JPH0656872A - コウジ酸配糖体及びその製造法 - Google Patents

コウジ酸配糖体及びその製造法

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JPH0656872A
JPH0656872A JP22653792A JP22653792A JPH0656872A JP H0656872 A JPH0656872 A JP H0656872A JP 22653792 A JP22653792 A JP 22653792A JP 22653792 A JP22653792 A JP 22653792A JP H0656872 A JPH0656872 A JP H0656872A
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kojic acid
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JP22653792A
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Satoru Kitao
悟 北尾
Yoko Shimaoka
洋子 嶋岡
Hiroshi Sekine
廣 関根
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 【化1】 で示されるコウジ酸配糖体、該コウジ酸配糖体を有効成
分として含有する美白化粧料、及びコウジ酸に糖供与体
の存在下、シュークロースホスホリラーゼを作用させる
ことを特徴とする式 【化2】 (式中R1がグルコシル基であるときはR2は水素原
子、R1が水素原子であるときはR2はグルコシル基で
ある)で示されるコウジ酸配糖体の製造法である。 【効果】 チロシナーゼ活性阻害作用を有し、美白化粧
料の有効成分として利用できる前記化1で表わされる新
規なコウジ酸配糖体及び前記化2で表わされるコウジ酸
配糖体を、効率良く製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチロシナーゼ活性阻害作
用を有し、美白化粧料の有効成分として利用できる、新
規なコウジ酸配糖体、及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の着色の原因となるメラニン色素は
表皮と真皮との間にあるメラニン細胞(メラノサイト)
内のメラニン生成顆粒(メラノゾーム)において生産さ
れ、生成したメラニンは、浸透作用により隣接細胞へ拡
散する。このメラノサイト内に於けるメラニン色素の生
成過程は、必須アミノ酸であるL−チロシンが酵素チロ
シナーゼの作用により、先ずL−β−3,4−Dihy
droxyphenyl alanine(以下L−D
opa、L−ドーパという)に変化し、ドーパクロムに
変化した後、ドーパキノンとなり、次いで酵素的又は非
酵素的酸化作用により、赤色色素及び無色色素を経て、
最終的に黒色のメラニンへ変化するものと考えられてい
る。従って、上記メラニン色素の生成過程に於いてチロ
シナーゼの作用を阻害したり、あるいは中間段階におい
てキノン類の酸化作用を阻害したりすれば、最終的にメ
ラニンの生成を抑制し得るものと考えられる。以上のよ
うな現状において、コウジ酸は上記チロシナーゼの活性
中心である銅と結合することによりチロシナーゼの活性
を阻害することから、生体内におけるメラニン生成を抑
制し、皮膚の美白保持、又はシミ、ソバカスの除去等に
極めて有用な物質である。このほか、コウジ酸は、抗
菌、抗カビ作用及び強心作用等の優れた生理活性を有
し、食品及び医薬産業上有用な化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、このように優れ
た生理活性を有するコウジ酸誘導体を有機合成により製
造する方法が種々検討されており、例えばコウジ酸の2
位のヒドロキシ基をアシル化して、2−アルキルカルボ
ニルオキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4
−オンを製造する方法(特開昭54−92632号公報
参照)、2−ベンゾイルオキシメチル−5−ヒドロキシ
−4H−ピラン−4−オン、2−シンナモイルオキシメ
チル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン及び2
−フェノキシメチル−5−ヒドロキシ−4H−ピラン−
4−オンを製造する方法(特開昭59−33207号公
報参照)、及びコウジ酸の2位のヒドロキシ基を2−ピ
ロリドン−5−イン基またはピリジル基により置換する
