JPH066062B2 - リボフラビンの製造方法 - Google Patents

リボフラビンの製造方法

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JPH066062B2
JPH066062B2 JP58165245A JP16524583A JPH066062B2 JP H066062 B2 JPH066062 B2 JP H066062B2 JP 58165245 A JP58165245 A JP 58165245A JP 16524583 A JP16524583 A JP 16524583A JP H066062 B2 JPH066062 B2 JP H066062B2
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公利 河合
彰収 松山
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は微生物によるリボフラビンの製造方法に関する
ものである。
特にサッカロミセス属に属する酵母を用いるリボフラビ
ン製法の生産力を向上し、かつ鉄イオンによる阻害を防
ぐ改良製法に関するものである。
リボフラビンは別名ビタミンBとして知られている物
質であり、医薬用、動物飼料添加剤あるいは食品の着色
剤として広く用いられている価格の高い物質である。
現在までにリボフラビンを生産する代表的な微生物とし
てアシビア・ゴッシピイAshbya gossypii、エレモテシ
ウム・アシビイEremothecium ashbyiiの子のう菌があ
り、糖質から工業的な規模でリボフラビンの生産がおこ
なわれている。
これら子のう菌以外にもクロストリジウム属に属するあ
る種のバクテリア、あるいはキャンディダ属、サッカロ
ミセス属、ハンセヌラ属などの酵母もリボフラビンを生
産することは公知である(プログレス、インダストリア
ル、ミクロバイノロジー1巻 139頁 1959)。
しかしながら、バクテリア、酵母を用いる場合にはリボ
フラビンの生産性が低く、また微量の鉄イオンの存在に
よる生産性の著しい低下が認められており、バクテリ
ア、酵母を用いる工業的規模でのリボフラビン生産は未
だおこなわれていない(アニュアル、レビュー、ミクロ
バイオロジー 26巻 369頁 1972)。
本発明者の一部は先に、これ迄知られていなかったとこ
ろの酢酸を炭素源としてリボフラビンを生産する能力を
もつ酵母を見い出し、アグリカルチャラル バイオロジ
カル ケミストリー28巻559頁 1964、28巻
566頁 1964及び28巻765頁 1964に発
表した。
本発明は、この報文の発明に基づいて更に検討を加えた
結果、見出した改良製法である。
本発明では、リボフラビン生産能力を有するサッカロミ
セス属に属する酵母を用いるが、その代表的なものは上
記報文に記されており、これは北海道大学農学部のリス
トにのっている保存菌である。
なお、上記文献においては使用されている微生物として
キャンディダ・ロブスタ(Candida robusta)の名称が
使用されているが、その後、キャンディダ・ロブスタの
標準株(タイプストレイン)において胞子が見い出され
ているため、ロダー著ザ・イースト 1970年版にお
いては、キャンディダ・ロブスタはサッカロミセス・セ
レビシエに再分類されている。
しかしながら、本発明者らの用いた菌株については胞子
形成は認められていないため、サッカロミセス・セレビ
シエの無胞子型であると考えられ、本明細書において
は、これをサッカロミセス・セレビシエ(キャンディダ
・ロブスタAHU)と記載する。
上記の報文においては、寒天培地上に保存された酵母を
リボフラビン生産培地に直接接種することによりリボフ
ラビンを生産させているが、その際、各種金属イオンの
効果について0.1mg/、1mg/、5mg/の添加効
果を検討した結果、わずかながら効果の認められた金属
イオンとしてBi,Li,Mnがあり、逆に阻害効果を示す金属
イオンとしてFe,Ag,Cu,Hgがあった。
そして亜鉛については無添加の場合と変らない値(12.
