JPH0661861B2 - 可撓性スチレン系樹脂発泡板及びその製造方法 - Google Patents

可撓性スチレン系樹脂発泡板及びその製造方法

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JPH0661861B2
JPH0661861B2 JP62161647A JP16164787A JPH0661861B2 JP H0661861 B2 JPH0661861 B2 JP H0661861B2 JP 62161647 A JP62161647 A JP 62161647A JP 16164787 A JP16164787 A JP 16164787A JP H0661861 B2 JPH0661861 B2 JP H0661861B2
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基滋 林
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、可撓性スチレン系樹脂発泡板及びその製造
方法に関するものである。
(従来の技術) スチレン系樹脂は硬質の樹脂であつて、これを発泡させ
て得られる発泡板は気泡が独立している。従つて、スチ
レン系樹脂発泡板は柔軟性に乏しく、これを曲げると折
れやすいという欠点を持つている。ところが、スチレン
系樹脂発泡板を実際に使用する際には、これを曲げて嵌
め込むことが必要なことが多くある。そこで、或る程度
曲げても折れないようにするために、スチレン系樹脂発
泡板に可撓性を与える必要が生じた。
スチレン系樹脂発泡板に可撓性を与えるには、既に色々
な方法が知られている。例えば、特公昭42−2695
0号公報は、発泡板の長さを機械的に縮めるような力を
発泡板に与え、いわば発泡板を予じめ揉みほぐしておく
べきことを教えている。また、特開昭58−21532
9号公報は、発泡板の長手方向の中心線が円弧を形成す
るように発泡板を一つの側に曲げ、次いで反対側に曲げ
るべきことを教えている。そのほか、発泡板を1組のロ
ール中で押圧して、可撓性を与えることも知られてい
る。これらの方法は、すべて室温で行うべきこととされ
ている。これらの方法によれば、確かに可撓性を持つた
発泡板が得られる。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、これらの方法によつたものは、可撓性の点で
は向上しているものの、他の物性面では低下している。
それは、室温においてスチレン系樹脂発泡板に機械的な
力を加えて変形させたのでは、発泡板中の気泡壁が破壊
されてしまうからである。現に、この発明者が上述の方
法によつて可撓性のスチレン系樹脂発泡板を得て、発泡
板を調べた結果では、気泡壁が破壊されており、相当の
通気性を持つものとなつていた。これでは耐水性、断熱
性も低下してしまうことになる。そこで、気泡を破壊し
ないで、スチレン系樹脂発泡板に可撓性を与える必要を
生じた。
この発明は、スチレン系樹脂発泡板の気泡壁を破壊する
ことなく、従つて防水性や断熱性を損なわないで、発泡
板に可撓性を与えることを目的とするものである。しか
も、極めて容易な処理により能率よく発泡板に可撓性を
与えることを目的としている。
(問題を解決するための手段) スチレン系樹脂発泡板は、その殆んどが押出発泡によつ
て作られている。そこで、この発明者は、押出発泡によ
つて作られたスチレン系樹脂発泡板の構造を詳しく観察
した。その結果、この発明者は、押出発泡によつて作ら
れたスチレン系樹脂発泡板の表面には、第2図に示すよ
うに、ほぼ平坦な表皮1が形成されており、しかも表皮
1を構成している気泡4は何れも表皮方向に引き延ばさ
れており、表皮付近に位置する気泡が大部分表皮方向に
配向していることを認めた。その結果、この発明者は、
発泡板が可撓性に乏しいのは、表皮が平面状に延びてい
て、湾曲した曲がりがなく、従つて表皮に延びるだけの
ゆとりがないためである、と考えた。
そこで、この発明者は、発泡板の表皮を構成している気
泡を板の厚み方向に膨張させて、表皮を構成している気
泡壁を外がわに向けて中高に隆起させれば、発泡板の可
