JPH0664116B2 - 高圧配電線路の地絡点標定装置 - Google Patents

高圧配電線路の地絡点標定装置

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JPH0664116B2
JPH0664116B2 JP25154986A JP25154986A JPH0664116B2 JP H0664116 B2 JPH0664116 B2 JP H0664116B2 JP 25154986 A JP25154986 A JP 25154986A JP 25154986 A JP25154986 A JP 25154986A JP H0664116 B2 JPH0664116 B2 JP H0664116B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は鉄道等における単相二線式高圧配電線路や三相
高圧配電線路において地絡事故が起こった場合、送電側
から地絡点までの距離を標定する地絡点標定装置に関す
る。
従来の技術 高圧配電線路において地絡事故が生じた際の地絡点標定
方法として本願出願人は、特開昭59−230176号公報等に
おいて、第2図に示すように、高圧配電線路R,S,Tに対
する送電を遮断器101において遮断した後、高圧配電線
路R,S,Tの末端を開閉器102を閉じることによって短絡
し、次いで高圧配電線路R,S,Tの各相の内、地絡相を含
む複数の配電線と大地間に開閉器103を閉じることによ
って標定用交流電圧Egを印加し、しかる後この標定用交
流電圧Egによる各相の有効電力を測定してこれら有効電
力と送電側から末端までの高圧配電線路の全長とから地
絡点を標定するようにした方法を開示している。前記有
効電力を測定するために、計器用変成部104を介して標
定用交流電圧Egとこの標定用交流電圧Egによって配電線
路の全ての相もしくは選択された配電線路の各相に流れ
る電流を、入力変成部と標定演算部とからなる標定部10
5に入力している。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような地絡点標定装置を用いた方
法により地絡点を標定すると、アーク地絡の際に放電状
態によって標定値が実際と大きく異なってしまうという
問題点が生じる場合がある。こうした問題は、標定時に
おいて、標定用交流電圧による電流の他に対地静電容量
による電流が配電線に流れることを原因として起こるも
のと考えられる。即ち、アーク地絡故障が起こると、健
全相の対地静電容量から流れる高周波領域の電流は、イ
ンダクタンス分の少ない側から流れようとするから、標
定用交流電圧の電源側近傍で地絡故障が起こると、例え
ば地絡相を含む2相の配電線と対大地間に標定用交流電
圧を印加した場合、第3図に示すように、前記対地静電
容量C1から流れる電流Irは標定用の電流を変成している
計器用変成部104を通って地絡相側へ回りこむ。このた
め、計器用変成部104で検出する電流は、標定用交流電
圧源100の電圧Egによる電流と前記記電流Irの和とな
り、標定部105はこの電流Irの影響により正確な地絡点
を標定出来ないのである。
問題点を解決するための手段 本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであっ
て、アーク地絡の際にも正確な地絡点を標定できるよう
にした高圧配電線路の地絡点標定装置を提供することを
目的とし、高圧配電線路に地絡事故が起こった際、この
高圧配電線路に対する送電を遮断した後、高圧配電線路
の末端を短絡し、次いで地絡相を含む複数の相の高圧配
電線路と大地間に標定用交流電圧を印加し、しかる後こ
の標定用交流電圧と配電線に流れる電流を変成部を介し
て標定部に入力し、この標定部において演算処理するこ
とにより地絡点を標定するようにした高圧配電線路の地
絡点標定装置において、前記変成部の一次側若しくは二
次側に標定用交流電圧の電源周波数で共振するLCフィル
タ回路を設けたことを特徴とする高圧配電線路の地絡点
標定装置を要旨としている。
作 用 本発明による高圧配電線路の地絡点標定装置は、標定用
電流を変成する変成部の一次側若しくは二次側に標定用
交流電圧の電源周波数で共振するLCフィルタ回路を設け
たことにより、配電線側からみた標定用交流電圧源側の
インピーダンスを大きくしてアーク地絡による対地容量
からの電流を変成部に流さないようにしている。
実施例 以下、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明による高圧配電線路の地絡点標定装置の
動作原理を説明する図であって、1は標定用交流電圧
源、2は計器用変成部,3は標定部,4,5は開閉器、6,7、
8は各配電線路における対地静電容量、Pは地絡点を示
している。尚、この第1図の三相高圧配電線路において
地絡相を含む2相の配電線路に標定用交流電圧を印加し
た場合について説明する図である。
標定用交流電圧源1は、対大地間に標定に必要な高圧の
標定用交流電圧Egを発生しており、この電圧の送電線11
は計器用変成部2へ接続されている。
計器用変成部2において前記送電線11は2分岐され、2
分岐した各線にはそれぞれ標定用交流電圧Egの周波数と
共振するとともに配電線側からみたインピーダンスを十
分大きくしたLCフィルタ回路21,22が設けられている。
また、これらLCフィルタ回路21,22の末端側の送電線11
