JPH0655072B2 - 気生根蘭の室内栽培法及び該栽培法に用いる植木鉢 - Google Patents

気生根蘭の室内栽培法及び該栽培法に用いる植木鉢

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JPH0655072B2
JPH0655072B2 JP3253787A JP25378791A JPH0655072B2 JP H0655072 B2 JPH0655072 B2 JP H0655072B2 JP 3253787 A JP3253787 A JP 3253787A JP 25378791 A JP25378791 A JP 25378791A JP H0655072 B2 JPH0655072 B2 JP H0655072B2
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は住宅居室内において、環
境の制限を受けず、経済的、大衆化的、且つ有効的に栽
培できる気生根蘭の特殊改良栽培方法及び該栽培法に用
いる植木鉢に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】気生根
蘭は、人工栽培が難しい名蘭で、その花、葉、株の形
態、色彩と模様等は皆夫々各自独特の異なる変化を持
ち、依って此の蘭が具有する特性は常に養蘭界に意外な
驚喜と熱愛をもたらすものである。而して、気生根蘭の
成長及び根部の習性は一般の蘭と違い伝統的な人工方法
で栽培する時は、気生根蘭は必ずその方向、位置、湿
度、日照の長短、朝、晩の気候変化、給水、施肥等の因
素を同時に考慮しなければならない上、時々調整をする
必要がある。そこで、養蘭する人は常に細心の注意を払
って栽培するのであるが、少しでも注意を怠たれば、そ
の成長は間もなく停頓、萎縮し、更にひどくなると根部
は黒く腐り落葉する。このように、気生根蘭の栽培にと
っては千年来始終心身共に苦労する苦しい仕事である。
【0003】近来科学技術の進歩に伴い、養蘭する人は
気生根蘭の栽培の大半を温室栽培に切り換え、年中電力
資源と水資源の消費によって温室内の湿度と温度を制御
して栽培をしている。かくして気生根蘭の正常な成長を
得ることができるけれども、期間の適応性を必要とす
る。一旦温室から外へ移すと成長はとまり、萎縮状態を
呈し、根部は枯れて表皮の吸収能力を破壊するか、又は
根部が黒く変わって腐り、或いは落葉等の病態を呈す
る。然るに蘭は観賞用のもので、年中温室に陳列するな
らば、養育温室の施設費は高く、更に年中電力と大量の
用水を使用して湿気をつくり、温度を制御しなければな
らないので浪費ばかりでなく、観賞用の蘭を何時も温室
におかなければならないことは元来の居室観賞の意義を
全く失うものである。
【0004】そこで、本発明は台湾及び中国大陸の気生
根蘭の出産地をくまなく歩きまわり、実地に観察すると
共に古今の養蘭方法及び資料を探究し、更に本発明人の
多年にわたる養蘭経験を加えて、気生根蘭独特の特性に
基づいて逆に本発明の気生根蘭の室内栽培法及びこの栽
培法に用いる植木鉢を完成したものである。而して、本
発明は最も簡単な方法、最も経済的装置でもって、最も
自然的方式で如何なる環境の制限をも受けることなく気
生根蘭の習性に合わして、一般住宅で十分な光線のある
室内であれば、気生根蘭の根部に必要な野生蘭の成長に
類似した湿度、温度及び気流の自然生態条件を提供する
ことができて、一般住宅の居室内で自然育成ができ、観
賞に供することができるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために提案せられたものであり、先ず、蘭の気生
根部と長深胴体で胴壁及び底縁に蘭根部が伸出し得ない
小孔を多数有する内鉢に収容し、その後、隔離用海綿及
び乾水草等で内鉢の上面開口部に配置して前記蘭の株を
直立状に固定せしめる。次に、底縁の適当な個所に通気
孔が設けられていて、且つその底部に水盤を置き、更に
鉢胴体内側の環状受座に、中心孔の廻りに若干の綿糸ス
ダレを垂下されている環状体が設置され、更に、該スダ
レの下端部を前記水盤中に浸漬せしめると共に、前記気
生根蘭の根部を収容している内鉢を前記外鉢の口部に密
接するように嵌め込み、且つ、該内鉢の下部を前記環状
体の中心孔に嵌挿したことを特徴とする気生根蘭の室内
栽培法、及び該栽培法に用いる植木鉢を提供せんとする
ものである。
【0006】
【作用】内鉢の上面開口部には蘭の根部が海綿及び乾水
草等で直立状に固定される。そして、この内鉢を外鉢の