撓性を増すことになるのではないかと考えた。
このような考えに基づいて、発泡板の表皮を構成してい
る気泡壁を、外がわに向けて中高に隆起させる方法を考
えた。その結果、発泡板の表面を短時間表面から加熱さ
れた金属製ロールで押出して発泡板の表面だけを樹脂の
軟化温度より僅かに高くして、表面の気泡を膨張させ、
その後発泡板表面を急激に低温まで低下させないで、気
泡内の気体を膨張させたまま気泡壁を硬化させるように
した。すると、表面気泡が中高に隆起することとなり、
気泡壁が破壊されないで可撓性を持つた発泡板の得られ
ることを確認した。そして以外にも加熱されたが熱変形
温度に達していない内部の気泡には皺が生じて可撓性が
増加していることを確認した。この発明は、このような
確認に基づいて完成されたものである。
この出願に係る発明の1つは、可撓性を持つたスチレン
系樹脂発泡板という物に関する発明である。物の発明
は、独立気泡からなるスチレン系樹脂発泡板において、
少なくとも一つの表面に沿つて並ぶ気泡の大部分が閉じ
られていて、表面に連続した表皮を構成している気泡が
表皮方向にもまたそれに垂直な方向にも丸味を持つて膨
張せしめられていて、気泡の上記垂直方向の長さが表皮
方向の長さの4分の1以上を占めており、表皮を構成す
る気泡壁が気泡ごとに中高に隆起し、隆起高が上記垂直
方向の長さの6分の1以上に達しており、更に内部は皺
のある気泡の層となされておることを特徴とする、可撓
性スチレン系樹脂発泡板である。
また、この出願は、上記物の発明に関連して、上記の物
を製造する方法の発明をも含んでいる。その製造方法の
発明は、独立気泡からなるスチレン系樹脂発泡板が、樹
脂の熱変形温度以下になつた状態において、発泡板の少
なくとも一つの表面上に、熱変形温度より5℃ないし1
50℃高い温度に加熱された金属製ロールを押圧させ、
ロール表面からの熱伝導により発泡板表面を加熱して軟
化させるとともに、ロールの回転によつて発泡板を進行
させ、表面気泡を膨張させると共に内部の気泡に皺を生
じさせ、次いで発泡板を樹脂の熱変形温度以下の温度に
曝らして、樹脂を硬化させることを特徴とする、可撓性
スチレン系樹脂発泡板の製造方法に関するものである。
(物の発明の実施例) 上記二つの発明のうち、まず物の発明について図面に基
づき説明する。第1図は、この発明に係る樹脂発泡板の
一部切欠拡大斜視図である。第2図は、従来の樹脂発泡
板の一部切欠拡大斜視図である。
スチレン系樹脂発泡板は、一般に厚さ10−150mm、
平均密度20−50kg/m3の大きさのもので、全体が均
一微細に発泡したものが要求される。このような発泡板
は、プロパン、ブタンのような脂肪族炭化水素類や、塩
化メチル、ジクロロジフルオロメタンのようなハロゲン
化脂肪族炭化水素類をスチレン系樹脂に圧入し、これを
加熱軟化させた状態で低圧領域に移し、炭化水素類を樹
脂内で気化させ、炭化水素類により樹脂中に気泡を生じ
させて発泡板とされる。従つて、その各気泡は独立した
状態のものとなる。実際には発泡板は、押出発泡によつ
て作られることが多かつた。
従来のスチレン系樹脂発泡板、例えば押出発泡されたま
まのスチレン系樹脂発泡板は、その表皮に近い部分を切
断し拡大して示すと、第2図に示すような構造のもので
あつた。第2図において、1は発泡板の表皮であり、矢
印aは押出方向を示し、断面2は押出方向aに平行で表
皮1に垂直な断面であり、断面3は、押出方向aと表皮
1とに垂直な断面である。
第2図では、表皮1が連続したほぼ平坦な面となつて延
びている。もつとも、表皮1には、ところどころに小さ
な開口pの存在することもあるが、全体としては表皮1
は連続した平面を形成し、従つて表面に沿つて並ぶ気抱
の大部分は閉じられている。また、その気泡は、内部に
あるものも独立した構造のもので、全体にわたりほぼ均
一な大きさを持ち、均等に分散している。
第2図では、気泡が、表皮1に近いところに位置する
か、それとも発泡板の内部に位置するかによつて、気泡
の形状が大きく異なる。すなわち、断面2上の表皮に接
している気泡4は、表皮1の延びる方向に大きく引き延
ばされていて、扁平な形状を呈している。ところが、断
面2上で内部に位置する気泡5は、多少角張つてはいる
