JPH066021Y2 - 容 器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、牛乳、ジュース、酒その他液体用パックとし
て多様されている紙製の組立式容器に関するものであ
る。

［従来の技術］ 所謂ゲーベルトップと称される紙製の液体用容器があ
り、これは上部が三角屋根型に形成されると共に、その
上端部が合掌状態に封止される構造になっている。

この種の組立式容器は、基材の紙の上にアルミ箔やポリ
エチレン層を設けて多層構造のブランクが形成され、こ
のブランクから容器が型取りされると共に折曲用の罫線
が形成されるが、第４図に示すように前記三角屋根の上
端部Ｐは複数本の罫線ａが集中し交差するため、容器を
組み立てるとその交差部が尖って亀裂やピンホール等が
生じることがあった。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような事態が生じると、液漏れの原因となり、或
いは内容物の変質を来す等容器としての信頼性を損ねる
ことになる。

そこで、本考案はゲーベルトップ型の紙製組立式の容器
において、罫線集中部での亀裂やピンホールを未然に防
止出来るようにした容器を提供することを技術的課題と
したものである。

［課題を解決するための手段］ この技術的課題を解決するための手段として、本考案
は、基材の紙の上にアルミ箔やポリエチレン層を設けて
多層構造のブランクを形成し、このブランクから容器を
型取りすると共に折曲用の罫線を設けた組立式容器にお
いて、前記罫線が複数本交差する部分は、他の罫線部よ
り浅い罫線を形成したことを要旨とするものである。

［作用］ 罫線集中部の罫線を浅く形成したので、その交差部のブ
ランク厚さが薄くならず、組み立てた時に亀裂やピンホ
ールが生じないように保護することが出来る。

［実施例］ 以下、添付図面に基づいて本考案の実施例を具体的に説
明する。

第１図において、１は打ち抜かれた容器のブランクであ
り、４つの側板１ａの上縁にゲーベルトップ型封止部を
構成する４つの天板１ｂがそれぞれ連設されると共に、
上部に封止片１ｃがそれぞれ設けられている。各側板１
ａの境界、側板と天板１ｂとの境界及び各天板の境界、
天板と封止片１ｃとの境界及び各封止片の境界等は、従
来と同様に折り目用の罫線２が設けられ、更に天板には
三角型に折り曲げるための罫線３が設けられている。

天板のうち図中斜線で示す開口部分Ｑとその反対側とな
る非開口部分Ｒは、前記罫線２、３が複数本交差してお
り、これらの罫線はＱ、Ｒの範囲内においては他の部分
より浅い罫線２ａ、３ａが設けられている。

前記のような浅い罫線２ａ、３ａを形成するには、例え
ば第２図に示すように罫線作成用の雌型４ａの高さｈ
を、第３図に示す通常の雌型４の高さＨよりも低くすれ
ば、罫線刃５の食い込み量が少なくなって浅い罫線２ａ
又は３ａを容易に形成することが出来る。

本考案に係る容器は上記のように構成され、従来と同様
に組み立てられるが、前記のように三角型屋根部におけ
る開口部分Ｑと、非開口部分Ｒはいずれも浅い罫線２
ａ、３ａが設けられているので、罫線交差部が尖っても
亀裂やピンホール等が生じることはない。

尚、容器の側板の上端角隅部も複数の罫線が交差してい
るが、製函すると前記の開口部分Ｑ、非開口部分Ｒ程極
端に尖らないので、罫線を浅く形成しなくても良いが、
場合によっては浅い罫線を形成して実施することも可能
である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、複数本交差する
部分の罫線を他の罫線部より浅く形成したので、その交
差部のブランク厚さが薄くならず、組み立てた時に亀裂
やピンホールが生じないように保護することが出来、こ
れにより液漏れや内容物の変質を未然に防止し、容器と
しての信頼性を向上させる等の実用的に優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す容器ブランクの一部の平
面図、第２図は浅い罫線の形成手段を示す説明図、第３
図は通常の罫線の形成状態を示す説明図、第４図は従来
例の説明図である。 １……ブランク、１ａ……側板 １ｂ……天板、１ｃ……封止片 ２、３……罫線、２ａ、３ａ……浅い罫線 ４、４ａ……雌型、５……罫線刃 Ｑ……開口部分、Ｒ……非開口部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基材の紙の上にアルミ箔やポリエチレン層
   を設けて多層構造のブランクを形成し、このブランクか
   ら容器を型取りすると共に折曲用の罫線を設けた組立式
   容器において、前記罫線が複数本交差する部分は、他の
   罫線部より浅い罫線を形成したことを特徴とする容器。