JPH0658911A - 磁気aeによる高温機器の寿命予測法及び寿命予測装置 - Google Patents
磁気aeによる高温機器の寿命予測法及び寿命予測装置Info
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- JPH0658911A JPH0658911A JP4208846A JP20884692A JPH0658911A JP H0658911 A JPH0658911 A JP H0658911A JP 4208846 A JP4208846 A JP 4208846A JP 20884692 A JP20884692 A JP 20884692A JP H0658911 A JPH0658911 A JP H0658911A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 タービン構造物の余寿命を精度良く診断し、
タービン構造物の破壊に至る前の交換を可能にする。 【構成】 磁性金属で製造されたタービン構造物と同一
材料試験片でクリープ試験を予め行って磁気AE特性値
とクリープ損傷度との相関関係を予め求めておき、測定
対象のタービン構造物の磁気AE特性値を求め、該磁気
AE特性値と前記相関関係とからクリープ損傷度を求
め、該クリープ損傷度から測定対象のタービン構造物の
余寿命を診断する。磁気AE特性値とクリープ損傷度と
の相関関係は、測定対象物のクリープ損傷度が破断を示
す“1”に近付くほど磁気AE特性値の変化が大きくな
るので、寿命後期での余寿命の精度の高い予知が可能と
なる。
タービン構造物の破壊に至る前の交換を可能にする。 【構成】 磁性金属で製造されたタービン構造物と同一
材料試験片でクリープ試験を予め行って磁気AE特性値
とクリープ損傷度との相関関係を予め求めておき、測定
対象のタービン構造物の磁気AE特性値を求め、該磁気
AE特性値と前記相関関係とからクリープ損傷度を求
め、該クリープ損傷度から測定対象のタービン構造物の
余寿命を診断する。磁気AE特性値とクリープ損傷度と
の相関関係は、測定対象物のクリープ損傷度が破断を示
す“1”に近付くほど磁気AE特性値の変化が大きくな
るので、寿命後期での余寿命の精度の高い予知が可能と
なる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温下で長期間稼働する
蒸気タービンやガスタービン等の構造物の寿命を非破壊
的に予測する寿命予測法に係り、特に、予測精度を高め
るのに好適な磁気AEによる高温機器の寿命予測法及び
寿命予測装置に関する。
蒸気タービンやガスタービン等の構造物の寿命を非破壊
的に予測する寿命予測法に係り、特に、予測精度を高め
るのに好適な磁気AEによる高温機器の寿命予測法及び
寿命予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】タービン構造物、例えば蒸気タ−ビンロ
−タシャフトは、低合金鋼によって製造されている。一
般に、高温で使用される材料は、300〜600℃程度で長時
間さらされると、その靭性及び延性が低下してしまう。
このような脆化は、冶金的に結晶粒界及び粒内へ炭化物
が析出したり、また、結晶粒界へボイドが生成されたり
不純物元素量が増加することにより、起こる。
−タシャフトは、低合金鋼によって製造されている。一
般に、高温で使用される材料は、300〜600℃程度で長時
間さらされると、その靭性及び延性が低下してしまう。
このような脆化は、冶金的に結晶粒界及び粒内へ炭化物
が析出したり、また、結晶粒界へボイドが生成されたり
不純物元素量が増加することにより、起こる。
【0003】蒸気タ−ビンロ−タは、このような脆化が
起こる温度範囲で使用されており、材料の脆化を的確に
判断する必要がある。また、長期間稼働しているので脆
化が蓄積され、更に作用応力によって亀裂が発生する可
能性があると共に、ロ−タの破壊事故にまで進展する危
険性がある。従って、使用過程におけるロ−タの脆化状
態を知ることは、実機の破壊事故防止の点から重要であ
る。
起こる温度範囲で使用されており、材料の脆化を的確に