ものの、全体としてほぼ球に近い形状を呈している。断
面3上でも同様であつて、表皮1に近い気泡6は、表皮
1の延びる方向に引き延ばされていて扁平にされている
が、内部に位置する気泡7は全体として球に近い形状を
呈している。
気泡4の扁平な程度は、断面2上で表皮1に垂直な方向
bに沿つた長さxが、表皮1に平行な方向の長さyの4
分の1以下、通常5分の1以下となつている。また、気
泡4を構成している表皮1は、殆んど平面状で中高には
なつていない。強いて中高の程度をいえば、その隆起高
は、気泡の大きさの10分の1以下である。すなわち、
その隆起高は、断面2に現われた表皮上で、その気泡が
隣接気泡と接触する点を結ぶ直線へ、表皮の最高突出点
から垂線を下ろした場合の垂線の足の長さをもつて表わ
されるが、この足の長さはxの長さの10分の1以下で
ある。
これに対し、板の内部に位置する気泡は、前述のように
ほぼ球形である。すなわち、断面2上で1つの気泡の方
向bに沿つた長さが、方向aに沿つた長さにほぼ等し
く、大きく変化したとしても一方が他方の半分以上を占
めている。
これに対し、この発明に係るスチレン系樹脂発泡板は、
第1図に示すような構造になつている。第1図に示した
発泡板は、実質的に均一な独立気泡を持ち、表面に沿つ
て並ぶ気泡の大部分が閉じられていて、表面に連続した
表皮を形成している点では、第2図に示したスチレン系
樹脂発泡板と同じである。
第1図の発泡板が第2図の発泡板と異なるのは、表皮に
近い部分と内部の気泡の構造である。すなわち、表皮を
構造している気泡が表皮方向に垂直な方向に丸味を持つ
て膨張せしめられている点と内部の気泡に皺のある点
で、第1図のものは第2図のものと異なつている。さら
に、第1図を参照し、表皮11に垂直で押出方向に平行
な断面12について気泡形状の差異を具体的に説明すれ
ば、表皮11を構成している気泡14が、矢印b方向に
も丸味を持つて膨張せしめられていて、気泡14のb方
向の長さが、a方向の長さの4分の1以上を占めてお
り、気泡14の気泡壁が中高に隆起し、隆起高が矢印b
方向の気泡の長さの6分の1以上を占めている、という
関係にある。ここで隆起高とは、第2図について述べた
と同じく、断面12に現われた表皮11上で、気泡14
が隣接気泡と接触する点を結ぶ直線へ、表皮の最高突出
点から垂線を下ろした場合の、垂線の足の長さzを持つ
て表わされるが、足の長さzは気泡14のb方向の長さ
xの6分の1以上となつている。
この発明に係る発泡板は、表皮11を構成している気泡
壁が丸味を持つて膨張せしめられているだけでなく、第
1図に示したようにこれに隣接してその内部にある気泡
も同様に、b方向に膨張せしめられている。従来の発泡
板は、第2図に示したように表皮1から内部へ向かつて
数層、通常2〜3層までのところに位置する気泡がすべ
てa方向に引き延ばされれており、従つて気泡のb方向
の大きさxがa方向の大きさyの4分の1以下にされて
いた。ところが、この発明に係る発泡板は、表皮11か
ら内部に向かつて数層のところに位置する気泡が第1図
のようにすべてb方向にも膨張せしめられていて、気泡
のb方向の長さがa方向の長さの4分の1以上を占めて
おり、更に内部は皺のある気泡15が層となつている。
また、皺のある気泡の層の厚みは全体の発泡板の厚みの
5〜80%にすることができる。
スチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体だけで
なく、スチレンと他の単量体との共重合体を含んでい
る。他の単量体とは、例えば、メチルメタクリレート、
アクリロニトリル等である。そのほか、スチレン系樹脂
は、スチレンの単独重合体又は共重合体に他の樹脂を混
合したブレンド物をも含んでいる。
(物の発明の効果) この発明に係る発泡板は、第1図に示すような構造にな
つているために、発泡板を折り曲げた場合に、発泡板を
容易に曲げることができ、また大きく曲げても発泡板の
折れることが少ない。このために、この発明に係る発泡
板は、施行に際し、これを曲げて嵌め込むことが容易で
ある。さらに、この発泡板は、気泡が破壊されていない
ので、耐水性及び断熱性が良好である。その上に、この
発泡板は、表面に小さな凹凸を生じているために表面の