a,11bにはそれぞれ変流器23,24が設けられている。25は
送電線11が分岐する前に設けられた電圧変成器であり、
標定用交流電圧Egを変成している。
標定部3は入力変成部と標定演算部からなり、前記計器
用変成部2から入力した標定用交流電圧Egの変成値と送
電線11a,11bに流れる電流の変成値からの各相の有効電
力を得、その結果に基づいて地絡点を標定している。
開閉器4は、前記送電線11a,11bと地絡相を含む任意の
2相の配電線(第1図においては配電線R,T)を接続す
るカットオフスイッチである。
開閉器5は、高圧配電線路R,S,Tの末端を短絡するカッ
トオフスイッチである。
この第1図において、開閉器5を閉じて高圧配電線路の
末端を短絡した後、開閉器4を閉じると高圧配電線路R,
Tに標定用交流電圧源1の電圧が供給される。今、仮に
事故点における地絡が標定用交流電源の近傍で起きたア
ーク地絡である場合、LCフィルタ回路21,22が設けられ
ていないと、前述した従来例に説明したように健全相
(第1図においては配電線R)の対地静電容量bから流
れる電流は変流器23,24の一次側を通るが、LCフィルタ
回路21,23が設けてあると配電線側からみたインピーダ
ンスが十分に大きなものであるため、アーク地絡による
対地静電容量bからの電流は変流器23,24の一次側、即
ち送電線11a,11b側へ流れず、配電線の端末側を通って
地絡点へ流れ込む。従って、変流器23,24が変成する電
流は、標定用交流電圧Egを電圧源として配電線の線路イ
ンピーダンスにより生じた電流のみとなり、有効電力に
対地静電容量から流れ込む電流の影響が現れることがな
くなって地絡点標定に誤差が生じる原因が解消されるの
である。
尚、上記実施例では変流器23,24の一次側にLCフィルタ
回路を設けたが、変流器を電流変成器として用いる場
合、変流器の二次側にLCフィルタ回路を設けても全く同
様の効果を得ることができる。この場合LCフィルタ回路
のインピーダンスが大きいと、標定用交流電圧以外の周
波数による電流では、変流器の変流比にかかわらず変流
器の二次側にはほとんど電流が流れなくなるため、上記
一次側にLCフィルタ回路を設けた場合と同様の効果を得
ることができるのである。このように、変流器の二次側
にLCフィルタ回路を設けるようにすれば高圧に対する耐
圧対策等の設備を軽減できるという効果がある。また、
変成部における電流の変成は、必ずしも変流器によるも
のでなくてもよく、分流器を用いた場合にも上記のよう
なLCフィルタ回路をもうけることによって同様の効果が
得られるのは勿論である。更に、上記実施例では地絡相
を含む2相の配電線と大地間に標定用交流電圧を印加す
る場合について説明したが、例えば三相高圧配電線路に
おいて、全ての配電線と大地間に標定用交流電圧を印加
して地絡点を標定する場合にも、変成部における各線に
対応する標定用交流電圧の送電線全てに上記のようなLC
フィルタ回路を設ければ、上記と同様の理由で対地静電
容量からの電流による地絡点の標定誤差をなくすること
ができる。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明による高圧配電
線路の地絡点標定装置によれば、アーク地絡時において
も、対地静電容量から流れる電流が地絡点標定に影響を
与えることがなくなるから、標定精度を向上させる上で
極めて大きな効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の動作原理を説明する図、第2図は
従来の高圧配電線路の地絡点標定装置を説明する回路
図、第3図は同じく標定時の概略回路図である。 1……標定用交流電圧源 2……計器用変成部 21,22……変流器 23,24……LCフィルタ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 久吉 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内 (72)発明者 田中 秀昭 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−218970(JP,A) 特開 昭63−58272(JP,A) 特開 昭63−58273(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧配電線路に地絡事故が起こった際、こ
    の高圧配電線路に対する送電を遮断した後、高圧配電線
    路の末端を短絡し、次いで地絡相を含む複数の高圧配電
    線路と大地間に標定用交流電圧を印加し、しかる後この
    標定用交流電圧と配電線に流れる電流を変成部を介して
    標定部に入力し、この標定部において演算処理すること
    により地絡点を標定するようにした高圧配電線路の地絡
    点標定装置において、前記変成部の一次側若しくは二次
    側に標定用交流電圧の電源周波数で共振するLCフィルタ
    回路を設けたことを特徴とする高圧配電線路の地絡点標
    定装置。
JP25154986A 1986-10-21 1986-10-21 高圧配電線路の地絡点標定装置 Expired - Fee Related JPH0664116B2 (ja)

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