JPH0663268B2 - 土工機械用工具に使用する摩耗部品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、掘削機、積載機、機械的ショベル等の如き土
工機械用工具に使用する交換可能な摩耗部品、いわゆる
キャップ歯体に関する。

本発明の目的は歯体が摩耗したときにアダプタから弛ん
で落下し去るのを防止することである。歯の落下はしば
しば一大問題となる。特に前述の土工機械が破砕機に破
砕材料を直接に積み込んでいるとき、アダプタから脱落
した歯が破砕材料と共に破砕機に入るとこの歯は破砕機
に重大な問題を生ぜしめる。他の問題は土工機械の操作
者に歯の弛みが直接観察されずに交換されることなく工
具が稼動されつづけられるとアダプタを急速に崩壊させ
てしまうことになるということである。

本発明は前述の通り、キャップ型の歯に関する。この種
の歯において、取り換え可能な歯尖は雌部分になされて
いて、その凹所は工具の作業方向に見て後方へ拡がって
いる。この歯尖は工具の作業方向に見て前方へ突出した
雄部分に掛けられて錠止素子により固定される。あるい
は前記歯尖は作業方向に見てアダプタの前方部を構成す
るピン（このピンはそれ自身が錠止部材により工具へ固
定されるか、あるいは工具の先端縁と一体的な部分を構
成している）の上に掛けられて錠止素子により固定され
る。

キャップ型の歯は材料消費の上で非常に経済的である。
なぜならば、この歯は非常にわずかの材料しか残らない
程摩耗するまで使用される。しかし、この歯はその雌部
分の底が完全に摩耗しつくされる前に交換されるべきで
ある。なぜなら、摩耗しつくされると雄部分に対する把
握を失って脱落してしまうからである。本発明の目的は
完全に摩耗しつくされて底がなくなった歯でさえアダプ
タから脱落するのを阻止するようにすることである。

本発明によれば、歯尖が脱落することなく歯尖の雌部分
の底部が完全にすり減るまで使用することが出来るばか
りでなく、底部が完全にすり減ると歯尖がアダプタ上で
遊びを開始して何かが発生したということについての有
利な警告（操作者が作業しているときに見のがさないよ
うな警告）を操作者に与えることが出来るのである。さ
もないと、１日に幾度となく歯の摩耗を検査することに
なり、すべての操作者はそのような時間を取り得ないの
である。

本発明によれば、アダプタの雄部分にはＴ字型断面が与
えられ、両側に突出したたこを有している。この雄部分
の底が一つの実線の支持面となり、前記たこのそれぞれ
の下側面が追加の支持面となる。

歯尖の雌部分の底はアダプタの雄部分の底に対応するよ
うになされている。歯尖の底が完全にすり減ると、雄部
分の底に対接する歯尖の支持面は全くなくなる。そうす
ると同じ方向に向いている追加の支持面が歯をアダプタ
に保持する状態に維持する。

工作される地面に最も近い部分の雄部分と雌部分の相互
に作用する支持面はそれらの間に出来るだけ遊びのない
ように製作されるが、他方、操作者の注意を引きつける
ために、相互に作用する追加の支持面の間には十分に大
きい量の遊びが意図的に作られ、歯尖の底が完全にすり
減らされたとき、アダプタから脱落することなく、アダ
プタ上で歯尖が十分にガタガタ鳴るようになされている
のである。

本発明は特許請求の範囲に明確に規定されているが、以
下図面を参照して詳細に説明する。

第１図は本発明による歯の一部縦断面図である。第２図
はその上半分は第１図の上面図であり、その下半分は第
１図のII−II線に沿った断面図である。第３図は第１図
のIII−III線に沿った断面図である。

アダプタ１はバケットの前方底縁２に溶接されている。
このアダプタ１はバケットの作業方向に見て前方に突出
した雄部分３を有している。この雄部分３の頂部には錠
止溝４があり、これに錠止素子５が配置される。錠止素
子５は歯尖６をアダプタ１に固定した状態に維持するた
めにある。錠止素子５は公知の種々の態様に作ることが
できる。図を出来るだけ簡潔かつ明白にするため、この
図においては錠止素子は非常に簡単に示されている。

