JPH0663451U - ウォッシャ装置におけるウォッシャ液制御弁 - Google Patents

ウォッシャ装置におけるウォッシャ液制御弁

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JPH0663451U
JPH0663451U JP1061893U JP1061893U JPH0663451U JP H0663451 U JPH0663451 U JP H0663451U JP 1061893 U JP1061893 U JP 1061893U JP 1061893 U JP1061893 U JP 1061893U JP H0663451 U JPH0663451 U JP H0663451U
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port
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尚昭 山里
進 中島
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大高電気株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウォッシャ液タンクとウォッシャノズルとを
連結する管路内でウォッシャ液の内圧が、必要以上に高
くなった場合においてもウォッシャ液がウォッシャノズ
ルから不用意に噴出されることを確実に防止可能とする
ウォッシャ装置におけるウォッシャ液制御弁を提供す
る。 【構成】 ウォッシャ液タンクからウォッシャ液が圧送
される管路の一端にウォッシャ液制御弁1、50の流入
ポートP1を接続し、ウォッシャノズルに至る管路の一
端に流出ポートP2を接続することによりウォッシャ装
置内にウォッシャ液制御弁1、50を配設し、ウィンド
ウの非洗浄時に管路に配設された加熱器を介して管路内
のウォッシャ液が加熱されてその内圧が必要以上に高く
なった場合においてもウォッシャ液がウォッシャ液制御
弁1、50から帰還路を介してウォッシャ液タンク内に
帰還、回収されるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は自動車等のウィンドウを洗浄する際に使用されるウォッシャ装置にお けるウォッシャ液制御弁に関し、特に、ウォッシャ液タンク内のウォッシャ液を 加熱装置により加熱しながらウォッシャノズルに供給するタイプのホットウォッ シャ装置において、ウィンドウの非洗浄時にウォッシャ液タンクとウォッシャノ ズルとを連結する管路内でウォッシャ液の内圧が、必要以上に高くなった場合に おいてもウォッシャ液がウォッシャノズルから不用意に噴出されることを確実に 防止可能なウォッシャ液制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車にあっては、フロントおよびリヤウィンドウ等の洗浄用 にウォッシャ液タンクを備え、ワイパーによる拭き取りの際にウォッシャ液をウ ォッシャノズルからウィンドウ等に噴射するようにしている。しかし厳冬季等に は、ウォッシャ液が温度低下により増粘して充分噴射できず、また噴射しても充 分洗浄の用をなさず、更にはウィンドウ上で凍結してかえって視界を悪化させる 場合があった。これに対し、冬期はウォッシャ液濃度を濃くするような指導がな されているが、かかる対策は凍結防止には有効であるものの増粘傾向を助長する ので万全ではない。
【0003】 このため、ウォッシャ液を加熱することによる対策が考えられ、エンジン排気 系の排熱を利用する排熱加熱手段が提案されていた。これにより、加熱されそし て加熱に伴い減粘されたウォッシャ液をウィンドウに供給して、冬期にあっても 効率よく除塵、更には除霜ができるものである。そして、冬期ばかりでなく、夏 期にあっても虫骸等の除去には有用であるとされていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ホットウォッシャ装置は、以下の問題点を有している。 すなわち、ウォッシャ液加熱手段により加熱されたウォッシャ液は、温度上昇 により減粘するのみならず、熱膨張によりその体積を増そうとする。 従って、ウォッシャ液の噴射を行わないときでも、加熱により体積が増加した ウォッシャ液は、ウォッシャノズルから滲出しノズル周辺に漏れることとなる。 この対策として、加熱手段とノズルとの間に逆止弁を配設することが考えられ る。すなわち、逆止弁により通常時は管路を閉じておき、噴射時のみポンプの送 出圧力により逆止弁が開いてウォッシャ液を噴射可能とするのである。そして、 ウォッシャ液の温度上昇による圧力上昇程度では逆止弁が開かないように、逆止 弁のバネ力を設定しておくのである。これによりウォッシャ液の滲出を防いでい る。