コウジ酸誘導体の製造法(特開昭60−233071号
公報参照)が知られている。また、最近このように優れ
た生理活性を有するコウジ酸誘導体を酵素の作用を利用
して得る方法も検討され、例えばコウジ酸の2位のヒド
ロキシ基にグルコースをα結合したコウジ酸グルコシド
(α−グルコピラノシルコウジ酸)の製造法(特開平4
−46191号公報参照)が知られている。また、この
方法がコウジ酸配糖体がα−アミラーゼの糖転移反応に
より得られるものであることも知られている(平成3年
度日本発酵工学会大会講演要旨集248頁参照)。しか
しながら、5位のヒドロキシ基にグルコースが結合した
コウジ酸配糖体並びに上記2位のヒドロキシ基にグルコ
ースが結合したコウジ酸配糖体を糖転移酵素により、効
率よく製造する方法は知られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、チロシ
ナーゼ活性阻害により顕著なメラニン生成阻害作用を有
し、美白化粧料等の外用剤として有用な新規化合物を提
供すること、またその製造法を提供することを目的とし
て種々検討を重ねた結果、遂に本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は式
【化3】 で示されるコウジ酸配糖体であり、また本発明はこのコ
ウジ酸配糖体を有効成分として含有する美白化粧料であ
り、また本発明はコウジ酸に糖供与体の存在下、シュー
クロースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする
【化4】 (式中R1がグルコシル基であるときはR2は水素原
子、R1が水素原子であるときはR2はグルコシル基で
ある)で示されるコウジ酸配糖体の製造法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるコウジ酸は公知化合物であって、アスペルギ
ルス属、ペニシリウム属に属し、コウジ酸生成能を有す
る糸状菌を固体培養、又は液体培養し、該培養物より公
知の方法で単離、精製することにより得られるが、市販
もされているので容易に入手することができる。そし
て、使用に際してはコウジ酸またはその含有物いずれを
用いてもよい。
【0007】このコウジ酸は、水に対する溶解度が低い
(5〜10mg/ml)ので、予めジメチルスルホキサ
イド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等の有機溶媒に溶解(100〜600mg/ml)
し、できるだけコウジ酸の濃度を高くして使用すること
が効率良くコウジ酸配糖体を取得する上で好ましい。
【0008】糖供与体としては、グルコシル残基の少な
くとも1分子がコウジ酸分子に転移され得るもの、例え
ばシュークロース、グルコース−1−リン酸等が挙げら
れる。これらは、必要により併用してもよい。
【0009】次に、本発明で用いられるシュークロース
ホスホリラーゼは、無機リンの存在下でシュークロース
に作用してグルコース−1−リン酸とフラクトースとを
生成する、またはこの逆反応を触媒する酵素で、公知の
酵素で、例えば以下に述べる文献に記載の微生物を利用
して製造することにより容易にに得ることができる。
【0010】即ち、例えばロイコノストック・メセンテ
ロイデス(Leuconostocmesentero
ides)、シュードモナス・サッカロフィラ(Pse
udomonas saccharophila)、シ
ュードモナス・パトリファシエンス(Pseudomo
nas putrefaciens)、クロストリジウ
ム・パスティリアナム(Clostridium pa
steurianum)、 アセトバクター・キシリナ
ム(Acetobacter xylinum)、プル
ラリア・プルランス(Pullularia pull
ulans)等のものが知られている〔バイオテクノロ
ジー・アンド・バンオエンジニアリング(Biotec
hnol.Bioeng.,)Vol.29,第8〜1
5頁,1987年参照〕に属するシュークロースホスホ
リラーゼ生産能を有する微生物を、栄養培地に接種、培
養して、該酵素を生産蓄積せしめ、次いで常法により該
酵素を分離することにより得られる。このシュークロー
スホスホリラーゼは、粗酵素、精製酵素、市販酵素(例
えば、キッコーマン社製造、フナコシ社販売、シューク
ロースホスホリラーゼ)等、いずれを用いてもよい。
【0011】本発明を実施するには、先ずコウジ酸と糖
供与体とを水に溶解して、混合液を調製する。水に対す
る上記2つの成分の添加量は、全体として重量%濃度で
5〜80%、好ましくは20〜60%である。
