JPH065620Y2 - 空燃比検出器 - Google Patents

空燃比検出器

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JPH065620Y2
JPH065620Y2 JP9109085U JP9109085U JPH065620Y2 JP H065620 Y2 JPH065620 Y2 JP H065620Y2 JP 9109085 U JP9109085 U JP 9109085U JP 9109085 U JP9109085 U JP 9109085U JP H065620 Y2 JPH065620 Y2 JP H065620Y2
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air
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oxygen
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内燃機関等における空気と燃料との比、すな
わち空燃比を検出するための検出器に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
自動車等の内燃機関からの排気ガス中の酸素濃度を検出
して、その検出値にもとづいて内燃機関に送る空気量お
よび燃料供給量をコントロールし、もって排気ガス中の
有害成分量を低減させることは現在行われている。
しかして現在自動車等の内燃機関等で実用化されている
酸素濃度を検出するための空燃比検出器(酸素センサ)
は、酸素濃淡電池の原理を利用したものであり、このも
のはその特性上理論空燃比(A/F=14.6)の検出は可
能であるが、それ以外の領域すなわち理論空燃比よりも
高い値のリーン領域あるいは逆に低い値のリッチ領域で
の空燃比の検出は不可能である。また、酸素イオン透過
性固体電解質セルの両面に通気性薄膜状電極を設け、こ
の両電極間に電圧を印加すると、陰極側から陽極側に酸
素イオンが透過し、それに伴なって両電極間に電流が流
れるが酸素イオン透過量を制限してやると、印加電圧を
増大させてもある値以上は電流が増加しない現象を利用
して酸素濃度を検出する限界電流式酸素センサが開発さ
れ、リーン領域での空燃比を検出することが検討されて
いる。この限界電流式酸素センサはリーン領域の空燃比
しか検出できないことからリーンセンサとも呼ばれてお
り、リッチ領域での空燃比の検出はほとんど不可能であ
る。
しかしながら、例えば自動車の場合、通常走行時はより
燃料の希薄なリーン領域での運転が好ましいが、登坂時
などの高出力を必要とする時にはリッチ領域側での運転
が好ましいことから、リッチ領域からリーン領域までの
空燃比を検出できる検出器が望まれている。
上記問題を解決するため本考案者らは例えば第8図に示
す空燃比検出器を提案した。第8図は従来の空燃比検出
器の一例の断面図であり、図中、1および4は試験管型
の酸素イオン透過性固体電解質素子であり、各々の内外
表面に白金等よりなる電極3a,3b,5aおよび5b
が形成されている。また、素子1の閉端部にはガス拡散
孔2が設けてある。なお、6はシール材、7は発熱体、
8は管状ヒータ、9,10および11はリード金具、1
2は絶縁管である。
この空燃比検出器は素子4を酸素ポンプとし、素子4の
内側(大気開放)から素子1と4で囲まれた空間内に酸
素を汲み入れ、ガス拡散孔2より拡散してきた排気ガス
中の未燃焼成分と反応させた後の残留酸素濃度を限界電
流式酸素センサである素子1により検出するものであ
る。
〔考案が解決しようとする問題点〕
この空燃比検出器の出力特性(V−I特性)を第9図に
示す。図より明らかなように、リーン側(A/F=15
〜17)では予想通りの出力特性が得られたのに対し、
リッチ側(A/F=12〜14)ではかなり予想(破線
で示す)とは異なった出力特性が得られた。これは素子
1と素子4で囲まれた空間内が酸素ポンプ(素子4)に
より常に大気より酸素を汲み入れられているので常時リ
ーン状態であるため、排気ガスがリッチ状態の場合、素
子1が濃淡電池として働き両電極3a及び3b間に起電
力が発生するためである。従って、リッチ側ではこの起
電力の影響でV−I特性曲線が予想とは異なる形状を示
す。
本考案は上記従来技術における問題点を解決するための
ものであり、その目的とするところは空燃比が理論空燃
比よりも低いリッチ側でも限界電流式酸素センサを構成
する素子の内外両面に形成した電極間に起電力が発生す
ることを防ぎ、理想的な出力特性を持つ空燃比検出器を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本考案の空燃比検出器は、酸素イオン透過性固
体電解質よりなる筒状体の一端を閉端部となし、内外両
面に電極を形成し、該電極を直流電源に接続して酸素ポ
ンプを構成した第1の素子と、 酸素イオン透過性固体電解質よりなる筒状体の一端を閉
端部となし、該閉端部にガス拡散孔またはガス拡散層を
設け、内外両面に電極を形成し、該電極を電圧源に接続