【0005】 しかし、かかる逆止弁によっても問題点は完全には解消しない。なぜならば、 逆止弁により封鎖された状態でのウォッシャ液の熱膨張による圧力上昇は侮り難 いものがあり、特に長時間の渋滞等により排気管温度が通常以上に上昇すると、 ウォッシャ液圧は逆止弁を押し開くほどに上昇することがある。このとき、運転 者の意図とは無関係にウォッシャ液のウィンドウへの噴射が起こる。 都市部における夏場の昼間等では、通常の市街地走行でもこのような事態が発 生しうるので、運転者としては走行中に意図せず視界を遮られることとなり、自 動車の運転上危険が大きい。 これに対し、逆止弁の開弁圧力を大きく設定することが考えられるが、ウォッ シャポンプの送出圧力も大きくする必要を生じ、ポンプの大形化等の不利益を伴 う。
【0006】 本考案は前記従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、ウィン ドウの非洗浄時に、ホットウォッシャ装置におけるウォッシャ液タンクとウォッ シャノズルとを連結する管路内でウォッシャ液の内圧が、必要以上に高くなった 場合においてもウォッシャ液がウォッシャノズルから不用意に噴出されることを 確実に防止可能とし、もって自動車等の運転中にウォッシャ液によりウィンドウ の視界が遮られることなく安全を確保できるウォッシャ装置におけるウォッシャ 液制御弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本考案は、ウォッシャ液を充填したウォッシャ液タン クと、一端がウォッシャタンクに連通され他端がウォッシャノズルに連通された 管路と、管路の途中に配設された加熱器と、ウォッシャタンクからウォッシャ液 をウォッシャノズルへ圧送するウォッシャポンプとを有するウォッシャ装置にお いて、前記管路の途中で加熱器の下流側に配設されたウォッシャ液制御弁を備え 、前記ウォッシャ液制御弁は、一端に流入口、他端に流出口が形成されるととも に両流入口及び流出口とを連通する第1連通口を有する第1筒状部材と、前記第 1連通口内で伸縮可能に配設された第1バネ部材と、前記第1バネ部材の一端に 支持されるとともに、第1バネ部材の伸縮に伴って第1連通口の開閉を行なう第 1弁部材と、前記第1筒状部材から分岐され、内部に第2連通口を有する第2筒 状部材と、前記第2連通口内で伸縮可能に配設された第2バネ部材と、前記第2 バネ部材の一端に支持されるとともに、第2バネ部材の伸縮に伴って第2連通口 の開閉を行なう第2弁部材とからなり、前記流入口から前記流出口へウォッシャ 液を圧送した時に前記第1弁部材は前記第1連通口を開放するとともに、前記第 2弁部材は前記第2連通口を閉塞し、ウォッシャ液の圧送を停止した時に第1弁 部材は第1連通口を閉塞するとともに、第2弁部材は第2連通口を開放する構成 とされる。
【0008】
【作用】
前記構成を有する本考案では、ウィンドウの洗浄時にウォッシャポンプが駆動 され、ウォッシャ液タンク内のウォッシャ液が加熱器により加熱されながら管路 を経てウォッシャノズルからウィンドウに噴射される。このとき、管路の途中で 加熱器の下流側に配設されたウォッシャ液制御弁において、第1筒状部材の第1 連通口内に配設された第1バネ部材がウォッシャ液の流体圧により圧縮され、こ れより第1弁部材は第1連通口を開放する。また、これと同時に、第2筒状部材 の第2連通口内に配設された第2バネ部材は圧縮され、これより第2弁部材は第 2連通口を閉塞する。これにより、ウォッシャ液は第2連通口から外部に排出さ れることはなく、第1筒状部材の流入口から第1連通口、流出口を経てウォッシ ャノズルから噴射される。