1〜12.8mg/100m)を示していた。
しかしながら、今回寒天培地上の酵母を一度液体培地で
前培養した後にリボフラビンを生成せしめる場合につい
て金属イオンの影響を検討した結果直接接種の場合と異
なり、亜鉛イオンを微量添加することにより、リボフラ
ビンの生産性が著しく向上し、しかも鉄イオンの阻害効
果も低減できる予想外の効果を見い出し、本発明の完成
に到ったものである。
本発明を更に具体的に説明すると寒天培地上で生育した
リボフラビン生成活性のある酵母、例えばサッカロミセ
ス・セレビシエ(キャンディダ・ロブスタAHU340
2)、あるいはサッカロミセス・セレビシエ(キャンデ
ィダ・ロブスタAHU3405)をグルコース、酵母エ
キス、ポリペプトンなどを含有する液体前培養培地に植
菌し、30℃、1〜2日間振盪培養をおこない、酵母の生
育量が十分に達したら、前培養液を直接、あるいは生理
食塩水等で洗浄後、所定量をリボフラビン生産培地に植
菌する。
前培養液のリボフラビン生産培地への植菌量は3%以上
であることが好ましく、植菌量が少いときより大きいリ
ボフラビン生産性が得られる。
例えば、亜鉛0.5mg/を含む培地への植菌量3.8%の場
合、6日間の培養後のリボフラビンは0.92g/である
が、植菌量が2.5%の場合は0.38g/であり不十分
であった。
なお、植菌量は多すぎてもかえって逆効果があるので2
5%以下にすることが好ましい。
リボフラビン生産培地の組成は炭素源として酢酸以外に
もグルコース、シュークロース、キシロースなどの糖
質、エタノール、グリセリン等のアルコール類、グルコ
ン酸などの有機酸を用いることができる。
窒素源としては、硝酸態窒素以外の種々の形態の窒素化
合物が使用可能であり、例えば硫酸アンモニウム、塩化
アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、
尿素、アミノ酸、ポリペプトンなどを用いることができ
る。更にリン酸第一カリウム、硫酸マグネシウムなどの
無機塩類、生育に必須なビオチンの如きビタミン類を必
要に応じて添加すればよい。
本発明の特徴とする亜鉛イオンについては、硫酸亜鉛、
塩化亜鉛、あるいは酢酸亜鉛などの形で添加することが
できる。この場合、添加濃度は、その効果をみきわめな
がら決定することができるが、亜鉛イオンとして0.1mg
/以上、100mg/以下の範囲内にあることが好ま
しい。0.05mg/以下の少量では効果が十分でなく、
一方、多すぎる添加量、例えば亜鉛イオンが300mg/
以上になると酵母の生育及び炭素源の資化速度が著し
く低下し、望ましくない。
亜鉛イオンの最適濃度は培地中の鉄イオン濃度により異
なり、例えば鉄イオンが0.1mg/以下の場合は0.5mg
/程度の亜鉛イオンで十分であるが、鉄イオンが5mg
/存在する場合には10〜30mg/程度添加する必
要がある。
培養液のpHは酵母の生育及びリボフラビンの生成範囲内
であるpH2〜8とするが、好ましくはリボフラビン生産
性の高いpH6〜8とすることが望ましい。
培養温度は20〜37℃の範囲内のうち、使用菌株の生
育及びリボフラビン生産性に適した温度を用いることが
できる。また、培養方法については振盪培養、深部通気
攪拌培養などの方法が用いられるが、リボフラビン生産
にとっては出来るだけ好気的な状態で培養することが望
ましい。
このようにして得られる培養液からのリボフラビンの採
取はすでに公知の手法が適用できる。
すなわち、培養液を60〜80℃で加熱し、エボフラビ
ンを溶解させた後、遠心分離により酵母菌体と液に分
離し、液を必要があれば濃縮した後、ハイドロサルフ
ァイトあるいは二塩化チタンにより還元し、リボフラビ
ンを沈降させる。このようにして得られたリボフラビン
を空気中で酸化させた後、水、酢酸水溶液、塩酸水溶液
などの溶媒を用いて再結晶をおこない、精製することが
可能である。
以下、実施例でもって本発明を更に詳しく説明するが、
本発明により糖質だけでなく、酢酸をも炭素源として使
える微生物によるリボフラビンの生産能力が著るしく改
善されることになった。
実施例1. ポテトデキストロース寒天培地(日水製薬品)にサッカ
ロミセス・セレビシエ(キャンディダロブスタAHU3
405)を移植し、30℃、24時間で増殖させた。
生育した菌体をグルコース2%、ポリペプトン0.5%、
酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%を含む液体培地1
00mに植菌し、30℃、25時間、190回転/分
で回転振盪培養をおこなった。この時の培養液pHは4.3
であり、610nmの吸光度は5.7であった。リボフラビ
ン生産培地の組成は炭素源の酢酸カルシウム10.3%の
他に硫酸アンモニウム0.38%、リン酸第一カリウム0.
