JPH0664079A - 耐候性樹脂成形物 - Google Patents
耐候性樹脂成形物Info
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- JPH0664079A JPH0664079A JP4221483A JP22148392A JPH0664079A JP H0664079 A JPH0664079 A JP H0664079A JP 4221483 A JP4221483 A JP 4221483A JP 22148392 A JP22148392 A JP 22148392A JP H0664079 A JPH0664079 A JP H0664079A
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- resin
- antioxidant
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- ultraviolet absorber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】2次加工あるいは再生が可能で、耐候性が優れ
たポリオレフィン系樹脂成形物を提供する。 【構成】表面から5μm以上100μm未満の表層の樹脂
の結晶化度が0.85〜0.99の範囲内であり、または表面か
ら5μm以上100μm未満の表層の紫外線吸収剤、酸化
防止剤の何れか一方あるいは両方の濃度が高くなってい
ることを特徴とする樹脂成形物。
たポリオレフィン系樹脂成形物を提供する。 【構成】表面から5μm以上100μm未満の表層の樹脂
の結晶化度が0.85〜0.99の範囲内であり、または表面か
ら5μm以上100μm未満の表層の紫外線吸収剤、酸化
防止剤の何れか一方あるいは両方の濃度が高くなってい
ることを特徴とする樹脂成形物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2次加工あるいは再生
が可能で、耐候性が優れたポリオレフィン系樹脂成形物
に関する。
が可能で、耐候性が優れたポリオレフィン系樹脂成形物
に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形物、例えばフィルム、パイプな
どの耐候性、すなわち光安定性、耐酸化性を向上させる
方法として、特開平3−126543号公報、特開平3−2439
3号公報、特開平4−19140号公報に記載されているよう
に、母材の表面に母材樹脂とは異種の耐候性能を有する
樹脂を積層するもの、積層した後反応(架橋)を起こさ
せて固定するものあるいは母材と類似の樹脂に紫外線吸
収剤を添加して積層させたものが知られている。また、
特開平3−83638号公報に記載されているように、母材
と同種の樹脂の表層にカーボンブラックなどの黒色顔料
を配合する方法がある。
どの耐候性、すなわち光安定性、耐酸化性を向上させる
方法として、特開平3−126543号公報、特開平3−2439
3号公報、特開平4−19140号公報に記載されているよう
に、母材の表面に母材樹脂とは異種の耐候性能を有する
樹脂を積層するもの、積層した後反応(架橋)を起こさ
せて固定するものあるいは母材と類似の樹脂に紫外線吸
収剤を添加して積層させたものが知られている。また、
特開平3−83638号公報に記載されているように、母材
と同種の樹脂の表層にカーボンブラックなどの黒色顔料
を配合する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耐候性樹脂を積層する
方法、紫外線吸収剤を添加した類似の樹脂を積層する方
法はかなり効果があるものの、樹脂成形物の加工あるい
は再利用、すなわち再生に対して障害となる場合が多
い。つまり、基本的には異種の樹脂の積層構造であるた
め耐熱性が不十分であり、高温に接すると形状保持性能
が劣る。したがって、鋼板などに熱融着するとき、ある
いはその後に変形するときなどに樹脂間で剥離する。溶
融加工あるいは成形のときも同様な現象が発生する。ま
た、溶融あるいは切断により原料ペレットに戻すとき
に、異種の樹脂が分散して母材に入り込むため、母材樹
脂とはかなり異なった特性を有する樹脂となり、元の樹
脂として再生できないという問題があった。
方法、紫外線吸収剤を添加した類似の樹脂を積層する方
法はかなり効果があるものの、樹脂成形物の加工あるい
は再利用、すなわち再生に対して障害となる場合が多
い。つまり、基本的には異種の樹脂の積層構造であるた
め耐熱性が不十分であり、高温に接すると形状保持性能