判断する必要がある。また、長期間稼働しているので脆
化が蓄積され、更に作用応力によって亀裂が発生する可
能性があると共に、ロ−タの破壊事故にまで進展する危
険性がある。従って、使用過程におけるロ−タの脆化状
態を知ることは、実機の破壊事故防止の点から重要であ
る。
【0004】脆化の程度つまり材料の靭性を非破壊的に
検出する従来技術として、特開昭60−194354号
公報記載のものがある。この従来技術では、磁性材料に
交番磁界を印加し、そのとき磁性材料から発生するアコ
ースティック・エミッションをAEセンサで検出し、そ
の検出値から磁性材料の靭性を判断するようにしてい
る。
検出する従来技術として、特開昭60−194354号
公報記載のものがある。この従来技術では、磁性材料に
交番磁界を印加し、そのとき磁性材料から発生するアコ
ースティック・エミッションをAEセンサで検出し、そ
の検出値から磁性材料の靭性を判断するようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は、
磁気AEを用いて材料の靭性を評価するものである。し
かるに、検査時点におけるタービン構造物の靭性値だけ
を求めるだけではあまり意味はない。タービン構造物の
ように長期間連続して使用する物において一番重要なの
は、その構造物の耐用年数であり、あとどの位で寿命が
尽きるかの余寿命を的確に判断し、破壊等の重大事故が
起きる前にその構造物を交換する時期を知ることであ
る。しかも、タービン構造物は製造コストのかさむもの
であるため、交換時期を早めに設定してしまうと、それ
だけ割高になってしまうので、余寿命を精度良く求める
ことが要求される。
磁気AEを用いて材料の靭性を評価するものである。し
かるに、検査時点におけるタービン構造物の靭性値だけ
を求めるだけではあまり意味はない。タービン構造物の
ように長期間連続して使用する物において一番重要なの
は、その構造物の耐用年数であり、あとどの位で寿命が
尽きるかの余寿命を的確に判断し、破壊等の重大事故が
起きる前にその構造物を交換する時期を知ることであ
る。しかも、タービン構造物は製造コストのかさむもの
であるため、交換時期を早めに設定してしまうと、それ
だけ割高になってしまうので、余寿命を精度良く求める
ことが要求される。
【0006】高温にさらされる機器の脆化状態を非破壊
的に調べ寿命を評価する従来技術として、例えば特開平
2−278150号公報記載のものがある。この従来技
術では、クリープ損傷を起こさせた試験片の超音波特性
値とクリープ損傷率との相関関係を予め測定しておき、
測定対象物を超音波で検査し、得られた検出値と前記超
音波特性とから、測定対象物の余寿命を診断している。
また、例えば特公平2−10900号公報記載の従来技
術では、同じくクリープ損傷を起こさせた試験片の電気
抵抗率とクリープ損傷率との相関関係を予め測定してお
き、測定対象物の電気抵抗率測定値と前記相関関係とか
ら寿命を診断している。
的に調べ寿命を評価する従来技術として、例えば特開平
2−278150号公報記載のものがある。この従来技
術では、クリープ損傷を起こさせた試験片の超音波特性
値とクリープ損傷率との相関関係を予め測定しておき、
測定対象物を超音波で検査し、得られた検出値と前記超
音波特性とから、測定対象物の余寿命を診断している。
また、例えば特公平2−10900号公報記載の従来技
術では、同じくクリープ損傷を起こさせた試験片の電気
抵抗率とクリープ損傷率との相関関係を予め測定してお
き、測定対象物の電気抵抗率測定値と前記相関関係とか
ら寿命を診断している。
【0007】寿命の診断を行う場合、タービン構造物と
同一材料試験片に、タービン構造物と略同一の条件であ
る加熱温度,負荷応力及び試験時間を種々に変化させて
夫々クリ−プ損傷率が異なる試験片を多数作製してクリ
ープ試験を行い、クリ−プ損傷率との間で前記相関関係
を予め求めておくことが必要である。試験片が破断する
までの試験時間として年単位の時間が必要であり、しか
も、得られた相関関係が寿命を精度良く予測し得る特性
になるか否かは、実際にクリープ試験を行って見なけれ
ば判らない。
同一材料試験片に、タービン構造物と略同一の条件であ
