JPH0656736U - 赤外線カメラによる温度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 対象物の最高温度の測定を容易に行うことが
できる赤外線カメラによる温度測定装置を得る。 【構成】 対象物の赤外線映像を撮影する赤外線カメラ
６により撮影された映像をディスプレイ７に表示させ、
ディスプレイの画面７ａ上で任意に定めた範囲内の最高
温度を映像解析手段２１によって検出するようになって
いる。これにより、温度を測定する部品を予め特定し、
その最高温度を容易に測定することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地上監視型装柱点検車等に設けられ、電柱、電線あるいは碍子のよ うな対象物からの発熱を点検する赤外線カメラ装置に関し、さらには、対象物の 最高温度測定を容易に行うことのできる赤外線カメラによる温度測定装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

地上監視型装柱点検車は、赤外線カメラ、この赤外線カメラの撮影した映像を 表示するディスプレイ等を搭載して構成されており、既設の碍子等の点検、監視 のために用いられる。このような碍子等の点検、監視は、従来では点検員による 目視点検であったが、これでは外観に表れる損傷等の点検しか行うことができず 、碍子等の内在的な損傷、劣化の点検をできないという問題があった。

【０００３】 碍子等にこのような内在的な損傷、劣化があると、その部分の絶縁性が低下し 、その部分から電流が漏れて発熱するため、この発熱を検出することによりこの ような内在的な損傷、劣化等も発見することができる。地上監視型装柱点検車は 、このような発熱を検出して、碍子等の損傷、劣化を早期発見するために用いら れる。このため、この点検車においては、赤外線カメラにより対象物の赤外線映 像を撮影するとともにこの映像をディスプレイの画面に表示し、点検員がこの表 示された映像を観察して発熱箇所の有無をチェックするようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このようにして、ディスプレイの画面に表示される映像においては、対象物の 温度を把握する手段として、図４に示すように、画面４７ａ上の任意の位置に移 動可能な縦横の直線４７ｂ、４７ｃ、の交点Ｐ（いわゆるクロスラインの交点） の映像を映像解析装置によって解析し、温度を検出してその温度を表示させる方 法がある。この場合、対象物の温度分布が広い範囲で均一である場合は発熱して いる対象物の温度測定は容易であるが、電柱に備えられている碍子のように小さ な部品でしかも発熱が均一でないことが多い場合は、碍子の全面にわたり細かく 測定しなければならず、温度測定に長時間を要するという問題があった。

【０００５】 本考案はこのような問題に鑑みてなされたものであり、対象物の最高温度の測 定を容易に行うことができる赤外線カメラによる温度測定装置を提供することを 目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的達成のため、本考案にかかる赤外線カメラによる温度測定装置 は、対象物の赤外線映像を撮影する赤外線カメラにより撮影された映像をディス プレイに表示させ、ディスプレイの画面上で任意に定めた範囲内の最高温度を映 像解析手段によって検出するようになっている。

【０００７】

【作用】

このような構成の赤外線カメラによる温度測定装置を用いて対象物の点検を行 う場合、ディスプレイの画面上で任意に定めた範囲内の最高温度が検出される。 このため、前記の範囲を対象物の外形にあわせることにより、対象物が発熱して いるか否かの測定を容易に行うことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の好ましい実施例について説明する。本考案に係 る赤外線カメラによる温度測定装置を有した地上監視型装柱点検車を図２に示し ている。この地上監視型装柱点検車は、車体１内に、伸縮自在な支持ポール５お よび方向制御自在な雲台４に支持された赤外線カメラ６と、この赤外線カメラ６ の撮影した画像を表示するディスプレイ７と、この画像等を記録する記録装置８ とを有する。車体１内には、これら赤外線カメラ６などの操作を行って電柱、電 線等からの発熱の有無を点検する点検員用のシート２が設けられている。車体１ の屋根には赤外線カメラ６が突出できるように開口が形成されるとともに、この 開口がスライドルーフ３により開閉自在となっている。