が劣る。したがって、鋼板などに熱融着するとき、ある
いはその後に変形するときなどに樹脂間で剥離する。溶
融加工あるいは成形のときも同様な現象が発生する。ま
た、溶融あるいは切断により原料ペレットに戻すとき
に、異種の樹脂が分散して母材に入り込むため、母材樹
脂とはかなり異なった特性を有する樹脂となり、元の樹
脂として再生できないという問題があった。
【0004】表面にカーボンブラックなど黒色顔料を配
合する方法も2次加工、再生のときに黒色顔料が拡散し
てしまい、樹脂の色調が悪くなる許りでなく、黒色顔料
は表面活性を有するためにポリマー添加剤の作用を阻害
するので、母材に既に添加されているポリマー添加剤の
効果をなくしてしまう。再加工のときに加えるポリマー
添加剤についても同様であり、黒色顔料の使用は2次加
工、再生には好ましくないという問題があった。
合する方法も2次加工、再生のときに黒色顔料が拡散し
てしまい、樹脂の色調が悪くなる許りでなく、黒色顔料
は表面活性を有するためにポリマー添加剤の作用を阻害
するので、母材に既に添加されているポリマー添加剤の
効果をなくしてしまう。再加工のときに加えるポリマー
添加剤についても同様であり、黒色顔料の使用は2次加
工、再生には好ましくないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、極く薄く表層を高
結晶化した樹脂成形物及び紫外線吸収剤、酸化防止剤の
何れか一方あるいは両方を極く薄く表層に高濃度化した
樹脂成形物はいずれも耐候性に優れていることを見い出
し、また、これらは添加剤を加えずあるいは極薄層にの
み添加しているため成形物の特性および2次加工あるい
は再生に問題ないことから本発明に到達した。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、極く薄く表層を高
結晶化した樹脂成形物及び紫外線吸収剤、酸化防止剤の
何れか一方あるいは両方を極く薄く表層に高濃度化した
樹脂成形物はいずれも耐候性に優れていることを見い出
し、また、これらは添加剤を加えずあるいは極薄層にの
み添加しているため成形物の特性および2次加工あるい
は再生に問題ないことから本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、表面から5μm以上
100μm未満の表層の樹脂の結晶化度が0.85〜0.99の範
囲内であるか、あるいは、表面から5μm以上100μm
未満の表層の紫外線吸収剤、酸化防止剤の何れか一方あ
るいは両方の濃度が高くなっていることを特徴とする樹
脂成形物を提供するものである。
100μm未満の表層の樹脂の結晶化度が0.85〜0.99の範
囲内であるか、あるいは、表面から5μm以上100μm
未満の表層の紫外線吸収剤、酸化防止剤の何れか一方あ
るいは両方の濃度が高くなっていることを特徴とする樹
脂成形物を提供するものである。
【0007】本発明は、上述したように、樹脂成形物の
耐候性を改善するために高結晶化した表層あるいは紫外
線吸収剤、酸化防止剤を多量に添加した表層と樹脂本来
の特性を有する母材層からなる。
耐候性を改善するために高結晶化した表層あるいは紫外
線吸収剤、酸化防止剤を多量に添加した表層と樹脂本来
の特性を有する母材層からなる。
【0008】樹脂としてはオレフィン系のもの、すなわ
ち目的に応じてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テンなどを利用することができる。あるいは、これらの
共重合物であってもよい。
ち目的に応じてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テンなどを利用することができる。あるいは、これらの
共重合物であってもよい。
【0009】高結晶化しあるいは紫外線吸収剤、酸化防
止剤を高濃度で含有させる表層の厚さは表面から5μm
以上100μm未満であり、通常は50μm未満、特に30μ
m未満で充分である。5μm未満では顕著な効果は得ら
れず、100μm以上の厚さにしても効果の著しい向上が
認められない。また、紫外線吸収剤又は酸化防止剤を表
層に添加する場合には、添加量にもよるが成形物全体と
してこれらを多量に含有することになり、再生のときの
障害となる。すなわち、再生樹脂の物性値が変わる場合
がある。この表層の厚さは成形物の厚さとも関係し、成
形物の厚さの1/10以下、好ましくは1/50以下である。
止剤を高濃度で含有させる表層の厚さは表面から5μm
以上100μm未満であり、通常は50μm未満、特に30μ