る加熱温度,負荷応力及び試験時間を種々に変化させて
夫々クリ−プ損傷率が異なる試験片を多数作製してクリ
ープ試験を行い、クリ−プ損傷率との間で前記相関関係
を予め求めておくことが必要である。試験片が破断する
までの試験時間として年単位の時間が必要であり、しか
も、得られた相関関係が寿命を精度良く予測し得る特性
になるか否かは、実際にクリープ試験を行って見なけれ
ば判らない。
【0008】前述した特公平2−10900号公報記載
の従来技術における相関関係では、寿命初期において、
クリープ損傷率の変化に対して電気抵抗率の変化も大き
いが、寿命後期においては、クリープ損傷率の変化に対
して電気抵抗率は殆ど変化しなくなっている。特開平2
−278150号公報記載の従来技術でも、寿命後期で
のクリープ損傷率の変化に対して超音波特性値の変化は
殆どなくなっている。前述した様に、タービン構造物の
交換時期を知るためには寿命後期の状態を精度良く診断
する必要があり、上述した従来技術では、余寿命を精度
良く診断することができないという問題がある。
の従来技術における相関関係では、寿命初期において、
クリープ損傷率の変化に対して電気抵抗率の変化も大き
いが、寿命後期においては、クリープ損傷率の変化に対
して電気抵抗率は殆ど変化しなくなっている。特開平2
−278150号公報記載の従来技術でも、寿命後期で
のクリープ損傷率の変化に対して超音波特性値の変化は
殆どなくなっている。前述した様に、タービン構造物の
交換時期を知るためには寿命後期の状態を精度良く診断
する必要があり、上述した従来技術では、余寿命を精度
良く診断することができないという問題がある。
【0009】本発明の目的は、寿命後期の余寿命を精度
良く非破壊的に診断することのできる磁気AEによる高
温機器の寿命予測法及び寿命予測装置を提供することに
ある。
良く非破壊的に診断することのできる磁気AEによる高
温機器の寿命予測法及び寿命予測装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、磁性金属で
製造されたタービン構造物と同一材料試験片でクリープ
試験を予め行って磁気AE特性値とクリープ損傷度との
相関関係を予め求めておき、測定対象のタービン構造物
の磁気AE特性値を求め、該磁気AE特性値と前記相関
関係とからクリープ損傷度を求め、該クリープ損傷度か
ら測定対象のタービン構造物の余寿命を診断すること
で、達成される。
製造されたタービン構造物と同一材料試験片でクリープ
試験を予め行って磁気AE特性値とクリープ損傷度との
相関関係を予め求めておき、測定対象のタービン構造物
の磁気AE特性値を求め、該磁気AE特性値と前記相関
関係とからクリープ損傷度を求め、該クリープ損傷度か
ら測定対象のタービン構造物の余寿命を診断すること
で、達成される。
【0011】
【作用】本発明者等は、クリ−プ試験において、加熱温
度,負荷応力及び試験時間を種々に変化させ、応力負荷
時間とクリ−プ破断時間との比を表わすクリ−プ損傷度
が異なる試験片を多数作製し、材料のクリ−プ損傷率と
磁気AEの特性、例えばAE計数,振幅,エネルギとの
関係を求めた。その結果、両者には良い相関性があり、
特に、クリ−プ損傷度が増加してから磁気AE特性値の
変化が顕著になることを実験により明らかにした。つま
り、磁気AE特性値とクリープ損傷度との相関関係を予
め求めておくことで、この相関関係に基づいて実機での
磁気AE測定値から余寿命を高精度に診断することが可
能になることが判明した。
度,負荷応力及び試験時間を種々に変化させ、応力負荷
時間とクリ−プ破断時間との比を表わすクリ−プ損傷度
が異なる試験片を多数作製し、材料のクリ−プ損傷率と
磁気AEの特性、例えばAE計数,振幅,エネルギとの
関係を求めた。その結果、両者には良い相関性があり、
特に、クリ−プ損傷度が増加してから磁気AE特性値の
変化が顕著になることを実験により明らかにした。つま
り、磁気AE特性値とクリープ損傷度との相関関係を予
め求めておくことで、この相関関係に基づいて実機での
磁気AE測定値から余寿命を高精度に診断することが可
