JPH0653863A - 演算回路 - Google Patents

演算回路

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JPH0653863A
JPH0653863A JP4226448A JP22644892A JPH0653863A JP H0653863 A JPH0653863 A JP H0653863A JP 4226448 A JP4226448 A JP 4226448A JP 22644892 A JP22644892 A JP 22644892A JP H0653863 A JPH0653863 A JP H0653863A
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data
tap coefficient
circuit
arithmetic
processing
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Withdrawn
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JP4226448A
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English (en)
Inventor
Kimihiro Sugino
貴美広 杉野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D10/00Energy efficient computing, e.g. low power processors, power management or thermal management

Abstract

(57)【要約】 【目的】 積分されるべき値を順次書き換えてメモリの
所定アドレスに蓄積していくような演算処理のためのデ
ータ転送の高速化と電力消費量低減とを実現できる演算
回路を提供する。 【構成】 演算回路は、双方の入力端子から供給される
データに対して所定の演算を行う演算器ALU2と、演
算器ALU2の演算結果を入力するデータメモリDRM
を有し、データメモリで選択されたデータを、それ専用
のデータバス10を介して演算器ALU2に与えるよう
に構成される。前記専用データバス10は、その他のモ
ジュールへのデータ転送を要しないため、データ転送経
路が比較的短く、不所望な負荷成分も小さいため、デー
タ転送速度の高速化と低消費電力化とを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、それぞれ半導体集積回
路化された演算回路、適応フィルタ、及びエコーキャン
セラに関し、例えばISDN(Integrated
Services Digital Network)
用のエコーキャンセルLSIの低消費電力化に適用して
有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランスバーサルフィルタのような適応
フィルタは、入力信号の経時的な変化に対してその特性
を適応的に変化させることができるフィルタである。即
ち、入力信号をタップ係数に乗じ、その値を複数タップ
単位で加算してフィルタ出力を得るための出力演算と、
そのフィルタ出力を応答させるべき対象系からの信号と
前記フィルタ出力との差分などとして得られる誤差信号
に基づいて前記タップ係数を更新する積和演算のような
更新演算とを行い、その更新演算によってタップ係数を
時間的に書き換えることによりその特性をリアルタイム
で変化させようとする。このような適応フィルタをディ
ジタル・シグナル・プロセッサによって構成するとき、
タップ係数の更新は、メモリから読出したタップ係数に
更新量を加算し、これを該メモリの同一アドレスに書き
込むという積分的な処理によって実現することができ
る。
【0003】ディジタル・シグナル・プロセッサは、算
術論理演算器と共にハードウェアとして乗算器を持ち、
積和演算の効率化によってリアルタイムなディジタル信
号処理能力を向上させており、このようなものとして
は、例えば日経BP社発行のデータプロ・マイクロプロ
セッサ(MC4−303−811乃至818、1988
年12月)に記載のDSP「TMS320C25」があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記T
MS320C25などに代表される従来のディジタル・
シグナル・プロセッサは、データRAM(ランダム・ア
クセス・メモリ)と演算器との間のデータ転送には共通
内部バスを利用するようになっている。そして、当該デ
ータRAMに対するアクセスは、1マシンサイクル単位
でリード又はライトの何れか一方とされる。このため、
適応フィルタにおけるタップ係数の更新演算などデータ
RAMを利用した積分演算処理ではデータRAMをリー
ド及びライトするのに少なくとも2マシンサイクル必要
になり、積分演算処理を含むような一連の処理をパイプ
ライン化してもそれを1マシンサイクルで行うことは不
可能であった。
【0005】本発明者は適応フィルタを実現するLSI
の一つとしてISDN用のLSIの低消費電力化につい
て検討し、その過程において、タップ係数更新演算のよ
うな積分処理に2マシンサイクル以上かかっていたので
は低消費電力化の妨げになることを見い出した。即ち、
加入者側端末を交換局からの通信回線に接続するような
ISDN用のLSIは交換局から給電されるため特に低
消費電力化の要請が高い。そこで本発明者は動作クロッ
ク周波数を下げてLSIの低消費電力化を図り、このと
きの動作速度低下によって単位時間あたりの処理能力が
低下しないように、一連の処理のマシンサイクル数を少
なくして対処しようとした。しかしながら、繰り返し演