滑り摩擦が大きく、従つて畳床などに使用した場合にず
れが少なく、また他物への接着強度が向上するので、積
層又は接着して用いる場合に有利である。
(方法の発明の実施例) この発明方法は、第3図に示したように実施される。ス
チレン系樹脂発泡板21を加熱された一対の金属ロール
22の間で押出し、発泡板21の表面をロール22によ
つて軟化させるとともに、ロール22の回転によつて発
泡板を矢印d方向に進行させ、表面気泡を膨張させ、直
ちに発泡板を熱変形温度以下に導き、ここで気体を膨張
させた状態のまま樹脂を硬化させて発泡板とし、これを
引取ロール23で引取つて発泡板とする方法である。
この発明方法では、実質的に均一な独立気泡を持つたス
チレン系樹脂発泡板が原料として使用される。この発泡
板は、第2図に示したような表皮構造を持つている。こ
の発泡板は、熱変形温度以下に冷却されたものであるこ
とを必要とする。従つて、押出発泡直後の発泡板であつ
ても、熱変形温度以下になつた発泡板であれば、この発
明方法を適用することができる。
この発明方法では、スチレン系樹脂発泡板に加熱された
金属製ロールを接触させる。このロールは、発泡板の進
行速度に対応してスチレン系樹脂の熱変形温度よりも5
℃ないし150℃だけ高い温度となつていることを必要
とする。この温度であることを必要とする理由は、樹脂
の熱変形温度より5℃以上高くないと、樹脂発泡板の表
面を軟化させることができないし、樹脂の熱変形温度よ
りも150℃以上も高くなると発泡板の進行速度を速く
しても溶融してしまい、気泡壁を破ることになるので、
その間の適当な温度にするためである。
ロールは、加熱されたスチレン系樹脂がその表面に粘着
することを防ぐために、弗素樹脂で被覆されていること
が望ましい。また、ロール表面は、これを平滑にしても
よいが、ローレツト加工を施して小さな凹凸を設けるこ
とが好ましい。
ロールによる接触は、ロールがスチレン系樹脂発泡板を
押圧し、接触位置で発泡板が厚みを減少させ圧縮される
ようにする。その厚み圧縮の程度は厚みの2%以上50
%以下とする。また、ロールによる発泡板の進行は、ロ
ール温度に対応して0.3〜30m/分の速度とする。す
なわち、ロール温度が高くなるほど、発泡板進行速度を
早くするがよい。
こうして得られた発泡板は、独立気泡性をそのまま保つ
ており、しかも可撓性に富んでいる。そこで、発泡板を
折り曲げても発泡板が折れにくく、従つて折り曲げが容
易である。従つて、この発泡板は前述のようにこれを使
用する上で便利である。
(方法の発明の効果) この発明方法によれば、独立気泡を持つたスチレン系樹
脂発泡板が、樹脂の熱変形温度以下になつた状態におい
て、発泡板の少なくとも一つの表面に特定温度に加熱さ
れた金属製ロールを接触させ、ロール表面からの熱伝導
により発泡板表面を加熱して軟化させるとともに、ロー
ルの回転によつて発泡板を進行させ、表面気泡を膨張さ
せると共に内部の気泡に皺を生じさせ、次いで発泡板を
樹脂の熱変形温度以下の温度に曝らして樹脂を硬化させ
るだけで足りるので、操作が容易であり、かつ連続的に
実施できるから、押出機によつて発泡板を作る工程に接
続して実施でき、従つて能率よく、可撓性を持つた発泡
板を得ることができる。しかも、上でいう特定温度は、
加熱の場合に樹脂の熱変形温度より5℃ないし150℃
高いという広い範囲であるから、実施は一層容易であ
る。従つて、この発明方法は実用上顕著な効果をもたら
す。
次に製造方法の具体的な実施の一例を述べる。以下、単
に部というのは重量部の意味である。
実施例1 スチレン系樹脂としてスチレンの単独重合体を用い、重
合体100部に気泡調整剤として微粉末タルク0.5部
と、難燃化剤としてヘキサブロムシクロドデカン2部
と、少量の着色剤とを加え、混練して樹脂組成物とし
た。
この樹脂組成物を押出機に供給した、押出機としては、
口径50mmと65mmのものとをこの順序に直列に連結し
て用いた。この押出機に樹脂組成物を60kg/時間の割
合で供給し、口径50mmの押出機の先端近くで発泡剤を
圧入した。発泡剤としては、ジクロロジフルオロメタン
3部と、メチルクロライド7部との混合物を用い、この
混合物を樹脂100部に対し9部の割合で圧入した。