m未満で充分である。5μm未満では顕著な効果は得ら
れず、100μm以上の厚さにしても効果の著しい向上が
認められない。また、紫外線吸収剤又は酸化防止剤を表
層に添加する場合には、添加量にもよるが成形物全体と
してこれらを多量に含有することになり、再生のときの
障害となる。すなわち、再生樹脂の物性値が変わる場合
がある。この表層の厚さは成形物の厚さとも関係し、成
形物の厚さの1/10以下、好ましくは1/50以下である。
【0010】表層を高結晶化する場合には表層の結晶化
度0.85〜0.99程度、好ましくは0.95〜0.98程度とする。
度0.85〜0.99程度、好ましくは0.95〜0.98程度とする。
【0011】高結晶化した表層を有する樹脂成形物を作
る方法としては、例えば、必要によりジベンジリデンソ
ルビトール化合物等の造核剤を加えた樹脂を射出成形で
金型をゆっくりと冷却して結晶化度の高い樹脂フィルム
を得て、これを内層となる樹脂にラミネートするものが
ある。また、樹脂の溶融温度以下で、1軸延伸あるいは
2軸延伸することにより結晶化度の高いフィルムを得る
方法もある。さらに、射出成形の際、金型に温度勾配を
つける、すなわち表層となる面の温度を内層となる部分
の温度より多少高めにコントロールしてゆっくりと固ま
るようにする方法もある。これにより表層部分の樹脂分
子の配向が進み、結晶化度が高くなる。なお、内層部分
に対応する金型の温度設定は、目的とする樹脂成形物の
物性に応じて決めることは言うまでもない。つまり、引
っ張り強さ、硬さなどを大きくするときなどは、高めの
温度とすることになる。
る方法としては、例えば、必要によりジベンジリデンソ
ルビトール化合物等の造核剤を加えた樹脂を射出成形で
金型をゆっくりと冷却して結晶化度の高い樹脂フィルム
を得て、これを内層となる樹脂にラミネートするものが
ある。また、樹脂の溶融温度以下で、1軸延伸あるいは
2軸延伸することにより結晶化度の高いフィルムを得る
方法もある。さらに、射出成形の際、金型に温度勾配を
つける、すなわち表層となる面の温度を内層となる部分
の温度より多少高めにコントロールしてゆっくりと固ま
るようにする方法もある。これにより表層部分の樹脂分
子の配向が進み、結晶化度が高くなる。なお、内層部分
に対応する金型の温度設定は、目的とする樹脂成形物の
物性に応じて決めることは言うまでもない。つまり、引
っ張り強さ、硬さなどを大きくするときなどは、高めの
温度とすることになる。
【0012】表層に添加する紫外線吸収剤としては、フ
ェニルサリチレート、モノグリコールサリチレート、p
−t−ブチルフェニルサリチレートなどサリチル酸系の
もの、2−ヒドロキシ−4−メトオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンな
どベンゾフェノン系のもの、2(2'−ヒドロキシ−5'
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2'−ヒ
ドロキシ−3'−5'−ジtブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−
5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ルなどベンゾトリアゾール系のものがあり、とくにサリ
チル酸系のものおよびベンゾフェノン系のものは樹脂と
の相溶性がよく、多量に添加できるという点では好まし
い。また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール(別名;ブチルヒドロキシトルエ
ン)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)などフェノール系のもの、フェニル−
β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N'−ジ
フェニル−pフェニレンジアミンなどアミン系のものが
ある。添加量としては、表層を高結晶化する場合には、
結晶性を低下しないことならびに再生したときの樹脂物
性に影響を与えないことを勘案し、紫外線吸収剤、酸化
防止剤の合計で5重量%未満、特に1重量%未満が好ま
しい。一方、表層を高結晶化しない場合には、表層の紫
外線吸収剤あるいは酸化防止剤の添加量は合わせて5重
量%以上であることが好ましい。添加量が5重量%未満
では十分な効果が得られない。添加の最大量は50重量%
以下、好ましくは30重量%以下とする。50重量%を超え
る添加量でも効果はあるものの成形に問題を生じること
が多い。
ェニルサリチレート、モノグリコールサリチレート、p