算回数の多いタップ係数更新演算のような積分処理に2
マシンサイクル以上かかっていたのでは、単位時間当た
りの処理能力を保証して低消費電力化を図ることができ
ない。
【0006】さらに、適応フィルタにおいてタップ係数
の更新演算は入力信号の1サンプリング期間中に全タッ
プに対して順番に行ったりしなければならず、単位時間
あたりの処理能力はタップ数に比例して高くなければな
らない。この点において、バランシングネットワーク回
路を通して送信側から受信側に回り込んでくるエコー成
分をキャンセルするためのエコーキャンセラは、任意に
接続される通信回線との間でのインピーダンス・ミスマ
ッチングという不確定な要素に対処しなければならない
ため、比較的タップ数の多い適応フィルタで実現されな
ければならないから、特に単位時間あたりの高い処理能
力が要求されると共に、これに応じて電力消費も多くな
る。したがって、上記タップ係数更新演算のような積分
処理における単位時間当たりの処理能力を保証して低消
費電力化を図ることは特にエコーキャンセラにおいて急
務であることを本発明者は見い出した。
【0007】また、タップ係数の更新演算においてその
更新量には収束係数が与えられ、伝達関数の時定数を小
さくして応答動作の安定化を図るようにしている関係
上、データRAMが積分値として保持するタップ係数の
ビット数は適応フィルタ出力を得るための加算対象とさ
れるタップ係数のビット数に比べて大きくされている。
このため、更新演算に必要とされるタップ係数を共通内
部バスを通して演算器とデータRAMとの間でやりとり
する従来の構成では、当該共通内部バスのビット数は更
新演算されるタップ係数のビット数を満足しなければな
らず、容量性負荷成分の比較的大きな共通内部バスのプ
リチャージやディスチャージによる電力消費も無視し得
ない程大きくなるということを本発明者は見い出した。
【0008】本発明の目的は、積分されるべき値を順次
書き換えてメモリの所定アドレスに蓄積していくような
演算処理のためのデータ転送の高速化とそれに要する電
力消費量を低減できる演算回路を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、タップ係数更新演算のよう
な積分処理を1マシンサイクルで行うことができる適応
フィルタに好適な演算回路を提供することにある。本発
明の更に別の目的は、単位時間当たりの処理能力を保証
して低消費電力化を図ることができる適応フィルタ並び
にエコーキャンセラに好適な演算回路を提供することに
ある。
【0009】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0011】すなわち、複数本の信号線から成るデータ
バス手段からのデータとメモリ手段からのデータとを演
算手段で受けて演算し、その演算結果をメモリ手段に与
える演算回路において、メモリ手段からのデータを、そ
れに専用化されたデータパス手段を介して演算手段に与
えるようにする。これによって、積分されるべき値を順
次書き換えてメモリ手段の所定アドレスに蓄積していく
ような演算処理のためのデータ転送の高速化とそれに要
する電力消費量を低減できる演算回路を実現する。
【0012】前記演算回路は半導体集積回路化された適
応フィルタにおけるタップ係数更新演算手段の積分回路
として採用することができる。このとき適応フィルタ
は、入力信号をタップ係数に乗じ、その値を複数タップ
単位で加算してフィルタ出力を得るための手段と、前記
フィルタ出力を応答させるべき対象系からの信号と前記
フィルタ出力との関係によって生成される誤差信号に基
づいて前記タップ係数を更新演算する手段とを含む。
【0013】前記適応フィルタにおいて、そのフィルタ
出力を得る手段へタップ係数を供給するための共通内部
データバスのビット数は、前記積分回路に含まれる専用
データバスとしてのデータパス手段の信号線本数よりも
少ないことが低消費電力化の点で望ましく、また適応フ
ィルタの機能上それで充分である。
【0014】前記適応フィルタは半導体集積回路化され
たディジタル・シグナル・プロセッサによって構成する
ことができる。このとき、タップ係数の更新演算処理と
フィルタ出力を得る為の演算処理のパイプライン化を図
るには、夫々の処理を司るためのハードウェア的な手段
を固有化し、前記タップ係数を更新演算する手段には、
前記積分回路に含まれる演算手段のデータバス手段と前
記共通内部データバスとの間に、入力信号と誤差信号の
乗算手段と、その乗算結果に収束係数を付与する手段と
を更に含め、また、前記フィルタ出力を得る手段には、
前記メモリ手段から読出されて共通内部データバスを経
由して与えられるタップ係数と入力信号との乗算手段
と、その乗算結果を加算し且つ保持する手段とを設けて
おくとよい。
【0015】上記したような適応フィルタは、後で説明
するように単位時間当たりの処理能力を保証して低消費
電力化を図ることができるため、比較的多数のタップを
必要とする適応フィルタによって実現されなければなら
ないようなエコーキャンセラなどに好適である。
【0016】
【作用】上記した演算回路におけるデータパス手段は、
メモリ手段から読出されたデータを演算手段に与え、そ
こで演算されたデータは前記メモリ手段の同一アドレス
に書き込まれ、これにより、積分されるべき値を前記メ
モリ手段の所定アドレスに順次書き換えて蓄積していく
動作を可能にする。メモリ手段と演算手段を結合する前
記データパス手段はその他のモジュールへのデータ転送
を要しないため、データ転送経路が比較的短くて済み、
且つ、当該転送路の不所望な負荷成分も小さいため、デ
ータ転送速度の高速化と低消費電力化とを実現する。
【0017】適応フィルタの更新演算手段において上記
演算回路が適用された積分回路は、従来データメモリに
対するリード動作とライト動作とを別々のマシンサイク
ルで行っていた積分処理を1マシンサイクルで実現可能