口金としては、樹脂排出面上に厚さ1mm、幅100mm、
長さ5mmの矩形の樹脂排出口を備えたものを使用した。
口金の先端には成形具を密接させた。成形具はその中に
樹脂通路が形成されており、その樹脂通路は、入口がわ
すなわち口金に接するがわで口金の樹脂排出口に等し
く、出口がわで厚さ25mm、幅200mm、長さ100mm
とし、入口がわから出口がわに向かつて次第に壁面が拡
大された形状とした。樹脂通路の壁面は弗素樹脂で被覆
した。
口径50mmの押出機に供給された樹脂は、220℃に加
熱され、溶融状態として混練され、続く口径60mmの押
出機内で120℃に降下されて口金に供給された。口金
から押出された樹脂は、高倍率に発泡せしめられ、厚さ
28mm、幅230mmに整えられ、密度28.0kg/m3の一次
発泡板となつた。この一次発泡板は4m/分の速度で引
き取られた。
こうして得られた一次発泡板は、表皮部分が第2図に示
したような構造になつていた。すなわち、表皮がほぼ平
面状となつて延びており、表皮に近接する部分の気泡
は、押出方向に引き延ばされて扁平なものとなつてい
た。
この一次発泡板は、それがさらに進行して、その表面が
樹脂の熱変形温度以下にまで冷却されたところで、発泡
板表面に加熱された一対の金属製ロールが接触せしめら
れ、ロールの間で押圧された。ロールの位置では発泡板
の表面温度が32℃中心温度は63℃となつていた。ロ
ールは、直径120mmで、140℃に加熱されており、
22mmの間隔をおいて配置されて、一次発泡板を4m/
分の速度で進行させた。
二次発泡板は、厚み27.5mm、密度28.5kg/m3で、その表
面部分が第1図に示したような構造になつていた。すな
わち、表皮を構成する気泡が板の厚み方向にも丸味を持
つて膨張せしめられていて、気泡の厚み方向の長さが押
出方向の長さの4分の1以上を占め、表皮を構成する気
泡壁が何れも中高に隆起し、隆起高が板の厚み方向の長
さの6分の1以上になつていた。また、表皮から厚み約
2mmの部分では、気泡がすべて丸く発泡しており、気泡
の平均直径が0.38mmであつた。さらにそれより内部の厚
み約4mmの部分は気泡が押出方向に引き延ばされて、厚
み方向に圧縮されたような状態になつていた。また、こ
の部分の気泡の電子顕微鏡写真をとると、多数のシワを
有していた。尚、中心部の約15.5mmは皺のない従来の気
泡構造である。
二次発泡板について、JIS A 9511に準じ測定スパン
150mm、荷重速度10mm/分の条件で破断時の曲げ撓
み量を測定したところ、曲げ撓み量が16.9mmであつて、
可撓性に富んでいると認められた。
参考例 この参考例は、実施例1において、一次発泡板の温度が
表面で35℃、内部が100℃となつたところで、一対
のロールにより押圧することとした以外は、実施例1と
全く同様に処理して二次発泡板を得た。
この二次発泡板は、厚みが28.1mm、密度が27.5kg/m 3
で表皮から内部に向かいすべての気泡が板の厚み方向に
も丸味を帯びて発泡していた。すなわち、この参考例で
得られた二次発泡板の内部には、実施例1において得ら
れた二次発泡板のように、厚み方向に圧縮されたような
形のシワのある気泡は認められず、全体が一様に発泡
し、表皮から厚み2.5mmの部分の平均気泡直径は0.41mm
であつた。この二次発泡板について、実施例1と同様に
破断時における曲げ撓み量を測定したところ、撓み量は
11.2mmで、可撓性を持つものと認められた。
この二次発泡板は、表皮の下にシワのある気泡を持たな
いために、実施例1のものよりは劣るが、後に述べる比
較例で得られたものよりは優れていた。
実施例2 この実施例2では、実施例1と同様に処理したが、ただ
一次発泡板が内部まで充分に冷却されたときにロールを
接触させることとし、またロール間の間隔を縮めて18
mmにする、という変更を加えて実施した。
こうして、厚み26.5mm、密度29.3kg/m3の二次発泡板を
得た。この二次発泡板は、表皮から内部へ2.5mmの厚み
の範囲内にある気泡は、約0.42mmの平均直径を持ち、板
の厚み方向にも丸味をもつて膨張せしめられていた。ま
た、上記の2.5mmの厚み部分に続く7mmの厚みの部分に