−t−ブチルフェニルサリチレートなどサリチル酸系の
もの、2−ヒドロキシ−4−メトオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンな
どベンゾフェノン系のもの、2(2'−ヒドロキシ−5'
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2'−ヒ
ドロキシ−3'−5'−ジtブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−
5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ルなどベンゾトリアゾール系のものがあり、とくにサリ
チル酸系のものおよびベンゾフェノン系のものは樹脂と
の相溶性がよく、多量に添加できるという点では好まし
い。また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール(別名;ブチルヒドロキシトルエ
ン)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)などフェノール系のもの、フェニル−
β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N'−ジ
フェニル−pフェニレンジアミンなどアミン系のものが
ある。添加量としては、表層を高結晶化する場合には、
結晶性を低下しないことならびに再生したときの樹脂物
性に影響を与えないことを勘案し、紫外線吸収剤、酸化
防止剤の合計で5重量%未満、特に1重量%未満が好ま
しい。一方、表層を高結晶化しない場合には、表層の紫
外線吸収剤あるいは酸化防止剤の添加量は合わせて5重
量%以上であることが好ましい。添加量が5重量%未満
では十分な効果が得られない。添加の最大量は50重量%
以下、好ましくは30重量%以下とする。50重量%を超え
る添加量でも効果はあるものの成形に問題を生じること
が多い。
【0013】表層に紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤を
有する樹脂成形物は、シート状の場合、通常の金型を用
いる射出成形を応用した成形法、多層パイプ製造用の合
流ダイスにより各層を共押し出しする押し出し成形法に
よって製造される他、例えば母材層を先ず成形してこれ
に熱融着などにより表層をラミネートするという方法も
採用できる。
有する樹脂成形物は、シート状の場合、通常の金型を用
いる射出成形を応用した成形法、多層パイプ製造用の合
流ダイスにより各層を共押し出しする押し出し成形法に
よって製造される他、例えば母材層を先ず成形してこれ
に熱融着などにより表層をラミネートするという方法も
採用できる。
【0014】高結晶化された表層及び紫外線吸収剤、酸
化防止剤を含有する表層においては結晶化度及び紫外線
吸収剤、酸化防止剤の濃度は製法等に応じて均一である
場合もあり、段階的に変化している場合もある。
化防止剤を含有する表層においては結晶化度及び紫外線
吸収剤、酸化防止剤の濃度は製法等に応じて均一である
場合もあり、段階的に変化している場合もある。
【0015】母材層の結晶化度及び紫外線吸収剤、酸化
防止剤の濃度は本発明が適用される樹脂組成物がその本
来の特性が発揮されるように定められている。これらは
樹脂組成物の種類、物性、組成、使用目的等によって異
なるが、一般に結晶化度については0.95以下であり、表
層部分の結晶化度は通常の成形方法では内部より先に冷
却される。すなわち、冷却速度が速いため、内部母材層
の結晶化度より低くなるので、例えば実施例1〜2に示
されているように、母材層の結晶化度が0.63のときは結
晶化度が0.85〜0.94の表層とする。一方、母材層の結晶
化度が0.95のときは、これより結晶化度の高い0.96〜0.
99の表層となるような成形を行なう。また、各添加剤の
濃度については通常0.5重量%以下である。
防止剤の濃度は本発明が適用される樹脂組成物がその本
来の特性が発揮されるように定められている。これらは
樹脂組成物の種類、物性、組成、使用目的等によって異
なるが、一般に結晶化度については0.95以下であり、表
層部分の結晶化度は通常の成形方法では内部より先に冷
却される。すなわち、冷却速度が速いため、内部母材層
の結晶化度より低くなるので、例えば実施例1〜2に示
されているように、母材層の結晶化度が0.63のときは結
晶化度が0.85〜0.94の表層とする。一方、母材層の結晶
化度が0.95のときは、これより結晶化度の高い0.96〜0.