2%、硫酸マグネシウム0.1%を含み亜鉛イオン濃度と
して0〜300mg/になるように硫酸亜鉛を添加し
た。
pH7.0にしたこの培地4.72mを直径21mmの試験管
に入れた後、上記前培養液0.28mを植菌し、30
℃、220回/分で8日間往復振盪培養をおこなった。
培養液中のリボフラビン量は遠心分離液の450nm吸
光度より算出し、菌体量は610nmの吸光度、酢酸はイ
オン交換樹脂を用いたHPLC法で分析した。表1の結
果から明らかなように0.1〜100mg/の亜鉛の添加
によりリボフラビン生産性の著しい増加が認められた。
培養日数を変えた他のシリーズの実験でもほゞ同様の結
果が得られた。表1の中でa,bと注記したものはそのデ
ータの一部であり、培養日数はそれぞれ6・7日160時
間及び4日である。
比較例1 実施例1と同様にして、ポテトデキストロース寒天培地
に、サッカロミセス・セレビシエを移植し、増殖させ
た。
これを、液体培地で前培養することなく、実施例1と同
様のリボフラビン生産培地(ただし、亜鉛イオン濃度0
mg/L)に植菌し、実施例1と同様に振盪培養した。
その結果、培養液中のリボフラビン量は0.16g/Lで
あった。また、菌体生育量(OD610nm)は9.8であ
った。
このように、酵母を固体培地から直接リボフラビン生産
培地に植菌すると、リボフラビンの生産量は、液体前培
養した場合と比較して著しく低い。
実施例2. 実施例1で示した酢酸カルシウムの代りにグルコース、
シュークロース、グリセリン、エタノールおよびグルコ
ン酸カルシウムを添加し、グルコン酸カルシウム以外の
炭素源に対してはpHの低下を防止するために炭酸カルシ
ウムを炭素源濃度の70%になるようにくわえた。
また、これらの炭素源の場合、ビオチンを1mg/にな
るように添加した。表2に示したように、これら炭素源
においても亜鉛の効果が明らかに認められた。
実施例3. 実施例1で示したリボフラビン生産培地に硫酸第一鉄を
くわえ、鉄イオン濃度として5mg/になるようにした
場合つき、その他は実施例1と同様の方法で検討し、鉄
イオン存在下での亜鉛イオンの添加効果を明らかにし
た。表3に示したように、鉄イオン5mg/存在下でも
亜鉛イオンを10〜30mg/添加すれば十分なリボフ
ラビン生成が認められた。
比較例2 リボフラビン生産培地に硫酸鉄を、鉄イオン濃度として
5mg/Lになるように加えた以外は、比較例1と同様
の操作を行った。
その結果、培養液中のリボフラビン量は0.04g/L
であった。また、菌体生育量(OD610nm)は10.0
であった。
実施例4. サッカロミセス・セレビシエ(キャンディダロブスタA
HU3402)株を用いて実施例1と同様の実験をおこ
なった。培養6日後におけるリボフラビン生成量、菌体
生育量は表4に示したようであり、本菌体においても亜
鉛の効果が確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リボフラビン生産能力を有するサッカロミ
    セス属に属する酵母を、液体培地で前培養した後、亜鉛
    イオンを0.1〜100mg/含有するリボフラビン生
    産培地に植菌し培養することを特徴とするリボフラビン
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AGR.BIOL.CHEM=1964 *

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