にする。
【0018】上記より、繰り返し演算回数の多いタップ
係数更新演算のような積分処理の各サイクルを1マシン
サイクルで実現可能にすることは、適応フィルタを構成
するLSIの動作クロック周波数を下げて低消費電力化
するように作用し、且つこのときの動作速度低下によっ
て単位時間あたりの処理能力が低下しないように一連の
処理のマシンサイクル数を少なくするように作用し、適
応フィルタを構成するLSIの単位時間当たりの処理能
力を保証して低消費電力化を実現する。
【0019】タップ係数値は、適応フィルタ出力の応答
動作を安定化させるため、その変動時定数をゆるやかに
設定する必要がある。このためデータメモリが積分値と
して保持するタップ係数のビット数は、適応フィルタ出
力を得るための加算対象とされるタップ係数のビット数
に比べて大きく設定し、有効なタップ係数内での変動時
定数をゆるやかにしている。このような演算を実現する
ために、タップ係数更新演算のためのタップ係数の伝達
経路を前記データパス手段により専用化しておくこと
は、共通内部データバスのビット数を相対的に小さくす
ることを可能にし、タップ係数を共通内部データバスを
通して演算器とデータメモリとの間でやりとりする従来
の構成に比べて容量性負荷成分の比較的大きな共通内部
データバスのプリチャージやディスチャージによる電力
消費量を減らすように作用する。
【0020】
【実施例】図6には適応フィルタによって対象系の出力
を推定する応用モデルの一例が示される。適応フィルタ
1は、対象系2の出力Dと適応フィルタ出力Yとの差を
誤差信号ERとして受け、誤差信号ERを最小とするよ
うに、即ち、対象系2と同等の応答をするように機能す
る。このモデルにおいて対象系2の出力が入力信号Sの
エコーであるとき、その適応フィルタ1はエコーキャン
セラとして機能する。
【0021】図5にはトランスバーサル型の適応フィル
タのアルゴリズムの一例が示される。同図においてSは
入力信号、Zは特に制限されないが、入力信号Sのサン
プル周期に応ずる遅延時間を以て入力信号Sを順次保持
していく遅延要素、C0〜Cnはタップ係数である。適
応フィルタはタップ毎に同じような処理を時系列的に繰
り返すものであり、その処理は、入力信号Sを対応する
タップ係数に乗じ(MM)、その値を全タップにつき加
算(TA)してフィルタ出力Yを得るための出力演算処
理と、フィルタ出力Yを応答させるべき対象系からの信
号Dと前記フィルタ出力Yとの差分に基づいて生成され
る誤差信号ERに応じて前記タップ係数を更新するタッ
プ係数更新処理に大別される。タップ係数更新処理は、
誤差信号ERと入力信号Sとを乗算(M)し、その値に
タップ更新係数若しくは収束係数を与えて(K)タップ
係数の更新量を取得し、この更新量に前回のタップ係数
を加算(A)して、これを新たなタップ係数とするもの
である。タップ係数はアドレス対応でデータメモリに格
納されており、同データメモリから読出されるタップ係
数は前記フィルタの出力演算処理の乗算MMとタップ係
数更新処理のための加算Aに供給されるが、加算Aによ
って更新されたタップ係数は前記データメモリの同一ア
ドレスに書き戻されることになる。
【0022】図1には前記適応フィルタを構成するため
の演算回路EXECを有するディジタル・シグナル・プ
ロセッサDSPの一例が示される。特に制限されない
が、同図のディジタル・シグナル・プロセッサDSP
は、公知の半導体集積回路製造技術によりシリコン基板
のような1つの半導体基板上に形成される。同図におい
てDRMは前記タップ係数C0〜Cnをアドレス対応で
保持するためのデータメモリ、SRMは前記遅延要素と
して機能するシフトレジスタのようなシンボルメモリで
ある。
【0023】同図において、命令フェッチ回路IFC
は、マイクロROM3、インストラクションレジスタI
R、及びコントロール回路CONTを含んでいる。ま
た、命令デコード回路IDECは、命令デコーダDCR
とアドレス生成回路ADCを含んでいる。マイクロRO
M3は、マイクロ命令群によって構成されたマイクロプ
ログラムを格納し、個々のマイクロ命令は、1個以上の
マイクロ操作情報、マイクロ命令系列の順序制御を行う
ためのネクストマイクロアドレスなどのアドレス情報、
マイクロ命令の必要に応じて定数情報やタイミング制御
のための時間情報などを含んでいる。マイクロROM3
は、コントロール回路CONTから出力されるアドレス
信号に応答して所定のマイクロ命令を読み出し、マイク
ロROM3から読み出されたマイクロ命令はインストラ
クションレジスタIRに供給される。コントロール回路
CONTは、マイクロ命令のネクストアドレスフィール
ドに含まれるマイクロアドレス情報から所定のマイクロ
系列の2番目以降のマイクロアドレスや分岐アドレス、
さらにはコマンドフェッチルーチンやその他の所定ルー
チンの先頭マイクロアドレスを生成する。インストラク
ションデコーダDCRは、マイクロROM3からインス
トラクションレジスタIRを介して供給されたマイクロ
命令を解読し、例えばデータメモリDRMやシンボルメ
モリSRMのデータの書き込み、あるいは読み出しのた
めの動作を制御するようなリード/ライトコントロール
信号など各種制御信号を生成する。演算回路EXEC内
のレジスタRS0,RS1,RB,RG,ESR,RD
LT、セレクタSEL、アキュムレータACC、乗算器
MULT1,MULT2、算術論理演算器ALU1,A
LU2、バスドライバBDRV1,BDRV2は上記イ
ンストラクションデコーダDCRから供給される制御信
号によってその動作が制御される。アドレス生成回路A
DCは、マイクロROM3からインストラクションレジ
スタIRを介して供給されたマイクロ命令を解読し、こ
れにより所定アドレスを生成し、データメモリDRMや
シンボルメモリSRMに供給する。データメモリDRM
