JPH0653773A - せん断横波デバイス - Google Patents

せん断横波デバイス

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JPH0653773A
JPH0653773A JP5066160A JP6616093A JPH0653773A JP H0653773 A JPH0653773 A JP H0653773A JP 5066160 A JP5066160 A JP 5066160A JP 6616093 A JP6616093 A JP 6616093A JP H0653773 A JPH0653773 A JP H0653773A
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JP
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wave
width
substrate
shear
fingers
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Pending
Application number
JP5066160A
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English (en)
Inventor
Curt Flory
カート・フローリー
Waguih S Ishak
ワーグ・エス・イシャク
Richard L Baer
リチャード・エル・ベア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HP Inc
Original Assignee
Hewlett Packard Co
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02818Means for compensation or elimination of undesirable effects
    • H03H9/02842Means for compensation or elimination of undesirable effects of reflections

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】基板のエッジに向かう横表面波エネルギを最大
に吸収することができるデバイス 【構成】本発明に係るデバイスは緩和および緊密の波エ
ネルギのトラップを有する。本発明は同時に用いること
が可能な2つの実施例より成る。まず、波エネルギをト
ラップするフィンガを受信および送信トランスジューサ
の伝播領域に配置し、トランスジューサに近いフィンガ
に高い幅間隔比を提供し、伝播領域中心には低い幅間隔
比を提供する。緩和されるトラップは表面摂動によって
生じる悪影響をなくし、緊密なトラップは効率的にデバ
イスへパワー結合させる。第2の実施例では、吸収フィ
ルムを対向するデバイスのエッジに取り付け、エッジか
らのスプリアスな反射を防止する。各トランスジューサ
とそれに対応するエッジ間のフィンガの格子をトランジ
ューサから緊密なトラップをするように設計し、対向す
るエッジに最も近いフィンガ状に被着される。幅間隔比
を再び波エネルギのトラップを向上させるために変化さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広義にはせん断横波デ
バイス(shear transverse wave devices) に関し、特に
せん断横波エネルギーの浸を制御することに関するもの
である。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、電子信号処理を行うた
め、あるいは質量、圧力、粘度及び密度のような変数を
測定することを目的として多種多様な圧電デバイスが設
計されている。例えば、重力センサは、化学溶液中に浸
し、その中の特定の種の化合物の濃度を測定するために
使用されている。また、重力センサは生物学的実験にも
使用される。本願明細書で用いる圧電デバイスは、広義
に「バルク波(bulk wave) デバイス」、「ラム波(plate
wave)デバイス」または「表面波デバイス」として分類
されるデバイスである。
【0003】バルク波デバイスは、音響波が圧電基板の
全厚にわたって伝播し、広がる性質を示すデバイスであ
る。ラム波デバイスは、音響エネルギーが薄板の上下面
での反射によって薄板内に閉じ込められるデバイスあ
る。表面波デバイスは、音響エネルギーが基板表面に近
接した領域内に垂直方向(すなわち基板表面に垂直な方
向)に閉じ込められるデバイスである。
【0004】これら3種類の各デバイスは、デバイスの
基板表面に関する音響波動の方向によってさらに細分す
ることができる。その波動には次の3つの種類がある。
(1)物質変位が波の伝播方向に平行な方向に行われる
縦波。(2)物質変位が基板表面と波の伝播方向に垂直
な方向に行われるせん断縦波。(3)物質変位が伝播方
向に垂直で、基板表面に平行に行われるせん断横波また
はせん断水平波。
【0005】「弾性表面波」(SAW)デバイスは表面波デ
バイスの一種である。このタイプは、「レイリー波」(R
W)デバイスとしても知られており、ほぼせん断縦波成分
よりなる波動を利用し、エネルギーは基板表面から音響
波の波長の範囲内に局在する。このタイプは多くの用途
で効率的に作用するが、液体の重力検出のような用途に
用いると、せん断縦波が動作に悪影響を及ぼすことがあ
る。
【0006】「表面スキミング・バルク波」(Surface S
kimming Bulk Wave;SSBW) デバイスはせん断横波を利用
