JPH0661044U - 播種機に於ける床土鎮圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱育苗用の苗箱床土鎮圧に於いてロールで
の鎮圧の出来ない角部の鎮圧を有効に確実に行う為の物
である。 【構成】 苗箱の搬送力を利用して、苗箱の内巾より
やや小さい目に作成した薄板製鎮圧板を、二枚で開脚八
の字型に成型して、搬送方向に回動自在に取り付け、薄
板の弾力を利用して、苗箱の縁の厚さのばらつきを吸収
しながら、挟み込む様にして鎮圧する様に配置構成とし
同時に、鎮圧の高さ調節と併せて、変形、破損防止の為
の安全装置を組み入れて構成した構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、苗箱用、播種機、床土入れ機の、鎮圧装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ロールによる鎮圧のみで角部の鎮圧は省略するか、専用の床土入れ機に於いては 、 実開昭６０−１９０２４５の様に、複雑でしかも大がかりな物、 叉は、実開昭 ５４−１８３４１１の様に、逃げや調節の出来ない物であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

播種の精度を上げ、小型軽量にする為に、どうしても問題になるのが箱の中央部 ではなく、角部の鎮圧をいかに正確にきれいに、簡単な方法で鎮圧するか、と同 時に供給されると床土の水分、荒さ等に影響されずに出来るかである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

苗箱へ床土を入れ均平にし、鎮圧して播種という順序になりますが、この一連の 作業の中で、苗箱の搬送方向に対して、苗箱の縁の前後が、ロールによる鎮圧が 出来ない部分が出来ます。この部分を、苗箱の搬送される力を利用して、二個の 苗箱の縁の前後を挟む様にして、同時に鎮圧出来る様にした開脚八の字型に成型 した鎮圧板を用いて、鎮圧すると同時に鎮圧板には、鎮圧力はあり、しかも二個 の箱の縁を挟む為に、その挟む方向には弾力を持たせた形状とする。

【０００５】

【作用】

播種に最適な鎮圧をする為に、角部以外はロールによる鎮圧を行う事が簡単でし かも正確である、しかしロールによる鎮圧にはどうしても角部を鎮圧する事の出 来ない、欠陥がある、そこでその角部を鎮圧する為に、苗箱の搬送される力を利 用して、薄板で製作した鎮圧板を、苗箱の搬送方向に対して、直行する様に、苗 箱の前後、二箇所を同時に鎮圧する様に、二枚向き合う様にして、しかも苗箱の 縁の厚さ二枚分よりやや少な目の巾になる様に構成した鎮圧板を、振り子状に回 動自在に取り付け、苗箱の移動と共に回動鎮圧する様にすると同時に、後ろ側の 鎮圧板は薄板の弾力を利用して箱の上面を乗り越えるまで滑り広がり、次の箱の 角部を鎮圧する状態になる。箱の縁を挟み込んだ状態で箱の移動は進み、前後と も綺麗に鎮圧された状態になり、更に進み前側の鎮圧板は前側の箱の縁の上面ま で回動し、箱の縁の上面を滑り後ろ側の箱の縁を過ぎた所で、鎮圧板は押される 物が無くなり、回動し元の位置に戻り次の作動待ちの状態になる様に構成する。 鎮圧板は床土の水分等に影響を受けにくく、強度的には、鎮圧方向には強さがあ り、苗箱の搬送方向にはある程度の弾力の有る様な物が必要になってくる。それ らを満足させる為には、〇．３ミリから〇．６ミリ程度のステンレス鋼板等を使 用する事で解決出来る。又最近のプラスチックには種類も性能もさまざま出来て いるので代替えも考えられる。同時に考えなければならないのが、薄板にして強 度的に余裕を少なくして有るのと、最近の苗箱がプラスチック製の物が多くなっ ている為に、変形している箱も多くなっているそこで、鎮圧板を薄板にして弾力 を利用して乗り上げを防止しているが、極端な変形叉は、苗箱の供給遅れ等によ る苗箱の隙間が大きく、鎮圧板の弾力で対応出来ない状態の物は、乗り上げてし まう事になり、乗り上げた状態では鎮圧板に対して必要以上に大きな力が加わり 、変形、故障の原因となる、これらを防ぐ為に鎮圧板の高さを決める為の調節装 置の中に、過負荷防止装置としての、逃がし機構を組み入れられている。

