効率的に進行するために希釈す
る希釈ガスとして酸素を含まない不活性ガスを導入し、
ガス混合部20で混合され、容器8の混合ガス導入部2
1を介して容器内すなわち分解反応相に取り込まれ、炭
素スス分子の薄膜または固形化膜7を保持する電極部に
接触するように流れる。このとき、光源部9を点灯し、
かつ電極部13に電圧を加えると炭素スス分子が励起状
態となり、励起状態の炭素スス分子は有害ガス中に存在
する有害物質と直接反応して、有害物質が分解され、分
解後の気体が気体導出口12から排出される。
【0053】実施例8.図5の有害ガスの分解装置にお
いて、透明電極としてITOを用い、かつ15の電極を
多孔性とした電極部13、炭素スス分子の薄膜または固
形化膜7としてC60フラーレン分子の蒸着膜、光源部9
としてキセノンランプを使用し、有害ガス導入口18か
ら500ppm程度までの濃度のNO含有ガスを導入
し、気体導入口19から希釈ガスとしてアルゴンガスを
NO含有ガスの1/5〜1/10程度の流速で導入し、
ガス混合部20で混合し、容器8の混合ガス導入部21
を介して容器8内に導入した。その後、有害ガス導入
口、気体導入口および気体導出口をバルブ等で閉じ密閉
状態とし、フラーレン分子蒸着膜にキセノンランプを照
射し、C 60フラーレン分子を励起状態とし、これを混合
ガスとを室温状態において反応させた。容器内のガスを
質量分析法及びガスクロマトグラフィ−により経時的に
分析した。この時のNOの分解を図6の特性図に示す。
図6において横軸は時間、縦軸はガス濃度であり図中
a、b、cの曲線はそれぞれNO、N2 、N2Oを示
す。図6に示すようにNOはN2Oの状態を経て、反応
後約20分でほぼ全てのNOがN2 にまで分解されてい
ることが確認された。
【0054】実施例9.さらに図5の有害物ガスの分解
装置において、透明電極としてITOを用い、かつ、1
5の電極を多孔性とした電極部13、炭素スス分子の薄
膜または固形化膜7としてC60フラーレン分子の蒸着
膜、光源部9としてキセノンランプを使用し、キセノン
ランプを照射し、かつ、電極に電圧を加えた状態で有害
ガス導入口18から100ml/分ないし1000ml
/分の速度で500ppm程度までの濃度のNOを含む
ガスを導入し、気体導入口19から希釈ガスとしてアル
ゴンガスをNOを含むガスの1/5〜1/10程度の流
速で導入し、ガス混合部20で混合し、容器8の混合ガ
ス導入部21を介して容器8内に導入し、励起状態のC
60フラーレン分子と室温状態において反応させた。気体
導出口12から排出されるガスを質量分析法及びガスク
ロマトグラフィ−により分析したところ、実施例7と同
様、導入したNOのほぼ100%がN2 へと分解されて
いることが認められ、また、この分解は数十時間安定に
みられた。以上より、光照射および電極による電子注入
によって励起状態としたC60フラーレン分子とNOが直
接反応しN2Oを経てN2に分解され、しかもその分解は
安定に保持されることが確認された。
【0055】実施例10.次に、本発明による有害物質
含有液体中の有害物質の分解に、活性酸素を用いた有害
物質の分解方法及び装置の実施例を示す。図7は有害物
質含有液体の分解装置の一実施態様を示す断面図であ
る。図7において、27は有害物含有液体を導入する
ための被処理液体供給口であり、容器8内に設けられた
ノズル28は内径が狭められており、高速で液体をスロ
ート喉部30へ噴射できる構成となっており、これら部
材とスロート(反応部)31によりエゼクタが構成され
ている。ノズル28の外周にはフィルム6に塗布された
炭素スス分子の薄膜または固形化膜7が装填されてお
り、光源部9は、光を炭素スス分子の薄膜または固形化
膜7に均一に照射するために複数個設けられている。ま
、酸素ガスあるいは空気などの酸素含有ガスと不活性
ガスとの混合ガスを導入するための気体導入口29を複
数個設けることができる。光励起状態のフラーレン分子
と接触することにより製造された活性酸素は被処理液体
供給口27のノズル28から高速で噴射される液体の流
速により、スロート喉部30へノズル28より取り込ま
れ、スロート(反応部)31中で瞬間的に混合されるよう
な構成となっており、有害物を分解された液体が液体
導出口31から排出される。ここで、エゼクタを使用し
て活性酸素を瞬時に液体と混合する構成にすることによ
り、寿命の短い活性酸素を有効に使用することができ
