JPH0656447A - 石英系多孔質ガラス体の成形方法 - Google Patents

石英系多孔質ガラス体の成形方法

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JPH0656447A
JPH0656447A JP22797192A JP22797192A JPH0656447A JP H0656447 A JPH0656447 A JP H0656447A JP 22797192 A JP22797192 A JP 22797192A JP 22797192 A JP22797192 A JP 22797192A JP H0656447 A JPH0656447 A JP H0656447A
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molding
space
glass body
porous glass
molding material
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JP22797192A
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Masato Oku
誠人 奥
Kenji Enomoto
憲嗣 榎本
Hiroshi Hihara
弘 日原
Tsugio Sato
継男 佐藤
Kazuaki Yoshida
和昭 吉田
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/0128Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from pulverulent glass
    • C03B37/01282Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from pulverulent glass by pressing or sintering, e.g. hot-pressing

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形空間内における成形材料の充填状態を均
一に高密度化して、外径が一定で嵩密度の均一化した、
かつ、気泡残留のない多孔質ガラス体を安定して得るこ
とのできる成形方法を提供する。 【構成】 成形空間22内の成形材料25を圧縮して多
孔質ガラス体26を成形するとき、成形材料25の圧縮
前において、成形型の軸線方向沿いに移動する振動発生
手段(振動発生器51)により、成形空間22内の成形
材料25に振動エネルギを与える。 【効果】 成形空間22内の成形材料25に振動エネル
ギを与えるから、成形空間22内における成形材料25
の充填状態が高密度で均一化する。したがって、気泡残
留のない、外径の一定した、かつ、嵩密度の均一な多孔
質ガラス体26を安定して得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は通信、光学の分野におい
て、光ファイバ母材、ライトガイド母材、イメージファ
イバ母材、ロッドレンズ母材などを作製するための石英
系多孔質ガラス体の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通信、光学系の母材を製造するための手
段として、量産性に優れる液圧成形法が実用化に向けて
検討されている。液圧成形法に関する技術は、たとえ
ば、特開昭59−19891号公報、特開昭61−25
6937号公報により公知である。
【0003】上述した公知技術の場合、伸縮性を有する
成形型内に、棒状体(コア用の石英系ガラス棒)を入
れ、その周囲に石英系のガラス粉末を主原料とする成形
材料を充填した後、成形型を外部からの液圧により加圧
して、石英系ガラス棒の外周に多孔質ガラス体を圧縮成
形する。かくて圧縮成形された多孔質ガラス体は、成形
型内から取り出されて、乾燥、脱脂と脱水(精製)、透