【0009】 一方、ウィンドウの洗浄を停止する場合には、ウォッシャポンプの駆動が停止 される。このとき、第1バネ部材はウォッシャ液の流体圧から開放され、そのバ ネ圧を介して伸張し第1連通口を閉塞する。また、これと同時に、第2バネ部材 はそのバネ圧により伸張され、第2連通口を開放する。これにより、ウォッシャ 液はウォッシャノズルから噴射されことはない。
【0010】 かかる状態で、管路内に存在するウォッシャ液が加熱器を介して必要以上に加 熱された場合、管路内のウォッシャ液の内圧が高くなり、ウォッシャ液の一部が 第1筒状部材の流入口からウォッシャ液制御弁内に流入する。このとき、第1バ ネ部材のバネ圧、及び、第2バネ部材のバネ圧は、ウォッシャ液制御弁内に流入 する一部のウォッシャ液の内圧よりも大きいので、第1弁部材が第1連杖口を開 放することはなく、また、第2弁部材が第2連通口を閉塞することはない。従っ て、前記のようにウィンドウの非洗浄時に、管路内におけるウォッシャ液の内圧 が必要以上に高くなった場合でもウォッシャ液が不用意にウォッシャノズルから 噴射されることはなく、第2筒状部材の第2連通口から外部に排出されるもので ある。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は第 1実施例に係るウォッシャ液制御弁の非作動状態を示す側断面図であり、ウォッ シャ液制御弁1は、流入口2(図1中下方側)と流出口3(図1中上方側)とが 設けられた管4部と管部4から直角方向に分岐された管5部とからなる三方分岐 管6を有する。管4部の下方と上方には、それぞれ突状係止部7、8が形成され ており、下方の突状係止部7にはナイロン等から成型されたチューブ管9の凹状 係止部10が嵌合されるとともに、上方の突状係止部8には同様のチューブ管1 1の凹状係止部12が嵌合されている。また、管部5に形成された突状係止部1 3には、前記各チューブ管9、11と同様のチューブ管14の凹状係止部15が 嵌合されている。
【0012】 更に、チューブ管11には2つの凹状係止部16、17が形成されており(図 1中、上下の2箇所に形成されている)、これらの各凹状係止部16、17間で チューブ管11の内部には、第1弁構造体18が各突状係止部19、20を介し て配設されている。かかる第1弁構造体18は連通口Aを有する筒状体T1から なり、両端部(図1中上下の端部)には、それぞれ係止部材21、22が内設さ れている。また、各係止部材21、22間で第1弁構造体18における筒状体T 1の内部には、第1コイルバネ23が伸縮自在に配設されており、この第1コイ ルバネ23の上端は係止部材22の下端に係止されるとともに、第1コイルバネ 23の下端は自由端とされている。この第1コイルバネ23の下端は、下方の係 止部材21の上端に当接係止された弁部材としてのボール24を当接支持してい る。
【0013】 これより、図1から明かなように、第1コイルバネ23が伸張した状態におい ては第1コイルバネ23が、そのバネ圧を介してボール24を下方に押し下げて ボール24を係止部材21の上端に密着係止することから、第1弁構造体18の 連通口Aを閉塞するものである。また、第1コイルバネ23が圧縮された状態に おいては、後述するように、第1コイルバネ23の押圧力はボール24に対して 作用しなくなることから、ボール24は連通口A内で自由に移動可能となるもの である。このように、弁部材としてのボール24は、第1コイルバネ23の伸縮 に伴って第1弁構造体18の連通口Aの開閉を行なう作用を有する。
【0014】 次に、チューブ管14に接続して配設される第2弁構造体について説明する。 チューブ管14が突状係止部13と凹状係止部15とにより管5に連結される側 と反対の側には、もう1つの凹状係止部25が形成されており、かかる凹状係止 部25には第2弁構造体26の突状係止部27が嵌合されている。第2弁構造体 26は内部に連通口Bを有する筒状体T2からなり、筒状体T2の一端(図1中 右端部)には、バネ係止部28Aを有し連通口28Bが形成された円筒状の係止 部材28が嵌合されている。筒状体T2の内部には、第2コイルバネ29が伸縮 自在に配設されており、第2コイルバネ29の一端(図1中右端)は、係止部材 28のバネ係止部28Aに当接係止されており、第2コイルバネ29の他端は自 由端とされている。かかる第2コイルバネ29の自由端には、弁部材30が、係 止部材28側に向かって突出した半球状部30Aを介して当接支持されている。