して限界電流式酸素センサを構成した第2の素子と 内部に発熱体を有する管状ヒータとを備えてなり、 前記第1の素子を前記第2の素子内に、該第1の素子の
外面と該第2の素子の内面との間に第1の空間を設けて
挿入し、 前記第1の素子を、該第1の素子の一端を閉鎖部とした
筒状固体電解質内部空間から前記第1の空間に酸素を供
給する酸素ポンプとなし、且つ前記第1の素子の一端を
閉鎖部となした筒状固体電解質内部空間は大気雰囲気で
あり、 該第2の素子を該管状ヒータ内に、該第2の素子の外面
と該管状ヒータの内面との間に第2の空間を設けて挿入
し、且つ該第2の素子の閉端部と該管状ヒータ端部との
間を閉鎖して該第2の空間を閉鎖構造としたことを特徴
とする。
第1の素子と第2の素子との間および第2の素子と管状
ヒータとの間に設ける各空間の大きさや形状は特に限定
されない。両素子および管状ヒータの大きさや形状およ
び空燃比検出器の性能特性等を考慮して選択する。
第1の空間内には酸素ポンプ(第1の素子)により大気
雰囲気から酸素が汲み入れられるが、従来は第2の素子
の外面に形成した電極が直接排気ガスと接触していたた
め第2の素子が濃淡電池として働き起電力が発生した。
すなわち素子が濃淡電池として働いてその両電極間に起
電力が発生するのは両電極に接触する酸素濃度の比が非
常に異なる場合であり、例えば第2の素子の内面電極側
(第1の空間)の酸素濃度が第1の素子の酸素ポンプ作
用により常時10-1vol%以上であるのに対し、リッチ状
態の排気ガスが第2の素子の外面電極に接触すると、酸
素濃度は電極の触媒作用により10-20〜10-30vol%程度
まで低下して濃淡電池として作用してしまう。
したがって、第2の素子の閉端部と該管状ヒータ端部と
の間を閉鎖して第2の素子の外面電極が直接排気ガスと
接触しないようにするとよい。閉鎖するには例えば第2
の素子の閉端部に外フランジ部を設けるか、あるいは管
状ヒータ端部に内フランジ部を設け、互いに密着または
接合させるとよい。この場合、適当な接着剤またはシー
ル材を使用するとより完全に閉鎖することができる。前
記フランジ部は第2の素子または管状ヒータの両方に設
けてもよい。また、その大きさや形状、厚さ等の性状は
特に限定されない。また別の方法として適当な盲板を使
用することもできる。
検出器の作動時においては、第2の空間には第1の空間
内の酸素が第2の素子を透過して放出されるので、第2
の空間の閉鎖部と反対側の端部は少とくとも一部を大気
開放とするとよい。
酸素イオン透過性固体電解質は、この種の空燃比検出器
または酸素センサに用いられるものがそのまま使用され
る。すなわち、酸化ジルコニウムに酸化イットリウムな
どを添加したものを用いることができる。
固体電解質の表面に設けられる電極は、白金等により常
法にしたがって通気性薄膜状に形成する。この電極は、
筒状の固体電解質の両面に表裏両面の電極で対になるよ
うにして一対設ける。電極が固体電解質の表裏両面のそ
れぞれ対応する部位に対応する面積となるように設け
る。
ガス拡散孔の形成は、形成された固体電解質の筒状体に
レーザービーム等によりあげてもよいし、また成形の際
糸などの消失性物質を入れておき、固体電解質の焼成と
同時に設ける等、常法にしたがって行ってよい。ガス拡
散層の形成は、筒状体の開口端にセラミックフィルタを
接合するとか、または目の粗いセラミック多孔体上にプ
ラズマ溶射などによって多孔質セラミックコーティング
層を形成するなどの方法によって設ける。このガス拡散
孔、拡散層はリーンセンサに設けるものと同じ目的で設
けられる。
拡散孔は1個または複数個設けてもよい。主拡散孔の周
囲にリーンセンサの出力調整のための複数の出力調整孔
を設け、標準出力からのずれに応じてセラミックペース
ト、セラミック繊維等で塞ぐようにすれば個々のリーン
センサの出力のばらつきをなくすことができる。
またガス拡散層には白金、パラジウム、ロジウム等の排
気ガス浄化用の触媒金属を担持すればカーボン等による
細孔の閉塞を防ぐことができる。所望ならばランタン、
セリウム、鉄、ニッケル等の触媒金属の活性を高める成
分を併用して担持してもよい。更に拡散層を多層例えば
2層に分け、排気ガスの流入側には細孔径のより大きな
層を設ければ閉塞が更に起りにくくなってなおよい。
前記第1及び第2の素子を所定温度に加熱するために例
えばヒータを設けてもよい。ヒータの形状は特に限定さ
れないが例えばその内部に素子を包含し得る管状ヒータ
などが使用し易い。管状ヒータは、材質的には特に限定
されないが、好ましくは耐熱性セラミック等の無機質材
料で作られたものが用いられる。発熱体としてはニクロ
ム線等の線状発熱体またはプリント回路の手法を用いて
形成した面状発熱体等の通常使用されるものを用いるこ
とができる。
〔実施例〕
以下に図面に基づいて本考案を更に詳細に説明する。な
お、本考案は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1: 第1図は本考案の空燃比検出器の一実施例の断面図であ
る。一端をフランジ部13を有する閉端部となし、且つ