明ガラス化などの処理を受けて透明ガラス体となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した液圧成形法に
おいて、成形型内への材料充填密度が不均一であると、
成形後の多孔質ガラス体に嵩密度のバラツキが生じ、こ
れを透明ガラス化した際の透明ガラス体にも外径のバラ
ツキが生じる。したがって、成形型内に成形材料(ガラ
ス粉末)を充填するとき、その充填密度を均一にするこ
とが重要である。
【0005】一般に、前記充填密度の不均一は、成形材
料を単に成形型内へ充填したときに起こりがちであり、
特に、成形型内の下部側から上部側へ向かうにしたがい
充填密度が低下する傾向を有している。
【0006】その対策として、成形型に振動を与えつつ
成形材料を成形型内に充填することが行われている。こ
うした場合、成形型内における成形材料の充填密度が全
体的に高まるが、相対的に成形型内の下部側が高密度、
成形型内の下部側が低密度となる傾向は是正されない。
【0007】別の対策として、成形型内の上部を、これ
に装着された上部パンチで圧縮する試みもある。しか
し、この対策の場合も、成形型内の上下方向にわたり均
一に圧力をかけるのがむずかしために、前記充填密度の
不均一を満足に解消できず、他にも、適切な粒径に造粒
された成形材料(ガラス粉末)の一部が圧縮荷重を受け
て潰されるために、多孔質ガラス体を透明ガラス化した
後の透明ガラス体中に気泡が残留することがある。
【0008】本発明はこのような技術的課題に鑑み、成
形空間内における成形材料の充填状態を均一に高密度化
して、外径が一定で嵩密度の均一化した、しかも、気泡
残留のない多孔質ガラス体を安定して得ることのできる
成形方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は所期の目的を達
成するために、成形型の成形空間内に、石英系のガラス
粉末のみからなる成形材料、または、石英系のガラス粉
末を含む成形材料を充填した後、成形型を外部から加圧
して成形空間内に圧縮成形された多孔質ガラス体をつく
る方法において、前記成形材料の充填開始後から前記成
形型の外部加圧を開始するまでの間、成形型の軸線方向
沿いに移動する振動発生手段を介して、成形空間内の成
形材料に振動エネルギを与えることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明方法は、成形型の成形空間内に所定の成
形材料を充填した後、成形型を外部から加圧して成形空
間内に圧縮成形された多孔質ガラス体をつくる。
【0011】本発明方法の場合、成形空間内に成形材料
を充填しているとき、および/または、成形空間内に成
形材料を充填した後(ただし、成形型を外部加圧する
前)、成形型の軸線方向沿いに移動する振動発生手段を
介して成形空間内の成形材料に振動エネルギを与える。
すなわち、成形材料の充填開始後から成形型の外部加圧
を開始するまでの間において、成形型の軸線方向沿いに
移動する振動発生手段を介して、必要な回数だけ、ある
いは、連続的に、成形空間内の成形材料に振動エネルギ
を与える。
【0012】一般に、成形材料と振動源との相対関係で
は、振動源(振動発生手段)に近い成形材料ほど、より
大きな振動エネルギを受けて高密度の状態になる。した
がって、成形型の軸線方向沿いに移動する振動発生手段
を介して成形空間内の成形材料に振動エネルギを与える
とき、たとえば、成形型の下端から上端に向けて移動す
る振動発生手段により成形材料に振動エネルギを与える
とき、成形材料は、成形空間内の下方から上方に向けて
順次高密度化していき、ついには、その全長にわたり、
高密度の充填状態で均一化する。ちなみに、振動発生手
段が移動しない定位置型の場合、振動発生手段からの距
離が大きくなるにしたがい成形材料の充填密度が減少す
る傾向を示すので、成形空間内における成形材料の充填
密度は均一化しない。本発明方法の場合、このような作
用により、成形空間内における成形材料の充填密度が均
一化するので、成形用筒型を外部加圧して得られる多孔
質ガラス体の嵩密度も均一化し、その後、多孔質ガラス
体を透明ガラス化したときも、気泡残留のない、外径の