アダプタ１の雄部分３はバケットの作業方向に見て前方
に向って狭くなっている。そしてこの雄部分３は、前記
バケットが作業しているとき、工作されている地面に面
する下方底面８を有する。更に雄部分３は上方面７と両
側面9,10とを有する。前述の錠止溝４は上方面７に設け
られている。また雄部分３の前記両側面9,10にはたこ1
1,12が設けられていて雄部分３の横断面は第３図に示す
通りＴ字型になっている。

歯尖６はキャップの形状になされていて雄部分３にかぶ
せられる。つまり、歯尖６は雌部分13を有し、これは作
業方向に見て後方に広がった凹所となっている。この雌
部分13は下方の主支持面14を有し、この主支持面は雄部
分３の底面８と接触するようになっている。更に、雌部
分13は上方の主支持面15を有し、これは雄部分３の上方
面７と接触する。

雌部分13は雄部分のＴ字型に対応した横断面を有する。
この雌部分13の凹所の主底面は雄部分３の底面８と接す
る主支持面14になされている。更に、この雌部分13の凹
所には両側に溝15,16が設けられていて、雄部分３の前
記たこ11,12を収容するようになっている。かかる溝15,
16には追加の支持面17,18が設けらていて、雄部分３の
たこ11,12の下面19,20と向き合うようになっている。

雄部分３はたこ11,12より下に側面21,22を有しており、
この側面21,22は雌部分13の前記凹所の側面23,24と接触
して歯尖６が横方向にずれないようにしている。

更に、歯尖６は作業方向に見て後方に張り出し25,26を
有する。これら張り出し25,26を受け入れる溝27,28がア
ダプタ１に設けられている。

底面８と主支持面14との間の接触、および上面７と主支
持面15との間の接触、更に側面21,22と側面23,24との間
の接触は遊びのないものである。

これに対し、追加の支持面17,18と下面19,20との間には
或る最低量の遊びが設けられている。これは、歯尖６が
すり減ったときにアダプタから脱落することなくアダプ
タの上で歯尖６がガタつくようになしている。この追加
の支持面17,18は歯尖６とアダプタとにおける応力集中
が避けられるように歯の中央面近くにおいて設けられて
いて小さな曲げ応力しか受けない。製造技術のために必
要となった前記の追加の支持面の傾きは、その傾斜が過
剰でない限り許容されることは明白である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるキャップ歯体の一部縦断面図であ
る。 第２図はその上半分が第１図の上面図であり、その下半
分が第１図のII−II線に沿った断面図である。 第３図は第１図のIII−III線に沿った横断面図である。 図において、１はアダプタ、２は工具の前縁、３は雄部
分、５は錠止素子、６は歯尖、13は雌部分、7,15は上方
の主支持面、8,14は下方の主支持面、11,12はたこ、18,
20および17,19は追加の支持面である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】掘削機、積載機、または機械的ショベルの
   如き土工機械用工具に使用する摩耗部品であって、前方
   歯尖またはキャップ（６）を含み、工具の前縁（２）に
   取り付けられているかあるいは一体的部分として構成さ
   れているアダプタ（１）に含まれ作業方向の前方へ突出
   している雄部分（３）へかぶさってこれを把持して錠止
   素子（５）により装着されるようになされた作業方向の
   後方へ面した雌部分（13）を有していて装着状態では工
   具の前縁（２）より作業方向の前方へ突出するように前
   記歯尖（６）は形成されており、アダプタの前記雄部分
   （３）と歯尖の前記雌部分（13）には歯尖（６）がアダ
   プタ（１）に装着されたとき互いに強く接触せしめられ
   る互いに向き合った支持面が形成されている掘削機、積
   載機、または機械的ショベルの如き土工機械用工具に使
   用する摩耗部品において、 アダプタの前記雄部分（３）にはその側方に突出したた
   こ（11,12）を有したＴ字型横断面が与えられていて二
   つの異なる面において支持面（19,20）を有し、雄部分
   （３）の底（８）が前記支持面の一つを構成し、他方、
   各たこ（11,12）の下側面が前記支持面の他方を構成し
   ていることを特徴とする掘削機、積載機、または機械的
   ショベルの如き土工機械用工具に使用する摩耗部品。