上面の口部に密接するように嵌め込むのであるが、この
とき内鉢と外鉢との間に環状配列された綿糸スダレが垂
下して、その下端部が外鉢の底部に設置されている水盤
の水の中に浸漬しているので、該綿糸スダレによって自
然毛細管現象を生じ、湿気生成の区間を形成することに
なる。斯くの如き物理的毛細管の吸水作用で湿気を生成
し、鉢内外に温度差及び湿度差を形成し、以て気圧気流
の対流作用を起し、霧状の水気を誘発し蘭の気生根部間
に自然的に流通して水と栄養分とを供給する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図3に従
って説明する。図1は気生根蘭の正面図である。図に於
て気生根蘭70は、根71、茎72、葉73、花74等
の部分から成る。而して、気生根蘭70は3〜6枚の葉
73を成長し、新芽が育成されている時、自然的に新根
もこれにつきそって育成されている。よって子株は新根
で自給自足ができる。母株の根部71が摂取している養
分は母株に供給される。母株は子株を保育するが、子株
の育成は実質上母株本身の生態条件に何らの影響も与え
ない。
【0008】更に、観察により気生根蘭の根部71はや
はり気生根類に属するものの、一般の気生根蘭糸品と全
く異なり、その根部71はやわらかく表皮は薄く、純白
で此のため空気中に露呈することができない。時にはそ
の根部71は根本的に直接他物の上に寄生する能力をも
たない。此のため生育を維持する水分と栄養分は完全に
その根部71の表面にある気孔に頼って野生の環境中に
含まれる水霧状の気流から摂取し、根部71を混潤する
ものである。上述のようにこれが気生根蘭70の生育維
持の基本特性である。故に気生根蘭70の根部71の強
弱によってその株型、大小、葉73の数量及び花74の
情況が決まるのである。
【0009】図2は本発明気生根蘭の室内栽培法及びそ
の植木鉢を示す最も好適な実施例の断面図である。図に
示す如く、本発明の方法は気生根蘭70の根部71の特
性に従って、その特性の要求に合して発明したものであ
る。先ず、気生根蘭70の根部71を底部に長深胴体
41、その長深胴体41の胴壁周縁及び鉢底42には若
干の根部が伸出することができない小孔43,44が開
設されている内鉢に収容する。これによって根部71の
保護をする。それから内鉢の口部に海綿体50及び或い
は乾水草60等で層別に配置し、一面気生根蘭の株を直
立させ、一面気生根蘭の根部71の周囲空間の気温を維
持し、且つ、根部71の水気吸収に利を来すのに用い
る。その次、更に底縁の適当な個所に通気孔11が設
けられ、鉢胴体の内側の適当な部位に環状受座12が設
けられている外鉢10があって、外鉢10は底部13に
水盤20及びその環状受座12の上に長い綿糸スダレ3
2が結ばれている環状体30が設置されている。その中
該綿糸スダレ32の末端31は丁度全部水盤20の中に
浸漬していて、自然の毛細管による湿気生成の区間を形
成している。
【0010】然る後、前述の方式で気生根蘭70を
収容した内鉢40の口部を外鉢10の口部に嵌め込む。
此の時内鉢40の気生根蘭の根部71を収容している長
深胴体41を綿糸スダレ32を取りつけている環状体3
0の中央に嵌挿する。これにより自然毛細管の吸水造湿
作用によって、温度差と湿度差を形成し空気流動を起し
外鉢10の胴体内に進入して水気と混合し霧化状の水気
を形成して気生根蘭の根部71の周囲に流通する。かく
して水分と栄養分を供給するものである。即ち、気生根
蘭の根部71が野生の湿度環境中で供給される湿度及び
気流生態条件を再現したのが本発明の方法である。
【0011】又、図2、3に示す如く、本発明は環状配
列の綿糸スダレ32の下端部31を水盤20の中に浸漬
して、その物理的毛細管現象の作用によって水分を吸収
し、これにより該綿糸スダレ32は全体的に湿潤され、
植木鉢の内外に湿度差及び温度差条件を形成する。従っ
て鉢内外の温度差は気圧気流の作用を起し、その気体は
外鉢10の底部の通気孔11より外鉢10の胴内に入り
こみ、環状配列の綿糸スダレ32をつき通り、その飽和
水分を気化して霧状の水気とし、此の霧状の気流は更に
小孔43,44を経て内鉢の胴体41に入り気生根蘭の
根部71を湿潤する。その後、海綿体50及び或いは乾
燥水草60に吸収され、且つ、濾過されて大気へ逸出す
る。斯くの如く自然湿度差による気圧気流の発生は、対
流作用を誘発して水気を流通させ水分及び栄養分を供給
するのである。即ち、気生根蘭70の根部71が野生で
生育を維持するに必要な生態、湿度、温度及び気流と同
様な条件を再現したものである。