る。
【0056】実施例11.図7に示す有害物含有液体
の分解装置において、フィルム6としてポリイミドフィ
ルムを用い、炭素スス分子の薄膜または固形化膜7とし
てC60フラーレン分子及びC70フラーレン分子を混合
し、低融点ガラスをバインダーとして添加し、加熱して
ペースト状としたものをポリイミドフィルム上に約10
0μmの厚さに塗布して得た固形化膜を用い、光源部と
してキセノンランプを用いた。この装置に有害物含有液
体として数十ppm程度の濃度の酢酸水溶液を被処理液
体供給口27より導入し、一方、キセノンランプを照射
してフラーレン分子を光励起状態としたところに気体導
入口29より空気を導入して活性酸素の一つである一重
項酸素を発生させ、ノズル28から噴射される酢酸水溶
液と接触、混合させた。反応後の溶液中の成分を液体ク
ロマトグラフィーにより、また発生するガスの成分をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、導入され
た酢酸のほぼ100%がCO2とH2Oに分解されている
ことが認められ、光照射によって励起状態としたC60
ラーレン分子により生成された一重項酸素によって酢酸
がCO2 とH2Oに分解されることが確認された。
【0057】実施例12.次に、本発明による有害物質
含有液体中の有害物質の分解に励起状態の分子を直接用
いた有害物質の分解方法及び装置の実施例を示す。図8
は有害物質含有液体の分解装置の一実施態様を示す断面
図である。図8において、13は実施例3で示した電極
部、8は電極部13を設置するための容器、14は電極
部13に電圧を加え電子注入を行うための電源、22は
電極部13を固定する絶縁体、40は液体導入口、41
は液体導出口である。この場合の電極部には図3におい
て17の固体電解質部分を空洞とし、ここにそれ自身電
解質である有害物質を含む液体が直接導入されるよう設
計された電極を用いた。また、容器中複数の電極部を
絶縁体22を用いて固定し、各々の電極に液体が効率
よく導入され、液体中の有害物質と励起状態にある分子
が効率的に反応するように配置されている。
【0058】次に、図8に記載する有害物質含有液体の
分解装置の動作について説明する。まず、有害物質含有
液体は液体導入口40により取り入れられ、その後電極
中へ導入され、電極に保持された炭素スス分子の薄膜ま
たは固形化膜7の表面に接触するように流れる。このと
き、電極に電圧を加えると、炭素スス分子が励起状態と
なり、励起状態の炭素スス分子が液体中の有害物質と反
応し、分解反応が起こり、分解後の液体が液体導出口4
1から排出される。
【0059】実施例13.図8に示す有害物含有液体
の分解装置において、金電極を用いた電極部13、炭素
スス分子の薄膜または固形化膜7としてC60フラーレン
分子及びC70フラーレン分子を混合し、低融点ガラスを
バインダーとして添加し、加熱してペースト状としたも
のを金電極上に約100μmの厚さに塗布して得た固形
化膜を用いた。この装置に有害物含有液体として数十
ppm程度の濃度の酢酸水溶液を被処理液体供給口27
より導入し、電極に電圧を加え、フラーレン分子を励起
状態とし、接触反応させた。反応後の溶液中の成分を液
体クロマトグラフィーにより、また発生するガスの成分
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、導入
された酢酸の約100%がCO2とH2Oに分解されてい
ることが認められ、電極による電子注入によって励起状
態としたC60フラーレン分子により酢酸がCO2 とH2
Oに分解されることが確認された。
【0060】実施例14.次に、本発明による有害物質
の連続分解装置の実施例を示す。図9は有害ガスの連続
分解装置の一実施様態を示す断面図である。本連続分解
装置は室内燃焼廃ガスを分解することを意図したもの
で、分解反応相部32は図4と実質上と同一であり、フ
ィルム6、炭素スス分子膜または固形化膜7、容器8、
光源部9、電源部10、室内ガス導入口38、センサ部
、制御部39からなる。室内ガス導入口38から導
入されたガスはセンサ部37で所定の種類、所定の濃度
以上のガスの有無を検出され、その存在が確認された場
合にはセンサ部37からの信号を受ける制御部39より
電源10へ信号を送り、光源部9を点灯させることによ
り、炭素スス分子を光励起状態とし、以下、図4に記載
