JPH0659210B2 - 生物反応装置 - Google Patents

生物反応装置

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JPH0659210B2
JPH0659210B2 JP63039248A JP3924888A JPH0659210B2 JP H0659210 B2 JPH0659210 B2 JP H0659210B2 JP 63039248 A JP63039248 A JP 63039248A JP 3924888 A JP3924888 A JP 3924888A JP H0659210 B2 JPH0659210 B2 JP H0659210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、固定化担体を用いた生物反応装置(以下バイ
オリアクタという)に関し、詳しくは固定化担体を損な
うことなく反応効率を向上でき、かつ大型のバイオリア
クタにおいてもスケール誤差なく反応を完結させること
ができるバイオリアクタに関する。
(従来の技術) 従来、固定化担体を用いたバイオリアクタとしては、容
器に充填した反応液に固定化担体を浮遊させて反応を行
なわせる方式のもの、あるいは固定化担体をカラム等に
密に充填し、これに外部から気体を通して気固液接触さ
せる方式のもの、あるいはカラムに外部ポンプでの循環
により反応液を循環させる(気)固液接触方式のもの、
などが知られている。
しかしながら、例えば従来の固定化担体浮遊方式のもの
では、反応液の攪拌混合等の操作に伴なって浮遊した固
定化担体が互いに衝突し、該固定化担体が破損したり、
固定された酵素,微生物等が分離したりすることが多く
あるという問題があった。
また固定化担体をカラム等に充填してこれに気体あるい
は反応液を通す方式のものでは、いずれも動力効率が悪
く、またバイオリアクタ内は完全な混合槽状態にはなり
難いために、実験室レベルでの反応結果を解析して工業
的な大型装置に応用するというスケールアップ化の手法
を採ることが難しいという問題があった。また更にこの
カラム充填型の装置では、気液接触効率が悪いために、
大量の空気曝気か、あるいは大容量の攪拌器を必要とす
るのが普通で、このために発泡や液の飛沫同伴が起こり
易いというような様々な問題が発生していた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記した従来形式のバイオリアクタにおける
問題点を解消するために、微生物,酵素を固定した固定
化担体を適当な浮遊状態に維持できると共に、該浮遊状
態の固定化担体に対し反応液を十分流通接触させること
ができる新規な構成のバイオリアクタを提供するところ
にある。
また本発明の他の目的は、実験室レベルでの試験の解析
結果に基づいて、スケールアップした工業的な規模の装
置を設計することが容易な構造を有するバイオリアクタ
を提供するところにある。
また更に本発明の別の目的は、生物学的に適した環境条
件,反応条件を選択,制御することが容易であるバイオ
リアクタを提供するところにある。
(課題を解決するための手段) 以上のような目的を実現するために、鋭意研究の結果創
成するに至った本発明のバイオリアクタの特徴は、上下
に開放した竪型筒状の内筒と、この内筒の周囲を十分な
隙間を保って囲み、かつ該内筒が十分沈潜する位置まで
内部に液が充填される反応槽外殻としての外筒と、酵素
又は微生物を固定化した固定化担体は通過できないが充
填液の通過は自由な仕切りを上記外筒と内筒の間の上下
に設けて、この上下の仕切りの間で該固定化担体を浮遊
状態で滞留保持するように形成した固定化担体の滞留保
持部と、上記内筒の筒内で充填液に下向流の流れを生じ
させ、これにより該内筒の筒内を下向し筒外を上向する
上下方向の循環流を生じさせつ液流発生手段とを備え、
上記外筒の内径Dと内筒の内径dの比d/Dを0.2〜0.