【0012】そこで、この方法は、一般住宅の居室内に
気生根蘭を栽培する場合に限られる。何故ならば、人類
が生活する室内は室温、湿度、気流等を問わず一定の適
当な差異範囲がある為である。本発明の植木鉢の内外鉢
胴内の機能は綿糸スダレ32で発生した霧状水気の流れ
方向を制御するところにある。即ち、室内温度に応じて
自動調節をすることができる。気温が上昇した時対流作
用は加速的に水気を供給し、気温が下降した時はこれに
応じて緩慢的に水気の供給を進行する。水盤20に欠水
がない情況で自然に且つ自動的に長期にわたり水気を産
出し霧状水気を供給することができる。
【0013】
【発明の効果】上述の説明を総合すれば、本発明は確実
に最も経済的で且つ簡単な方法で、単一個体で相互に間
隔を有する内外植木鉢の胴体内に綿糸スダレの配置を設
計することによって、野生蘭が野生の環境から獲得する
成長に必要な生態条件を創生することができ、数千年来
蘭の独特な特性による調節が難しく、栽培が困難である
状態を解決し得たのである。かくして、気生根蘭の養育
観賞を高価な密閉温室から開放して住宅の室内生活中に
溶け込むことができ、人類と共に長期に及んで花が有る
時は花を観賞し、花のない時は葉を観察して株の形及び
成長の変化を味わい、実質的に野生蘭の生育に必要な湿
度、温度及び気流等の生態条件を創生したものである。
同時に電気、水の節減、人工手間を省減並びに一切の天
然災害から免れることができ、誠に斬新な経済的で実用
なものである。又、環境の制限を受けず、大衆化的に栽
培することができる等、正に著大なる効果を奏する発明
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気生根蘭の正面図。
【図2】本発明の実施例の断面図。
【図3】本発明の環状体とスダレを示す斜面図。
【符号の説明】
10 外鉢 11 通気孔 12 環状受座 13 底部 20 水盤 30 環状体 31 末端 32 綿糸スダレ 40 内鉢 41 長深胴体 42 鉢底 43 小孔 50 海綿体 60 乾水草 70 気生根蘭 71 根部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先ず、蘭の気生根部と長深胴体で胴壁及
    び底縁に蘭根部が伸出し得ない小孔を多数有する内鉢に
    収容し、その後、隔離用海綿及び乾水草等で内鉢の上面
    開口部に配置して前記蘭の株を直立状に固定せしめる。
    次に、底縁の適当な個所に通気孔が設けられていて、且
    つその底部に水盤を置き、更に鉢胴体内側の環状受座
    に、中心孔の廻りに若干の綿糸スダレを垂下されている
    環状体が設置され、更に、該スダレの下端部を前記水盤
    中に浸漬せしめると共に、前記気生根蘭の根部を収容し
    ている内鉢を前記外鉢の口部に密接するように嵌め込
    み、且つ、該内鉢の下部を前記環状体の中心孔に嵌挿し
    たことを特徴とする気生根蘭の室内栽培法。
  2. 【請求項2】 気生根蘭を栽培する植木鉢であって、該
    植木鉢の底縁の適当な部位に通気孔が開設されていて、
    その内側の適当な部位には環状受座が設けられてある外
    鉢、該外鉢の底部に置くことができる水盤、外鉢の内側
    に設置してあって若干の綿糸スダレが結ばれていて、そ
    の末端は水盤内に垂れこんでいる環状体、鉢口部分が密
    接に外鉢の鉢口と嵌めこめるようになっていて、その鉢
    自体の胴体及び底部は外鉢の胴体内に懸架することがで
    きて、更に、胴壁には多数の細密な小孔が開設されてい
    る内鉢、内鉢口部におかれていて、蘭株の固定と水気を
    ためる為に用いられる海綿体及び海綿体上をかぶしてい
    て、海綿体上より水気を吸収し温度を保持する若干の水
    草等で組立てられている特性を有する請求項1記載の栽
    培法に用いる植木鉢。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の気生根蘭栽培用植木鉢で
    あって、その中外鉢は底部が開放されていることを特徴
    とする植木鉢。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の気生根蘭栽培用植木鉢で
    あって、その中外鉢の底部は密閉式或いは底受部を有し
    ていることを特徴とする植木鉢。
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