の装置と同様の動作により気体中の有害物を連続的かつ
必要に応じて分解することができる。
【0061】この装置は例えばセンサ部37をNOX
感応する検知器とすることにより、室内のNOX 濃度が
人体に有害な濃度レベルに達するとそれを検知して分解
反応を行うことができる。
【0062】なお、センサ部37として用いられるセン
サとしては、NOX センサ以外にも一酸化炭素センサ、
炭化水素センサ、SOX センサ、臭センサ、雑ガスセン
サなども用いることができる。また、この装置は室内の
みららず、自動車の車室内に設置することにより、車外
からのエンジンの廃ガスの分解装置やタバコの煙などの
雑ガス分解装置として利用できる。
【0063】また、センサ部37を図7に示す装置の液
体導入口27に設置することにより、液体中の有害物
を連続的かつ必要に応じて分解させる装置として使用す
ることもできる。
【0064】なお、上記実施例では材料の炭素スス分子
として、C60フラーレン分子及びC70フラーレン分子を
用いたがこれに限るものではなく、その他のフラーレン
分子、カーボンナノチューブおよび18〜C58 分子等の
球殻断片状の分子を用いても同様の効果が得られる。
【0065】実施例15.活性酸素の製造および有害物
質の分解の材料分子として、金属ポルフィリン錯体の一
種であるクロムテトラフェニルポルフィリンクロライド
あるいはルテニウムフタロシアニンを用い、上記実施例
で示した炭素スス分子の場合と同様の装置を構築し、酸
素または有害物質を含む有害ガスおよび液体とを反応さ
せたところ、炭素スス分子の場合とほぼ同様の効果が得
られ、励起状態としたクロムテトラフェニルポルフィリ
ンクロライド及びルテニウムフタロシアニンによる活性
酸素の生成、及び有害物質の分解が確認された。
【0066】なお、実施例15では金属ポルフィリン錯
体、金属フタロシアニン錯体としてクロムテトラフェニ
ルポルフィリンクロライドあるいはルテニウムフタロシ
アニンを用いたがこれに限るものではなく、ポルフィリ
ン環が飽和炭化水素鎖及び不飽和炭化水素鎖を有する化
学式1で示される金属ポルフィリン錯体、及びポルフィ
リン環がフェニル基を有する化学式2で示される金属ポ
ルフィリン錯体、及びフタロシアニン環が飽和炭化水素
鎖および不飽和炭化水素鎖を有する化学式3で示される
金属フタロシアニン錯体等の金属ポルフィリン錯体、金
属フタロシアニン錯体を用いても同様の効果が得られ
る。
【0067】
【化1】
【0068】
【化2】
【0069】
【化3】
【0070】また、上記実施例において炭素スス分子、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体を励
起状態とする際に光照射及び電極による電子注入を用い
たが、これに限るものではなく、水素などの還元性のガ
スによる還元反応またはこれと光照射、電極による電子
注入の併用によっても同等かあるいはそれ以上の効果が
得られる。
【0071】また、上記実施例において炭素スス分子、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体の形
態は薄膜または固形化膜であったが、これに限るもので
はなく、これら分子の粉末を活性炭等の担体に担持させ
カラムに充填するなどの形態で用いても同様の効果が得
られる。
【0072】また、上記実施例において炭素スス分子、
金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体はそ
れぞれ単独に用いたがこれに限るものではなく、2種以
上の混合状態として用いても同等かあるいはそれ以上の
効果が得られる。
【0073】また、上記実施例における活性酸素の製造
及び有害物質の分解は室温状態で行われたが、反応装置
にヒーター及び温度制御装置を設置して高温状態とし、
同様の反応を行うと、活性酸素の生成反応及び有害物質
の分解反応が促進され、室温と同等かあるいはそれ以上
の効果が得られる。
【0074】また、上記実施例における有物質の分解
について対象物としてアセトアルデヒド、NO、酢酸を
用いたがこれに限るものではなく、ガス中のSOx 、C
O、アンモニア、メルカプタン及び液体中のトリハロメ
タン、ジオスミン、2―メチルイソボルネオール等につ
いても種類、濃度により差異はあるものの分解すること
ができる。
【0075】さらに、図1に記載した活性酸素の製造装