ほぼ一定した透明ガラス体が得られる。
【0013】
【実施例】はじめ、図1、図2に例示された石英系多孔
質ガラス体の成形手段について説明する。図1、図2に
おいて、11は成形用筒型、12、13は上下に対をな
す成形用蓋体、18は支持筒、22は成形空間、23は
加圧空間、24は棒状体、25は成形材料、26は多孔
質ガラス体を示す。
【0014】成形用筒型11は、ゴム、合成樹脂のごと
き伸縮自在な弾性を有するもの、たとえば、シリコーン
ゴム、ニトリルゴムなどからなり、両端が開放された円
筒形状を有している。
【0015】一対の成形用蓋体12、13は、金属、ま
たは、金属と同程度の剛性を有するゴム、合成樹脂など
からなり、その一例として、金属製の成形用蓋体12、
13が採用される。一対の成形用蓋体12、13は外周
面に段差のある円板形状を有しており、これら成形用蓋
体12、13の内面中央に凹部14、15がそれぞれ形
成されて、該各凹部14、15内に受具16、17が装
填されている。後述の説明で明らかなように、上記一方
の蓋体13は、成形空間22内に成形材料を充填する
前、成形用筒型11の一端(たとえば下端)に装着さ
れ、上記他方の蓋体12は、成形空間22内に成形材料
を充填した後、成形用筒型11の一端(たとえば上端)
に装着され、しかも、これら両蓋体12、13は、成形
用筒型11の外周に配置された支持筒18の両端とも係
合する。必要により、両成形用蓋体12、13のいずれ
か一方または両方には、成形空間22内を吸引するため
に、その蓋体を厚さ方向に貫通する吸引孔(図示せず)
が形成されることがある。
【0016】支持筒18は、二つ以上に縦割された金属
製の円筒体からなり、これら割片を筒状に組み立て、あ
るいは、分解することができる。支持筒18の壁面の一
部には、図3に例示する圧力媒体64用の出入口19、
20、21が、上下方向、周方向に分布して形成されて
いる。支持筒18は、後述するように、成形空間22内
に成形材料を充填した後、成形用筒型11の外周におい
て筒状に組み立てられ、かつ、両蓋体12、13と係合
されて所定の位置に保持される。
【0017】棒状体24は、気相反応法、泥漿鋳込法、
ゾルゲル法、泥漿塗布法、粉末成形法のごとき方法で形
成された石英系の多孔質ガラス体を脱水ならびに透明ガ
ラス化したものからなる。こうして作製された石英系の
棒状体24は、一例として、コア用ガラスとその外周に
一部のクラッド用ガラスを備えており、他例として、コ
ア用ガラスのみからなる。その他、棒状体24が金属、
あるいは、金属と同程度の機械的特性を有する合成樹脂
(FRPも含む)からなる場合もある。特に、金属製の
棒状体24は、これの表面がガラス、フッ素系樹脂(商
品名テフロン)などでコーティングされることが多い。
【0018】多孔質ガラス体26をつくるための成形材
料25は、石英系のガラス粉末からり、このガラス粉末
は、一例として、ドーパントを含む石英系のガラス微粒
子からなり、他例として、ドーパントを含まない純粋石
英微粒子からなる。後述の成形空間22内に充填される
成形材料25のガラス粉末は、ガラス粉末の均一な高密
度充填を可能にする上で、平均粒径0.6〜20μmの
ものが望ましい。ただし、このようなガラス粉末を造粒
して用いる場合、造粒後の粒径が30〜150μm程度
になってもよい。
【0019】上述した各部材の相対関係については、つ
ぎのとおりである。外周面に段差のある一対の成形用蓋
体12、13は、図示のとおり、大径部、中径部、小径
部をそれぞれ有している。この場合、両成形用蓋体1
2、13の中径部、大径部は、成形用筒型11、支持筒
18とそれぞれ密に突き合わせることができ、両成形用
蓋体12、13の小径部は、成形用筒型11と密に嵌め
合うことができ、両成形用蓋体12、13の受具16、
17内には、棒状体24の両端を嵌めこむことができ
る。したがって、支持筒18を外殻として、成形用筒型
11、両成形用蓋体12、13、支持筒18を図1のよ
うに組み立てた場合、成形用筒型11、両成形用蓋体1
2、13で囲われた空間が成形空間22となり、成形用
筒型11、両成形用蓋体12、13、支持筒18で囲わ