能になることが判明した。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気AEによ
る寿命予測装置の構成図である。磁性体で製造された測
定対象であるタービン構造物(被試験体)1に検出器2
を設置する。この検出器2は、磁化装置3とAEセンサ
4とからなる磁気AE装置であり、磁化装置3は、コア
5とコイル6からなっている。発振器7の信号がパワ−
アンプ8にて増幅され、励磁電流9としてコイル6に印
加される。このとき、励磁電流9として正弦波または三
角波などの交流電流を印加すると、タービン構造物1に
磁気AEが発生する。AEセンサ4はこの磁気AEを検
出し、アンプ10はこの検出信号を増幅し、診断手段を
構成する信号処理部11はその増幅信号を処理してモニ
タ12に表示する。
明する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気AEによ
る寿命予測装置の構成図である。磁性体で製造された測
定対象であるタービン構造物(被試験体)1に検出器2
を設置する。この検出器2は、磁化装置3とAEセンサ
4とからなる磁気AE装置であり、磁化装置3は、コア
5とコイル6からなっている。発振器7の信号がパワ−
アンプ8にて増幅され、励磁電流9としてコイル6に印
加される。このとき、励磁電流9として正弦波または三
角波などの交流電流を印加すると、タービン構造物1に
磁気AEが発生する。AEセンサ4はこの磁気AEを検
出し、アンプ10はこの検出信号を増幅し、診断手段を
構成する信号処理部11はその増幅信号を処理してモニ
タ12に表示する。
【0013】信号処理部11は、図示しない記憶手段を
備え、予めクリ−プ試験によってクリ−プ損傷度の分か
っているサンプルを用いて求めたクリ−プ損傷度と磁気
AE特性値との相関関係を格納してある。この相関関係
は、図1に示す装置でサンプルの磁気AE特性値を測定
し蓄積することで作成され、記憶手段に格納される。タ
ービン構造物1のクリ−プ損傷度または破壊寿命は、タ
ービン構造物1で測定した磁気AE特性値を、前記相関
関係にあてはめることにより求めることができる。
備え、予めクリ−プ試験によってクリ−プ損傷度の分か
っているサンプルを用いて求めたクリ−プ損傷度と磁気
AE特性値との相関関係を格納してある。この相関関係
は、図1に示す装置でサンプルの磁気AE特性値を測定
し蓄積することで作成され、記憶手段に格納される。タ
ービン構造物1のクリ−プ損傷度または破壊寿命は、タ
ービン構造物1で測定した磁気AE特性値を、前記相関
関係にあてはめることにより求めることができる。
【0014】図2は、予め作成し記憶手段に格納したA
E計数値(磁気AE特性値の1つ)とクリ−プ損傷度と
の相関関係を示す線図である。図2に示す相関関係は、
クリ-プ損傷度φcが増すとAE計数値Nが増加し、特
に、クリープ損傷度φcが破断を示す“1”に近くなる
ほど、その増加率が高くなる傾向を示す。AE係数値ば
かりでなく、AEの振幅,エネルギ,実効値などの他の
AE特性値も、AE計数値と同様に、クリ−プ損傷度が
増すほど増加する特性線図となる。図2に示すように、
高温部材の磁気AE特性値たとえばAE計数値は、同じ
応力負荷時間でもその加熱温度によって異なり、加熱温
度が高いほど高い値を示す。例えば、蒸気タ−ビンロ−
タの長手方向の温度分布は各所によって異なるので、マ
スタ−曲線にあてまめる磁気AE計数値は実機と同一加
熱温度のデ−タを使用する必要がある。
E計数値(磁気AE特性値の1つ)とクリ−プ損傷度と
の相関関係を示す線図である。図2に示す相関関係は、
クリ-プ損傷度φcが増すとAE計数値Nが増加し、特
に、クリープ損傷度φcが破断を示す“1”に近くなる
ほど、その増加率が高くなる傾向を示す。AE係数値ば
かりでなく、AEの振幅,エネルギ,実効値などの他の
AE特性値も、AE計数値と同様に、クリ−プ損傷度が
増すほど増加する特性線図となる。図2に示すように、
高温部材の磁気AE特性値たとえばAE計数値は、同じ
応力負荷時間でもその加熱温度によって異なり、加熱温
度が高いほど高い値を示す。例えば、蒸気タ−ビンロ−
タの長手方向の温度分布は各所によって異なるので、マ