6、内筒の内径dと内筒の軸方向寸法lの比l/dを6
以上とした構成をなすところにある。
本発明のバイオリアクタはその運転において、外筒内の
圧力をゲージ圧5kg/cm2・G以下で稼動することが好ま
しい場合が多い。また生物学的反応が好気性条件を要求
する場合には液中での大きな酸素溶解を与えることが好
ましい。この場合にも上記の外筒内の圧力の条件で装置
を運転することが適当する。
外筒内(装置内)の圧力条件は本発明におけるバイオリ
アクタにおいての本質的問題ではないが、5kg/cm2・G
以上では空気圧縮機、培養液等の送入ポンプに汎用性の
ものが使用できなくなる等の問題がある。
また上記外筒の内径Dと内筒の内径dの比であるd/D
が0.2以下では内筒内流路が狭くなり吐出流量が抵抗の
ために小さくなる問題があり、他方0.6以上では内筒内
に内蔵するインペラが大きくなり経済的でないという問
題があるため、装置は上記寸法範囲のものとして構成さ
れる。
更にまた内筒の内径dと内筒の軸長lの比であるl/d
が6未満では、固定化担体の必要容量が少量になること
や、空気を吹込む際の酸素溶解量が低下する等の問題が
あるため好ましくない。
本発明において反応槽内に充填される液は、微生物が生
命を維持し、代謝産物の生産を活発に行なうために必要
な栄養源や原料からなるものが使用される。
また内筒の管内で充填反応液の内筒軸方向の流れを生じ
させる液流発生手段としては、例えば該内筒内に軸流ポ
ンプを配置する構成の例のものを好ましく例示すること
ができる。
内筒と外筒の間に形成される固定化担体の滞留部は、例
えばこれらの内筒と外筒の間の上下位置に、担体は通過
できないが液の流れは自由な多孔質板あるいは網体など
の仕切りを配置する等によって形成することができる。
本発明において微生物又は酵素を担持する固定化担体
は、既知の種々のものを使用することができ、例えば微
生物の培養に使用される寒天培地、合成樹脂製のビーズ
状担体等を例示することができる。
固定化担体の滞留部においては、該固定化担体を浮遊状
態として反応槽内の混合特性を完全混合の状態とするこ
とが好ましく、したがってこのためには、上記内筒の筒
内で充填反応液の内筒軸方向の流れを生じさせ、これに
より該内筒の筒内から筒外を回動するように生じさせる
上下方向の循環流を、上記滞留部においては上方に向う
液流として与えることがよい。
(作用) 本発明は前記の構成をなすことによって、固定化担体と
培養液の接触頻度が効果的に確保でき、生物学的あるい
は生物化学的反応が促進される。また、固定化担体の破
損がなく安定持続した反応を継続させることが可能とな
る。
また反応槽内の混合特性が完全混合の状態として得ら
れ、環境因子の制御、反応結果の解析に基づいく装置の
スケールアップへの応用が容易化される。
(実施例) 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明よりなるバイオリアクタの構成概要を概
念的に示したものであり、第2図はこのバイオリアクタ
を三連式に連続させて構成した場合の装置概要を示した
ものである。
これらの図で示される例において、バイオリアクタ1の
反応槽の外殻を形成している外筒7の内部には、上下に
開放した筒状の内筒8が図示の如く固定的に内装され、
その内筒8の筒内部(以下これを内側通路33という)に
液流発生装置としての軸流インペラ12が設置されてい
る。この軸流インペラ12の駆動により反応槽内には図示
矢印で示した上下に循環する液流が発生される。
反応槽は恒温装置4によって生物学的あるいは生物化学
的な反応を好適に行なわせるに適した環境温度に維持さ
れる。
上記内筒8の筒外面と外筒7の内面の間には、上下位置
が多孔質板28で仕切られた微生物(あるいは酵素)の固
定化担体29を滞留保持するための滞留部2が区画形成さ
れ、上記軸流インペラ12により発生された液流により該
滞留部2には下方から上方に向かって液が流れ、これに
より固定化担体が浮遊して完全混合状態が実現される。
したがって固定化担体(従って固定化された微生物等)
と充填液の接触が良好に確保されることになる。
なお3は原液流入管、4は反応液の送出管である。また
30は反応槽内の液のpH状態を微生物等の至適環境に維持
するために設けられたpH調整液の注入管を示している。
以上の構成概要を有するバイオリアクタによれば、反応
槽内の外筒と内筒の間の通路(以下これを外側通路32と
いう)である滞留部に保持された微生物等の固定化担体