【０００９】 この地上監視型装柱点検車による点検は、シート２に座った点検員が、ディス プレイ７の画像を見ながら赤外線カメラ６の制御を行ったり、この画像を記録装 置８に記録させたりして行われる。なお、この点検は発熱を調べるものであるた め、通常は、太陽熱の影響が少ない夕方から夜間にかけて行われる。この点検に 際しては、スライドルーフ３を開放し、支持ポール５を伸長させ、赤外線カメラ ６を屋根から上方に突出させる。この後、赤外線カメラ６により点検すべき電柱 、電線の赤外線画像を撮し、ディスプレイ７に表示された画像から発熱箇所の有 無を点検する。なお、このような点検を行うときには、赤外線カメラ６、ディス プレイ７、記録装置８に作動電力を供給する必要があり、この電力は、車両の走 行用エンジンＥによりベルト１０を介して駆動される発電機（オルタネータ）Ａ から供給される。

【００１０】 上記のような赤外線カメラ装置においては、ディスプレイ７の画面７ａから対 象物の温度測定を容易に行えるように、ディスプレイ７の画面７ａ内において指 定した範囲内の最高温度を測定する測定装置が設けられており、この測定装置の 構成を図１および図３に示す。赤外線カメラ６により撮影された映像信号は、映 像解析装置２１を介してディスプレイ７に送られ、その画面７ａにこの映像が表 示される。しかし、この映像から対象物の発熱温度を把握するのは困難であるた め、本装置においては、赤外線カメラ６からの映像信号を映像解析装置２１によ り解析して対象物の温度を検出し、画面７ａ内に表示するようになっている。

【００１１】 この温度測定は、対象物の発熱状態を把握するために行うのであるから、最高 温度を測定すればよいが、画面７ａに表示されている対象物全体の最高温度を測 定したのでは、発熱している部品の特定が困難となる。また、前述のように画面 にクロスラインを表示させ、その交点の測定を行っていたのでは一つの部品の温 度測定に長時間を要することとなる。そこで、本装置においては、測定範囲指示 装置２２によって画面７ａ上に任意の温度測定範囲を定め、その範囲内の最高温 度を測定するようになっている。

【００１２】 つぎに、電柱に取り付けられている碍子の温度測定を行う場合を例に取って説 明する。画面７ａには、赤外線カメラ６によって撮影された碍子２７が映し出さ れている。ここで、一番左側の碍子２７の温度を測定する場合は、点検員は測定 範囲指示装置２２を操作して、碍子２７の外形を囲むように測定範囲を指定する 。指定された測定範囲は、画面７ａ上に実線７ｃで表示され、映像解析装置はそ の範囲内の最高温度を検出し画面７ａの一部分（図２において一点鎖線７ｂで示 すような部分）に表示する。従って、表示された温度が通常の使用状態における 碍子の温度よりも高い場合には、温度測定を行った碍子に損傷、劣化等が生じて いると判断することができる。

【００１３】 なお、測定範囲指示装置２２を操作することによって指定できる測定範囲は前 述のように画面７ａ上で任意の位置および広さに設定できるため、まず二点鎖線 ７ｄで表すような広い範囲を測定し、対象物の発熱が検出された場合に測定範囲 を狭めていくようにすることも可能である。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように、本考案の赤外線カメラによる温度測定装置は、対象物の赤外線 映像を撮影する赤外線カメラにより撮影された映像をディスプレイに表示させ、 ディスプレイの画面上で任意に定めた範囲内の最高温度を映像解析手段によって 検出するようになっている。これにより、温度を測定する部品を予め特定し、そ の最高温度を容易に測定することができるため、通常の使用状態よりも温度が高 くなっている部品、即ち内在的な劣化等が生じている部品の早期発見のための検 査を行う場合に検査時間の短縮を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る赤外線カメラによる温度測定装置
の構成を示す概略図である。

【図２】この温度測定装置を有した地上監視型装柱点検
車を示す斜視図である。

【図３】本考案に係る温度測定装置のディスプレイ画面
の正面図である。

【図４】従来の温度測定装置のディスプレイ画面の正面
図である。

【符号の説明】

６ 赤外線カメラ ７ ディスプレイ ２１ 画像解析装置 ２２ 測定範囲指示装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対象物の赤外線映像を撮影する赤外線カ
   メラと、 この赤外線カメラにより撮影された映像を表示するディ
   スプレイと、 このディスプレイの画面上で任意に定めた範囲内におけ
   る最高温度を検出する映像解析手段とからなることを特
   徴とする赤外線カメラによる温度測定装置。