【0015】 これより、図1から明かなように、第2コイルバネ29が伸張した状態におい ては第2コイルバネ29が、そのバネ圧を介して弁部材30を左方に押圧して係 止部材28の連通口28Bの左端から離間させ、第2弁構造体26の筒状体T2 の連通口Bを開放するものである。また、第2コイルバネ29が圧縮された状態 においては、後述するように、第2コイルバネ29の圧縮に従って弁部材30の 半球状部30Aが係止部材28の連通口28Bの左端を閉塞するものである。こ のように、弁部材30は、第2コイルバネ29の伸縮に伴って第2弁構造体26 の連通口Bの開閉を行なう作用を有する。
【0016】 ここに、前記ウォッシャ液制御弁1において、チューブ管9の下端開口が流入 ポートP1、チューブ管11の上端開口が流出ポートP2となり、ウォッシャ液 は流入ポートP1から流出ポートP2に向かって圧送されるものである。また、 前記チューブ管9、三方分岐管6の管部4、及び、チューブ管11により、実用 新案登録請求範囲における第1筒状部材が構成され、また、これらの各構成部材 中の連通口、第1弁部材18の筒状体T1の連通口Aにより第1連通口が構成さ れる。更に、三方分岐管6の管部5、チューブ管14、及び、第2弁構造体26 により、実用新案登録請求範囲における第2筒状部材が構成され、また、これら の各構成部材中の連通口、第2弁部材26の筒状体T2の連通口B、係止部材2 8の連通口28Bにより第2連通口が構成される。
【0017】 尚、後述するように、ボール24による第1弁構造体18における連通口Aの 開閉動作と弁部材30による第2弁構造体26における連通口Bの開閉動作とは 、それぞれ相反的に行なわれる。 続いて、前記のように構成されたウォッシャ液制御弁1の動作について図2を 参照して説明する。図2はウォッシャ液制御弁1の動作状態を示す側断面図であ り、チューブ管9の流入ポートP1からウォッシャ液が圧送されると、ウォッシ ャ液は三方分岐管6における管部4の流入口2から流出口3、チューブ管11を 経て第1弁構造体18に向かって送出されるとともに、三方分岐管6の管部5か らチューブ14を経て第2弁構造体26に向かって送出される。かかるウォッシ ャ液の圧送に伴い生じる流体圧は、第1弁構造体18内における係止部材21の 上端に係止されているボールに作用し、同時に、第2弁構造体26内における弁 部材30に作用する。
【0018】 これにより、第1弁構造体18におけるボール24は、流体圧により第1コイ ルバネ23のバネ圧に抗して図2中上方に移動され、これに伴って第1コイルバ ネ23は圧縮される。この結果、第1弁構造体18における筒状体T1の連通口 Aは、図2に示すように開放されることとなり、ウォッシャ液は連通口Aから流 出ポートP2を経て外方に送出される。また、第2弁構造体26における弁部材 30は、流体圧により第2コイルバネ29のバネ圧に抗して図2中右方に移動さ れ、これに伴って第2コイルバネ29は圧縮される。これにより、弁部材30の 半球状部30Aは、図2に示すように係止部材28の連通口28Bの左端開口を 閉塞することとなり、ウォッシャ液は係止部材28の連通口28Bから外方へ送 出されることはない。
【0019】 前記のように、ウォッシャ液の圧送時においては、第1弁構造体18の筒状体 T1の連通口Aがボール24を介して開放される一方、第2弁構造体26の連通 口Bは弁部材30により閉塞されるので、流入ポートP1からウォッシャ液制御 弁1内に流入したウォッシャ液は、第1弁構造体18における筒状体T1の連通 口Aから流出ポートP2へ送出されるものである。
【0020】 これに対して、ウォッシャ液の圧送を停止したときには、ウォッシャ液制御弁 1内における流体圧は消失することから、ボール24は第1コイルバネ23のバ ネ圧により下方に移動され、係止部材21の上端に密着係止される。これにより 、連通口Aはボール24を介して閉塞される。また、同様に、弁部材30は第2 コイルバネ29のバネ圧により左方へ移動され、係止部材28の左端開口から離 間される。これにより、連通口Bは弁部材30により開放される。この結果、各 ボール24及び弁部材30は、図1に示す状態に復帰する。