は、外筒と内筒の間のリング状の間隔部分に浮遊可能に
保持され、下方から上昇する液流により浮遊して完全混
合状態となって液と微生物等との良好な接触が図られる
という効果が得られる。
第2図は上記単槽のバイオリアクタを、三つ連続して配
置した場合の構成を示したものであり、この形式によれ
ば単一種類の固定化された微生物等により生物学的(あ
るいは生物化学的)な反応を行なわせることができるだ
けでなく、必要に応じて異なる種類の微生物を充填した
反応槽の組合せとすることもできる特徴がある。
第3図は上記第1図で概念的に示した装置の具体的な構
成を示したものであり、第4図は同装置の液流発生装置
の構成を拡大して示した図、第5図は内筒上部の部分を
拡大して示した図である。
これらの図で示された例のバイオリアクタ1は、竪型円
筒状の外筒7からなる反応槽の内部に、該外筒と同心円
的に上下に開放した竪型円筒状の内筒8が配置され、内
筒周方向に間欠配置された支持兼邪魔板9を介して外筒
7により固定支持されている。
本例の内筒8は、その上下の開放部においてその開放先
端側に向ってベルマウス状(又は円錐状)に形成された
顎部10,11が設けられ、該内筒を通る液流の流れをスム
ースとするようにされている。
12は内筒8の筒内下部に配置された軸流インペラであ
り、槽外のモータ15により回転軸16により第4図の矢印
方向に回転されることで内筒を内を下方に流れる液流を
発生させるようになっている。またこの軸流インペラ12
は翼型断面をもつ羽根13を備え、ボスの流入側には流れ
羽根にスムースに液を流すために半球状のキャップ14が
組付けられている。なお内筒8の内壁面とインペラの羽
根の回転先端との間の間隙δ(第4図参照)は、液の逆
流を防止するために機械的設計において許容される範囲
で可及的に小さくすることが好ましく、具体的には内筒
8の内径dと上記インペラの羽根13の外径dとの比
は、d/d≦1.01に選定されることがよい。
内筒8の上記インペラを包囲する下方部分は、上部と別
体に準備したもの(例えば第4図の符号8′で示したも
の)をパッキン18を介してボルト締め接合等により一体
化する構造としてもよい。このようにすれば、インペラ
の羽根13を内装する内筒の下方部分のみを精密加工する
ことで装置の加工等を容易化することができるからであ
る。なお第4図の符号17で示した部材は、内筒の周方向
に間欠的に配置された内筒支持のための支柱部材であ
る。
20は散気管であり、上記内筒の上部近傍の適当箇所に配
置されて、多数の散気孔からエアを噴出するようになっ
ている。これは生物学的(あるいは生物化学的)な反応
が好気性雰囲気で行なわれることが必要な場合に利用さ
れる。
21は上記内筒8内の軸流インペラ12の上部位置に配置さ
れた整流板である。この整流板は、この種装置では渦流
が発生し易くその渦流はポンプ効率を低下させるので、
これを防止するために設けられている。
3は反応槽上部の一部に接続された原液流入管、5は反
応槽の下部の一部に接続された反応液の送出管である。
なお22は反応槽の天井部に設けられた脱気管であり、絞
り弁23を介して大気に開放されている。そして上記原液
流入管3の上流側に接続される不図示の送液ポンプから
の送液圧力による加圧、送出管の下流側に接続された不
図示の絞り弁の絞りにより与えられる液流出量、および
上記脱気管22に接続の絞り弁23の絞り程度のバランス
で、反応槽内の圧力状態が上述した5kg/cm2・G以下の
適当な値に設定することができるようになっている。
28は固定化担体29を滞留保持するための滞留部を形成す
るためのリング状の形状をなしている多孔質板であり、
外筒7と内筒8の間の上下位置に、仕切りとして配置さ
れている。この多孔質板は、固定化担体の流通は阻止す
るが、液の流通はスムースに許容できる適当な孔が多数
形成されているものである。
なお本例のバイオリアクタにおいては、第5図に示す如
く外筒7内部と内筒8内部の適所の圧力状態を検出する
ためにマノメータ24,25が設置されている。マノメータ2
4は、外側通路32の内筒上部顎部10と同高位置の圧力を
検出するように設置され、またマノメータ25は内筒8の
内側通路内においてそ上端から該内筒の内筒d長さ寸法
だけ下側に下った位置の圧力を検出するように設置され
ている。
以上の構成のバイオリアクタにおいて、生物学的あるい
は生物化学的反応を行なわせるにあたって留意すべき点
は、第1には生化学反応の促進であり、第2には大流量
を確保することである。
