JPH0654878U - 重力式扉の支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉を重力によって閉じ且つ閉じ角度を調節可
能となす。 【構成】 扉の下部を回動可能に支持する下支持具(３)
は、出入口の側縁(２)に固定する支持台(31)と、扉に固
定され支持台(31)に回転可能に係合する扉取付け金具
(５)とから成り、支持台(31)上に位相調節可能に取付け
た受台(４)及び該受台に回転可能に嵌合する扉取付け金
具(５)には、互いに摺接する螺旋面(43)(56)が形成され
ている。 【作用及び効果】 扉を押すと、下支持具(３)の扉取付
け金具(５)の螺旋面(56)が相手受台(４)の螺旋面(43)を
辷り上がって回転し、扉は徐々に上昇しながら開く。扉
から手を離すと、扉の重量が扉取付け金具(５)に作用
し、該扉取付け金具が受台(４)の螺旋面(43)を辷り降り
て回転し、扉は自動的に閉じる。扉の所望の閉じ角度に
受台(４)の位相を合わせて、枢軸(36)基端の角度刻み部
(37)と受台(４)の角度刻み嵌合面(42)を嵌合すれば、扉
(１)の閉じ角度を自由に決めることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、扉を重力によって自動的に閉じることの出来る扉の回転支持具に関 するものである。

【０００２】

【従来例】

出願人は以前第５図に示す如く、扉(１)が自重によって自動的に閉じる蝶番( ９)を提案した(実開昭60−161268号)。 上記蝶番は、平板の一端に筒体(92)(93)を突設した一対の取付板(90)(91)を、 筒体(92)(93)に嵌めた枢軸(94)によって開閉可能に枢支しており、両筒体(92)(9 3)の摺接する対向端面は取付板(90)(91)が開くにつれて筒体(92)が軸方向に外側 に移動する様に螺旋面(95)(96)が形成されている。

【０００３】 扉(１)を開く方向に押すと、扉(１)側の取付板(90)の筒体(92)が相手筒体（９
３） の螺旋面（９６）を辷り上がって回転する。このため扉(１)は徐々に上昇しなが
ら開 く。 開いた扉(１)から手を離すと、扉(１)の重量が上部の筒体(92)に作用し、前記 とは逆に該上方の筒体(92)が下方の筒体(93)の螺旋面(96)を辷り降りて回転し、 扉(１)は自動的に閉じる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記蝶番は主として、トイレの扉の枢支具として使用されているが、トイレの 扉は、全開或は少し開いて待機し、トイレが空であることが一見して判ることが 望まれる。

【０００５】 このトイレ扉の待機時の開き度は、蝶番の筒体(92)(93)の螺旋面(95)(96)の終 端の位相によって決まり、ユーザの好みで開度を調節することはできなかった。 本考案は、扉の待機状態の開き角度を調節設定できる重力式扉の支持具を明 らかにするものである。

【０００６】

【課題を解決する手段】

本考案の扉の支持具は、扉(１)の下面の枢支側を回動可能に支持する下支持具 (３)と、扉(１)の上面の枢支側を回動可能に支持する上支持具(６)とで構成され 、下支持具(３)は、出入口の側縁(２)又は床面に固定する支持台(31)と、扉に固 定され該支持台(31)に回転可能に係合する扉取付け金具(５)とからなり、支持台 (31)は垂直上向きの枢軸(36)及び該枢軸(36)に着脱可能に嵌まる筒状受台(４)を 具え、扉取付け金具(５)は前記枢軸(36)及び受台(４)が回転可能に嵌まる大径穴 (54)と小径穴(55)を同心に開設した筒部(53)を具え、前記枢軸(36)の基端には全 周に亘って角度刻み部(37)が形成され、受台(４)には該角度刻み部(37)に嵌合可 能な角度刻み嵌合面(42)が形成されて受台(４)は回転方向に位置調節可能に枢軸 (36)に嵌まっており、受台(４)の上端面及び筒部(53)内の該端面に摺接する面は 、互いに対応する螺旋面(43)(56)に形成されている。

