JPH0656683U - 雨傘の除水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濡れた雨傘から短時間で除水できる除水装置
を提供する。 【構成】 傘立て状の本体１の中に通水性を有する傘挿
入筒３と、その傘挿入筒の外側に設けられた集水筒６
と、集水筒の底部に設けられたポンプ７とを設け、ポン
プにより傘から吸出される水を受入れる容器５を備え
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、新規な雨傘の除水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

雨で濡れた雨傘を、所持者が建物内に入る際に放置する器具として、バケツや 壷、カメ等の傘立てを玄関に置いたりしている。公共の場所に置かれたバケツや 傘立ては、濡れた雨傘を建物内に持込んで床を濡らし、滑り易くなったり、汚れ 易くなったりすることを避けることを目的としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、デパート、，オフィスビル，病院等の人の出入りの多い所では、一般 大衆は、雨傘を傘置き、傘立てに放置することを好まない。それは、傘を置く人 が多くなると、乱雑に置かれて後で探し難くなったり、他の人に簡単に持ち去ら れやすいからである。

【０００４】 そのため、雨降りの日によく見られる光景として、濡れた雨傘を持ったまま室 内を歩き回るため、床の至る所に雨雫が垂れ、滑り易くなって、危険であるばか りでなく、床面がジメジメし、汚れて、不快感をもたらしている。

【０００５】 上記事情は、従来の雨傘立てが単に傘を置くだけの機能しか有しないためであ る。

【０００６】 本考案は、上記従来の雨傘立てでは一般大衆の要望を満足できないことに鑑み 、濡れた雨傘から短時間で除水できる除水装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では、傘立て状の本体の中に通水性を有する 傘挿入筒と、その傘挿入筒の外側に設けられた集水筒と、集水筒の底部に設けら れたポンプとを設け、ポンプから排出される水を受入れる容器を備えたことを特 徴としている。

【０００８】 容器は本体から出入れ自在とされる場合と、本体に固定され、排水管又はホー スと接続される場合とがある。ポンプの吐出圧を緩和するフィルタ等の飛散防止 部材を備えることが好ましい。本体にはポンプの吸気を排出する排気孔が設けら れる。容器が貯水用である場合は、満杯接近アラームが設けられる。

【０００９】

【作用】

濡れた雨傘を絞めて傘挿入筒に挿入し、ポンプを移動させると、雨傘の雨水が 傘挿入筒と集水筒の間に吸い出され、集水筒の底部に集められ、ポンプで排水さ れ、容器に収容される。雨傘は除水される。この装置は、傘立てとしても使用で きる。

【００１０】

【実施例】

次に本考案の実施例を、図面に基いて説明する。 図１は、本考案の技術的思想を概略的に示す斜視図、図２は本実施例装置の断 面図、図３は他の実施例を示す斜視図である。

【００１１】 図において、１はハウジングである本体であり、上面の開口部１１と、下部側 面の開口部１２を有する箱状に形成されていれば、その外観形状は任意である。 従来の傘立てと同様の外観を備えれば、濡れた雨傘２の所持者にこの装置を使用 することを促す効果が得られるので好ましい。

【００１２】 本体１の内側には、図２によく示されているように、上面に開口する中空円錐 状の傘挿入筒３が、その開口面を本体１の上面開口部１１に合わせ、下方に細く なるように取付けられている。この傘挿入筒３は、網、多孔シートなどの通水性 を有する材料で作られている。

【００１３】 傘挿入筒３の外側には、傘挿入筒とほぼ同形状の集水筒６が、傘挿入筒からわ ずかに隔てて取付けられている。

【００１４】 集水筒６の底部には、集水筒内の雨水と空気を吸入して、排出管８に吐出する ポンプ７が設けてある。そして、ポンプ７の稼動により、傘挿入筒３と集水筒６ の間の空隙９が減圧されるようになっている。

【００１５】 排出管８の下方には、本体１の底部における開口部１２から出入れ自在の容器 ５が収容されている。

【００１６】 排出管８と容器５の間に、排出管８からの吐出圧力を緩和して、吐出される雨 水が飛散することを防止するための部材１０、例えば、フィルタ又はスクリーン 等が備えられている。

【００１７】 １１は、容器５の上方において本体１の側板に設けられた排気孔であり、ポン プ７が傘挿入筒３を通して、吸入した空気を本体の外に排出して圧力のバランス をとるためのものであり、また、一部の排気孔はポンプモータの放熱のためにも 用いられる。