れた空間が加圧空間23となる。
【0020】上記において、両成形用蓋体12、13
は、多孔質ガラス体26へのコンタミナントを防止する
ために、たとえば、フッ素系樹脂によるコーティングが
施される。金属からなる棒状体24の場合、前述したコ
ーティングが施されるので、これがコンタミナント防止
対策になる。なお、成形用筒型11は多孔質ガラス体2
6に対する汚染を惹き起こさず、支持筒18は成形空間
22に直接関与しない。その他、後述する部材相互の組
み立てにおいて、高度の気密性、液密性を要する部材相
互の接触箇所には、必要に応じてシール部材が介在され
る。
【0021】図1、図2に例示された振動発生手段は、
つぎのような構成を備えている。図1において、支持台
31はその上面中央に円形の凹所32を有し、上板33
もその板面中央に円形の開口部34を有する。支持台3
1と上板33とは上下に相対間隔をおいて配置され、複
数本(例:四本)の支柱35は支持台31と上板33と
の間に立てられ、これら支持台31、上板33、各支柱
35が相互に組み立てられている。
【0022】複数本(例:二本)の案内軸36と複数本
(例:二本)のネジ軸37とは、図1、図2に示すよう
に、支持台31、上板33の上下部間にわたり、かつ、
円形凹所32、円形開口部34と同心の円周上に交互に
配置されている。これら案内軸36、ネジ軸37のう
ち、各案内軸36の両端は、支持台31、上板33に固
定されるが、各ネジ軸37の場合は、支持台31、上板
33に備えつけられた軸受を介して回転自在に両端支持
される。上記における両ネジ軸37は、両案内軸36の
上部外周に取りつけられた遊動用のスプロケットギヤ3
8、両ネジ軸37の上部外周に取りつけられた伝動用の
スプロケットギヤ39、上板33の下面に取りつけられ
た遊動用のスプロケットギヤ40、各スプロケットギヤ
38〜40に掛け回されたチェーン41など、これらを
含むチェーン伝動系を介して互いに連動するようになっ
ている。各スプロケットギヤ38〜40に掛け回された
チェーン41は、図2に示すように、これの内周が上板
33における開口部34の口径よりも大きい。この場合
のチェーン伝動系は、周知のベルト伝動系に代えること
ができる。
【0023】図1において、左側の原動用ネジ軸37を
正逆回転させるための手段は、モータ42と、モータ4
2の出力軸に取りつけられたギヤ43と、ネジ軸37に
取りつけられたギヤ44と、両ギヤ43、44間に介在
された減速用のギヤ45とからなる。
【0024】図1において、振動発生器51は、多角形
リング(または円形リング)からなる枠体52と、枠体
52の内側に取りつけられた複数(例:四つ)の振動子
53とが組み合わされたものであり、その枠体52に
は、図2にも示すように、各案内軸36、各ネジ軸37
に対応するネジ孔54、通孔55がそれぞれ形成されて
いる。枠体52内に取りつけられた各振動子53は、前
述した支持筒11に外接することのできる相対位置を保
持している。振動子53は、一例として電動バイブレー
タ型のものからなり、他の一例として超音波振動型のも
のからなる。かかる振動発生器51の場合、枠体52の
各通孔54、各ネジ孔55と各案内軸36、各ネジ軸3
7とを、それぞれ相対螺合、相対嵌合させることによ
り、上下動自在に支持され、かつ、各ネジ軸37を正逆
回転させることにより、これら各軸35、36の軸線方
向沿いに上下動するようになっている。
【0025】上述した振動発生手段において、支持台3
1、上板33、支柱35は、金属、合成樹脂、木材、こ
れらの複合材料など、任意の材料ならなり、モータ42
は既製品からなり、振動発生器51の振動子53は既製
品または特製品からなり、これらを除くその他の部材は
周知の金属材料からなる。
【0026】上述した振動発生手段において、振動発生
器51は、吊り支え用の索条(ワイヤ)、索条案内用の
滑車(シーブ)、索条巻き取り用の巻取器(回転ドラ
ム)などを介して上下動させることもできる。
【0027】図3において、圧力媒体64の出入口6
2、63を有する圧力容器61は、成形用筒型11、両