99の表層となるような成形を行なう。また、各添加剤の
濃度については通常0.5重量%以下である。
【0016】
【実施例】実施例1 結晶化度0.94、密度0.958g/cm3、厚さ25μmのポリエチ
レンフィルムを幅50mm、長さ200mm、厚さ8mmの金型の
底部に密着し、この底部を外部から10℃程度の冷却水に
よりよく冷却し、ポリエチレンを金型に射出し成形物を
得た。こうして得た成形物の密度(平均値)は、0.920g
/cm3であり、電子顕微鏡観察の結果、表面から25μmの
処に完全ではないが界面は存在していた。すなわち、高
結晶化度の表層は消滅していないことならびにある程度
融着していることを意味しており、表層は内層に比べ無
視できるくらい薄いことから内層の結晶化度は0.63と推
定される。
レンフィルムを幅50mm、長さ200mm、厚さ8mmの金型の
底部に密着し、この底部を外部から10℃程度の冷却水に
よりよく冷却し、ポリエチレンを金型に射出し成形物を
得た。こうして得た成形物の密度(平均値)は、0.920g
/cm3であり、電子顕微鏡観察の結果、表面から25μmの
処に完全ではないが界面は存在していた。すなわち、高
結晶化度の表層は消滅していないことならびにある程度
融着していることを意味しており、表層は内層に比べ無
視できるくらい薄いことから内層の結晶化度は0.63と推
定される。
【0017】実施例2 結晶化度0.85、密度0.945g/cm3、厚さ12μmのポリエチ
レンフィルムを使用した以外は、実施例1と同一の方法
により成形物を得た。このときも、表面から12μmの処
に界面は観察された。
レンフィルムを使用した以外は、実施例1と同一の方法
により成形物を得た。このときも、表面から12μmの処
に界面は観察された。
【0018】実施例3 紫外線吸収剤として2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを0.5重量%、酸化防止剤としてブチルヒド
ロキシトルエンを0.3重量%となるように添加したポリ
エチレンを用いて結晶化度0.88、密度0.950g/cm3、厚さ
8μmのポリエチレンフィルムを作り、このフィルムを
使用した以外は、実施例1と同一の方法により成形物を
得た。表面から8μmの処に界面は観察された。
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを0.5重量%、酸化防止剤としてブチルヒド
ロキシトルエンを0.3重量%となるように添加したポリ
エチレンを用いて結晶化度0.88、密度0.950g/cm3、厚さ
8μmのポリエチレンフィルムを作り、このフィルムを
使用した以外は、実施例1と同一の方法により成形物を
得た。表面から8μmの処に界面は観察された。
【0019】比較例1 ポリエチレンフィルムを金型底部に密着しない以外は、
実施例と同一の方法により樹脂成形物を得た。結晶化度
は0.63であった。
実施例と同一の方法により樹脂成形物を得た。結晶化度
は0.63であった。
【0020】実施例および比較例で得た樹脂成形物につ
いて暴露試験を行ない、亀裂の発生状況を顕微鏡で観察
した。結果を表1に示す。なお、暴露試験は、神奈川県
川崎市において、平成4年1月〜5月の間で実施した。
いて暴露試験を行ない、亀裂の発生状況を顕微鏡で観察
した。結果を表1に示す。なお、暴露試験は、神奈川県
川崎市において、平成4年1月〜5月の間で実施した。
【0021】
【表1】
【0022】実施例4 紫外線吸収剤として2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを10重量%、酸化防止剤としてブチルヒドロ
キシトルエンを20重量%を添加したポリエチレンで10μ
mのフィルムを作った。これを幅50mm、長さ200mm、厚
さ8mmの金型の底部に密着して、紫外線吸収剤及び酸化
防止剤皆無のポリエチレンを射出して樹脂成形物を得
た。
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを10重量%、酸化防止剤としてブチルヒドロ
キシトルエンを20重量%を添加したポリエチレンで10μ
mのフィルムを作った。これを幅50mm、長さ200mm、厚
さ8mmの金型の底部に密着して、紫外線吸収剤及び酸化
防止剤皆無のポリエチレンを射出して樹脂成形物を得
た。
【0023】実施例5 紫外線吸収剤として2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを3重量%、酸化防止剤としてn−オクタデ
シル−β−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネートを5重量%を添加したポリ
エチレンフィルムを用いた以外は実施例4と同一の方法
により樹脂成形物を得た。
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを3重量%、酸化防止剤としてn−オクタデ