やシンボルメモリSRMはインストラクションデコーダ
DCRからの所定の制御信号及びアドレス生成回路AD
Cからのアドレスによりデータの書き込み/読み出しが
行われる。
【0024】演算回路EXECは適応フィルタとして専
用化されるものであり、フィルタの出力演算処理回路5
と更新演算処理回路6が夫々別々に設けられている。
【0025】フィルタの出力演算処理回路5は、入力レ
ジスタRB、セレクタSEL、乗算器MULT1、出力
レジスタRG、算術論理演算器ALU1、アキュムレー
タACCによって構成される。シンボルメモリSRMか
ら読出された入力信号はセレクタSELによりレジスタ
RS0,RS1の一方から乗算器MULT1の一方の図
示しない入力端子に与えられ、また、データメモリDR
Mから読出されたタップ係数は入力レジスタRBから乗
算器MULT1の他方の図示しない入力端子に与えられ
る。乗算器MULT1はそれら入力を乗算し(図5の乗
算処理MM)、その乗算結果を出力レジスタRGから算
術論理演算器ALU1の一方の図示しない入力端子に与
える。算術論理演算器ALU1はあらかじめアキュムレ
ータACCが保持している加算値を他方の図示しない入
力端子から入力しレジスタRGの出力値とアキュムレー
タACCの出力値を加算(図5の加算処理TA)する。
そして算術論理演算器ALU1は、その加算結果をアキ
ュムレータACCに出力する。算術論理演算器ALU1
は、一つのサンプル信号に対する全タップの出力を加算
したときに、アキュムレータACCに保持されている値
をフィルタ出力YとしてバスドライバBDRV1を介し
て共通内部データバス11に出力する。
【0026】タップ計数の更新演算処理回路6は、レジ
スタESR、乗算器MULT2、シフタSHIFT、レ
ジスタRDLT、算術論理演算器ALU2、及びデータ
メモリDRMを含んで構成される。レジスタESRには
誤差信号が保持されていて、この誤差信号とレジスタR
S0から供給される入力信号とが乗算器MULT2で乗
算され(図5の乗算処理M)、乗算結果はシフタSHI
FTで所定ビットシフトされて(図5の更新係数K付与
処理)、レジスタRDLTに保持される。算術論理演算
器ALU2は、レジスタRDLTに保持されているタッ
プ係数更新量と、データメモリDRMから供給されるタ
ップ係数を加算する(図5の加算処理A)。更新された
タップ係数はデータメモリDRMの同一アドレスに書き
戻される。
【0027】前記算術論理演算器ALU2とデータメモ
リDRMは、データメモリDRMから読出したタップ係
数に更新量を加算した値を当該データメモリDRMの同
一アドレスに再び書き込んで順次保持していくから、こ
の機能より明らかなように積分回路を構成する。このと
き、データメモリDRMから読出されるタップ係数を算
術論理演算器ALU2に与えるためのデータ転送経路は
専用データバス10によって構成されている。また、デ
ータメモリDRMは、図1の演算回路EXECの動作を
規定する1マシンサイクルでリード及びライト動作され
る所謂リード・モディファイ・ライト形式で動作され
る。専用データバス10は他の回路モジュールに共用さ
れず局所的に配置され、且つ、そのバス信号線の引き回
し長さは最短とされるから、不所望な負荷成分も極めて
小さく、算術論理演算器ALU2へのタップ係数の伝達
を高速で行うことができ、タイミング上無理なくデータ
メモリDRMをリード・モディファイ・ライトすること
ができる。したがって、タップ係数更新のための積分演
算を、1タップあたり1マシンサイクルで確実に行うこ
とができる。ここで、共通内部データバスを構成する信
号線をm本、専用データバス10を構成する信号線をn
本とすると、m<nの関係が成り立つ。
【0028】前記データメモリDRMから読出されるタ
ップ係数はフィルタ出力演算のために共通内部データバ
ス11を介してレジスタRBにも供給されるが、このと
き、前記専用データバス10が共通内部データバス11
に直結されることによって専用データバス10上でのタ
ップ係数の伝達が遅延する虞のある場合には、共通内部
データバス11と専用データバス10との間にバッファ
としても機能するようなバスドライバBDRV2を配置
しておくとよい。バスドライバBDRV1,BDRV2
のそれぞれは、共通内部データバス11を構成する信号
線の数(m個)設けられているが、図面の簡略化のため
1個ずつしか示していない。
【0029】図8には、データメモリDRMの構成が示
されている。データメモリDRMは、メモリアレイMA
0〜MA27、メモリアレイMA0〜MA27内のデー
タ線をプリチャージするためのプリチャージ回路PC0
〜PC27、ワード線選択回路XDEC、データ線選択
回路YDEC、データ線結合回路YSEL、制御回路C
TR、アドレスデコーダADから成る。アドレス生成回
路ADCから供給されたアドレスは、アドレスデコーダ
ADでデコードされてワード線選択回路XDECとデー
タ線選択回路YDECに供給される。ワード線選択回路
XDECは、アドレスデコーダADからの信号によって
メモリアレイMA0〜MA27内の複数のワード線の中
から1本のワード線の選択を行う。また、データ線選択
回路YDECは、アドレスデコーダADからの信号によ
って各メモリアレイMA0〜MA27内の複数のデータ
線の中から1対ずつのデータ線の選択を行う。データ線
結合回路YSELは、選択されたワード線に結合される
メモリセルをデータ線選択回路YDECからの信号に従
ってデータ線を介してデータ入出力回路I/O0〜I/
O27と結合させる。制御回路CTRは、インストラク
ションデコーダDCRから供給される制御信号から動作
制御信号を形成し、データメモリDRM内の各回路ブロ
ックに供給する。従って、データメモリDRMのデータ
の書き込み/読み出しが行われる。
【0030】図9には、レジスタRB、ESR、RS
0、RS1の構成が示されている。同図に示されている