置の容器8内の任意の部位に固体の有害物を置くこと
により、固形状の有害物を分解することもできる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、光照射、電極による電
子注入または電子供与体による還元反応等により励起状
態とした炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属
フタロシアニン錯体のいずれか一種以上を用いることに
より、従来では反応制御が難しかったために実用レベル
で実現されていなかった活性酸素の製造方法及び装置を
提供できる。
【0077】さらに得られた活性酸素の利用または反応
性の高い励起状態の炭素スス分子、金属ポルフィリン錯
体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上の直
接の反応により従来法よりも分解能力が高く、かつ省エ
ネ・小型の有害ガス及び有害物質含有液体中の有害物質
分解装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による活性酸素の製造装置の断面図であ
る。
【図2】本発明による他の活性酸素の製造装置の断面図
である。
【図3】本発明における電極部の断面図である。
【図4】本発明による有害ガスの分解装置の断面図であ
る。
【図5】本発明による他の有害ガスの分解装置の断面図
である。
【図6】本発明の有害ガスの分解装置によるNO分解を
示す特性図である。
【図7】本発明による有害物含有液体の分解装置の断
面図である。
【図8】本発明による他の有害物含有液体の分解装置
の断面図である。
【図9】本発明による有害ガスの連続分解装置の断面図
である。
【図10】従来の有害物分解方法として用いられる無声
放電式オゾナイザーの構造を示す模式図である。
【符号の説明】 6 フィルム 7 炭素スス分子の薄膜または固形化膜 8 容器 9 光源部 10 光源部の電源 11 気体導入口 12 気体導出口 13 電極部 14 電極部の電源 15 電極 16 電極 17 固体電解質の薄膜 18 有害ガスの導入口 19 気体導入口 20 ガス混合部 21 混合ガス導入口22 絶縁体 27 被処理液体供給口 28 ノズル 29 気体導入口 30 スロート喉部 31 スロート(反応部) 32 分解反応相部 37 センサ部 38 室内ガス導入口 39 制御部 40 液体導入口 41 液体導出口
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 彰 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起状態にある炭素スス分子、金属ポル
    フィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一
    種以上とガスまたは液体を反応させることを特徴とした
    ガスまたは液体の反応制御方法。
  2. 【請求項2】 被反応ガスとして、酸素ガスあるいは空
    気などの酸素含有ガスと不活性ガスとの混合ガスを反応
    させることにより活性酸素原子を生成させることを特徴
    とする請求項1記載の反応制御方法。
  3. 【請求項3】 被反応ガスまたは被反応液体として、酸
    素ガスあるいは空気などの酸素含有ガスと不活性ガスと
    の混合ガス、及び有害ガスまたは有害物質含有溶液を反
    応させ、生成する活性酸素原子により有害ガスまたは有
    害物含有液体中の有害物質を分解することを特徴とする
    請求項1記載の反応制御方法。
  4. 【請求項4】 被反応ガスまたは被反応液体として、有
    害ガスまたは有害物質含有溶液を反応させることにより
    有害ガスまたは有害物含有液体中の有害物質を分解する
    ことを特徴とする請求項1記載の反応制御方法。
  5. 【請求項5】 炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体な
    らびに金属フタロシアニン錯体の励起状態の生成法とし
    て、波長200nm〜600nmの光を光源とした光照
    射、電極を用いた電子注入及び電子供与体による還元反
    応等の物理化学的な方法を、連続的あるいは間欠的に用
    いることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに
    記載の反応制御方法。
  6. 【請求項6】 炭素スス分子として、球殻状のフラーレ
    ン類分子もしくは球殻断片状の炭素分子 Cn (n=18〜300) を単一種類または複合種類混合して用いることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の反応制御方
    法。
  7. 【請求項7】 炭素スス分子として、粉末状態、粉末を
    担体に担持した状態、薄膜状態または粉末より形成され
    た固形化膜状態の炭素スス分子を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の反応制御方法。
  8. 【請求項8】 金属ポルフィリン錯体ならびに金属フタ
    ロシアニン錯体として、粉末状態、粉末を担体に担持し
    た状態、薄膜状態または粉末より形成された固形化膜状
    態の金属ポルフィリン錯体ならびに金属フタロシアニン
    錯体を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の反応制御方法。
  9. 【請求項9】 炭素スス分子、金属ポルフィリン錯体な
    らびに金属フタロシアニン錯体を励起状態とする過程及
    び活性酸素原子の生成および有害物質の分解の反応過程
    において、これらに熱を連続的あるいは間欠的に加える
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    反応制御方法。
  10. 【請求項10】 被反応ガス導入口及びガス導出口を備
    える容器と、該容器の内面に設置された炭素スス分子、
    金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン錯体のい
    ずれか一種以上と、これらを励起状態とするための光源
    部、電極部または電子供与体注入口とを備えてなること
    を特徴とする反応装置。
  11. 【請求項11】 酸素含有ガス導入口及び有害ガス導入
    口並びにそれらの下流に設置されたガス混合部及び気体
    導出口を備える容器と、該容器の内面に設置された炭素
    スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニ
    ン錯体のいずれか一種以上と、これらを励起状態とする
    ための光源部、電極部または電子供与体注入口とを備え
    てなることを特徴とする反応装置。
  12. 【請求項12】 酸素含有ガス導入口、エゼクタに連通
    する液体導入口及び活性酸素原子と被処理液体とを混合
    接触させるためのエゼクタを備える容器と、該容器の気
    体導入口からエゼクタまでの間の内面に設置された炭素
    スス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニ
    ン錯体のいずれか一種以上と、これらを励起状態とする
    ための光源部、電極部または電子供与体注入口とを備え
    てなることを特徴とする反応装置。
  13. 【請求項13】 有害物質を含む液体導入口及び液体導
    出口を備える容器と、該容器の内面に設置された炭素ス
    ス分子、金属ポルフィリン錯体及び金属フタロシアニン
    錯体のいずれか一種以上と、これらを励起状態とするた
    めの光源部、電極部または電子供与体注入口とを備えて
    なることを特徴とする反応装置。
  14. 【請求項14】 請求項10ないし13のいずれかに記
    載の反応装置において、ガス導入口または液体導入口の
    下流側にセンサ部と該センサ部からの信号を電源に送る
    ための制御部を備え、所定の種類、濃度の有害物を該セ
    ンサ部で感知して必要に応じてその信号により光源部を
    点灯する、電極に電圧を加える、または電子供与体を導
    入させることにより、炭素スス分子、金属ポルフィリン
    錯体及び金属フタロシアニン錯体のいずれか一種以上を
    励起状態として有害物を分解する構成を有することを特
    徴とする反応装置。
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