ある気泡がシワを持ち、押出方向に引き延ばされた形状
になつていた。尚、中心部の約7.5mmはシワのない従来
の気泡構造である。
この二次発泡板について実施例1と同様に撓み量を測定
したところ、撓み量は20.1mmで可撓性に富むものと認め
られた。
実施例3 この実施例では、実施例1に若干の変更を加えて実施し
た。変更を加えたのは、ロール間距離を縮めて18mmと
し、ロール温度を低下させて120℃とし、一次発泡板
として内部まで冷却されたものを用い、発泡板の進行速
度を遅くして、0.5m/分とした点である。
得られた二次発泡板は、厚み26.2mm、密度29.6kg/m3
あり、表皮から2.3mmの厚みの部分内にある気泡は、第
1図に示したような構造となり、板の厚み方向に丸味を
持つて膨張せしめられており、その平均気泡径は0.37mm
であつた。また表皮から2.3mmの厚みの部分に続く7.5mm
の部分にある気泡は、シワを有し、押出方向に引き延ば
されており、それより内部の板の中心部分にある気泡
は、シワのない従来の気泡であつた。
この二次発泡板について実施例1と同様に撓み量を測定
したところ、撓み量は19.5mmで可撓性に富むものと認め
られた。
実施例4 この実施例では、実施例1に若干の変更を加えて実施し
た。その変更は、ロール温度を高くして160℃とし、
一次発泡板として内部まで冷却されたものを用い、ロー
ルの回転速度を大きくして10m/分の速度で発泡板を
進行させたという点だけである。
得られた二次発泡板は、厚み27.3mm、密度28.0kg/m3
あり、表皮から1.5mmの厚みの部分内にある気泡は、第
1図に示すような構造になつており、板の厚み方向に丸
味を持つて膨張せしめられており、その平均気泡径は0.
33mmであつた。また表皮から1.5mmの厚みの部分に続く
厚み5mmの部分では、気泡がシワを有し厚み方向に圧縮
されていた。尚、それより内部の気泡はシワのない気泡
である。
この二次発泡板について実施例1と同様に撓み量を測定
したところ、撓み量は15.6mmで発泡板は、可撓性に富む
と認められた。
比較例 実施例1で得られた一次発泡板について、実施例1で述
べた方法により破断時の曲げ撓み量を測定したところ、
撓み量は6.3mmで可撓性に乏しいものと認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る樹脂発泡板の一部切欠拡大斜
視図である。第2図は、従来の樹脂発泡板の一部切欠拡
大斜視図である。第3図は、この発明方法を模型的に示
した断面図である。図面の符号の説明 11:表皮、14:気泡、15:皺のある気泡

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】独立気泡からなるスチレン系樹脂発泡板に
    おいて、少なくとも一つの表面に沿つて並ぶ気泡の大部
    分が閉じられていて、表面に連続した表皮を構成してい
    る気泡が表皮方向にもまたそれに垂直な方向にも丸味を
    持つて膨張せしめられていて、気泡の上記垂直方向の長
    さが表皮方向の長さの4分の1以上を占めており、表皮
    を構成する気泡壁が気泡ごとに中高に隆起し、隆起高が
    上記垂直方向の長さの6分の1以上に達しており、更に
    内部は皺のある気泡の層となされておることを特徴とす
    る、可撓性スチレン系樹脂発泡板。
  2. 【請求項2】独立気泡からなるスチレン系樹脂発泡板
    が、樹脂の熱変形温度以下になつた状態において、発泡
    板の少なくとも一つの表面上に、熱変形温度より5℃な
    いし150℃高い温度に加熱された金属製ロールで押圧
    させ、ロール表面からの熱伝導により発泡板表面を加熱
    して軟化させるとともに、ロールの回転によつて発泡板
    を進行させ、表面気泡を膨張させると共に内部の気泡に
    皺を生じさせ、次いで発泡板を樹脂の熱変形温度以下の
    温度に曝らして樹脂を硬化させることを特徴とする、可
    撓性スチレン系樹脂発泡板の製造方法。
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