【０００７】

【作用及び効果】

扉(１)を開く方向に押すと、下支持具(３)の扉取付け金具(５)の螺旋面(56)が 相手受台(４)の螺旋面(43)を辷り上がって回転する。このため扉(１)は徐々に上 昇しながら開く。

【０００８】 開いた扉(１)から手を離すと、扉(１)の重量が扉取付け金具(５)に作用し、前 記とは逆に扉取付け金具(５)が受台(４)の螺旋面(43)を辷り降りて回転し、扉( １)は自動的に閉じる。

【０００９】 扉(１)の取付け時、受台(４)を枢軸(36)に嵌める際、扉(１)の所望の閉じ角度 に受台(４)の螺旋面(43)の下り終端の位相を合わせて、枢軸(36)基端の角度刻み 部(37)と受台(４)の角度刻み嵌合面(42)を係合すれば、扉(１)の閉じ角度を自由 に決めることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、複数のトイレブースが並んだトイレの各扉の枢支具での実施例に基づき 本考案を具体的に説明する。 図１は、扉の下部を回動可能に支持する下支持具(３)と、上部を回動可能に支 持する上支持具(６)とを示している。

【００１１】 下支持具(３)は、出入口の側縁(２)に固定した支持台(31)と、扉に固定され支 持台(31)に回転可能に係合する扉取付け金具(５)とから成る。 実施例の支持台(31)は垂直板部(32)の下端に水平板部(33)を直角に突設してＬ 字状に形成され、垂直板部(32)にネジ止め固定用皿孔(34)を開設している。

【００１２】 水平板部(33)には枢軸(36)が板面に対して上向きに垂直に突設され、該枢軸(3 6)に着脱可能に筒状受台(４)を嵌めている。 枢軸(36)の基端には、放射状に３０゜毎に突条を設けて角度刻み部(37)が形成 され、受台(４)の下端内面に放射状に溝条を設けて前記角度刻み部(37)に嵌合可 能な角度刻み嵌合面(42)が形成されている。

【００１３】 受台(４)の上端面は、軸心を含む面で左右対称に螺旋面(43)(43)が形成されて いる。 扉取付け金具(５)は取付け用ネジ孔(52)を開設した板片(51)の一端に上端が閉 塞し下端が開口した筒部(53)を上向きに突設しており、扉(１)の下端面に筒部(5 3)を埋設して取り付けられている。

【００１４】 筒部(53)には受台(４)の枢軸(36)を嵌める大径穴(54)と小径穴(55)とが同心に 開設され、両穴(54)(55)の段部には前記受台(４)の螺旋面(43)に対応して軸心を 含む面で左右対称の螺旋面(56)が形成されている。

【００１５】 上支持具(６)は、出入口の側縁にネジ止め固定した支持金具(７)と、扉(１)の 上端面の枢支側に取り付けた受け金具(８)とで構成される。 支持金具(７)は、取付け板(71)の上端から前方に腕板(72)を突設し、該腕板(7 2)の先端に前記下支持具(３)の枢軸(36)の延長線上に下向きに支持軸(73)を突設 している。

【００１６】 支持金具(７)の取付けは、先ず先端に周溝(75)を形成した受けネジ軸(74)を出 入口の側縁(２)に締付け、支持金具(７)の取付け板(71)に開設した切欠(76)を受 けネジ軸(74)の周溝(75)に嵌め、この状態で取付け板(71)の左右の傾きを調節し て支持金具(７)をビス止めする。

【００１７】 受け金具(８)は、扉(１)にネジ止めした受け板(81)に前記支持金具(７)の支持 軸(73)が嵌まる貫通孔(82)が開設され、孔縁に摩擦軽減用の樹脂性リング(83)を 装着している。