【0021】 かかる状態において、前記第1コイルバネ23及び第2コイルバネ29の各バ ネ圧よりも小さい流体圧をもってウォッシャ液が間欠的に流入ポートP1から流 入された場合、連通口Aがボール24にて閉塞されており連通口Bが開放されて いることから、流入ポートP1からウォッシャ液制御弁1内に流入したウォッシ ャ液は、三方分岐管6の管部5、チューブ管14、筒状体T2から係止部材28 の連通口28Bを経て外方に排出される。
【0022】 次に、前記のような構成を有するウォッシャ液制御弁1を自動車のホットウォ ッシャ装置に使用した例について図3を参照しつつ説明する。図3は自動車のホ ットウォッシャ装置を模式的に示す構成概念図である。 図3において、自動車のエンジンルームには、ウィンドウの洗浄を行うための ウォッシャ液40が貯蔵されたウォッシャタンク41が設けられており、かかる ウォッシャタンク41からは、間にウォッシャポンプ42、加熱器43を介挿し てなる管路44がウォッシャ液制御弁1の流入ポートP1に接続されている。ま た、ウォッシャ液制御弁1の流出ポートP2には管路44Aが接続され、管路4 4Aの先端には一対のウォッシャノズル45(自動車のフロントウィンドウの下 方に配置されている)が取り付けられている。更に、フロントウィンドウには、 各ウォッシャノズル45に対応してワイパー46が配設されている。
【0023】 尚、加熱器43は、エンジンの排気管から熱を受けて管路44中のウォッシャ 液40を加熱するものであり、かかる加熱器43については、例えば実開平1− 85162号公報等に開示されており公知であるため、その説明は省略する。 また、ウォッシャ液制御弁1における第2弁構造体26の連通口Bから係止部 材28の連通口28Bに対応するとともにウォッシャタンク63に帰還する帰還 路47が配設されており、かかる帰還路47は第2弁構造体26の連通口Bから 排出されたウォッシャ液40をウォッシャタンク41内に回収、帰還させるため のものである。
【0024】 続いて、前記のように構成されたウォッシャ装置の動作について説明する。先 ず、自動車のエンジンを始動すると、エンジンにおける燃料の燃焼熱が排気とと もに排気管に伝えられ排気管が高温化される。これにより、加熱器43も高温化 され、加熱器43内にある管路44中のウォッシャ液が加熱される。 そして、運転者が必要に応じてウォッシャ液噴射指令を出すと、ウォッシャポ ンプ42が作動してウォッシャタンク41からウォッシャ液40が、ウォッシャ ノズル45に向かって圧送される。かかるウォッシャ液40の圧送時、ウォッシ ャ液制御弁1に内設された第1弁構造体18におけるボール24は第1コイルバ ネ23のバネ圧に抗して図2に示すように上方に移動され、筒状体T1の連通口 Aは前記のように開放される。これと同時に、第2弁構造体26における弁部材 30は第2コイルバネ29のバネ圧に抗して図2に示すように右方へ移動される とともに、弁部材の半球状部30Aが係止部材28の左端開口に密着係止され、 この結果、筒状体T2の連通口Bは弁部材30により閉塞される。
【0025】 これにより、管路44から流入ポートP1を介してウォッシャ液制御弁1内に 流入されたウォッシャ液40は、第1弁構造体18の連通口A、流出ポートP2 を経て管路44Aから各ウォッシャノズル45に圧送され、各ウォッシャノズル 45からフロントウィンドウに噴出される。噴射されたウォッシャ液40は、ワ イパー46と協働してウィンドウを洗浄する。このとき、噴射されるウォッシャ 液40は、加熱器43で加熱を受け高温となっているので洗浄効率がよい。
【0026】 ウォッシャポンプ42の作動が終了すると、ウォッシャ液40の噴出も終了す る。このとき、ウォッシャ液制御弁1内において、ボール24は第1コイルバネ 23のバネ圧により下方に移動され、図1に示すように係止部材21の上端に密 着係止されて筒状体T1の連通口Aを閉塞し、また、弁部材30は第2コイルバ ネ29のバネ圧により左方に移動され、図1に示すように係止部材28の左端開 口から離間されて筒状体T2の連通口Bを開放する。