ように、これらのレジスタは18個のフリップフロップ
FF0〜FF17で構成され、レジスタはインストラク
ションデコーダDCRから供給される制御信号CKに従
って共通内部データバス11からデータ入力端子DI0
〜DI17を介して入力し、さらに、入力したデータを
データ出力端子DO0〜DO17から出力する。
【0031】図1において、前記データメモリDRMか
ら読出されるタップ係数はフィルタ出力演算のために共
通内部データバス11を介してレジスタRBにも供給さ
れる。共通内部データバス11を通してレジスタRBに
供給されるタップ係数は、特に制限されないが、18ビ
ットとされる。一方データメモリDRMは、特に制限さ
れないが、各タップ係数を28ビット構成で保持する。
なぜなら、タップ係数更新量のビット数とタップ係数C
0のビット数が同じでかつそれらのビット数が少なすぎ
ると、上記タップ係数更新量とタップ係数C0を加算し
た場合、本来更新しなければならないタップ係数更新量
が変化しなく(ゼロ)になってしまう。また、タップ係
数更新量とタップ係数C0のビット数が多すぎると、そ
れらを加算した場合、タップ係数の最下位ビットが毎回
変化して安定したフィルタが実現できなくなってしま
う。従ってタップ係数更新量をシフタSHIFT(図5
のK)にてシフトさせても、計算精度が得られるように
タップ係数更新量を18ビット、タップ係数をタップ係
数更新量よりも十分に長い28ビットとする。データメ
モリDRMからタップ係数が読出されると、その全28
ビットはタップ係数の更新演算A(図5)に利用され、
フィルタ出力演算にはその上位18ビット(図5の)
が利用される。従って、タップ係数をわずかずつ変化さ
せるよう前記タップ係数の更新演算においてその更新量
には収束係数K(図5)が与えられ、伝達関数の時定数
を小さくして(応答感度を小さくして)応答動作の安定
化を図るようにしている。本実施例に従えば、乗算器M
ULT2で得られる誤差信号と入力信号との乗算結果
(図5の)はシフタSHIFTで所定ビット数例えば
nビットだけ右シフト(下位ビット側へのシフト)され
ることによってシフタSHIFTに入力されたデータに
対して1/N(Nは2のn乗)にされた28ビットデー
タ(図5の)に全28ビットのタップ係数が加算され
てタップ係数の更新が生成される(図5の)。タップ
係数の更新に必要な全28ビットのタップ係数は専用デ
ータバス10を通すだけでよいから、専用データバス1
0だけが28ビット構成(図5の)とされ、共通内部
データバス11のビット数は、フィルタ出力演算に必要
な上位18ビットのタップ係数及び誤差信号のビット数
などによって規定される最大ビット数を満足する18ビ
ット(図5の)で構成される。このように更新演算の
ためのタップ係数伝達経路を専用データバス10で専用
化することにより、共通内部データバス11のビット数
を減らすことが可能になり、更新演算に必要とされるタ
ップ係数を共通内部データバスを通して演算器やデータ
RAMとの間でやりとりする従来の構成に比べて、容量
性負荷成分の比較的大きな共通内部データバスのプリチ
ャージやディスチャージによる電力消費量を低減するこ
とができるようになる。
【0032】図2には図1の演算回路を用いて図5のあ
るアルゴリズムに従った適応フィルタ処理を実現するた
めのマイクロプログラムフローの一例が示される。同図
には矩形で囲まれた1タップ分の処理(T1乃至T7)
とその前後の処理が代表的に示されている。このマイク
ロプログラムフローは、横1行に記載されている処理が
1ステップとして1マシンサイクルで実行されるもの
で、処理は毎マシンサイクル毎に上から下へと流れてゆ
く。この図に示す様に1タップに必要な処理T1〜T7
は、5ステップの連続した命令で実行でき、各々の命令
フィールドに前後タップの処理も組み入れることでソフ
トウェアパイプライン処理となり実質的には1タップ当
り1ステップで処理できる。
【0033】図2においてタップ係数の更新演算は、処
理T1乃至T4により実現される。即ち、シンボルメモ
リSRMのi番地のデータがレジスタRS0にロードさ
れ(処理T1)、これと共にシンボルメモリSRM内で
はデータのシフトが行われる(処理T2)。次いで、レ
ジスタESRの誤差信号とレジスタRS0の保持データ
が乗算器MULT2で乗算されると共に、その乗算結果
がシフタSHIFTで下位ビット方向に12ビットシフ
トされて収束係数が与えられ(リニア収束)、レジスタ
RDLTに保持される(処理T3)。そして、データメ
モリDRMのm番地からタップ係数が読出され、専用デ
ータバス10を介して算術論理演算器ALU2に与えら
れ、同算術論理演算器ALU2で前記レジスタRDLT
の値と加算され、その加算値が再びデータメモリDRM
のm番地に書き込まれてタップ係数の更新が行われる
(処理T4)。この処理T4ではデータメモリDRMに
対するリード・ライト動作が含まれているが、前述のよ
うに1マシンサイクルで実行されるている。
【0034】フィルタ出力演算の1タップ分の処理は処
理T5乃至T7により実現される。即ち、前記処理T4
に並行して、前記データメモリDRMのm番地から読出
されたタップ係数は、その上位18ビットが共通内部デ
ータバス11を介してレジスタRBにもロードされてい
る(処理T5)。続いてレジスタRBの値とレジスタR
S1の値とが乗算器MULT1で乗算されてレジスタR
Gに保持され(処理T6)、更にアキュムレータACC
の保持値とレジスタRGの値が算術論理演算器ALU1
で加算されて、その加算値がアキュムレータACCに戻
されることによりフィルタ出力演算の1タップ分の処理
が完了される。
【0035】図2から明らかなように1タップ分に要す
る処理は5マシンサイクルとされるが、5ステップのソ
フトウェアパイプライン化により見かけ上1マシンサイ
クル毎に1タップの処理を完了していくことができる。