【0012】そして、上記混合液に対するシュークロー
スホスホリラーゼの添加量は、コウジ酸と糖供与体の合
計重量1グラム当たり1単位以上、望ましくは50〜2
00単位である。なお、1単位とは特開平3−4785
「シュークロースホスホリラーゼの製造法」に記載の方
法に従って求めたもの、即ち25℃、1分間当たり1μ
モルのシュークロースをグルコース−1−リン酸へ変換
する酵素量を意味する。
【0013】また、酵素反応のpHは5.0〜8.5、
好ましくは7.0〜8.0であり、また温度は20〜5
0℃、好ましくは35〜45℃であり、また時間は1〜
48時間、好ましくは5〜40時間である。
【0014】このようにして、コウジ酸配糖体を含有す
る反応終了液が得られる。得られた反応終了液から目的
とするコウジ酸配糖体の分離は、そのまま、または以下
に述べるような予備処理をした後、液体クロマトグラフ
ィ法、又は有機溶媒抽出法等により単離精製する。
【0015】予備処理の具体的な方法としては、得られ
た酵素反応終了液を吸着樹脂(例えば活性炭)を充填し
たカラムに通液して、目的とするコウジ酸配糖体(通常
2種類の配糖体が生成する)及び未反応のコウジ酸を吸
着し、次いで蒸留水を通液して未反応の糖供与体、シュ
ークロースホスホリラーゼ(蛋白質)等を溶出した後、
次いでエタノール溶液を通液し、未反応のコウジ酸及び
2種類のコウジ酸配糖体を溶出し、このようにして得ら
れたコウジ酸及びコウジ酸配糖体を含む溶出液はエタノ
ールを蒸発等の方法により除去し、濃縮する等の方法が
挙げられる。
【0016】以上の如き予備処理をし、またはすること
なく得られた反応終了液から目的とするコウジ酸配糖体
を分離する方法として、液体クロマトグラフィ法による
場合は、例えば、強酸性イオン交換、逆相分配モードの
ODSカラム処理、または順相分配モードのアミノカラ
ム処理(硬質ポリマーにポリアミンを化学結合させたア
ミノカラムに供しアセトニトリル溶媒液等によって、コ
ウジ酸配糖体画分を分離溶出し)をして、目的とするコ
ウジ酸配糖体画分を得、減圧濃縮、凍結乾燥等により製
品を得る。また、有機溶媒抽出法による場合は、反応終
了液にメタノール、クロロホルム、酢酸、酢酸エチル等
の有機溶媒を混和し、以下常法による抽出を行う方法等
により単離精製することができる。上記、液体クロマト
グラフィー法及び有機溶媒抽出法は、それぞれ単独、ま
たは組合せて単離精製してもよい。
【0017】
【本発明の効果】本発明によればコウジ酸に糖供与体の
存在下、シュークロースホスホリラーゼを作用させると
いう極めて簡単な操作によって、反応液中にコウジ酸5
−O−α−D−グルコピラノシド(上記式化2におい
て、R1がグルコシル基であり且つ、R2が水素原子で
ある)及びコウジ酸2−O−α−D−グルコピラノシド
(上記式化2においてR1が水素原子であり且つR2が
グルコシル基である)の2種類のコウジ酸配糖体を得る
ことができる。これらのコウジ酸配糖体は、コウジ酸の
優れた生理活性を有し、強いチロシナーゼ活性阻害効果
を示し、これらを有効成分とする化粧料は人体に対して
好ましくない副作用を有さず、人体皮膚内に存在するチ
ロシナーゼの活性を阻止し、優れたメラニン生成抑制作
用を示す。また、コウジ酸そのものは前述したように、
水に対する溶解度が低くその利用に際して非常に制約を
受けると言う欠点を有しているが、本発明で得られるコ
ウジ酸配糖体は水に対する溶解度が非常に高い特徴を有
しており(コウジ酸に比べて約10倍)、その優れた生
理活性をさらに助長するものである。
【0018】以下、実施例を示して本発明をより具体的
に説明する。
【実施例1】コウジ酸2gを20mlのDMSOに溶解
し、これを100mM HEPES(pH7.5)緩衝
液に500mg/mlの濃度に溶解したシュークロース
溶液80mlに混合し、これにシュークロースホスホリ
ラーゼ(キッコーマン社製造、フナコシ社販売)9,0
00単位を添加し、42℃、24時間反応させ、糖化合
物生成反応を行い、次いで、70℃、10分間加熱処理
して酵素反応を停止し酵素反応終了液を得た。この反応
終了液のHPLC分析の結果を図1に示す。図1の結果
から、反応終了液には、コウジ酸と共に2種類のコウジ
酸配糖体が含まれていることが確認できる。図1に示し
たように先に溶出される配糖体をコウジ酸配糖体1(以
下、これをKAG1という)、後に溶出される配糖体を
コウジ酸配糖体2(以下、これをKAG2という)とす
る。図2にはHPLC分析による酵素反応におけるコウ
ジ酸配糖体転移率の経時的変化の様子を示す。 [高速液体クロマトグラムによるHPLC分析の条件] カラム;Asahipak NH2P50、内径、4.