【0027】 このような状態下で長時間ウォッシャ液噴射指令が出されない場合においても 、自動車のエンジンが駆動されている限り加熱器43は管路44内に存在するウ ォッシャ液40の加熱を継続する。従って、かかる加熱器43による加熱を介し て管路44内のウォッシャ液40が熱膨張し、管路44内における内圧が上昇す る。このように、管路44内の内圧が上昇すると、ウォッシャ液噴射指令が出さ れていないにも拘らず、管路44中のウォッシャ液40が流入ポートP1からウ ォッシャ液制御弁1内に流入する。
【0028】 前記のようにウォッシャ液制御弁1内に流入したウォッシャ液40が第1弁構 造体18のボール24や第2弁構造体26の弁部材30に作用する流体圧は、第 1コイルバネ23や第2コイルバネ29のバネ圧よりも小さいので、ボール24 や弁部材30を移動させることはなく、よって各ボール24及び弁部材30は図 1に示す状態に保持され、従って、第1弁構造体18の筒状体T1の連通口Aは 閉塞された状態に保持され、一方、第2弁構造体26の筒状体T2の連通口Bは 開放された状態に保持される。
【0029】 これにより、前記のようにウォッシャ液制御弁1内に流入したウォッシャ液4 0は、開放している第2弁構造体26の筒状体T2の連通口B、係止部材28の 連通口28Bから帰還路47を経てウォッシャタンク41に確実に回収、帰還さ れるものである。 従って、前記のように長時間ウォッシャ液噴射指令が出されない場合において も、加熱器43により加熱された管路44中のウォッシャ液40がウォッシャノ ズル45からフロントウィンドウに不用意に噴射されることはない。この結果、 ウォッシャ液40が運転者の意図とは無関係に噴射されてフロントウィンドウの 視界を遮ることはなく、自動車の運転にとって危険な状態となることは全くない ものである。
【0030】 次に、前記した自動車のホットウォッシャ装置に適用可能なウォッシャ液制御 弁の第2実施例について図4及び図5に基づき説明する。図4は第2実施例に係 るウォッシャ液制御弁の非作動状態を示す側断面図、図5はウォッシャ液制御弁 の作動状態を示す側断面図である。ここに、第2実施例に係るウォッシャ液制御 弁は、前記第1実施例に係るウォッシャ液制御弁1と基本的に同一の構成を有し ており、第1実施例のウォッシャ液制御弁1と異なる点は、第1実施例において ウォッシャ液制御弁1を構成する各主要構成部材を一体構造とした点にある。従 って、以下においては、相違点に主眼をおいて説明することとする。
【0031】 図4において、ウォッシャ液制御弁50は、一端に流入口51、他端に流出口 52を有し、流入口51と流出口52とを連通口Cで連通した管部53と、管部 53のほぼ中央から直角に分岐され、連通口Dを有する管部54とを一体に形成 してなる三方分岐管55により基本的に構成される。管部53の流入口51側の 内部には筒状の係止部材56が内設されており、かかる係止部材56には管部5 4の連通口Dに対応する位置に開口57が形成されている。
【0032】 また、管部53において係止部材56が内設された側と反対の側(図4中、右 側)には、筒状の係止部材58が内設されており、係止部材56の右端開口と係 止部材58の左端開口との間には、第3コイルバネ59が伸縮自在に配設されて おり、かかる第3コイルバネ59の一端(図4中、右端)は係止部材58の左端 に当接係止されるとともに、第3コイルバネ59の他端(図4中、左端)は自由 端とされている。そして、第3コイルバネ59の自由端と係止部材56の右端と の間には、弁部材としてのボール60が第3コイルバネ59の自由端に支持され つつ介在されている。このボール60は、図4に示すように、非作動時において 第3バネ59のバネ圧を介して係止部材56の右端開口を閉塞している。これに より、ボール60は、第3コイルバネ59の伸縮に伴って管部53の連通口C内 で左右方向に移動されるものである。
【0033】 更に、管部54の一端部(図4中、管部54の下端部)には、バネ係止部61 Aを有し、管部54の連通口Dに連続する連通口61Bが形成された筒状の係止 部材61が嵌合されている。そして、連通口D内には、一端(図4中、下端)が 係止部材61のバネ係止部61Aに当接係止され、他端(図4中、上端)が自由 端とされた第4コイルバネ62が伸縮自在に配設されている。この第4コイルバ ネ62の自由端には、半球状部63Aが形成された弁部材63が支持されている 。この弁部材63の半球状部63Aは、図4に示すように、非作動時において係 止部材61の上端開口から離間されて連通口Dを開放している。これにより、弁 部材63は、第4コイルバネ62の伸縮に伴って管部54の連通口D内で上下方 向に移動されるものである。