スタ−曲線にあてまめる磁気AE計数値は実機と同一加
熱温度のデ−タを使用する必要がある。
【0015】実機の蒸気タ−ビンの磁気AE特性を調べ
たところ、AE計数値NがNaであったとする。この場
合、実機のタービン構造物と同一温度の図2のデ−タに
基づいて、クリ−プ損傷度φcが“0.8”と求められ
る。この場合の余寿命つまり破断までの残余寿命t2
は、それまでの寿命消費時間(使用時間)をt1とする
と、次の数式1で求めることができる。
たところ、AE計数値NがNaであったとする。この場
合、実機のタービン構造物と同一温度の図2のデ−タに
基づいて、クリ−プ損傷度φcが“0.8”と求められ
る。この場合の余寿命つまり破断までの残余寿命t2
は、それまでの寿命消費時間(使用時間)をt1とする
と、次の数式1で求めることができる。
【0016】
【数1】t2=t1・(1/φc−1) 例えば、t1=8000時間,φc=0.8の場合には、
t2=2000時間となる。つまり、タービン構造物が
破壊するまでにあと2000時間の寿命しかないことが
推定できる。
t2=2000時間となる。つまり、タービン構造物が
破壊するまでにあと2000時間の寿命しかないことが
推定できる。
【0017】磁気AE法は、材料の深さ方向の評価が可
能であるという特徴がある。材料の表面部における磁界
の浸透深さδは、表皮効果により次の数式2で与えられ
ることが知られている。
能であるという特徴がある。材料の表面部における磁界
の浸透深さδは、表皮効果により次の数式2で与えられ
ることが知られている。
【0018】
【数2】δ=√(2/ωσμ) ここで、ω:角周波数=2πf(f=磁化周波数) σ:導電率 μ:透磁率。
【0019】従って、発振器7によって、磁化周波数f
を変えれば、材料の深さδにおける磁気AE特性を知る
ことができる。
を変えれば、材料の深さδにおける磁気AE特性を知る
ことができる。
【0020】図1のモニタ12上における表示例を図3
に示す。例えば、被試験体が蒸気タ−ビンロ−タのよう
に円柱状の形態の場合、3次元表示を行う。図3に示す
ように、X軸にロ−タの長手方向をとり、Y軸に損傷度
φcまたは上記数式1で計算した残余寿命t2をとり、Z
軸に試験ロ−タの角度をとる。これにより、ロ−タのあ
る表面深さにおける損傷度または残余寿命を知ることが
できる。
に示す。例えば、被試験体が蒸気タ−ビンロ−タのよう
に円柱状の形態の場合、3次元表示を行う。図3に示す
ように、X軸にロ−タの長手方向をとり、Y軸に損傷度
φcまたは上記数式1で計算した残余寿命t2をとり、Z
軸に試験ロ−タの角度をとる。これにより、ロ−タのあ
る表面深さにおける損傷度または残余寿命を知ることが
できる。
【0021】図4は他の表示例を示し、X軸にロ−タの
長手方向をとり、Y軸に損傷度φcまたは上記数式1で
計算した残余寿命t2をとり、Z軸に材料の深さ位置を
とる。これにより、ロ−タのある角度における損傷度ま
たは残余寿命を知ることができる。
長手方向をとり、Y軸に損傷度φcまたは上記数式1で
計算した残余寿命t2をとり、Z軸に材料の深さ位置を
とる。これにより、ロ−タのある角度における損傷度ま
たは残余寿命を知ることができる。
【0022】以上の如く、本発明は実機の残余寿命を簡
便に、しかも破壊時期に近づくほど高い精度で予知でき
ることが可能となる。尚、本発明は、実機の蒸気タ−ビ
ンロ−タばかりでなく、高温でクリ−プ損傷を受ける他
のタービン構造物たとえば蒸気タ−ビンケ−シング、ガ
スタ−ビンロ−タ、ガスタ−ビンケ−シング等にも同様
に適用することができる。
便に、しかも破壊時期に近づくほど高い精度で予知でき
ることが可能となる。尚、本発明は、実機の蒸気タ−ビ
ンロ−タばかりでなく、高温でクリ−プ損傷を受ける他
のタービン構造物たとえば蒸気タ−ビンケ−シング、ガ
スタ−ビンロ−タ、ガスタ−ビンケ−シング等にも同様
に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、タービン構造物の残余
寿命を簡単に且つ精度良く予知できるため、実機の破壊
事故前に部品交換を的確にできるという優れた効果があ
る。