シル−β−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネートを5重量%を添加したポリ
エチレンフィルムを用いた以外は実施例4と同一の方法
により樹脂成形物を得た。
【0024】比較例2 紫外線吸収剤及び酸化防止剤を添加しない以外は実施例
4と同様のフィルムを作り、これを用い実施例1と同一
の方法により樹脂成形物を得た。
4と同様のフィルムを作り、これを用い実施例1と同一
の方法により樹脂成形物を得た。
【0025】比較例3 紫外線吸収剤として2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを0.0125重量%、酸化防止剤としてブチルヒ
ドロキシトルエンを0.0250重量%添加したポリエチレン
を実施例4と同様に射出成形して樹脂成形物を得た。
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを0.0125重量%、酸化防止剤としてブチルヒ
ドロキシトルエンを0.0250重量%添加したポリエチレン
を実施例4と同様に射出成形して樹脂成形物を得た。
【0026】比較例4 紫外線吸収剤として2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを10重量%、酸化防止剤としてブチルヒドロ
キシトルエンを20重量%添加したポリエチレンを実施例
4と同様に射出成形して樹脂成形物を得た。
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを10重量%、酸化防止剤としてブチルヒドロ
キシトルエンを20重量%添加したポリエチレンを実施例
4と同様に射出成形して樹脂成形物を得た。
【0027】実施例6 酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンを10重量
%、n−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3',
5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートを20重
量%となるようにしたポリプロピレンならびに酸化防止
剤及び紫外線吸収剤を添加しないポリプロピレンを2層
管製造用の合流環状ダイスを有する押し出し機により押
し出し成形して樹脂成形物を得た。なお、酸化防止剤を
添加した表層の厚さは20μm、全肉厚は6mmであった。
%、n−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3',
5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートを20重
量%となるようにしたポリプロピレンならびに酸化防止
剤及び紫外線吸収剤を添加しないポリプロピレンを2層
管製造用の合流環状ダイスを有する押し出し機により押
し出し成形して樹脂成形物を得た。なお、酸化防止剤を
添加した表層の厚さは20μm、全肉厚は6mmであった。
【0028】比較例5 単層押し出し機により紫外線吸収剤及び酸化防止剤皆無
のポリプロピレンを押し出し、肉厚6mmのポリプロピレ
ン管を得た。
のポリプロピレンを押し出し、肉厚6mmのポリプロピレ
ン管を得た。
【0029】比較例6 比較例5と同一の方法により、酸化防止剤としてブチル
ヒドロキシトルエンを0.0125重量%、n−オクタデシル
−β−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフ
ェニル)プロピオネートを0.0250重量%添加したポリプ
ロピレンからポリプロピレン管を得た。
ヒドロキシトルエンを0.0125重量%、n−オクタデシル
−β−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフ
ェニル)プロピオネートを0.0250重量%添加したポリプ
ロピレンからポリプロピレン管を得た。
【0030】実施例4〜6および比較例2〜6で得られ
た成形物の暴露試験前後の評価を行った。すなわち、J
IS K 7113に準拠して引っ張り試験を行うとともに表
面の顕微鏡観察を行い、亀裂を評価した。なお、暴露試
験は神奈川県川崎市において、平成3年6月〜平成4年
3月の間で実施した。以下、表2に結果をまとめる。
た成形物の暴露試験前後の評価を行った。すなわち、J
IS K 7113に準拠して引っ張り試験を行うとともに表
面の顕微鏡観察を行い、亀裂を評価した。なお、暴露試
験は神奈川県川崎市において、平成3年6月〜平成4年
3月の間で実施した。以下、表2に結果をまとめる。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかなように、紫外線吸収剤あ
るいは酸化防止剤を多量に添加した表層の効果により耐
候性は向上している。比較例4の結果も耐候性は向上し
ているが、全体にわたって多量の紫外線吸収剤及び酸化