6mm、長さ、250mm 流速;1ml/分 移動相;アセトニトリル:H2O=80:20 検出波長;270nm
【0019】
【実施例2】次に、上記実施例1で得られた酵素反応終
了液100mlに蒸留水を400mlを混合し、この混
合液を活性炭カラム(内径30mm、長さ300mm)
に通液し、未反応の糖及び酵素を水で溶出した後、50
%エタノール溶液にてコウジ酸とコウジ酸配糖体画分を
溶出した。このようにして得られた未反応のコウジ酸と
目的とする2種類のコウジ酸配糖体を含有する溶液はロ
ータリーエバポレーターにて1/40容量となるまで濃
縮した。ついで、この濃縮液を順相分配モードのアミノ
カラムであるAsahipakNH2P−50カラム
(内径10mm、長さ250mm)に供し、80%アセ
トニトリル溶液を通流させて、目的とするKAG1、K
AG2画分を得、各々ロータリーエバポレーターにより
減圧濃縮を行い、凍結乾燥した。目的とするコウジ酸配
糖体KAG1と思われる粉末約320mg、コウジ酸配
糖体KAG2と思われる粉末約530mgを得た。上記
粉末を前述の条件で、高速液体クロマトグラフィーによ
りコウジ酸配糖体KAG1及びKAG2の純度を測定し
たところいずれも98%であった。
【0020】次に、上記2種類のコウジ酸配糖体の構造
を以下の核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルによ
り分析したところ、KAG1は新規なコウジ酸 5−O
−α−D−グルコピラノシドであることが確認され、K
AG2は特開平4−46191のコウジ酸誘導体と全く
同じ結果を示し、コウジ酸 2−O−α−D−グルコピ
ラノシドであることが確認された。即ち、上記KAG1
の粉末を常法に従って、重DMSOに溶解し、1H−核
磁気共鳴スペクトル及び13C−核磁気共鳴スペクトルに
より測定し、構造の解析をしたところそれぞれ図3(1
H−NMR(200MHZ))及び図4(13C−NMR
(50MHZ))が得られ、これらの図より構成成分は
グルコース1分子とコウジ酸1分子であり、グルコース
の1位とコウジ酸の5位がα結合していることが判明し
た。
【0021】次に、本実施例2で得られたKAG1のコ
ウジ酸配糖体を常法に従って、マススペクトルにより分
析を行ったところ図5が得られ、この結果から本発明の
方法で得られた化合物の分子量は304であることを確
認した。
【0022】次に、本発明の方法で得られたコウジ酸配
糖体を常法に従ってUV及び、IRスペクトルを調べた
結果、それぞれ図6、図7が得られた。UVスペクトル
は検体を蒸留水に溶解して測定し、そして、IRスペク
トルはKBr法により測定した。この結果から、得られ
た糖化合物はコウジ酸 5−O−α−D−グルコピラノ
シドであることが確認された。
【0023】
【応用例1】 「コウジ酸 5−O−α−D−グルコピラノシドのチロ
シナーゼ活性阻害効果」 上記実施例2で得られたKAG1並びにKAG2の試験
管内(インビトロ)でのチロシナーゼ活性阻害効果を調
べた。試験方法として、基本的には特開平4−4579
1号公報に準じて行い、チロシナーゼによるL−ドーパ
から生成されるドーパクロム(最大吸収波長475n
m)を測定した。 (1)反応系試験溶液;L−ドーパ溶液:L−ドーパ
(和光純薬社製)の0.05%(W/V)水溶液試料溶
液:KAG1又はKAG2を、0.01μmol/ml
の濃度となるように50mM酢酸緩衝液(pH6.8)
に溶解して調製した。 酢酸緩衝液:50mM酢酸緩衝液(pH6.8) チロシナーゼ溶液:チロシナーゼ(シグマ社製マッシュ
ルーム起源、2,000単位/mg)0.7mgを上記
酢酸緩衝液1mlに溶解して調製。なお、上記反応系試
験溶液は、測定まで氷で冷やしておく。 (2)チロシナーゼ活性阻害率の測定。 反応液の調製 チロシナーゼ活性阻害率の測定に当たり、反応系試験溶
液を表1に記載の如き組成となるように混合し、C1、
C2、T1、T2の四つの反応液を調製した。次いで、
試験管12本を3本づつ4区分に分け、それぞれの区分
に上記反応液を入れ、室温に5分以上放置した後、次の