【００１８】 本体１には、好ましくは、この装置の使用者が傘を上面開口部１１に挿入した とき操作しやすい位置、例えば本体の側面などに、ポンプ７を稼動させるための 作動スイッチ４が設けてある。

【００１９】 上記構成により、図１に示すように雨で濡れた雨傘２をこの装置の上面開口部 １１に挿入し、作動スイッチ４をＯＮすると、ポンプ７が始動し、雨傘の雨水は 傘挿入筒３と集水筒６の間の真空状態により吸い出されて集水筒の底部に流下し 、ポンプ７により排出管８を経てフィルタ１０を通って容器５内に収容される。

【００２０】 濡れた傘を単に立て掛けて置く従来と異なり、傘挿入筒と集水筒の間を吸引さ れる空気で雨傘に付着している雨水又は雨滴を強制的に吸い取るため、短時間に 除水される。従って、雨降りの日も、建物に入る前にこの装置で除水することに より、雫の垂れない雨傘を携帯して建物内を歩くことができる。また、容器５に 溜まった水は、容器５を本体１から引出して、廃棄することができる。

【００２１】 作動スイッチ４をＯＮしたときから、通常の雨傘から除水するのに必要な時間 として設定された時間が経過した時に、ポンプ７を停止させるタイマを、電源回 路に挿入しても良い。ポンプ７は傘を傘挿入筒に挿入したことを検知する検知器 からの信号に基いてＯＮされるように回路設計することもできる。

【００２２】 本考案による除水装置は、上記のように、傘１本用の装置として実現するほか 、図３に例示するように、複数本用の装置として実現することもできる。

【００２３】 また、容器５は、満杯に近づくたびに本体１から引出して、溜まった水を捨て るほか、図３に示すように、容器５の外側面に突出する排出管５１を設け、これ にホース又は排水管５１０を接続しても良いし、接続しないで、キャップ５２を 装着しても良い。

【００２４】 ホース等を接続しない場合に、容器５から水を溢出させないため、満杯に近い 状態になったときにこれを検知するレベル検知器（図示せず）と、その検知信号 に基づいて動作するアラーム５３を設けると良い。アラーム５３は本体１側に設 けることが良い。

【００２５】

【考案の効果】

上述したように、本考案によれば、濡れた雨傘を挿入して、ポンプを作動させ ることにより、雨傘の雨水又は雨滴が強制的に除去されるので、短時間に除水す ることができる。従って、濡れたままの雨傘を持ち歩くことによる床面湿濡，汚 損，転倒事故などを有効に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置の外観の一例を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案の実施例装置の断面図である。

【図３】他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 雨傘 ３ 傘挿入筒 ５ 容器 ６ 集水筒 ７ ポンプ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ）本体、傘挿入筒、集水筒、ポンプ、
   容器を有し、 （ロ）前記本体は、前記傘挿入筒、集水筒、ポンプ、容
   器を内部に収納するものであり、 （ハ）前記傘挿入筒は、上面に開口し、下方に細くなる
   中空円錐状をなし、通水性を有する材料で形成され、上
   端部において前記本体に取付けられており、 （ニ）前記集水筒は、前記傘挿入筒の外側に設けられ、
   傘挿入筒から流出する水を下端部に集水するものであ
   り、 （ホ）前記ポンプは、前記集水筒の底部に設けられ、前
   記傘挿入筒内の雨水を傘挿入筒と集水筒の間より下方に
   吸出するものであり、 （ヘ）前記容器は、前記本体の底部に備えられ、前記ポ
   ンプにより吸出される水を受入れるものである、 ことを特徴とする雨傘の除水装置。
2. 【請求項２】 ポンプと容器の間に、前記ポンプからの
   吐出水の飛散を防止する部材を備えたことを特徴とする
   請求項１記載の雨傘の除水装置。
3. 【請求項３】 容器の上方において、本体の側板に、ポ
   ンプの排気孔を設けたことを特徴とする請求項１又は２
   記載の雨傘の除水装置。
4. 【請求項４】 容器の正面壁を、本体の底部正面に露出
   させ、その正面壁に排水口を設けたことを特徴とする
   １，２又は３記載の雨傘の除水装置。
5. 【請求項５】 容器の満杯接近アラームを設けたことを
   特徴とする１，２，３又は４記載の雨傘の除水装置。
6. 【請求項６】 傘挿入筒と集水筒の組を、複数組備えた
   ことを特徴とする１，２，３，４又は５記載の雨傘の除
   水装置。