JPH066412Y2 - 光源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、投光器などに使用される光源装置に関するも
のである。

〔従来技術とその問題点〕

投光器の光源装置は、ランプとして、太陽光に近い光を
放射するキセノンランプが使用されることが多いが、こ
のキセノンランプは、発光空間囲繞部内に一対の電極
が、例えば３mm間隔で対向配置されたショートアーク放
電灯であり、電極に電流を供給する導電部材が埋設され
た封止管部が発光空間囲繞部の両側から伸びている。ま
た、封止管部の先端に口金が取付けられることが多い。
そして、凹面反射鏡の頂部に形成された円筒状の首部に
ショートアーク放電灯の一方の封止管部を挿通した状態
で配置し、ショートアーク放電灯からの放射光を凹面反
射鏡で反射して一定の方向に投光する。ここで、正確な
配光特性を得るために、ショートアーク放電灯と凹面反
射鏡の位置関係が重要であり、正しい位置関係で取付け
なければならない。従って、ランプ交換のたびに、ショ
ートアーク放電灯の位置を調整しなければならない。そ
こで、ショートアーク放電灯と凹面反射鏡の両者を予め
正しい位置で固定した一体型にしておくと、ランプ交換
に際しては、位置調整する必要がない。

この凹面反射鏡は、金属板またはガラスにて碗状に成形
される。しかし、ガラスで成形する場合は、頂部に円筒
状の首部が形成されているため、凹面反射鏡の形状が比
較的複雑であり、また、強度上からかなりの肉厚が要求
されるので、金型に溶融したガラスを注入して成形しな
ければならない。このため、凹面反射鏡が重くなるが、
更には、製作費の高い金型を使用し、ガラス溶解装置も
必要なため、製造コストが高くなる不具合がある。この
ため、加熱された薄いガラス板をプレスにて碗状に成形
し、この碗状体の背後から、金属板で首部も一体に成形
された保持部材で補強することが試みられる。

ところで、ショートアーク放電灯を始動させるために
は、一方の電極を接地側に接続して他方の電極に数十Ｋ
Ｖ程度の始動用の高圧電力を供給しなければならない。
ここで、首部に挿通された封止管部と反対側の電極に始
動用の高圧電力を供給しようとすると、凹面反射鏡を固
定する架設板に高圧側のリード線を挿通して凹面反射鏡
の前面側に導く必要があり、沿面距離の大きな碍子を取
り付けて架設板とリード線を絶縁しなければならない。
しかし、小さいケーシング内に凹面反射鏡が配置される
ので、大きな碍子を取り付けるためのスペースを確保す
るのが困難である。このため、首部に挿通された封止管
部側の電極に始動用の高圧電力を供給すれば、沿面距離
の大きな碍子が不要になるが、凹面反射鏡の首部が金属
で成形されていると、口金と首部の距離が短いので、始
動時に口金と首部間でスパークが発生する問題点があ
る。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、凹面反射鏡が軽量で製造コストが安
く、ランプ交換時に凹面反射鏡との位置関係を調整する
必要がない一体型であり、かつ始動時に口金と金属製の
首部間でスパークが発生する不具合もない光源装置を提
供することを目的とするものである。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の構成は、中央の発光空間囲繞部の両側に形成さ
れた封止管部の先端に口金が取付けられたショートアー
ク放電灯と、このショートアーク放電灯の一方の封止管
部が挿通される円筒状の首部が金属で形成された凹面反
射鏡とよりなり、凹面反射鏡の首部に挿通された封止管
部側の電極に始動用の高圧電力が供給される光源装置で
あって、首部に挿通された封止管部側の口金と首部との
間にセラミック製の絶縁部材が配置され、この絶縁部材
を介してショートアーク放電灯と凹面反射鏡が接着剤に
て固定されたことを特徴とするものである。

すなわち、高圧電力が供給される側の口金と金属製の首
部との間にセラミック製の絶縁部材が配置され、この絶
縁部材を介してショートアーク放電灯と凹面反射鏡が無
機絶縁性の接着剤にて固定されているので、始動時にス
パークする不具合が解消される。また、首部を金属で成
形しているので、全体を薄い金属で製作する場合と同様
に、ガラス成形の場合でも、凹面反射鏡のガラス部分は
肉厚が薄くてよく、形状も簡単になる。従って、軽量に
なり、また、ガラス板を加熱して軟化したところをプレ
スすれば形成できるので、金型製作費が安く、ガラス溶
解装置も不要であり、製造コストが低下する。そして、
ランプが接着剤にて固定されて凹面反射鏡と一体になっ
ているので、ランプ交換時に凹面反射鏡との位置関係を
調整する必要がない。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明
する。

