JPH0660010U - 無電極放電管装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で無電極発光管の冷却効果を得る
ことを目的とする。 【構成】 マイクロ波空胴を空胴壁とメッシュで形成
し、空胴等に設けた冷却用のエアーを通す通孔にエアー
を無電極発光管に指向させる複数の通孔板を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、無電極発光管に封入した水銀等の蒸気をマイクロ波によって励起し 、メッシュによって紫外線を一方向に放射する無電極放電管装置の冷却構造に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

紫外線は、近年では紫外線硬化接着剤やインキ類の硬化、乾燥、特殊塗料の硬 化、その他塗面処理プロセス、および化学物質の光化学反応等に広く利用されて いる。紫外線発生装置として、従来より水銀等の発光材料を封入した発光管にマ イクロ波を照射して、発光材料を励起して放電させ発光させる無電極放電管装置 が利用されている。

【０００３】 図２は従来のこの種の無電極放電管装置の一例を示す。図２（ａ）は長手方向 に切断した断面図、図２（ｂ）は図２（ａ）のＢＢ断面に沿って切断した断面図 で、１は棒状のガラス管に水銀等の発光材料を封入した無電極発光管、２はマイ クロ波が導入されるマイクロ波空胴、５はマイクロ波を発生するマグネトロン、 ６は導波管、７はマイクロ波空胴２の一壁を形成すると共に発生した紫外線を透 過させるメッシュである。このメッシュ７は紫外線は透過させるがマイクロ波に 対して短絡板として働く。８は無電極発光管１の発光により発生する熱を冷却す るための送風装置であり、各部に設けた複数の通孔を通してエアーを送り、無電 極発光管１などを冷却する。１０は誘電体ミラー、１１、１２は誘電体ミラー１ ０の外側にマイクロ波空胴２を形成するために設けた空胴壁、１３は導波管６と 空胴２内の無電極発光管１をマイクロ波に結合するアンテナ、１４は無電極発光 管１の近傍の電界を高めるために空胴壁１２に設けた突起、１５、１６、１８、 １９はそれぞれ導波管６、筐体１７、空胴壁１２、透電体ミラー１０に設けたエ アー通過用の通孔、２０、２１はそれぞれ筐体１７、誘電体ミラー１０に設けた アンテナ取付用の貫通孔である。

【０００４】 この装置では、マグネトロン５を動作させて、マイクロ波電力をマイクロ波空 胴２に設けたアンテナ１３を介して結合させると、そのマイクロ波電力が無電極 発光管１に封入した水銀等の蒸気を励起し、そこで放電が開始して紫外線が発生 する。このとき、発生した紫外線は四方に放射されるが無電極発光管１を楕円又 は放射線の凹面状の誘電体ミラー１０によって反射されて、メッシュ７の方向に 集光される。当然ながら、メッシュ７方向に放射した紫外線はそのまま進行する 。紫外線の進行方向のメッシュ７の前方に被処理物を配置しておけば、乾燥、硬 化等の処理が即座に行なわれる。

【０００５】 ところで、無電極発光管１はプラズマ放電し高温となるので、その冷却を効果 的に行なう必要があり、このために上記のように各部分にエアー通過用の通孔を 設け、送風装置８から吐き出されるエアーが無電極発光管１に到達するようにな っている。しかし、通孔は見通しよく並んでいないので、無電極発光管１に当た るエアーの風速は弱くなりがちで、その冷却効果が充分でない。