成形用蓋体12、13などによる成形型と支持筒16と
の組立物を収容して、成形用筒型11を圧縮するための
ものである。圧力容器61の出入口62、63には、圧
力媒体64の供給系、排出系(いずれも図示せず)が接
続される。図3において、圧力容器61内に注入されて
各出入口19、20、21より加圧空間23内に進入す
る圧力媒体64は、一例として水からなり、他例として
滑油からなる。
【0028】図1、図2に例示された成形手段を用い
て、棒状体24の外周に石英系の多孔質ガラス体26を
成形するとき、以下のようになる。
【0029】はじめ、成形用蓋体13を支持台31上セ
ットし、図示しない治具により成形用筒型11の下端を
成形用蓋体13に連結した後、棒状体24を成形用筒型
11内に入れて、これの下端を成形用蓋体13の受具1
7内に嵌めこむ。その後、棒状体24の上端部を成形用
筒型11内の軸心に保持するために、たとえば、二重リ
ング型の保持具(図示せず)を介して棒状体24の上端
部側をサポートする。この保持具は、内外二つのリング
間に成形材料通過用の開口ないし通孔を有しており、外
部のリングが成形用筒型11の内周面に内接し、かつ、
内部のリングが棒状体24に外接した状態で、成形用筒
型11内に宙吊りされる。
【0030】このような準備段階を終えた後は、振動発
生器51を稼働させつつ、成形用筒型11と成形用蓋体
15とで囲われた成形空間22内に脱気処理済みの成形
材料25を投入する。振動発生器51の場合、成形用筒
型11に外接している振動子53をオン状態にしたとき
に、当該振動子53から発する振動エネルギが成形用筒
型11を介して成形材料25へ伝わるようになる。さら
に、モータ42を正回転させるべくこれをスイッチオン
したとき、この際の回転が、ギヤ43、45、44を経
由して図1左側のネジ軸37に伝わると同時に、各スプ
ロケットギヤ38〜40とチェーン41とを介して図1
右側のネジ軸37にも伝わるので、振動発生器51の枠
体52は、そのネジ孔55に相対螺合している両ネジ軸
37の回転送り力を受けて、支持筒18の外周面沿いに
上昇するようになる。この際、振動発生器51が上昇す
る速度は、成形空間22内に投入される成形材料25の
堆積速度にほぼ等しいか、それよりも遅い。したがっ
て、成形空間22内への成形材料25の投入に応じ、振
動発生器51の振動子53から成形空間22内へ振動を
発しつつ、振動発生器51を上昇させた場合、成形空間
22内で振動エネルギを受ける成形材料25の充填密度
が高まり、この高密度状態が成形空間22内の下方から
上方にまで波及する。成形空間22内に投入されて高密
度化する成形材料25は、棒状体24を周囲から埋めな
がら堆積する。成形空間22内への成形材料25の充填
量が増し、棒状体24が安定に支持される状態になった
とき、振動発生器51の稼働、上昇を一時的に止め、成
形空間22内から前記棒状体保持具を取り除いた後、成
形空間22内への成形材料25の投入、ならびに、振動
発生器51の稼働、上昇を続行する。その後、成形空間
22内に所定量の成形材料25が高密度充填されたと
き、振動発生器51の稼働、上昇を止める。以下、成形
用筒型11と成形用蓋体13との組立状態を保持したま
ま、開口部34を通してこれらを振動発生器51内から
抜きとり、ついで、た形用筒型11の上端部に成形用蓋
体14を施してこの端部側をも封鎖し、さらに、成形用
筒型11の外周に縦割型の支持筒18を筒状に組立装着
する。この際、支持筒18の両端は、両蓋体12、13
に対しても密に係合する。
【0031】かくて成形空間22内に充填された成形材
料25は、成形空間22内の全長にわたり高密度状態で
均一化する。こうして高密度充填される成形材料25の
場合、これが造粒されたものであっても潰されることは
ない。
【0032】上記において付加ないし変更される実施態
様として、つぎのような手段をあげることができる。そ
の一つは、上記充填ステップを終えた後、成形用蓋体1
2および/または成形用蓋体13の吸引孔に接続された
真空ポンプを介して成形空間22内を脱気することであ
る。他の一つは、上記充填ステップを終えた後、振動発