本例のバイオリアクタにおいてこれらの留意点を好適に
実現するには、例えば第3図における軸流インペラ12が
配置され従って液流の速い内筒8内に散気管20を配置し
て、しかもインペラの方向に散気孔を開口させるように
する構成が好ましく採用される。これにより液中に導入
されたエアが単に浮上するのではなく、液中において攪
拌作用等を迅速に受けて溶解し、大きな溶存酸素の状態
を確保することができるようになる。また溶存酸素の量
を多くするために反応槽内は加圧下とすることが好まし
い。
また担体に固定化された微生物等と液との接触を高効率
化するために、液の循環をスムースに行なわせることが
好ましく、このために内筒の開放端部を上述のようにベ
ルマウス(あるいは円錐状)とすることがよい。この内
筒端部のベルマウス等の開きの程度は、内筒下端と反応
槽底との間の距離、内筒上端と液面までの距離のhを、
内筒8の内筒dに対し0.37倍以上に設定することが好ま
し場合が多い。0.37倍以下である場合には、循環流量が
その部分を通過する際に圧力損失が大きくかかる虞れが
ある等の問題がある。
また流量を最大限に確保しつつ、効率をできるだけ高く
し動力を節減するには、上記第3図の構成のバイオリア
クタにおいてはインペラ12を高効率軸流インペラとして
設計し、比速度 が900〜3000の翼型断面を有するものとすることがよ
い。
実施例1 (スィートソルガム搾汁液からのL-乳酸の生産) (固定化担体(ゲルビーズ)の調整) ラクトバシルス カゼイ バラエテイ カゼイ(Lactob
acillus casei var casei )をブリッグス(Briggs)培
地で37℃、20時間嫌気培養し、その培養液1容に対し、
アルギン酸ナトリウム2.5%液9容を加え、塩化カルシウ
ム5%溶液に滴下して3〜4mmφの球状ゲルビーズとし
た。
(装置仕様) 第4図のバイオリアクタを第1図の仕様で、下記の通り
に構成した。
1槽の容量 800ml ゲルビーズ容量 150ml ゲルビーズ空隙率 0.77 ゲルビーズ直径 3〜4mmφ 軸流ポンプ:ゲッチンゲン型3枚羽根 羽根径 40mm 回転数 0〜100rpm 運転条件:滞留時間 6.0hr pH 7 温度 35℃ 以上の条件で乳酸の生成を行ないその結果を下記表1に
示した。
以上の結果を、軸流ポンプの周速と、L-乳酸生成速度の
関係として第6図に示した。
軸流ポンプはポンプ相似則により周速と吐出量が比例す
ることから、ゲルビーズと培養液との接触回数が比例す
ることになり、上記表1および第6図からも、L-乳酸生
成速度は軸流ポンプの周速に略比例して定量的な制御が
可能なことが理解できる。
実施例2 (スィートソルガム搾汁液からのL-乳酸の生産) 上記実施例1に比べて、装置仕様を第2図の三連式に変
更した以外は同様の条件でL-乳酸の生成を行なった。
その結果を実施例1と対比して下記第2表に示した。
上記表2の通り、略同一の反応条件を保持させた場合に
おいては、ほとんでL-乳酸生成速度は変化することなく
同一の性能が継続時間400hrに渡って得ることができ
た。
このことより、単一槽の試験で性能を把握すればスケー
ルアップが容易に行なえることが分る。
このことは、従来、ジャーファーメンタでの性能試験を
確認してもパイロットテスト,コマーシャルテストがそ
れぞれの段階で必要とされていた、ことと比べて極めて
装置設計の容易なことを意味し、工業的規模での装置設
計を実験質レベルで十分確認できる利点と合せてその有
用性は極めて大きい。
実施例3 (酵母:サッカロミセス ルキシー(Saccharomyces ro
uxii):細胞の固定化菌体を用いた酢酸の生産) サッカロミセス ルキシー(Saccharomyces rouxii)を
YM−培地で培養し、その培養液1容に対し、実施例1
と同様に球状ゲルビーズを調整した。
次に、グルコース3%、硫酸アンモニウム0.5%、リン
酸二カリウム0.085%、リン酸一カリウム 0.015%、硫
酸マグネシウム0.05%、およびビタミン,無機イオン等
の微量成分からなる培地(pH5.5)を使用し、実施例1
の装置仕様で散気管20からエアを吹き込みながら酢酸の
生産を行なった。その結果を下記表3および第7図に示
した。
一般に、好気性菌を利用したバイオリアクタにおいて
は、呼吸が溶存酸素(DO)の影響を受けることが多
い。特に固定化反応系では、固定化材によって反応がD
Oの濃度に律速される傾向は一層大きくなる。
ところで上記表3および第7図で示された本実施例3の