【０００６】 そこで、エアーの送られる側の空胴壁の一部分を金属ブロックで形成し、該金 属ブロックにエアーを上記無電極発光管１に指向させる複数の通孔を設け、この 通孔をノズルとしてエアーを無電極発光管に吹き付け、無電極発光管を効果的に 冷却する構成の無電極放電管装置が提案された。図３は上記提案の無電極放電管 装置の構造を示す。図において図２と同一符合は同一又は相当するものを示し、 ２２は空胴壁、２３は金属ブロック、２４は無電極発光管１の近傍の電解を高め るため金属ブロック２３に設けた突起、２５は金属ブロック２３に設けた通孔で ある。マイクロ波空胴２を形成する空胴壁の筐体１７の上面と誘電体ミラー１０ との間の部分を金属ブロック２３で形成し、この金属ブロック２３には、筐体１ ７の通孔１６に合致して連通する通孔２５が複数設けられており、この通孔２５ は図３（ｂ）に示すように、内部で９０度以下に曲折して各々の出口は無電極発 光管１の下面（被照射物側の面）を指向している。なお、この通孔２５の出口側 には誘電体ミラー１０の通孔１９は通孔２５の出口に合致するように形成されて いる。上記のような構成になっていて、導波管６の側から進入してきたエアーが 通孔１６、２５、１９を経由して無電極発光管１側に吹き付けられる。このとき 、通孔２５はノズルとして働き、エアーが無電極発光管１の従来、特に風の当た りにくかった下面（被照射物側の面）に集中するので、その冷却効果が向上する 。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、空胴壁の一部分を金属ブロックで形成し、この金属ブロックに 複数の通孔を設け、該通孔をノズルとして無電極発光管にエアーを吹き付ける構 造を採ると、冷却効果を上げることができるが、上記のような形状の金属ブロッ クの製作には、加工が難しく金属ブロックに上記のような構造の通孔を設けるこ とは容易でない。本考案は、上記の問題に鑑み、簡単な構造で冷却が効果的に行 なわれるようにすることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、送風装置からの冷却用のエアーを無電極発光管に効果的に導く手段 として、マイクロ波空胴を形成する空胴の冷却用のエアーを通す複数の通孔に冷 却用のエアーを無電極発光管に指向させる通孔板を設けた。

【０００９】

【作用】

通孔板により、冷却用のエアーに指向性を持たせることができるので、無電極 発光管を効果的に冷却できるとともに、構造が簡単で、従来の金属ブロック型の ものより製作が容易である。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す。図において、図３と同一符合は同一又は相当 するものを示し、２６は通孔板、２７は空胴壁２２に設けた通孔である。本実施 例では、マイクロ波空胴２を空胴壁２２とメッシュ７で形成し、この内部に誘電 体ミラー１０と無電極発光管１を配置し、また、空胴壁２２によって突起２４を 形成した。そして、図１（ｂ）に示すような通孔板２６を空胴壁２２に設けた通 孔２７に合致して連通するように複数の通孔板２６を設けた。導波管６の側から 送られてきたエアーが、通孔１６を経て通孔板２６に案内され、空胴壁２２に設 けた通孔２７より誘電体ミラー１０に設けた通孔１９を経て無電極発光管１に吹 き付けられる。この場合、冷却用のエアーが無電極発光管１の下面（被照射物側 の面）に指向されるように、複数の通孔板の角度θを変えることにより、簡単な 構造で従来の金属ブロック２３に通孔２５を設けたものと同様の冷却効果が得ら れる。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば簡単な構造により製作が容易となり、安 価な無電極放電管装置を実現できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す図である。

【図２】従来のこの種の無電極放電装置の一例の構造を
示す図である。

【図３】従来のこの種の無電極放電管装置の他の一例の
構造を示す図である。

【符合の説明】

１ 無電極発光管 ２ マイクロ波空胴 ６ 導波管 ７ メッシュ １０ 誘電体ミラー １３ アンテナ １５ 通孔 １６ 通孔 ２０ 貫通孔 ２１ 貫通孔 ２２ 空導壁 ２４ 突起 ２６ 通孔板 ２７ 通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 棒状のガラス管の内部に水銀等の発光材
   料を封入した無電極発光管をマイクロ波が導入されるマ
   イクロ波空胴内に配置し、上記無電極発光管をマイクロ
   波空胴上部に配置した送風装置で冷却しながら、上記無
   電極発光管の内部に封入した水銀等の上記をマイクロ波
   によって励起し、放電に伴って発生する光を誘電体ミラ
   ーによって反射し、メッシュによって紫外線を一方向に
   放射する無電極放電管装置において、 上記マイクロ波空胴を形成する空胴壁に設けた冷却用の
   エアーを通す複数の通孔に冷却用のエアーを上記無電極
   発光管に指向させる複数の通孔板を設けたことを特徴と
   する無電極放電管装置。