測定操作に移行した。37℃にて測定を行った。 測定 上記で調製したC1、C2、T1、T2のそれぞれの反
応液にチロシナーゼ溶液0.05mlを添加すると、チ
ロシナーゼの作用によってL−ドーパが減少して反対に
ドーパクロムが増大し、反応液は次第に赤橙色に変化し
てゆくので、1分毎に475nmにおける吸光度をギル
フォード社製スペクトロフォトメーター(セル温度37
℃)にて測定した。C1−C2(コントロール)、KA
G1のT1−T2(本発明)、及びKAG2のT1−T
2(本発明)について、吸光度の増加した値の変化を調
べた。その結果を図8に示す。図8は、コントロールに
比べて、数値が低いほどチロシナーゼ活性の阻害が大き
いことを示す。 チロシナーゼ活性阻害率の計算、 添加時より5分後の吸光度からC1、C2、T1、T
2、について3つづつデータが得られるのでそれぞれに
ついて平均値を求め、それぞれC1、C2、T1、T2
とし、次式に従ってチロシナーゼ活性阻害率を求めた。 式;阻害率(%)=[1−(T1−T2)/(C1−C
2)]×100
【0024】図8の結果から、コウジ酸配糖体を含まな
いコントロールの区分はチロシナーゼの作用によってL
−ドーパが減少して反対にドーパクロムが増大し、時間
の経過と共に吸光度が増大するが、KAG1、KAG2
を含む本発明の区分は、該物質の存在によってチロシナ
ーゼの作用が阻害されるので、反応生成物であるドーパ
クロムに由来する吸光度の増大は低く抑えられ、KAG
1を含む区分はチロシナーゼ活性阻害率が51.5%、
そしてKAG2を含む区分は、その値が76.3%と非
常に高い値であった。上記結果より本発明の方法により
得られる、コウジ酸配糖体、特にKAG1及びKAG2
は、チロシナーゼ活性阻害作用を有し、美白化粧料の有
効な成分として利用できることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた、2種類のコウジ酸配糖体
を含む酵素反応終了液のHPLC分析の結果を示す。
【図2】HPLC分析により求めた、実施例1の酵素反
応におけるコウジ酸配糖体(KAG1及びKAG2)転
移率の経時的変化の結果を示す。
【図3】コウジ酸 5−O−α−D−グルコピラノシド
1H−核磁気共鳴スペクトル(200MHZ)(重DM
SO)を示す。
【図4】同化合物の13C−核磁気共鳴スペクトル(50
MHZ)(重DMSO)を示す。
【図5】同化合物のマススペクトルを示す。
【図6】同化合物を蒸留水に溶解したときのUVスペク
トルを示す。
【図7】同化合物のKBr法によるIRスペクトルを示
す。
【図8】同化合物並びにコウジ酸 2−O−α−D−グ
ルコピラノシドのチロシナーゼによりL−ドーパからド
ーパクロム生成を抑制するパターンを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で示されるコウジ酸配糖体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のコウジ酸配糖体を有効成分
    として含有する美白化粧料。
  3. 【請求項3】コウジ酸に糖供与体の存在下、シュークロ
    ースホスホリラーゼを作用させることを特徴とする式 【化2】 (式中R1がグルコシル基であるときはR2は水素原
    子、R1が水素原子であるときはR2はグルコシル基で
    ある)で示されるコウジ酸配糖体の製造法。
JP22653792A 1992-08-04 1992-08-04 コウジ酸配糖体及びその製造法 Pending JPH0656872A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100486921B1 (ko) * 2002-11-08 2005-05-03 주식회사 바이오랜드 코직산 유도체의 신규 제조방법
KR20160046136A (ko) 2014-10-20 2016-04-28 한밭대학교 산학협력단 신규한 코직산 컨쥬게이트 화합물 및 그의 용도

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