JPH0656665U - 製氷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウムで縦型シリンダーを形成して、
熱伝導率を良好とし、同シリンダーの内周面の全面にお
いて、短時間で氷を形成することにより、製氷量を増大
させることができ、その内周面を樹脂コーティングした
ことによって、氷の剥離を完全に行って、内周面への残
氷を防止して、製氷機の作動を円滑に行うことができ
る。 【構成】 冷凍機と接続した縦型シリンダー(3) の中心
部に、駆動モータが連動連結された回転軸(4) を回転自
在に配設するとともに、同回転軸(4) の上部に、同シリ
ンダー(3) の内周面に水を噴出する複数のノズル(10)を
放射線状に突設し、さらに、回転軸(4) に、縦型シリン
ダー(3) の内周面に形成された氷を掻き落とすアイスカ
ッター(17)を回転自在に取付けてなる製氷機において、
縦型シリンダー(3) をアルミニウムで形成するととも
に、同シリンダー(3) の内周面(3a)を樹脂コーティング
している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製氷機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、製氷機の一形態として、冷凍機と接続した縦型シリンダー内に、回転軸 を同心円上に配設するとともに、同回転軸の上端部に駆動モータを連動連結し、 さらに、同回転軸の上部には、同シリンダーの内周面に水を噴出する複数のノズ ルを放射線状に突設するとともに、回転軸の中途部に、縦型シリンダーの内周面 に形成された氷を掻き落とす刃体を取付けていた。

【０００３】 そして、冷凍機からの冷媒を縦型シリンダー内に供給するとともに、回転する 回転軸の上部のノズルから同シリンダーの内周面の全面に水を同時に供給して、 同シリンダーの内周面において、冷媒で冷却された水が、その表面に氷となって いた。さらに、回転軸の回転の際に、刃体によって、縦型シリンダーの内周面の 氷を掻取り、同シリンダーの下側開口部より氷を落下させて、氷の回収を行うよ うにしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記の製氷機は、以下のような欠点を有していた。即ち、縦型シリン ダーは、鉄で製造されている場合が多く、冷媒からの熱伝導率が悪く、その為に 、製氷効率を向上を図ることができず、ある一定の製氷能力を増やすことかでき かった。

【０００５】 また、縦型シリンダーは、その内周面を研磨して、氷が剥離しやすいようにし ていたが、多少の凹凸を有していたので、氷の剥離が完全に行えず、その為に、 その内周面に氷が残り、その残った氷に散水がかかると、円滑に水が戻らずに、 氷を溜める為の貯氷槽内に落下するという不具合が生じていた。

【０００６】 本考案は、上記の課題を解決することができる製氷機を提供することを目的と する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案では、冷媒によって冷却される製氷板の表面に、氷となる水を供給可能 に構成するとともに、同製氷板の表面に形成した氷を剥離可能に構成してなる製 氷機において、製氷板をアルミニウムで形成するとともに、同製氷板の表面を樹 脂コーティングしたことを特徴とする製氷機を提供するものである。

【０００８】 また、本考案は、冷凍機と接続した縦型シリンダーの中心部に、駆動モータが 連動連結された回転軸を回転自在に配設するとともに、同回転軸の上部に、同シ リンダーの内周面に水を噴出する複数のノズルを放射線状に突設し、さらに、回 転軸に、縦型シリンダーの内周面に形成された氷を掻き落とすアイスカッターを 回転自在に取付けてなる製氷機において、縦型シリンダーをアルミニウムで形成 するとともに、同シリンダーの内周面を樹脂コーティングしたことを特徴とする 製氷機を提供するものである。

【０００９】 また、本考案は、上記の製氷機において、回転軸に取付けたアイスカッターに 、縦型シリンダーの内周面に形成された氷を除去する補助カッターを連結して、 回転軸と一体的に回転させたことを特徴としている。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、図１の断面図において、１は本 考案に係る製氷機を示し、同製氷機１は、円形状の縦型ケース２内に、その内周 面3aで製氷する縦型シリンダー３を収納しており、同シリンダー３に冷媒循環管 3b,3c を介して冷凍機と接続し、冷凍機からの冷媒を縦型シリンダー３中に供給 して、同シリンダー３を冷却している。なお、2aは縦型ケース２と縦型シリンダ ー３との間に設けた保温材を示す。