図面は上向きないし水平方向に投光される投光器に使用
される光源装置を示す。図面において、ショートアーク
放電灯１は、定格消費電力が１５０Ｗのキセノンランプ
であり、中央の発光空間囲繞部11内には、陽極14と陰極
15が対向配置されている。発光空間囲繞部11の両側か
ら、電極14,15に電流を供給するための導電部材が埋設
された封止管部12a,12bが上下に伸び、封止管部12a,12b
の先端に口金13a,13bが取付けられている。そして、口
金13aから伸びるリード線16aがスタータ５の高圧端子Ｈ
Ｖに接続され、口金13bから伸びるリード線16bが低圧端
子に接続されている。

凹面反射鏡２の鏡面を形成するガラス部分21は、口径が
１００mmの大きさであり、肉厚が３mmのガラス板をプレ
スして成形したものであるが、内面にアルミ蒸着膜が形
成され、鏡面処理が施されている。そして、碗状の頂部
には、ショートアーク放電灯１の一方の封止管部12aを
挿通するための開口22が設けられている。凹面反射鏡２
の保持部材23は、アルミ板で成形された軽量なものであ
るが、先端の内鍔部25でガラス部分21を保持し、ガラス
部分21の外側を覆って補強している。そして、開口22の
部分において、円筒状の首部24が突設されている。この
首部24内にショートアーク放電灯１の一方の封止管部12
aが挿通される。なお、首部24には、ショートアーク放
電灯１を水平姿勢で点灯したときに、電極14,15間のア
ークが立ち上がるのを防止するための磁石26が保持板27
を介して取付けられている。

絶縁部材３は、セラミックからなる筒状体であり、外周
に円環状をした袋部31が形成されている。そして、絶縁
部材３の中心孔に口金13aが挿入されるとともに、首部2
4の先端が袋部31に挿入され、ショートアーク放電灯１
と凹面反射鏡２の位置関係を調整した後、接着剤４で固
定されている。

このように、始動時に高圧がかかる方の口金13aと金属
製の首部24とが絶縁部材３によって絶縁されているの
で、始動時に数十ＫＶの高圧がかかっても口金13aと首
部24の間でスパークが発生することがない。また、凹面
反射鏡２のガラス部分21は、肉厚が薄く、形状が簡単で
プレスにて成形できるので、金属製の保持部材23で補強
されていても従来よりも軽量になり、かつ安価に製造す
ることができる。そして、ショートアーク放電灯１と凹
面反射鏡２が接着剤４にて固定されて一体型になってい
るので、ランプ交換時に光面反射鏡２との位置関係をそ
の都度調整する必要がない利点がある。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の光源装置は、始動用の高
圧電力が供給される封止管部側の口金と金属製の首部と
の間にセラミック製の絶縁部材が配置され、この絶縁部
材を介してショートアーク放電灯と凹面反射鏡が接着剤
にて固定されているので、始動時に口金と首部との間に
おいてスパークが発生することがない。そして、凹面反
射鏡が軽量で製造コストが安くなり、また、ランプと凹
面反射鏡が一体型であるので、ランプ交換時に凹面反射
鏡との位置関係を調整する必要がない光源装置とするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施例の断面図である。 １……ショートアーク放電灯、11……発光空間囲繞部、
12a,12b……封止管部、13a,13b……口金、14……陽極、
15……陰極、16a,16b……リード線、２……凹面反射
鏡、21……ガラス部分、22……開口、23……保持部材、
24……首部、26……磁石、３……絶縁部材、31……袋
部、４……接着剤、５……スタータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中央の発光空間囲繞部の両側に形成された
   封止管部の先端に口金が取付けられたショートアーク放
   電灯と、該ショートアーク放電灯の一方の封止管部が挿
   通される円筒状の首部が金属で形成された凹面反射鏡と
   よりなり、該首部に挿通された封止管部側の電極に始動
   用の高圧電力が供給される光源装置であって、 前記首部に挿通された封止管部側の口金と首部との間に
   セラミック製の絶縁部材が配置され、該絶縁部材を介し
   てショートアーク放電灯と凹面反射鏡が接着剤にて固定
   されたことを特徴とする光源装置。