該閉端部にガス拡散孔2を設けた酸素イオン透過性固体
電解質(酸化ジルコニウム製)からなる素子14の内外
表面に白金等により外側電極3aおよび内側電極3bを
形成する。同様にして素子15の内外表面に白金等によ
り外側電極5aおよび内側電極5bを形成する。この場
合少なくとも内側電極3bは触媒活性電極とするとよ
い。次いで素子15を素子14内に挿入する。このとき
素子14の内側電極3bと素子15の外側電極5aは電
気的に接続される。次いで素子14に電極3aで発生し
た電荷を外部に取り出すためのリード金具9′を装着
し、内部に発熱体7を有する管状ヒータ8に挿入する。
フランジ部13と管状ヒータ8の端部は接着材を兼ねた
シール材6により固定する。更に電極3bおよび5aで
発生した電荷を外部へ取り出すためのリード金具1
0′、電極5bで発生した電荷を外部へ取り出すための
リード金具11′を管状ヒータ8に挿入して素子15に
固定する。
リード金具10′,11′を直流定電流電源(図示せ
ず)に接続して素子15に一定電流を流すことにより酸
素ポンプを構成し、これにより常に一定の酸素を素子1
5の内側空間(これは、大気雰囲気である)から素子1
5と素子14との隙間に流し込む。そしてこの酸素を素
子14に設けられた拡散孔2を通して素子15と素子1
4との隙間内に拡散してきた被検ガス中の未燃焼成分
(ハイドロカーボン,一酸化炭素等)と反応させた後残
留酸素濃度を、リード金具9′,10′を直流定電圧電
源(図示せず)に接続して素子14に一定電圧を印加す
ることにより構成した限界電流式酸素センサにより出力
電流として検出する。
この出力電流は残留酸素濃度に比例し、残留酸素濃度は
被検ガスの空燃比と直線的対応関係にあるため、出力電
流より被検ガスの空燃比を求めることができる。
第2図は本考案の空燃比検出器の出力特性を示す。従
来、A/Fが12ないし14のリッチ領域では図中破線
で示す出力特性を示したが、本考案の検出器では電流3
aが排気ガスと接触しないので排気ガスがリッチ状態で
あっても実線で示す出力特性となり、リッチ領域からリ
ーン領域まで理想的な出力特性となったことが判る。
実施例2: 本考案の別の実施例の素子先端部分の断面図を第3図に
示す、素子16に、ガス拡散孔の代りにセラミックコー
ティング層よりなるガス拡散層17を設けた。この場
合、ガス拡散層の平均細孔径を調整することにより出力
の温度依存性を無くすことができる。
実施例3: 第4図は本考案の別の実施例の素子の部分断面図であ
る。端部に内フランジ部13′を設け、先端開口部の内
径を素子18の閉端部の外径よりも小さくした管状ヒー
タ19に素子18を挿入し、素子18を図の上方より押
さえることにより固定した。
実施例4: 第5図は本考案の更に別の実施例の素子の部分断面図で
ある。素子20に、実施例2と同様ガス拡散孔の代りに
セラミックコーティング層よりなるガス拡散層17を設
けた。
実施例5: 第6図は本考案の更に別の実施例の素子先端部分の断面
図である。拡散孔2の周囲に更に出力調整孔21を設け
た。素子の出力の標準出力からのずれ幅に応じて出力調
整孔21を好ましくは拡散孔2に対して対称的にセラミ
ックペースト等で塞ぐことにより素子の性能のばらつき
を押えることができる。
実施例6: 第7図は本考案の更に別の実施例の素子先端部分の断面
図である。拡散層部分を2層に分け、被検ガスの流入側
には細孔径の大きなセラミックフィルター22を設け、
次に細孔径の小さなセラミックフィルター23を設け
た。これらのセラミックフィルターには排気ガス浄化用
の触媒金属を担持することもできる。
〔考案の効果〕
上述のように、本考案の空燃比検出器は、限界電流式酸
素センサを構成する素子の閉端部と該管状ヒータ端部と
の間を閉鎖したものであるため、従来のように前記素子
が濃淡電池を形成せず、したがってそれによる出力特性
曲線の、空燃比が理論空燃比よりも小さい領域(リッチ
領域)における予想からのずれが生じないため、リッチ
領域からリーン領域にわたって理想的な出力特性を示す
ものとなり。信頼性や制御性の向上に大きな効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の空燃比検出器の一実施例の断面図、 第2図は本考案の検出器の出力特性の一例を示すグラ
フ、 第3図ないし第5図は本考案の検出器の別の実施例の断
面図、 第6図および第7図は本考案の検出器の更に別の実施例
の素子先端部分の断面図、 第8図は従来の空燃比検出器の一例の断面図、 第9図は従来の検出器の出力特性の一例を示すグラフで
ある。 図中、 1,4,14,14′,15,16,18,20……素子、2……拡散孔 3a,3b,5a,5b……電極、6……シール材、7……発熱体 8,8′,19……管状ヒータ、9,9,10,10′,11,11′……リ
ード金具 12……絶縁管、13,13′……フランジ部、17……ガス拡
散層 21……出力調整孔、22,23……セラミックフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7363−2J 327 H