生器51を介して、再度、成形空間22内に振動エネル
ギを与え、その後、成形空間22内を既述の手段により
脱気することである。さらに、他の一つは、成形空間2
2内に所定量の成形材料25を充填してこれを封鎖した
後、振動発生器51により成形空間22内に振動エネル
ギを与えて、成形材料25を均一に高密度化することで
ある。この手段を採用する場合、振動発生器51は、上
方から下方へ移動させるよりも、下方から上方へ移動さ
せるのが望ましく、かつ、成形空間22内への成形材料
25の高密度充填を終えた後に、成形空間22内を脱気
するのが望ましい。さらに、他の一つは、成形空間22
内に成形材料25を充填しているとき、成形空間22外
の振動発生器51による外部振動手段と、成形空間22
内の棒状体24を振動させる内部振動手段とを併用し
て、成形材料25を均一に高密度化することである。こ
の場合の内部振動手段としては、たとえば、棒状体24
を振動子として利用するか、あるいは、棒状体24の上
端に振動子を接続してこれを振動させる。これら外部振
動手段、内部振動手段を併用して充填ステップを終えた
後も、必要に応じて、再度、成形空間22内に振動エネ
ルギを与えたり、成形空間22内を脱気することがあ
る。
【0033】成形材料25を成形空間22内に均一に高
密度充填した後は、図3に例示するように、成形型(成
形用筒型11、両成形用蓋体12、13)と支持筒16
との組立物を圧力容器61内に入れ、圧力容器61の出
入口61および/または出入口62から圧力容器61内
に圧力媒体64たる滑油を注入し、支持筒16の各出入
口19、20、21から加圧空間23内へ進入する当該
圧力媒体64により、成形用筒型11を外部から加圧す
る。かくて、成形空間22内には、成形材料25による
嵩密度の均一な、しかも、亀裂、割れなどのない多孔質
ガラス体26が、棒状体24を破断させることなく成形
される。
【0034】その後、圧力容器61内の圧力媒体64を
徐々に外部へ排出しつつ成形用筒型11を復元させ、成
形用筒型11の復元後、成形型(成形用筒型11、両成
形用蓋体12、13)と支持筒16との組立物を圧力容
器61外へ取り出す。さらにその後、成形用蓋体12、
13のいずれかを支持筒18の端部から取り外し、成形
空間22内から棒状体24と共に多孔質ガラス体26を
取り出す。ここで、棒状体24が石英系からなるとき
は、多孔質ガラス体26をそのままつぎの処理にかける
が、棒状体24が石英系以外からなるとき、たとえば、
金属からなるときは、多孔質ガラス体26から金属棒状
体24を抜きとり、その残孔内に石英系棒状体を挿入し
て、多孔質ガラス体26をつぎの処理にかける。
【0035】以下、多孔質ガラス体26は、これを高温
のHe、Cl2 雰囲気で精製(不純物の除去と脱水)
し、高温のHe雰囲気で透明ガラス化して、透明ガラス
体に仕上げる。
【0036】つぎに、図4に例示された石英系多孔質ガ
ラス体の成形手段を説明する。図4に例示された成形手
段の場合、棒状体24が用いられないため、両成形用蓋
体12、13に凹部14、15、受具16、17などが
なく、棒状体24に関連する技術がすべて省略されてい
るが、その基本的事項は、図1、図2で述べたと同様で
ある。
【0037】図4に例示された成形手段も、図1、図2
で述べた内容に準じて石英系の多孔質ガラス体26を成
形することができる。すなわち、成形空間22内に成形
材料25を投入しているとき、および/または、成形空
間22内に成形材料25を投入した後、振動発生器51
を稼働ならびに上昇させて、成形空間22内の成形材料
25を高密度状態で均一化させる。図4に例示された成
形手段で高密度充填された成形材料25も、図3の手段
で加圧することにより、嵩密度が均一で亀裂、割れなど
のない多孔質ガラス体26を成形することができ、その
後も、前記と同様にして、多孔質ガラス体26を透明ガ
ラス化することができる。
【0038】図4に例示された実施例の場合も、上記充
填ステップを終えた後、成形用蓋体12および/または
成形用蓋体13の吸引孔に接続された真空ポンプを介し
て成形空間22内を脱気すること、および、上記充填ス