防止剤が存在するため、引っ張り強度(暴露試験前)の
低下が起こっている。また、比較例3の結果は紫外線吸
収剤及び酸化防止剤濃度が低いため耐候性能はないもの
の、引っ張り強度(暴露試験前)の低下はない。この比
較例3の紫外線吸収剤及び酸化防止剤濃度は、実施例4
の紫外線吸収剤及び酸化防止剤量を全体に分散させた場
合に相当することから、この程度の紫外線吸収剤及び酸
化防止剤量では再生したときの物性の変化は全くないと
言える。
るいは酸化防止剤を多量に添加した表層の効果により耐
候性は向上している。比較例4の結果も耐候性は向上し
ているが、全体にわたって多量の紫外線吸収剤及び酸化
防止剤が存在するため、引っ張り強度(暴露試験前)の
低下が起こっている。また、比較例3の結果は紫外線吸
収剤及び酸化防止剤濃度が低いため耐候性能はないもの
の、引っ張り強度(暴露試験前)の低下はない。この比
較例3の紫外線吸収剤及び酸化防止剤濃度は、実施例4
の紫外線吸収剤及び酸化防止剤量を全体に分散させた場
合に相当することから、この程度の紫外線吸収剤及び酸
化防止剤量では再生したときの物性の変化は全くないと
言える。
【0033】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の樹脂成形物には表層と内層の結晶化度のみを変え、あ
るいは表層のみに紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤を多
量に含有させることの他は同じ樹脂で構成されているた
め、樹脂特性を損なうことなく2次加工、再生が可能
で、かつ極く表層のみを改質しているため母材と同一の
物性を保持したまま耐候性を向上したという効果を有す
る。
の樹脂成形物には表層と内層の結晶化度のみを変え、あ
るいは表層のみに紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤を多
量に含有させることの他は同じ樹脂で構成されているた
め、樹脂特性を損なうことなく2次加工、再生が可能
で、かつ極く表層のみを改質しているため母材と同一の
物性を保持したまま耐候性を向上したという効果を有す
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面から5μm以上100μm未満の表層
の樹脂の結晶化度が0.85〜0.99の範囲内であることを特
徴とする樹脂成形物 - 【請求項2】 表層に5重量%未満の紫外線吸収剤、酸
化防止剤の何れか一方あるいは両方が添加されているこ
とを特徴とする請求項1記載の樹脂成形物 - 【請求項3】 表面から5μm以上100μm未満の表層
の紫外線吸収剤、酸化防止剤の何れか一方あるいは両方
の濃度が高くなっていることを特徴とする樹脂成形物 - 【請求項4】 樹脂がポリオレフィン樹脂である請求項
1、2又は3記載の樹脂成形物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4221483A JPH0664079A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 耐候性樹脂成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4221483A JPH0664079A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 耐候性樹脂成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664079A true JPH0664079A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=16767421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4221483A Pending JPH0664079A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 耐候性樹脂成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0664079A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0813502A (ja) * | 1994-07-01 | 1996-01-16 | Kajima Corp | 切土法面安定工法 |
-
1992
- 1992-08-20 JP JP4221483A patent/JPH0664079A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0813502A (ja) * | 1994-07-01 | 1996-01-16 | Kajima Corp | 切土法面安定工法 |
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