寿命を簡単に且つ精度良く予知できるため、実機の破壊
事故前に部品交換を的確にできるという優れた効果があ
る。
【図1】本発明の一実施例に係る寿命予測装置の構成図
である。
である。
【図2】本発明の磁気AE法によるAE計数とクリ−プ
損傷度との相関関係を示す線図である。
損傷度との相関関係を示す線図である。
【図3】図1に示すモニタへの表示例を示す図である。
【図4】別の表示例を示す図である。
1…被試験体、2…検出器、3…磁化装置、4…AEセ
ンサ、5…コア−、6…コイル、7…発振器、8…パワ
−アンプ、9…励磁電流、10…アンプ、11…信号処
理部(診断手段)、12…モニタ。
ンサ、5…コア−、6…コイル、7…発振器、8…パワ
−アンプ、9…励磁電流、10…アンプ、11…信号処
理部(診断手段)、12…モニタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 祐川 正之 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 柳橋 実 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 丹 敏美 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 新家 昇 大阪府泉南郡阪南町箱の浦2604−304
Claims (10)
- 【請求項1】 磁性金属で製造されたタービン構造物と
同一材料試験片でクリープ試験を予め行って磁気AE特
性値とクリープ損傷度との相関関係を予め求めておき、
測定対象のタービン構造物の磁気AE特性値を求め、該
磁気AE特性値と前記相関関係とからクリープ損傷度を
求め、該クリープ損傷度から測定対象のタービン構造物
の余寿命を診断することを特徴とする磁気AEによる高
温機器の寿命予測法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記クリ−プ損傷度
は、前記試験片のクリ−プ破断時間に対するクリ−プ試
験時間の比であることを特徴とする磁気AEによる高温
機器の寿命予測法。 - 【請求項3】 請求項1において、磁気AE特性値を求
めるときに測定対象あるいは試験片に印加する交番磁界
の磁化周波数を変えて測定対象あるいは試験片の表面深
さ方向のクリ−プ損傷度を求めることを特徴とする磁気
AEによる高温機器の寿命予測法。 - 【請求項4】 磁性金属で製造されたタービン構造物と
同一材料試験片でクリープ試験を予め行って、クリープ
損傷度が破断に近付くほど特性値の変化が大きくなる磁
気AE特性値とクリープ損傷度との相関関係を予め求め
ておき、測定対象のタービン構造物の磁気AE特性値を
求め、該磁気AE特性値と前記相関関係とからクリープ
損傷度を求め、該クリープ損傷度から測定対象のタービ
ン構造物の余寿命を診断することを特徴とする磁気AE
による高温機器の寿命予測法。 - 【請求項5】 磁性金属で製造されたタービン構造物と
同一材料試験片でクリープ試験を行い予め求めた磁気A
E特性値とクリープ損傷度との相関関係を格納した記憶
手段と、測定対象のタービン構造物に設置して該タービ
ン構造物の磁気AE特性値を求める磁化装置及びAEセ
ンサからなる磁気AE装置と、該磁気AE装置で求めた
測定対象の磁気AE特性値と前記相関関係とからクリー
プ損傷度を求め該クリープ損傷度から測定対象のタービ
ン構造物の余寿命を診断する診断手段とを備えることを
特徴とする磁気AEによる高温機器の寿命予測装置。 - 【請求項6】 請求項5において、前記クリ−プ損傷度
を前記試験片のクリ−プ破断時間に対するクリ−プ試験
時間の比として求める手段を備えることを特徴とする磁
気AEにゆる高温機器の寿命予測装置。 - 【請求項7】 請求項5において、前記磁化装置は磁気
AE特性値を求めるときに測定対象あるいは試験片に印
加する交番磁界の磁化周波数を変えて測定対象あるいは
試験片の表面深さ方向のクリ−プ損傷度を求める周波数
可変手段を備えることを特徴とする磁気AEによる高温
機器の寿命予測装置。 - 【請求項8】 磁性金属で製造されたタービン構造物と
同一材料試験片でクリープ試験を予め行い予めクリープ
