JPH0655764B2 - セルロース誘導体 - Google Patents
セルロース誘導体Info
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- JPH0655764B2 JPH0655764B2 JP59079633A JP7963384A JPH0655764B2 JP H0655764 B2 JPH0655764 B2 JP H0655764B2 JP 59079633 A JP59079633 A JP 59079633A JP 7963384 A JP7963384 A JP 7963384A JP H0655764 B2 JPH0655764 B2 JP H0655764B2
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- JP
- Japan
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- cellulose
- cellulose derivative
- product
- degree
- substituted
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は新規なセルロース誘導体に関するものであり、
詳しくはニコチン酸又はイソニコチン酸のセルロースエ
ステルに関するものである。
詳しくはニコチン酸又はイソニコチン酸のセルロースエ
ステルに関するものである。
セルロースのカルボン酸エステルは種々の化合物が知ら
れているが、ニコチン酸又はイソニコチン酸エステルは
従来知られていない。
れているが、ニコチン酸又はイソニコチン酸エステルは
従来知られていない。
セルロースのニコチン酸又はイソニコチン酸エステル
は、特にそれがセルロース分子中の水酸基の50%以上が
置換された高置換度エステルの場合は、有機溶剤に可溶
であり、吸着剤、酵素担体、クロマトグラフィー用担
体、光学異性体分離剤、液相物質等として利用できる。
特に吸着剤、分離剤として有用である。
は、特にそれがセルロース分子中の水酸基の50%以上が
置換された高置換度エステルの場合は、有機溶剤に可溶
であり、吸着剤、酵素担体、クロマトグラフィー用担
体、光学異性体分離剤、液相物質等として利用できる。
特に吸着剤、分離剤として有用である。
即ち本発明は、セルロース分子中の水酸基の50%以上が
ニコチン酸又はイソニコチン酸残基で置換されているセ
ルロース誘導体に係わるものである。
ニコチン酸又はイソニコチン酸残基で置換されているセ
ルロース誘導体に係わるものである。
本発明のセルロース誘導体の合成にあたり、原料セルロ
ースは一旦水或いは蟻酸などの溶媒に溶解させたものを
別種の溶媒中に沈澱させて乾燥したもの、水溶液を直接
凍結乾燥したもの、或いは酢酸エステルのようなセルロ
ースエステルを加水分解して得たものなどを原料とする
と、反応に対する活性が大きく、有利に使用できる。
ースは一旦水或いは蟻酸などの溶媒に溶解させたものを
別種の溶媒中に沈澱させて乾燥したもの、水溶液を直接
凍結乾燥したもの、或いは酢酸エステルのようなセルロ
ースエステルを加水分解して得たものなどを原料とする
と、反応に対する活性が大きく、有利に使用できる。
セルロースの種類、重合度によって反応性は異なるが、
反応条件の選択により誘導体の置換度は調節が可能であ
る。例えばセルロースの水酸基に対し、9モル倍量程度
の大過剰のカルボン酸クロライドを用いると、セルロー
スの水酸基が略全部置換した誘導体即ち三置換体を得る
ことができる。
反応条件の選択により誘導体の置換度は調節が可能であ
る。例えばセルロースの水酸基に対し、9モル倍量程度
の大過剰のカルボン酸クロライドを用いると、セルロー
スの水酸基が略全部置換した誘導体即ち三置換体を得る
ことができる。
本発明のセルロース誘導体は、種々の形態で利用でき
る。例えば、フィルム状、繊維状、粒子状などに成型し
て使用する。この場合には重合度は比較的高いもの、例
えば60以上のものが成型品の物理的強度などの点で好ま
しい。
る。例えば、フィルム状、繊維状、粒子状などに成型し
て使用する。この場合には重合度は比較的高いもの、例
えば60以上のものが成型品の物理的強度などの点で好ま
しい。
又、微小シリカゲルに担持して使用するような場合に
は、重合度の比較的低いもの、例えば10〜80程度のもの
の方が、コーティング性などの点で有利である。