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン透過性固体電解質よりなる筒状
    体の一端を閉鎖部となし、内外両面に電極を形成し、該
    電極を直流電源に接続して酸素ポンプを構成した第1の
    素子と、 酸素イオン透過性固体電解質よりなる筒状体の一端を閉
    鎖部となし、該閉鎖部にガス拡散孔またはガス拡散層を
    設け、内外両面に電極を形成し、該電極を電圧源に接続
    して限界電流式酸素センサを構成した第2の素子と、 内部に発熱体を有する管状ヒータとを備えてなり、 前記第1の素子を前記第2の素子内に、該第1の素子の
    外面と該第2の素子の内面との間に第1の空間を設けて
    挿入し、 前記第1の素子を、該第1の素子の一端を閉鎖部とした
    筒状固体電解質内部空間から前記第1の空間に酸素を供
    給する酸素ポンプとなし、且つ前記第1の素子の一端を
    閉鎖部となした筒状固体電解質内部空間は大気雰囲気で
    あり、 該第2の素子を該管状ヒータ内に、該第2の素子の外面
    と該管状ヒータの内面との間に第2の空間を設けて挿入
    し、且つ該第2の素子の閉端部と該管状ヒータ端部との
    間を閉鎖して該第2の空間を閉鎖構造としたことを特徴
    とする空燃比検出器。
JP9109085U 1985-05-13 1985-06-17 空燃比検出器 Expired - Lifetime JPH065620Y2 (ja)

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JP9109085U JPH065620Y2 (ja) 1985-06-17 1985-06-17 空燃比検出器
DE19863615960 DE3615960A1 (de) 1985-05-13 1986-05-12 Fuehler zur ermittlung eines luft-kraftstoff-verhaeltnisses
US06/862,718 US4712419A (en) 1985-05-13 1986-05-13 Air/fuel ratio detector

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JP9109085U JPH065620Y2 (ja) 1985-06-17 1985-06-17 空燃比検出器

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Publication Number Publication Date
JPS61206864U JPS61206864U (ja) 1986-12-27
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ID=30646676

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