損傷度が破断に近付くほど特性値の変化が大きくなる磁
気AE特性値とクリープ損傷度との相関関係を求めて格
納しておく記憶手段と、測定対象のタービン構造物の磁
気AE特性値を求める磁気AE装置と、該磁気AE装置
の測定値から求めた磁気AE特性値と前記相関関係とか
らクリープ損傷度を求め該クリープ損傷度から測定対象
のタービン構造物の余寿命を診断する診断手段とを備え
ることを特徴とする磁気AEによる高温機器の寿命予測
装置。 - 【請求項9】 請求項5乃至請求項8のいずれかにおい
て、余寿命診断値を表示する表示装置を備えることを特
徴とする磁気AEによる高温機器の寿命予測装置。 - 【請求項10】 請求項9において、測定対象の各所の
余寿命診断値を三次元表示することを特徴とする磁気A
Eによる高温機器の寿命予測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4208846A JPH0658911A (ja) | 1992-08-05 | 1992-08-05 | 磁気aeによる高温機器の寿命予測法及び寿命予測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4208846A JPH0658911A (ja) | 1992-08-05 | 1992-08-05 | 磁気aeによる高温機器の寿命予測法及び寿命予測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0658911A true JPH0658911A (ja) | 1994-03-04 |
Family
ID=16563075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4208846A Pending JPH0658911A (ja) | 1992-08-05 | 1992-08-05 | 磁気aeによる高温機器の寿命予測法及び寿命予測装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0658911A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003075416A (ja) * | 2001-09-04 | 2003-03-12 | Yamagata Casio Co Ltd | Ae監視装置及びae監視方法 |
JP2006125299A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-18 | Toshiba Corp | 蒸気タービンロータの余寿命評価装置、蒸気タービンロータの余寿命評価方法、動翼および蒸気タービン |
CN110045002A (zh) * | 2019-05-14 | 2019-07-23 | 南昌航空大学 | 磁声发射信号无量纲特征参数提取方法 |
-
1992
- 1992-08-05 JP JP4208846A patent/JPH0658911A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003075416A (ja) * | 2001-09-04 | 2003-03-12 | Yamagata Casio Co Ltd | Ae監視装置及びae監視方法 |
JP2006125299A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-18 | Toshiba Corp | 蒸気タービンロータの余寿命評価装置、蒸気タービンロータの余寿命評価方法、動翼および蒸気タービン |
CN110045002A (zh) * | 2019-05-14 | 2019-07-23 | 南昌航空大学 | 磁声发射信号无量纲特征参数提取方法 |
CN110045002B (zh) * | 2019-05-14 | 2022-08-09 | 南昌航空大学 | 磁声发射信号无量纲特征参数提取方法 |
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