テップを終えた後、振動発生器51を介して、再度、成
形空間22内に振動エネルギを与え、その後、成形空間
22内を既述の手段により脱気することなど、前述した
と同様の実施態様がとれるほか、つぎのような実施態様
を採用することができる。その一つは、内部振動手段を
採用することである。かかる内部振動手段によるとき
は、振動発生器の振動子56として、図4の仮想線で示
す長い棒状体を用いてこれを成形空間22内に挿入して
おき、成形空間22内に成形材料25を投入していると
きに、振動子56からの振動エネルギを成形材料25に
与えつつ当該振動子56を上方へ引き上げ、成形空間2
2内の成形材料25を均一に高密度化する。他の一つ
は、内部振動手段と外部振動手段とを併用することであ
る。かかる併用手段による場合は、成形空間22内に成
形材料25を充填しているときに、上記振動発生器(振
動子56を含む)と前述した振動発生器51による外部
振動手段とで成形材料25に振動エネルギを与え、成形
空間22内の成形材料25を均一に高密度化する。これ
らの場合における振動子56としては、石英棒、また
は、コンタミナント防止用のコーティングが施された金
属棒、合成樹脂棒などがあげられる。このような内部振
動手段を用いた場合、または、このような内部振動手段
と外部振動手段との併用した場合も、充填ステップを終
えた後、成形空間22内に再度振動エネルギを与えた
り、成形空間22内を脱気してよい。
【0039】つぎに、本発明方法の具体例について説明
する。この具体例は、図1、図2に例示された成形手段
を用いる例に関する。棒状体24としては、VAD法に
基づいて作製された外径約13mmφ、長さ約330m
mのSiO2 −GeO2 系のもの(光ファイバ用コアガ
ラス)を用いた。成形材料25としては、造粒前の平均
粒径が1μm、造粒後の平均粒径が60μmのシリカ粉
末を用いた。成形用筒型11としては、外径110mm
φ、内径100mmφ、長さ330mmのシリコーンゴ
ムからなるものを用いた。両成形用蓋体12、13とし
ては、成形用筒型11に対応する寸法のものを用いた。
振動発生器51としては、図2のごとく、四つの振動子
53を備えた市販の電動バイブレータを用いた。
【0040】具体例において、はじめ、成形用蓋体13
と成形用筒型11とを組み立て、棒状体24を成形空間
22内へセットし、ついで、成形空間22内へ成形材料
25を充填しているときに、上方へ移動する振動発生器
51にて成形空間22内の成形材料25に振動エネルギ
を与えてこれを高密度化し、その後、成形用筒型11と
成形用蓋体13とを前記のごとく振動発生器51内から
取り出し、さらに、その後、成形用筒型11に成形用蓋
体12、支持筒18を組みつけた。続いて、成形型(成
形用筒型11、両成形用蓋体12、13)と支持筒16
との組立物を圧力容器61内に入れ、当該圧力容器61
内の圧力媒体(滑油)64により、成形用筒型11を2
000kgf/cm2 の圧力で外部加圧した。かくて、
成形空間22内には、成形材料25による嵩密度の均一
な、しかも、亀裂、割れのない多孔質ガラス体26が、
外径約86mmφ、長さ約295mmの寸法で成形さ
れ、棒状体24にも破断が生じなかった。その後、約3
0分の時間をかけて圧力容器61内の圧力媒体64を徐
々に外部へ排出しつつ成形用筒型11を復元させ、成形
用筒型11の復元後、成形用蓋体12を外して成形空間
22内から棒状体24と共に多孔質ガラス体26を取り
出した。この具体例で得られた多孔質ガラス体26は、
下部外径が86.3mmφ、上部外径が86.2mm
φ、長さ方向中央部の外径が86.2mmφであり、外
径のバラツキがほとんどみられない。さらに、その後、
多孔質ガラス体26を1200℃のHe、Cl2 雰囲気
で精製(不純物の除去と脱水)し、1600℃のHe雰
囲気で透明ガラス化して、透明ガラス層となし、前記棒
状体と透明ガラス層とからなる光ファイバ用の石英系ガ
ラス母材を得た。このガラス母材は、外径約70mmφ
であり、棒状体と透明ガラス層との界面に気泡の存在が
みられなかった。以下は、上記母材を周知の加熱延伸法
で線引きして、コア径10μmφ、外径125μmφの