【０００６】

【実施例】

Ａは苗箱を搬送する搬送ベルト、Ｂ、Ｂ’は苗箱、Ｃ、Ｃ’は床土、Ｄは鎮圧装 置を示している。その他のレール、播種装置、鎮圧ロール、動力源等は省略し必 要最小限の説明図での説明とする。 播種機全体の構成としては、搬送レールとベルトで構成する搬送部に、床土を供 給する土入れ装置、苗箱に入れられた床土をブラシによる均しをする均平装置、 平に均された床土の表面を一定の硬さに安定させる鎮圧装置、育苗の為の水を供 給する灌水装置、種子の播種装置、種子を保護し育苗を促進させる為の土を供給 する覆土装置、となっていますが、その中での鎮圧装置には、ロールによっての 鎮圧が主体で行われますが、苗箱の搬送に対して、苗箱の縁の前後部分がどうし ても鎮圧しきれない部分が出来ます、このロールによる鎮圧の、出来ない部分に 対しての鎮圧装置でありその内容に付いて順を追って実施内容を説明します。前 記の様に搬送レール上を床土を入れられ、ロールによる鎮圧を、行われた状態の 苗箱Ｂが本考案の鎮圧装置Ｄに搬送されて、待機状態の鎮圧板の前方鎮圧板１に 、当たり前方鎮圧板１はその搬送力によって回動を始め、更に搬送は進み、鎮圧 板も回動がつづき、後方鎮圧板２がやがて苗箱Ｂ’の上面に当たり、やや狭い状 態に出来ている分だけ苗箱Ｂ’の上面を滑り後方の苗箱Ｂ’の縁を越えて中には 入り、次の苗箱Ｂ’の鎮圧動作開始となる、更に搬送が進むと前方鎮圧板１が、 鎮圧が終わり苗箱Ｂの、垂直面を滑り上方に進み、上面に至り回動終了となり、 更に搬送が進み苗箱Ｂ、Ｂ’の縁上面を滑り、苗箱Ｂ’の上面を終わり、鎮圧板 に搬送の力を伝える物が無くなり、鎮圧板は回動して、ストッパ７まで戻り次の 動作を待つ最初の状態になる。鎮圧板の元に戻る回動力は、ねじりバネ（図示省 略）による。尚ねじりバネの変わりに重りによる方法でも良い。 これらの動作の中で正常な状態だけではなく、苗箱が変形した物や、苗箱の供給 が遅れて、苗箱Ｂと苗箱Ｂ’の間が開いてしまった場合等鎮圧板に弾力を与えて は有りますがその範囲で吸収出来ない状態で後方の苗箱Ｂ’に、後方鎮圧板が、 乗り上げた状態で搬送移動が続いた場合（図５）播鎮圧板に必要以上に大きな力 が加わり、鎮圧板の変形叉は破損の危険が出ますが、その異常な力を逃がすべく 高さ調節と兼ねた形での安全装置を組み入れて有る。

【０００７】

【考案の効果】

以上説明した様に、本考案を採用する事により、小型軽量で確実な鎮圧が出来、 しかも構造が簡単なために、故障もなく、もし必要以上の力が加われば破損防止 機構が働き、大きな破損には至らない様になっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】鎮圧板作動開始状態 （鎮圧板がストッパー
に当たり待機状態であった所に、苗箱が搬送され鎮圧板
に当たった状態）

【図２】後方鎮圧板作動開始状態（前方鎮圧板は鎮圧が
進み後方鎮圧板が苗箱の上面を、滑り縁を下降し鎮圧を
開始する状態）

【図３】後方鎮圧板鎮圧開始状態（前方鎮圧板は鎮圧が
進み後方鎮圧板が、鎮圧を開始した状態）

【図４】鎮圧板鎮圧終了状態 （前後両方の鎮圧板は
鎮圧を終了して、前方の鎮圧板が苗箱の縁上面に上が
り、苗箱の搬送が進み回動して次工程を待つ状態）

【図５】苗箱搬送異常状態 （苗箱の供給に隙間が
開き、後方鎮圧板の弾力では吸収出来ず、過負荷状態と
なり、安全装置が働いた状態）

【符号の説明】

Ａ 搬送用ベルト Ｂ，Ｂ’
苗箱 Ｃ，Ｃ’ 苗箱に供給されている床土 Ｄ
鎮圧装置 １ 前方鎮圧板 ２
後方鎮圧板 ３ 鎮圧板回動軸 ４
鎮圧板回動軸受け ５ 鎮圧板高さ調節軸 ６
鎮圧板高さ調節ツマミ ７ 鎮圧板高さ調節ストッパ ８
スプリング ９ 鎮圧板待機位置ストッパ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 播種機に於いて床土を入れ、均平にし
   て、鎮圧し安定した硬さの床土表面にして、安定した播
   種を得る為の、鎮圧に於いて、苗箱の搬送方向に直角方
   向の枠の前後の、角部の鎮圧用に、振り子状に回動自在
   な箱の巾よりやや小さ目の薄板製鎮圧板を設けた事を特
   徴とする播種機。
2. 【請求項２】 第一項の鎮圧機構の薄板製鎮圧板の過負
   荷による変形を防ぐ為の機構を高さ調節装置に組み込ん
   だ事を特徴とする播種機。