【００１１】 さらに、縦型シリンダー３の中心部には、回転軸４が軸支されており、縦型ケ ース２の上下部に軸支部５，６を設けており、同軸支部５，６に回転軸４を縦方 向に架設して、同回転軸４を左右方向に回転させている。なお6aは縦型シリンダ ー３の中心部に軸支部６を配設するステーを示す。

【００１２】 本実施例では、回転軸４の上端部には、減速機７を介して駆動モータ８が連動 連結されており、同モータ８の動力を受けて回転軸４を回転させている。

【００１３】 また、回転軸４の上側部には、図１に示すように、環状の水受け器９を取付け るともに、同水受け器９の外周面に、複数のノズル10を放射状態に突設して、回 転軸４に連動して、同ノズル10より縦型シリンダー３の内周面3aの全面に水受け 器９からの水を供給するようにしている。さらに、水受け器９には、縦型ケース ２の側部に配設した水タンク11が送水管12を介して接続されており、同タンク11 に具備したポンプ13によって水受け器９内に水を送るようにしている。

【００１４】 そして、製氷機１は、冷凍機からの冷媒を縦型シリンダー３中に供給して、同 シリンダー３を冷却し、その内周面3aにおいて、ノズル10から供給される水を氷 結させるものである。

【００１５】 また、縦型シリンダー３の下部には、その内周面3aと接続された戻水受け部14 を設けるとともに、同受け部14と水タンク11とを戻り流路15を介して接続してい る。さらに。縦型シリンダー３の下端部には、環状のゴム体16を介在しており、 同ゴム体16の内周面を傾斜させて、縦型シリンダー３の内周面3aから流れる水を その傾斜面16a によって戻水受け部14に導くようにしている。

【００１６】 さらに、本実施例では、図１及び図２に示すように、回転軸４に取付具18を介 してアイスカッター17が取付けられており、同カッター17は、縦方向に長手状に 形成され、その一側部に、鋸歯状の刃部19を設け、同刃部19を縦型シリンダー３ の内周面3aに向けて配設されている。そして、回転軸４の回転によって、アイス カッター17によって、内周面3aに形成された氷を掻き落として、縦型ケース２の 下端開口部2bより下方に落下して、氷の回収を行うようにしている。

【００１７】 本考案では、上記の製氷機１において、縦型シリンダー３をアルミニウムで形 成するとともに、その内周面3aを樹脂コーティングしており、表面の摩擦係数を 大幅に低下させ、きわめて容易に氷を剥離させて、冷媒による縦型シリンダー３ の冷却効率を高めて、短時間で氷を形成して、従来の２倍以上の製氷量を増大さ せ、さらに、樹脂コーティングした縦型シリンダー３の内周面3aに形成した氷を 、アイスカッター17で容易に剥離するようにしている。

【００１８】 本実施例では、縦型シリンダー３をアルミニウムで形成しているので、短時間 で氷を形成しており、この場合、回転軸４の回転速度を速めることで、アイスカ ッター19で内周面3aの氷を掻き取り、多量の氷を製造することによって、冷凍機 の能力を上げることなく、製氷効率を向上させることができる。

【００１９】 さらに、本実施例では、テフロン樹脂をその表面にコーティングすることによ って、縦型シリンダー３の内周面3aの摩擦係数を小さくして、氷の剥離が容易に 行えるようにしている。

【００２０】 また、アイスカッター17には、図２に示すように、補助カッター20が回転方向 に対して後方部に取付けられており、同カッター17で氷を掻き取った後に、補助 カッター20で縦型シリンダー３の内周面3aに残った氷を完全に除去するようにし ている。本実施例では、アイスカッター17の取付具18に、ステー21を介して縦方 向に長手状で、かつ平板状の補助カッター20を取付け、しかも、同補助カッター 20の刃先を縦型シリンダー３の内周面3aに向けている。

【００２１】 また、アイスカッター17の取付具18の下部には、図１に示すように、スクレー パ22が取付けられ、しかも、同スクレーパ22に設けた張出部22a を戻水受け部14 内に配設して、同張出部22で同水受け部14に形成された氷を削除するようにして いる。