光ファイバをつくり、その線引き直後の光ファイバ外周
に、紫外線硬化性樹脂による外径400μmφの被覆層
を施した。具体例で得られた被覆光ファイバは、気相法
を主体にして作製された光ファイバと同等の特性を有し
ていた。
【0041】つぎに、本発明方法の比較例について説明
する。この比較例の場合、振動発生器51を用いない点
を除き、前記具体例と同様にして多孔質ガラス体を成形
した。比較例で得られた多孔質ガラス体26は、下部外
径が86.7mmφ、上部外径が85.5mmφ、長さ
方向中央部の外径が84.9mmφであり、外径のバラ
ツキがみられた。かかる多孔質ガラス体26を、前記と
同様に精製、透明ガラス化して、光ファイバ用の石英系
ガラス母材に仕上げたところ、前記外径のバラツキがこ
の段階でも残されており、棒状体と透明ガラス層との界
面に気泡の存在が一部みられた。
【0042】本発明方法の場合、これら具体例、比較例
の結果を参照して明らかなように、その有効性が窺え、
品質の良好な多孔質ガラス体が安定して得られる。
【0043】なお、上述した実施例では、石英系の多孔
質ガラス体、石英系のガラス母材として、光ファイバ用
のものをつくる例を述べたが、イメージファイバ用、ラ
イトガイド用、ロッドレンズ用の石英系多孔質ガラス
体、石英系ガラス母材なども、既述の内容に準じて作製
することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る成形方法は、成形空間(成
形型)内の成形材料を圧縮して多孔質ガラス体を成形す
るとき、成形材料の圧縮前において、成形型の軸線方向
沿いに移動する振動発生手段により、成形空間内の成形
材料に振動エネルギを与えるから、成形空間内における
成形材料の充填状態が高密度で均一化することとなり、
したがって、気泡残留がなく、外径の一定した、かつ、
嵩密度の均一な多孔質ガラス体を安定して得ることがで
き、ひいては、多孔質ガラス体の透明ガラス化物として
品質の高いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形方法の一実施例を略示した縦
断面図である。
【図2】本発明に係る成形方法の一実施例を略示した要
部横面図である。
【図3】本発明における加圧手段を略示した断面図であ
る。
【図4】本発明に係る成形方法の一実施例を略示した要
部縦面図である。
【符号の説明】
11 成形用筒型(成形型の一部) 12 成形用蓋体(成形型の一部) 13 成形用蓋体(成形型の一部) 18 支持筒 22 成形空間 23 加圧空間 24 棒状体 25 成形材料 26 多孔質ガラス体 36 振動発生器の案内軸 37 振動発生器の昇降用ネジ軸 51 振動発生器 53 振動子 61 圧力容器 64 圧力媒体
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 継男 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 吉田 和昭 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型の成形空間内に、石英系のガラス
    粉末のみからなる成形材料、または、石英系のガラス粉
    末を含む成形材料を充填した後、成形型を外部から加圧
    して成形空間内に圧縮成形された多孔質ガラス体をつく
    る方法において、前記成形材料の充填開始後から前記成
    形型の外部加圧を開始するまでの間、成形型の軸線方向
    沿いに移動する振動発生手段を介して、成形空間内の成
    形材料に振動エネルギを与えることを特徴とする石英系
    多孔質ガラス体の成形方法。
JP22797192A 1992-08-04 1992-08-04 石英系多孔質ガラス体の成形方法 Pending JPH0656447A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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