【0034】 ここに、前記のように構成された第2実施例に係るウォッシャ液制御弁50に おいて、管部53の流入口51が流入ポートP1、管部53の流出口52が流出 ポートP2となり、ウォッシャ液は流入ポートP1から流出ポートP2に向かっ て圧送されるものである。
【0035】 次に、前記第2実施例に係るウォッシャ液制御弁50の動作について図5を参 照して説明する。図5において、流入ポートP1からウォッシャ液が圧送される と、ウォッシャ液は管部53の連通口Cからボール60に向かって送出されると ともに、係止部材56の開口57、管部54の連通口Dから弁部材63に向かっ て送出される。かかるウォッシャ液の圧送に伴い生じる流体圧は、ボール60に 作用し、また、同時に弁部材63にも作用する。
【0036】 これにより、ボール60は流体圧により第3コイルバネ59のバネ圧に抗して 図4中右方に移動され、この結果、第3コイルバネ59は図5に示すように圧縮 される。従って、連通口Cは図5に示すように開放される。また、弁部材63は 、流体圧により第4コイルバネ62のバネ圧に抗して図4中下方に移動され、こ れに伴って第4コイルバネ62は図5に示すように圧縮される。この結果、弁部 材63の半球状部63Aは、図5に示すように係止部材61における連通口61 Bの上端開口に密着係止され、管部54の連通口Dは閉塞されることとなる。 従って、ウォッシャ液は係止部材61の連通口61Bから外方へ送出されるこ とはなく、連通口Cから流出ポートP2に送出される。
【0037】 これに対して、ウォッシャ液の圧送を停止したときには、ウォッシャ液制御弁 50内における流体圧は消失することから、ボール60は第3コイルバネ59の バネ圧により左方へ移動され、係止部材56の右端開口に密着係止される。これ により、連通口Cはボール60を介して閉塞される。また、同様に、弁部材63 は第4コイルバネ62のバネ圧により上方に移動され、係止部材61の上端開口 から離間される。これにより、連通口Dは弁部材63により開放される。この結 果、各ボール60及び弁部材63は、図4に示す元の状態に復帰する。
【0038】 かかる状態において、前記第3コイルバネ59及び第4コイルバネ62の各バ ネ圧よりも小さい流体圧をもってウォッシャ液が間欠的に流入ポートP1から流 入された場合、連通口Cがボール60にて閉塞されており連通口Dが開放されて いることから、流入ポートP1からウォッシャ液制御弁50内に流入したウォッ シャ液は、連通口C、開口57、連通口Dから係止部材61の連通口61Bを経 て外方に排出されるものである。
【0039】 前記のように構成される第2実施例に係るウォッシャ液制御弁50は、前記第 1実施例に係るウォッシャ液制御弁1と同様、図3に示す自動車におけるホット ウォッシャ装置に配設され、ウォッシャ液制御弁50の流入ポートP1が図3に おける管路44の一端に接続され、流出ポートP2が管路44Aの一端に接続さ れて使用されるものである。
【0040】 以上詳細に説明した通り前記各第1及び第2実施例では、ウォッシャ液タンク 41からウォッシャポンプ42を介してウォッシャ液40が圧送される管路44 の一端にウォッシャ液制御弁1、50の流入ポートP1を接続するとともに、ウ ォッシャノズル45に至る管路44Aの一端に流出ポートP2を接続することに よりウォッシャ装置内にウォッシャ液制御弁1、50を配設し、ウィンドウの非 洗浄時に管路44に配設された加熱器43を介して管路44内のウォッシャ液4 0が加熱されてその内圧が必要以上に高くなった場合においてもウォッシャ液4 0がウォッシャ液制御弁1、50から帰還路47を経てウォッシャ液タンク41 内に帰還、回収されるように構成したので、ウォッシャ液40がウォッシャノズ ル45から不用意に噴出されることを確実に防止することができる。 これにより、自動車等の運転中にウォッシャ液40によりウィンドウの視界が 運転者の意図に反して遮られることなく安全を確保できるものである。