結果からは、固定化酵母細胞を用いて酢酸の生成を行な
い、その反応槽内の圧力を変化させた場合に、圧力状態
に略比例して酢酸の生成が得られることが分る。
これは溶存酸素濃度DOと圧力の関係をみると、その圧
力に対するDOの濃度勾配ΔCは ΔC=Cs−c で与えられ、ここで Cs=飽和DO C=運転DO の式より、Csは反応槽内の圧力に比例して大きなるこ
とから、結果的に 酸素供給能力 ∝ 圧力 となり、必然的にバイオリアクタ内に圧力に応じた量の
酸素を供給することができ、酢酸の生成速度が圧力に比
例することになるのである。
本実施例3の結果からは、反応槽内の圧力を高くするこ
とにより、同一バイオリアクタで生産量を大きくするこ
とができることが分る他、第3図で示した例の装置で
は、軸流インペラとエア吹き込み位置との関係を好適に
設定することで溶存酸素量を大きくできるようにしてい
るので、吹き込み強度を大きくすることが不要ないしそ
の必要度合を小さくでき、したがって従来装置において
問題となっていた発泡,飛沫同伴が可及的に少なくな
り、工業的装置として極めて有用性が高いものであるこ
とを示している。
(発明の効果) 以上述べた如く、本発明よりなるバイオリアクタは、微
生物,酸素を固定した固定化担体を反応液を攪拌流動さ
せる液流発生機構と固定化担体の滞留部が区画されてい
るため、固定化担体を損傷することなくこれを適当な浮
遊状態に維持して長期に安定した反応を行なわせること
ができ、また該浮遊状態の固定化担体に対し反応液を十
分流通接触させることができて反応容積効率が高いとい
う効果が得られる。
また、反応槽内の液の流動特性は、内筒内で軸方向の液
流を発生させる液流発生機である例えば軸流ポンプの相
似則に支配されるので、小さなジャーファーメンタによ
る実験室レベルでの試験の解析結果を基づいて、スケー
ルアップした装置を設計することが容易であり、工業的
な規模の装置設計が容易かつ、精密に行なえるという効
果もある。
また更に、本発明よりなる反応槽内の混合特性は、循環
混合流の完全混合槽であり、反応制御因子を同一条件に
調整することが容易で、微生物学的に適した反応条件を
選択するのに適しているという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明よりなるバイオリアクタの構成概要を概
念的に示したものであり、第2図はこのバイオリアクタ
を三連式に連続させて構成した場合の装置概要を示した
ものである。 第3図は上記第1図で概念的に示した装置の具体的な構
成を示したものであり、第4図は同装置の液流発生装置
の構成を拡大して示した図、第5図は内筒上部の部分を
拡大して示した図である。 第6図は実施例1におけるL-乳酸生成速度と軸流インペ
ラの回転数の関係を示した図、第7図は実施例3におけ
る酢酸生成速度と反応槽内圧力の関係を示した図であ
る。 1:バイオリアクタ、2:滞留部(間隙) 3:流入管、4:恒温装置 5:送出管、6:絞り弁 7:外筒、8:内筒 9:支持兼邪魔板、10,11:顎部 12:軸流インペラ、13:羽根 14:半球状キャップ、15:モータ 16:回転軸、17:支柱部材 18:パッキン、19:散気孔 20:散気管、21:整流板 22:脱気管、23:絞り弁 24,25:マノメータ、26:外側通路 27:内側通路、28:支持板 29:固定化担体、30:pH調整液注入管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下に開放した竪型筒状の内筒と、この内
    筒の周囲を十分な隙間を保って囲み、かつ該内筒が十分
    沈潜する位置まで内部に液が充填される反応槽外殻とし
    ての外筒と、酵素又は微生物を固定化した固定化担体は
    通過できないが充填液の通過は自由な仕切りを上記外筒
    と内筒の間の上下に設けて、この上下の仕切りの間で該
    固定化担体を浮遊状態で滞留保持するように形成した固
    定化担体の滞留保持部と、上記内筒の筒内で充填液に下
    向流の流れを生じさせ、これにより該内筒の筒内を下向
    し筒外を上向する上下方向の循環流を生じさせる液流発
    生手段とを備え、上記外筒の内径Dと内筒の内径dの比
    d/Dを0.2〜0.6、内筒の内径dと内筒の軸方向寸法
    の比/dを6以上としたことを特徴とする生物反応装
    置。
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