JPH0657500U - 池水浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアブロア，エアコンプレッサー等の不要
化，運転コスト低下及び省エネルギー化を図る。 【構成】 池１に浮上させたフロート２と，フロート２
に取付けた水中ポンプ３と，水中ポンプ３の吐出口に接
続されたエジェクタ５と，エジェクタ５に接続された吸
気管１１と，エジェクタ５の気水出口に接続されたデイ
フューザ１２と，デイフューザ１２下端に接続された降
水管１５と，降水管１５の下端に設けられたラッパ状の
吐出ノズル１６とにより構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，湖沼，貯水池，溜池等の池水浄化装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来，この種池水浄化装置としては，水中ポンプによって池水に上下循環流を 生起せしめると共に，エアブロア又はエアコンプレッサーにより給気を行なうよ うにしたものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで，上記従来技術では，給気用のエアブロア又はエアコンプレッサーが 不可欠で動力を要し，運転コストが高くなり不経済であるという問題がある。 本考案は，上述のような実状に着目して案出されたもので，その目的とすると ころは，エアブロア，エアコンプレッサー等が不要で運転コストを低下させ，か つ省エネルギーを図りうる池水特に水深の浅い溜池等に最適な池水浄化装置を提 供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では，上記目的を達成するために，次の技術的手段を講じた。 即ち，本考案は，池水中に浮上させたフロートと，該フロートに取付けた上層 水吸込用水中ポンプと，水中ポンプの下向吐出口に接続されたエジェクタと，エ ジェクタに接続された吸気管と，エジェクタの気水出口に接続されたデイフュー ザと，デイフューザの下端に接続された降水管と，降水管の下端に設けられた吐 出ノズルとから構成されている点に特徴がある。

【０００５】

【作用】

本考案によれば，水中ポンプから吐出された池水は，エジェクタのノズル部か ら高速噴流となってデイフューザに至り，こゝで流速が低下し圧力が高くなり， 降水管から吐出ノズルを経て池等の下層水中に放出される。他方，エジェクタの スロート部が真空状態となり，吸気管から空気が大量に吸い込まれ，この吸い込 まれた空気が，水圧により池水噴流中に効率よく溶け込み（酸素溶解効率が高い ），一部の空気が微細気泡となり，気水混合状態の噴流となって降水管を経て吐 出ノズルから下層水中に放出される。この気水混合噴流は，池水をまんべんなく 攪拌し，水の酸素溶存を均一に高めることができ，効率よく浄水される。

【０００６】

【実施例】

以下，本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図面において，（１）は水位の浅い溜池，（２）は水面に浮かべられたドーナ ツ形のフロート，（３）は水中ポンプで，該ポンプ（３）はフロート（２）の中 央に取付部材（４）により吐出口が下向きとなるように水中に懸吊装着され，吐 出口にエジェクタ（５）が接続されており，水中ポンプ（３）及びエジェクタ（ ５）が，前記フロート（２）の下部に装着された除塵スクリーン（６）により囲 まれ，水中ポンプ（３）の池水吸込口（７）に浮遊ごみ類を吸い込まないように してある。

【０００７】 前記エジェクタ（５）は，図２に示すように，入口にノズル部（８）を備え， 空気吸込み用のスロート部（９）が設けられると共に，スロート部（９）の上部 に吸気口（１０）が設けられ，該吸気口（１０）に吸気管（１１）が接続されて いる。そして，エジェクタ（５）のスロート部（９）の下端にデイフューザ（１ ２）が接続されている。

【０００８】 前記吸気管（１１）の上端は，フロート（２）の上面から上方に導びかれ，吸 気量調整用バブル（１３）を介してチエック弁及びサイレンサー付の吸気口（１ ４）が接続されている。前記吸気量調整用バルブ（１３）は陸地から遠隔操作可 能とされている。

【０００９】 前記デイフューザ（１２）の下端には，降水管（１５）が接続され，該管（１ ５）の下端にラッパ状に拡開された気水吐出ノズル（１６）が接続されている。 なお，降水管（１５）は上下伸縮可能な管，例えばフレキシブル管又はホースと することができ，直管とフレキシブルホースを接続したものとして，池水の水位 に追従させるようにできる。

【００１０】 前記吐出ノズル（１６）は，図３に示すように，水平方向放射状に開口（１６Ａ ）し、上下板（１７），（１８）間に整流板（１９）が設けられ，上板（１７） の外周部には歯車状の切欠部（２０）が多数設けられ，空気の分散を効果的に行 ないうるようにしてある。また下板（１８）の下面にはシンカーチエン（２１） が接続されており，該チエン（２１）が池底（１Ａ）に沈設したシンカー（２２ ）に接続されている。

【００１１】 （２３）はシンカー吊ロープ，（２４）は係留ロープ，（２５）は，水中ポン プ（３）の電源供給用ケーブルである。なお，係留ロープ（２４），ケーブル（ ２５）は水中に沈めてもよい。また，シンカー吊ロープ（２３）は，移設時にシ ンカー（２２）を吊り上げるものであり，上端がフロート（２）に固定されてい る。

【００１２】 上記実施例において，エジェクタ（５）のスロート部（９）で高速流となった 水は，空気を大量に吸い込み，スロート部（９）とデイフューザ（１２）の間で 水流と気泡とが衝突し，気泡は水流により引きちぎられて超微細気泡となり，酸 素が水中に溶解するのが助長される。

【００１３】 前記デイフューザ（１２）では，流路断面が拡大されるため，水流中の気泡は さらに圧縮増圧され，効果的に酸素を水中に溶解させることができる。したがっ て，吐出ノズル（１６）の開口（１６Ａ）から放出される気水噴流は，池（１） の中をまんべんなく攪拌し，水の酸素溶存を均一にする。 本考案は，上記実施例に限定されるものではなく，適宜設計変更することがで きる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は，上述のように，水中ポンプと降水管の途中にエジェクタ及びデイフ ューザを設けたものであるから，エアブロアやエアコンプレッサーを用いること なく吸気を行ないかつ水中への酸素溶解を効果的に助長させることができ，省エ ネルギー及び運転コストの低下を図ることができる。また，エアブロアやエアコ ンプレッサーが不要であるから設備コストを低下し経済性を高めることができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部破断正面図である。

【図２】同実施例におけるエジェクタ及びデイフューザ
の縦断側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面拡大図である。

【符号の説明】

１ 溜池 ２ フロート ３ 水中ポンプ ５ エジェクタ １１ 吸気管 １２ デイフューザ １５ 降水管 １６ 吐出ノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 池水中に浮上させたフロートと，該フロ
   ートに取付けた上層水吸込用水中ポンプと，水中ポンプ
   の下向吐出口に接続されたエジェクタと，エジェクタに
   接続された吸気管と，エジェクタの気水出口に接続され
   たデイフューザと，デイフューザの下端に接続された降
   水管と，降水管下端に設けられた吐出ノズルとから構成
   されていることを特徴とする池水浄化装置。