これは、図1に示されるようにタップ係数の更新演算処
理系6とフィルタ出力演算処理系5をそれぞれ専用化
し、更にデータメモリDRMに対するリード・ライト処
理を必要とするタップ係数更新のための積分演算を専用
データバス10を利用して1マシンサイクルで行えるよ
うにしたことによって実現される。
【0036】図3には図1に示されるディジタル・シグ
ナル・プロセッサ DSPを適用したISDN対応LS
Iとしてのエコーキャンセル方式波形等化LSI(以下
単にエコーキャンセルLSIとも記す)の一実施例が示
される。このエコーキャンセルLSI20は、電話回線
を用いてベーシックレートである2B+D(64Kbp
sの音声チャネル2系統と、16Kbpsのデータチャ
ネル1チャンネル)のディジタルデータ伝送を全二重で
行うためのLSIであり、送信データの出力、受信デー
タの識別、及び送信データの受信部への回り込みのキャ
ンセル(エコーキャンセル)を、状態遷移制御を介して
ディジタル信号処理などで行う。特に制限されないが、
このエコーキャンセルLSIは80KHzの周波数で規
定されるサイクルを1データ分の処理期間(ユニット・
インターバル)とし、各インターバルにおいて遷移状態
の検出と状態設定、並びにディジタル信号処理などを行
う。
【0037】このエコーキャンセルLSI20は、アナ
ログ・フロントエンド・ユニット21、ディジタル・シ
グナル・プロセッサ22、イベント・インフォメーショ
ン・レジスタ・ファイル23、プロトコル・コントロー
ル・ユニット24、タイマ・カウンタ・ユニット25、
タイミングジェネレータ26、アナログ・フェーズ・ロ
ックド・ループ回路27、U点インタフェース回路2
8、及びS点インタフェース回路29を含み、例えば公
知のBi−CMOSプロセスなどによってシリコン基板
のような1個の半導体基板に形成される。
【0038】前記ディジタル・シグナル・プロセッサ2
2は、図1で示した様に命令フェッチ回路、命令デコー
ド回路、及び演算回路によって構成される。命令フェッ
チ回路はイベント・インフォメーション・レジスタ・フ
ァイル23を参照し、所定の手順に従ってマイクロプロ
グラムを実行し、その演算回路を適応フィルタなどとし
て機能させてエコーキャンセルなどを実現する。前記ア
ナログ・フロントエンド・ユニット21は送信信号のA
/D変換及び受信信号のD/A変換などを行う。ディジ
タル・シグナル・プロセッサ22は、アナログ・フロン
トエンド・ユニット21からのディジタル信号を共通内
部データバスに受け、ディジタル・シグナル・プロセッ
サ22内の命令に従ってディジタル信号処理を行い、そ
して、その処理結果をアナログ・フロントエンド・ユニ
ット21に出力する。U点インタフェース回路28は図
示しないハイブリッドトランス若しくはバランシングネ
ットワーク回路を介して交換局側に接続される。前記イ
ベント・インフォメーション・レジスタ・ファイル23
は、ディジタル・シグナル・プロセッサ22及びプロト
コル・コントロール・ユニット24で発生する遷移状態
を保持するレジスタであり、それらユニット22,24
はそれに設定されている遷移状態を検出して動作の制御
がされる。プロトコル・コントロール・ユニット24は
フレーム処理、スクランブル、及び同期化などのプロト
コル処理を行う。タイマ・カウンタ・ユニット25は状
態遷移制御などに用いられ、タイミングジェネレータ2
6はエコーキャンセルLSIの各種動作クロック信号を
生成し、エコーキャンセルLSI内の各回路ブロックに
その動作クロック信号を供給する。アナログ・フェーズ
・ロックド・ループ回路27は外部から供給されるシス
テムクロック信号を逓倍してタイミングジェネレータ2
6に供給する。S点インタフェース回路29は加入者側
とインタフェースされる。
【0039】図4には上記エコーキャンセルLSI20
をエコーキャンセラとして機能させる場合の一例ブロッ
ク図が示される。同図において40はバランシング・ネ
ットワーク回路である。前記プロトコル・コントロール
・ユニット24から出力される送信データはD/A変換
されてバランシング・ネットワーク回路40に与えら
れ、バランシングネットワーク回路40に入力される受
信アナログ信号はディジタル信号にA/D変換されてデ
ィジタル・シグナル・プロセッサ22に供給される。エ
コーキャンセルLSI20は送信と受信を並行して全二
重で行うことができる。このとき、前記バランシングネ
ットワーク回路40は、トランス42のインピーダンス
R1と抵抗R2によって得られる抵抗分圧比に等しい抵
抗分圧比を持つ直接抵抗R3,R4を備え、前者の分圧
電圧から後者の分圧電圧を減算することにより、回線4
1からトランス42に与えられる電圧成分から送信アナ
ログ信号の電圧成分を除去するようになっている。即
ち、D/A変換を経て送信される信号の一部がトランス
42を介してA/D変換側に回り込むことを防止する。
このバランシングネットワーク回路40は、例えば回線
41のインピーダンスをどこでも135Ωのような一定
の値にするという規格に従って前記抵抗分圧比が決定さ
れている。このため、実際には回線のインピーダンスに
は誤差があり、また回線の状態も経時的に変化し、且つ
どのような状態の回線に接続されるかは全く予想するこ
とができないため、送信側から受信側に回り込んでくる
エコー成分を確実に除去するためにエコーキャンセラ4
3が必要とされる。このエコーキャンセラ43は図1の
回路で図5の適応フィルタのアルゴリズムを実現するも
のであり、そのエコー成分Dは信号Yによってキャンセ
ルされる。
【0040】図7には前記エコーキャンセルLSI20
を利用したディジタル加入者伝送システムの概略が示さ
れる。同図において31は交換局、32は交換機、33
は交換機32と回線Uを接続するためのオフィース・チ
ャネル・ユニット、34は加入者局、30は加入者局3