【００１８】 扉(１)には、受け金具(８)の貫通孔(82)との対応位置に、該孔(82)よりも十分 大きいな逃し穴(11)が開設されている。

【００１９】 扉(１)の取付けは受板金具(８)の孔(82)に支持金具(７)の支持軸(73)を嵌めて 扉(１)を持上げ、筒部(53)と枢軸(36)の軸心を一致させて、扉(１)を降ろし、筒 部(53)に枢軸(36)を嵌める。

【００２０】 この時、受台(４)の螺旋面(43)と取付台(５)の螺旋面(56)が完全に噛みあった 状態で、第４図の左側から順に示す如く、扉が０゜開き(全閉)、３０゜開き、６ ０゜開き、９０゜開き、１２０゜開き(全開)の内、所望の開き角度になる様に、 受台(４)を支持台(31)上の枢軸(36)に位相を決めて嵌合しておく。

【００２１】 然して、扉(１)を開く方向に押すと、扉(１)側の取付台(５)が相手支持台(４) の螺旋面(43)(43)を辷り上がって回転する。このため扉(１)は徐々に上昇しなが ら開く。

【００２２】 扉(１)の上支持具(６)は、側縁(２)に取付けた支持金具(７)の支持軸(73)を扉 上端の受け金具(８)の孔(82)に摺動可能に嵌めて支持しているから、扉(１)の開 きによって扉(１)が上昇することに支障はない。

【００２３】 開いた扉(１)から手を離すと、扉(１)の重量が扉取付け金具(５)に作用し、前 記とは逆に扉取付け金具(５)が受台(４)の螺旋面(43)を辷り降りて回転し、扉( １)は自動的に閉じる。

【００２４】 前記の如く、扉(１)の取付け時、受台(４)を枢軸(36)に嵌める際、扉(１)の所 望の閉じ角度に受台(４)の位相を合わせて、枢軸(36)基端の角度刻み部(37)と受 台(４)の角度刻み嵌合面(42)を嵌合すれば、扉(１)の閉じ角度を自由に決めるこ ができる。

【００２５】 尚、下支持具(３)の支持台(31)を床面に固定することができ等、本考案は上記 実施例の構成に限定されることはなく、実用新案登録請求の範囲に記載の範囲で 種々の変形が可能であるのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】下支持具及び上支持具の斜面図である。

【図２】下支持具の斜面図である。

【図３】受台の底面図である。

【図４】トイレブース及び支持台の平面図である。

【図５】従来の重力式扉の蝶番の正面図である。

【符号の説明】

(１) 扉 (２) 側縁 (３) 下支持具 (31) 支持台 (４) 受台 (43) 螺旋面 (５) 扉取付け金具 (56) 螺旋面 (６) 上支持具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉(１)の下面の枢支側を回動可能に支持
   する下支持具(３)と、扉(１)の上面の枢支側を回動可能
   に支持する上支持具(６)とで構成され、下支持具(３)
   は、出入口の側縁(２)又は床面に固定する支持台(31)
   と、扉に固定され該支持台(31)に回転可能に係合する扉
   取付け金具(５)とからなり、支持台(31)は垂直上向きの
   枢軸(36)及び該枢軸(36)に着脱可能に嵌まる筒状受台
   (４)を具え、扉取付け金具(５)は前記枢軸(36)及び受台
   (４)が回転可能に嵌まる大径穴(54)と小径穴(55)を同心
   に開設した筒部(53)を具え、前記枢軸(36)の基端には全
   周に亘って角度刻み部(37)が形成され、受台(４)には該
   角度刻み部(37)に嵌合可能な角度刻み嵌合面(42)が形成
   されて受台(４)は回転方向に位置調節可能に枢軸(36)に
   嵌まっており、受台(４)の上端面及び筒部(53)内の該端
   面に摺接する面は、互いに対応する螺旋面(43)(56)に形
   成されている扉の回転支持具。