【0041】 尚、本考案は前記各実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱し ない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。また、本考案に 係るウォッシャ液制御弁は自動車のウォッシャ装置以外の他のもの、例えば、飛 行機等のウォッシャ装置として使用できることは明かである。
【0042】
【考案の効果】
以上説明した通り本考案は、ウィンドウの非洗浄時に、ホットウォッシャ装置 におけるウォッシャ液タンクとウォッシャノズルとを連結する管路内でウォッシ ャ液の内圧が、必要以上に高くなった場合においてもウォッシャ液がウォッシャ ノズルから不用意に噴出されることを確実に防止可能とし、もって自動車等の運 転中にウォッシャ液によりウィンドウの視界が遮られることなく安全を確保でき るウォッシャ装置におけるウォッシャ液制御弁を提供することができ、その産業 上奏する効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るウォッシャ液制御弁の非作動
状態を示す側断面図である。
【図2】第1実施例に係るウォッシャ液制御弁の作動状
態を示す側断面図である。
【図3】自動車のホットウォッシャ装置を模式的に示す
構成概念図である。
【図4】第2実施例に係るウォッシャ液制御弁の非作動
状態を示す側断面図である。
【図5】第2実施例に係るウォッシャ液制御弁の作動状
態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1、50・・・ウォッシャ液制御弁、4、5、53、5
4・・・管部、6、55・・・三方分岐管、9、11、
14・・・チューブ管、18・・・第1弁構造体、2
1、22、28、56、58、61・・・係止部材、2
3・・・第1コイルバネ、24、60・・・ボール、2
6・・・第2弁構造体、29・・・第2コイルバネ、3
0、63・・・弁部材、40・・・ウォッシャ液、41
・・・ウォッシャ液タンク、42・・・ウォッシャポン
プ、43・・・加熱器、44、44A・・・管路、45
・・・ウォッシャノズル、59・・・第3コイルバネ、
62・・・第4コイルバネ、A、B、C、D・・・連通
口、P1・・・流入ポート、P2・・・流出ポート、T
1、T2・・・筒状体

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォッシャ液を充填したウォッシャ液タ
    ンクと、一端がウォッシャタンクに連通され他端がウォ
    ッシャノズルに連通された管路と、管路の途中に配設さ
    れた加熱器と、ウォッシャタンクからウォッシャ液をウ
    ォッシャノズルへ圧送するウォッシャポンプとを有する
    ウォッシャ装置において、 前記管路の途中で加熱器の下流側に配設されたウォッシ
    ャ液制御弁を備え、 前記ウォッシャ液制御弁は、 一端に流入口、他端に流出口が形成されるとともに両流
    入口及び流出口とを連通する第1連通口を有する第1筒
    状部材と、 前記第1連通口内で伸縮可能に配設された第1バネ部材
    と、 前記第1バネ部材の一端に支持されるとともに、第1バ
    ネ部材の伸縮に伴って第1連通口の開閉を行なう第1弁
    部材と、 前記第1筒状部材から分岐され、内部に第2連通口を有
    する第2筒状部材と、 前記第2連通口内で伸縮可能に配設された第2バネ部材
    と、 前記第2バネ部材の一端に支持されるとともに、第2バ
    ネ部材の伸縮に伴って第2連通口の開閉を行なう第2弁
    部材とからなり、 前記流入口から前記流出口へウォッシャ液を圧送した時
    に前記第1弁部材は前記第1連通口を開放するととも
    に、前記第2弁部材は前記第2連通口を閉塞し、ウォッ
    シャ液の圧送を停止した時に第1弁部材は第1連通口を
    閉塞するとともに、第2弁部材は第2連通口を開放する
    ことを特徴とするウォッシャ装置におけるウォッシャ液
    制御弁。
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