4を回線Uに接続するためのディジタル・サービス・ユ
ニットである。エコーキャンセルLSI20は加入者局
34と交換局31の夫々に配置される。加入者側のエコ
ーキャンセルLSI20を含めた伝送装置例えばディジ
タル・サービス・ユニット30が交換局31からの給電
によって全て動作されなければならないとき、給電は例
えば伝送線路Uに直流を重畳した形式で行われる。従っ
て、エコーキャンセルLSI20で消費可能な電力の配
分には限りがある。このとき、バランシングネットワー
ク回路と回線とのインピーダンス・ミスマッチングなど
によって送信側から受信側に回り込んでくるエコー成分
をキャンセルするためのエコーキャンセルは、任意に接
続される通信回線との間でのインピーダンス・ミスマッ
チングという不確定な要素に対処しなければならないた
め、比較的タップ数の多い適応フィルタで実現されなけ
ればならないから、特に単位時間あたりの高い処理能力
が要求されると共に、これに応じて電力消費も多くなる
ことが予想される。この点において、エコーキャンセル
用の適応フィルタを実現するためのディジタル・シグナ
ル・プロセッサ22の演算回路は、図1及び図2に基づ
いて説明したように、タップ係数の更新演算処理回路6
とフィルタ出力演算処理回路5をそれぞれ専用化し、更
にデータメモリDRMに対するリード・ライト処理を必
要とするタップ係数更新のための積分演算を専用データ
バス10を利用して1マシンサイクルで行えるようにし
たことにより、5ステップのソフトウェアパイプライン
化により見かけ上1マシンサイクル毎に1タップの処理
を完了していくことができる。このようにディジタル・
シグナル・プロセッサ22で実現される適応フィルタ
は、1マシンサイクルで1タップの処理を完了できるか
ら、LSIの動作クロック周波数を下げて動作速度を低
下させてもそのときの単位時間あたりの処理能力を低下
させないようにすることができる。したがって、単位時
間あたりの高い処理能力が要求されると共に、これに応
じて電力消費も多くなることが予想されるエコーキャン
セル用の適応フィルタを実現するためのディジタル・シ
グナル・プロセッサ22において、動作クロック周波数
を下げることにより、単位時間当たりの処理能力を保証
して低消費電力化を図ることができるようになる。
【0041】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更可能であることは言うまでもない。
【0042】例えば、図1の演算回路においてデータメ
モリDRMはデュアルポートを持つRAMのように図示
されているが、シングルポートRAMであってもよい。
また、専用データバスや共通内部データバスのビット数
は上記実施例に限定されず、適応フィルタにおけるフィ
ルタ出力ビット数やタップ係数のビット数などに応じて
適宜変更することができる。また、上記実施例ではタッ
プ係数の更新処理における収束係数はシフタによって与
えられるようなリニア収束を一例として説明したが、更
に感度を下げる場合には誤差信号と入力信号の乗算結果
における符号に応じて最下位ビットに1を加算したり減
算したりするサイン収束を利用することもでき、さら
に、その両者を選択的に切り替えて利用するようにして
もよい。また、上記実施例の適応フィルタはエコーキャ
ンセルに限定されず、ISDNにおけるその他の等化的
な処理にも適用することができる。また、LSIへの給
電は交換局からの給電に限定されず、バッテリー給電の
場合についても低消費電力化の事情は同じである。
【0043】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるISD
N用のエコーキャンセルLSIに適用した場合について
説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、
音声圧縮、音声合成、無線伝送、画像強調などの処理を
行うための演算回路や適応フィルタさらにはこれを実現
するためのLSIにも広く適用することができる。
【0044】本発明は、少なくともデータメモリを利用
する積分的な演算処理に要するマシンサイクル数の低減
による単位時間当たりの処理能力の向上、並びに低消費
電力化に適用して有効な条件のものに広く適用すること
ができる。
【0045】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0046】すなわち、メモリ手段と演算手段を結合す
るデータパス手段はその他のモジュールへのデータ転送
を要しないため、データ転送経路が比較的短くて済み、
且つ、当該転送路の不所望な負荷成分も小さいため、デ
ータ転送速度の高速化と低消費電力化を実現できる。こ
れにより、積分されるべき値を前記メモリ手段の所定ア
ドレスに順次書き換えて蓄積していく一連の積分的な演
算処理に要する電力消費量を低減でき、しかも、単位積
分動作を1マシンサイクル単位で行うことができるとい
う効果を得る。
【0047】適応フィルタにおけるタップ係数の更新演
算手段に上記演算回路を適用した積分回路は、従来デー
タメモリに対するリード動作とライト動作とを別々のマ
シンサイクルで行っていた積分処理を1マシンサイクル
で実現にすることができるという効果がある。
【0048】これにより、繰り返し演算回数の多いタッ
プ係数更新演算における積分処理の各サイクルを1マシ
ンサイクルで実現可能であるから、適応フィルタを構成
するLSIの動作クロック周波数を下げて低消費電力化
を図っても、このときの動作速度低下によって単位時間
あたりの処理能力は低下せず、適応フィルタを構成する
エコーキャンセラやディジタル・シグナル・プロセッサ
のようなLSIの単位時間当たりの処理能力を保証して
低消費電力化を実現することができるという効果があ
る。
【0049】特に、タップ数が多く、これに伴って単位
時間当たりの高い処理能力が要求されると共に、電力消