は、重合度の比較的低いもの、例えば10〜80程度のもの
の方が、コーティング性などの点で有利である。
本発明のセルロース誘導体は、分子中の水酸基の50%以
上をカルボン酸エステル化したもの、であり、特に略全
部の水酸基をエステル化した三置換体の方が、有機溶剤
溶解性及び種々の機能に優れていて有利である。
上をカルボン酸エステル化したもの、であり、特に略全
部の水酸基をエステル化した三置換体の方が、有機溶剤
溶解性及び種々の機能に優れていて有利である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 酢酸セルロースをヒドラジンでケン化し、洗浄後、アセ
トン置換し乾燥してセルロースを得た。上記セルロース
1.5gにピリジン70ml、トリエチルアミン19.2ml、4−
ジメチルアミノピリジン50mgを加え攪拌しながら塩酸イ
ソニコチン酸クロリド14.9gを添加し、100℃で5時間
攪拌反応した。生成物をエタノール400mlに攪拌しなが
ら加えて沈殿させグラスフイルターで過し、エタノー
ルで良く洗浄した。真空で乾燥した後塩化メチレン30ml
に溶解し、エタノール400mlに再沈殿し、過した後エ
タノールで洗浄し、脱液後、真空乾燥した。生成物の収
量は3.7gであつた。
トン置換し乾燥してセルロースを得た。上記セルロース
1.5gにピリジン70ml、トリエチルアミン19.2ml、4−
ジメチルアミノピリジン50mgを加え攪拌しながら塩酸イ
ソニコチン酸クロリド14.9gを添加し、100℃で5時間
攪拌反応した。生成物をエタノール400mlに攪拌しなが
ら加えて沈殿させグラスフイルターで過し、エタノー
ルで良く洗浄した。真空で乾燥した後塩化メチレン30ml
に溶解し、エタノール400mlに再沈殿し、過した後エ
タノールで洗浄し、脱液後、真空乾燥した。生成物の収
量は3.7gであつた。
生成物の環化メチレン溶液を食塩セルに塗布し、乾燥し
て赤外吸収スペクトルを測定した。得られた赤外吸収ス
ペクトルは第1図の通りであり、特徴的な吸収帯は次の
通りである。
て赤外吸収スペクトルを測定した。得られた赤外吸収ス
ペクトルは第1図の通りであり、特徴的な吸収帯は次の
通りである。
3050cm-1 芳香族C−H伸縮振動 1740cm-1 カルボン酸エステルのC=O伸縮振動 1340,1430,1480,1600cm-1 ピリジン環内炭素と炭素、炭素と窒素の伸縮による骨格
振動 1280cm-1 エステルのC−O伸縮振動 1030〜1160cm-1 セルロースのC−O−Cの伸縮振動 700〜840cm-1 ピリジン環の面外変角振動 セルロースのOHに基づく3450cm-1付近の吸収はほとん
ど認められず、ほぼ三置換体であると認められる。
振動 1280cm-1 エステルのC−O伸縮振動 1030〜1160cm-1 セルロースのC−O−Cの伸縮振動 700〜840cm-1 ピリジン環の面外変角振動 セルロースのOHに基づく3450cm-1付近の吸収はほとん
ど認められず、ほぼ三置換体であると認められる。
又CDCl3中で測定したプロトンNMRスペクトルの特徴的な
吸収は次の通りである。
吸収は次の通りである。
6.8〜9.2ppm ピリジン環のプロトン 3〜6ppm セルロース環及び6位のメチレンのプロト
ン ピリジン環プロトンとセルロース部分のプロトンの比は
ほぼ12:7であり、三置換体と一致する。
ン ピリジン環プロトンとセルロース部分のプロトンの比は
ほぼ12:7であり、三置換体と一致する。
又窒素の元素分析を行なつたところ窒素含量は8.72%で
あつた。
あつた。
以上の結果生成物は置換度約3.0のセルロースイソニコ
チン酸エステルと同定できる。
チン酸エステルと同定できる。
実施例2 反応試薬として塩酸ニコチン酸クロリドを使用する以外
は実施例1と同じように行ない、3.9gの精製した生成
物を得た。生成物の塩化メチレン溶液を食塩セルに塗布
し、乾燥して赤外吸収スペクトル測定に付した。得られ
た赤外スペクトルは第2図の通りであり、特徴的な吸収
帯は次の通りである。
は実施例1と同じように行ない、3.9gの精製した生成
物を得た。生成物の塩化メチレン溶液を食塩セルに塗布
し、乾燥して赤外吸収スペクトル測定に付した。得られ
た赤外スペクトルは第2図の通りであり、特徴的な吸収
帯は次の通りである。
3050cm-1 芳香族C−H伸縮振動 1740cm-1 カルボン酸エステルのC=O伸縮振動 1340,1430,1480,1600cm-1 ピリジン環内炭素と炭素、炭素と窒素の伸縮による骨格