【００２２】 さらに、本実施例では、氷を形成する水中に、塩カル等の不凍液を添加して、 数％のブライン溶液とすることによって、縦型シリンダー３に形成される氷を軟 らかくし、アイスカッター17での掻き取りを容易に行うことができる。

【００２３】 また、本考案の他の実施例として、図３に示すように、30は上記のようにアル ミニウム製で、その表面が樹脂コーティングされたプレート状の製氷板であり、 同製氷板30中に、冷凍機31からの冷却用の冷媒を供給するとともに、同製氷板３
０ の表面に、水供給装置３２によって水を供給して、冷却される製氷板30の表面に
氷 を氷結させている。

【００２４】 本実施例では、氷を形成した後に、アルミニウム製の製氷板30によって、冷凍 機31を余剰に駆動させて、製氷板30を過冷却することにより、その表面を収縮さ せて、同製氷板30の表面に形成された氷を細かく砕くようにしている。

【００２５】 さらに、温水タンク33から製氷板30に温水を供給して、製氷板30を加熱するこ とにより、氷の剥離を行うが、その表面を樹脂コーティングしているので、摩擦 係数を低下させて、氷の剥離を容易に行うことができる。

【００２６】 なお、34は冷凍機31から製氷板30に冷媒を供給する冷媒供給管、35は水と氷と を溜めるタンク、36は水供給装置32のポンプを示す。

【００２７】

【考案の効果】

本考案では、冷凍機からの冷媒によって、縦型シリンダーを冷却し、その際に 、同シリンダーの内周面に、回転軸の上部のノズルから水を供給して、その内周 面の全面において、水を氷結して氷を形成し、その後において、回転する回転軸 に連動して、アイスカッターがその内周面の氷を掻き落として、その氷の回収を 行うものであり、縦型シリンダーをアルミニウムで形成しているので、その熱伝 導率が良く、同シリンダーの内周面の全面において、短時間で氷を形成すること により、従来の２倍以上の製氷量を得ることができる。

【００２８】 さらに、製氷用の縦型シリンダーの内周面を樹脂コーティングしたことによっ て、アイスカッターで氷を掻き落とす際に、氷の剥離を容易に行って、内周面へ の残氷を防止し、同内周面に供給させた水の貯氷槽への落下を防止し、製氷機の 作動を円滑に行うことができる。

【００２９】 また、アイスカッターに、補助カッターを取付けて、同アイスカッターで縦型 シリンダーの内周面の氷を掻き取った後に、補助カッターによって、その内周面 から氷を除去して、縦型シリンダーへの残氷を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る製氷機の断面側面図である。

【図２】同製氷機の断面平面図である。

【図３】製氷機の他の実施例を示す説明図である。

【符合の説明】

１ 製氷機 ２ 縦型ケース ３ 縦型シリンダー ４ 回転軸 10 ノズル 17 アイスカッター 20 補助カッター

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷媒によって冷却される製氷板の表面
   に、氷となる水を供給可能に構成するとともに、同製氷
   板の表面に形成した氷を剥離可能に構成してなる製氷機
   において、製氷板をアルミニウムで形成するとともに、
   同製氷板の表面を樹脂コーティングしたことを特徴とす
   る製氷機。
2. 【請求項２】 冷凍機と接続した縦型シリンダー(3) の
   中心部に、駆動モータが連動連結された回転軸(4) を回
   転自在に配設するとともに、同回転軸(4) の上部に、同
   シリンダー(3) の内周面に水を噴出する複数のノズル(1
   0)を放射線状に突設し、さらに、回転軸(4) に、縦型シ
   リンダー(3) の内周面に形成された氷を掻き落とすアイ
   スカッター(17)を回転自在に取付けてなる製氷機におい
   て、 縦型シリンダー(3) をアルミニウムで形成するととも
   に、同シリンダー(3) の内周面(3a)を樹脂コーティング
   したことを特徴とする製氷機。
3. 【請求項３】 上記の製氷機において、回転軸(4) に取
   付けたアイスカッター(17)に、縦型シリンダー(3) の内
   周面に形成された氷を除去する補助カッター(20)を連結
   して、回転軸(4) と一体的に回転させたことを特徴とす
   る請求項２に記載の製氷機。