費量も多くなると予想されるエコーキャンセラなどの適
応フィルタを実現するLSIにとって、動作クロック周
波数を下げることにより、単位時間当たりの処理能力を
保証して低消費電力化を図ることは、消費可能な電力配
分に限りがあるような交換局からの集中給電若しくはバ
ッテリー給電されるようなシステム態様に好適であると
いう効果がある。
【0050】適応フィルタにおいては、タップ係数の更
新演算においてその更新量に収束係数を与えて、応答動
作の安定化を図るようにしている関係上、データメモリ
が積分値として保持するタップ係数のビット数は適応フ
ィルタ出力を得るための加算対象とされるタップ係数の
ビット数に比べて大きくされるが、タップ係数更新演算
のためのタップ係数の伝達経路を専用データバスのよう
なデータパス手段により専用化しておくことにより、共
通内部データバスのビット数を相対的に小さくすること
ができ、従来タップ係数を共通内部データバスを通して
演算器とデータメモリとの間でやりとりするの構成に比
べて、容量性負荷成分の比較的大きな共通内部データバ
スのプリチャージやディスチャージによる電力消費量を
減らすことができ、この点においても低消費電力化に寄
与する。
【0051】前記適応フィルタを半導体集積回路化され
たディジタル・シグナル・プロセッサによって構成する
とき、タップ係数の更新演算処理回路とフィルタ出力演
算処理回路をそれぞれ専用化し、更にデータメモリに対
するリード・ライト処理を必要とするタップ係数更新の
ための積分演算を専用データバスのようなデータパス手
段を利用して1マシンサイクルで行えるようにすること
により、処理のパイプライン化で見かけ上1マシンサイ
クル毎に1タップの処理を完了していくことができると
いう効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る適応フィルタ構成用演算回
路を有するディジタル・シグナル・プロセッサの一実施
例ブロック図である。
【図2】図2は図1の演算回路を利用して適応フィルタ
を実現するときの演算処理の一例マイクロフローであ
る。
【図3】図3は図1の演算回路を適用したエコーキャン
セルLSIの一実施例ブロック図である。
【図4】図4は図3のエコーキャンセルLSIをエコー
キャンセラとして機能させる場合の一実施例ブロック図
である。
【図5】図5は適応フィルタの一例アルゴリズムを示す
説明図である。
【図6】図6は適応フィルタによって対象系の出力を推
定する応用モデルの一例説明図である。
【図7】図7はエコーキャンセルLSIを利用したディ
ジタル加入者伝送システムの概略説明図である。
【図8】図8はデータメモリの構成図である。
【図9】図9はレジスタの構成図である。
【符号の説明】
1 適応フィルタ 2 対象系 3 マイクロROM D 対象系出力 Y フィルタ出力 ER 誤差信号 5 出力演算処理回路 6 更新演算処理回路 MULT1 乗算器 RG レジスタ ALU1 算術論理演算器 ACC アキュムレータ MULT2 乗算器 SHIFT シフタ RDLT レジスタ ALU2 算術論理演算器 DRM データメモリ SRM シンボルメモリ 10 専用バス 11 共通内部バス 20 エコーキャンセルLSI 22 ディジタル・シグナル・プロセッサ 43 エコーキャンセラ IFC 命令フェッチ回路 CONT コントロール回路 IR インストラクションレジスタ DCR インストラクションデコーダ ADC アドレス生成回路 IDEC 命令デコード回路 MA0〜MA27 メモリアレイ PC0〜PC27 プリチャージ回路 XDEL ワード線選択回路 YDEC データ線選択回路 YSEL0〜YSEL27 データ線結合回路 I/O0〜I/O27 データ入出力回路 FF0〜FF17 フリップフロップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号線から成りデータを転送する
    ためのデータバス手段と、 複数のメモリセルを含み、供給されたアドレスに従って
    選択されたメモリセルからデータを出力するメモリ手段
    と、 上記データバス手段からデータが供給される第1の入力
    端子と、上記選択されたメモリセルからのデータが供給
    される第2の入力端子と、上記メモリ手段に結合されて
    いて演算結果を出力するための出力端子とを有し、上記
    メモリセルからのデータと上記データバス手段からのデ
    ータの演算を行うための演算手段と、 上記選択されたメモリセルからのデータを上記演算手段
    に供給するための、複数の信号線からなるデータパス手
    段と、 を含んで成るものであることを特徴とする演算回路。
JP4226448A 1992-08-03 1992-08-03 演算回路 Withdrawn JPH0653863A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4226448A JPH0653863A (ja) 1992-08-03 1992-08-03 演算回路

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6336252B1 (en) 1998-12-07 2002-01-08 Sugatsune Kogyo Co., Ltd. Rotary damper

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6336252B1 (en) 1998-12-07 2002-01-08 Sugatsune Kogyo Co., Ltd. Rotary damper

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Effective date: 19991005