振動 1280cm-1 エステルのC−O伸縮振動 1030〜1160cm-1 セルロースのC−O−Cの伸縮振動 700〜840cm-1 ピリジン環の面外変角振動 セルロースのOHに基づく3450cm-1付近の吸収はわずか
であり、ほぼ三置換体であると認められる。
振動 1280cm-1 エステルのC−O伸縮振動 1030〜1160cm-1 セルロースのC−O−Cの伸縮振動 700〜840cm-1 ピリジン環の面外変角振動 セルロースのOHに基づく3450cm-1付近の吸収はわずか
であり、ほぼ三置換体であると認められる。
又CDCl3中で測定したプロトンNMRスペクトルの特徴的な
吸収は次の通りである。
吸収は次の通りである。
7.0〜9.0ppm ピリジン環のプロトン 3〜6ppm セルロース環及び6位のメチレンのプロト
ン ピリジン環とセルロース部分のプロトンの比はほぼ1
2:7であり、三置換体と一致する。
ン ピリジン環とセルロース部分のプロトンの比はほぼ1
2:7であり、三置換体と一致する。
又窒素の元素分析を行なつたところ窒素含量は8.68%で
あつた。
あつた。
上記の結果、生成物は置換度約3.0のセルロースニコチ
ン酸エステルであると同定できる。
ン酸エステルであると同定できる。
第1図及び第2図は夫々実施例で得られた本発明のセル
ロース誘導体の赤外吸収スペクトルである。
ロース誘導体の赤外吸収スペクトルである。
Claims (2)
- 【請求項1】セルロース分子中の水酸基の50%以上がニ
コチン酸又はイソニコチン酸残基で置換されているセル
ロース誘導体。 - 【請求項2】置換度が約3である特許請求の範囲第1項
記載のセルロース誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59079633A JPH0655764B2 (ja) | 1984-04-20 | 1984-04-20 | セルロース誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59079633A JPH0655764B2 (ja) | 1984-04-20 | 1984-04-20 | セルロース誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60223801A JPS60223801A (ja) | 1985-11-08 |
JPH0655764B2 true JPH0655764B2 (ja) | 1994-07-27 |
Family
ID=13695485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59079633A Expired - Fee Related JPH0655764B2 (ja) | 1984-04-20 | 1984-04-20 | セルロース誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0655764B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7091221B2 (en) * | 1999-12-21 | 2006-08-15 | Ajinomoto Co., Inc. | Partial ester of cellulose with nitrogenous carboxylic acid and process for producing the same |
JP5051814B2 (ja) * | 2006-05-01 | 2012-10-17 | 国立大学法人名古屋大学 | 多糖誘導体及びそれを用いた光学異性体分離用充填剤 |
JP2008266374A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Daicel Chem Ind Ltd | 多糖アシレートの製造方法、及び高純度多糖アシレート |
-
1984
- 1984-04-20 JP JP59079633A patent/JPH0655764B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60223801A (ja) | 1985-11-08 |
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