する。この表面スキミング・バルク波タイプは「浅バル
ク音響波」(Shallow Bulk Acoustic Wave;SBAW) デバイ
スとも呼ばれる。波の伝播は、波が表面をかするように
進み、圧電基板中に回折するバルク・モードによって行
われる。バルク伝播モードはレイリー波に比べて伝播速
度が大きいが、基板との間のパワーの結合が非効率的で
あるため、より損失を生じやすい。さらに、回折損失(d
iffraction loses) も 顕著である。
【0007】「ラブ波」(Love Wave;LW)デバイスは、圧
電基板表面の近傍に波動エネルギーを閉じ込める表面ト
ラッピング構造として作用する薄板を用いるという点で
SSBWと異なる。薄板を加えることによって質量が付加さ
れ、圧電性短絡が起こる結果、表面をかすめるように伝
わるバルクせん断波(skimming bulk shear wave)が遅く
なり、これによって基板の深度に向けて波動関数の減衰
が起こる。
【0008】また「横表面波」(Transverse Surface Wa
ve;STW) デバイスは、せん断水平波を利用する。STW デ
バイスもまた表面トラッピング薄板を用いる代わりに、
基板表面に溝または浮出し状のフィンガ格子(raised gr
ating of fingers) を設ける点だけがラブ波デバイスと
異なる。フィンガ格子は薄板よりも強い表面トラップを
提供する。従って、高速のバルク・モードが基板の表面
付近にさらにトラップされることにより、より効率的な
変換を通じてパワーの結合をさらに強くすることができ
る。
【0009】通常、STW デバイスは、電気信号に応答し
て圧電基板の表面沿いに音響波を送り出すインターリー
ブ状の電極フィンガ・アレイを有する送信インターディ
ジタル(transmitting interdigital transducer)トラン
スデューサを有する。また、受信インターディジタル・
トランスデューサが音響波を検出し、これに対応する出
力信号を生成する。波トラッピング・フィンガは、送信
インターディジタル・トランスデューサと受信インター
ディジタル・トランスデューサの間に配置される。トラ
ンスデューサと圧電基板のエッジとの間に、別の波トラ
ッピング・フィンガ格子を追加することもある。STW デ
バイスとしては、例えば、米国特許第4,965,47
9号に記載のSTW 共振器があげられる。波トラッピング
・フィンガは、波の伝播方向に垂直であり、その長さは
インターディジタル・トランスデューサの電極フィンガ
の長さによって決定される。波トラッピング・フィンガ
の幅は、通常フォトリソグラフィーの限界によって大き
く左右され、従来これらのフィンガの幅は隣接フィンガ
間の間隔に等しい。
【0010】波トラッピング・フィンガの厚さ及び中心
距離、すなわちフィンガの周期(間隔、periodicity)は
共にSTW デバイス内へのせん断横波の浸透に影響を及ぼ
すということが知られている。(1987年10月のI
EEE超音波学シンポジウムの論文を参照のこと。)し
かしながら、フィンガの周期は、ブラッグ(Bragg) 散乱
の効果を小さい周波数範囲に限定するために、一定にす
ることが好ましい。フィンガの厚さはいくつかの効果の
トレードオフがあるため、正しく選択することが困難な
重要なパラメータである。厚いフィンガの金属層(metal
lization) は、緊密なトラップ(tight trapping)が達成
することができ、これによって効率的な変換が可能とな
り、かつ高速バルク・モードのアクセスが容易になる。
また、緊密トラップには、緊密にトラップされたバルク
・モードの振動は汚染物質や不連続性(discontinuitie
s) 等の表面摂動(surface perturbations) により敏感
であるという欠点がある。さらに、付加的なトラップで
は、バルク・モードがさらに低下することに付随する。
また、金属被着プロセスは、一般に、単一のリソグラフ
ィーによるステップだけで完了するので、金属の厚さは
基板表面にわたって均一とることが要求される。
【0011】STW デバイスの動作にマイナスの影響を及
す2種類の波の反射がある。その一つは、送信インター
ディジタル・トランスデューサと受信インターディジタ
ル・トランスデューサのと間の伝播領域内に、摂動が生
じる基板の不均一部分がある場合に生じる反射である。
もう一つは、STW デバイスの対向するエッジからの反射
で、送信インターディジタル・トランスデューサから受
信インターディジタル・トランスデューサへ伝播する波
と互いに建設的にまたは破壊的に(constructively or d
estractively) 干渉する。基板エッジからの反射を抑え
るために用いられる1つの方法は、基板・エッジに角度
を与えることにより、インターディジタル・トランスデ
ューサから離れた方向へ波を反射させることである。ST
W デバイスの表面沿いの複数の反射は高い確率で主波伝
播と干渉するので、反射防止角の選択は重要である。基
板エッジからのスプリアス反射を抑えるもう一つの方法
は、エッジ付近の部分で基板を粗くすることである。し
かしながら、この2番目の方法は、ウェーハの各チップ
を個別に処理しなければならないから、高価で、実施が
困難である。第3の方法は、D.f.Thompsonが1986年6月
にスタンフォード大学に提出した「マイクロウェーブ音
響共鳴器の温度補償(Temperature Compensation of Mic
rowave Acoustic Resonators) 」という名称の博士論文
に記載された方法である。ここでは、格子のエッジでST
W が波動インピーダンスの急激な変化に遭遇するために
起こるこの反射は「格子エッジ反射」と呼ばれている。
格子をトランスデューサを越えて拡張させ、波動インピ
ーダンスを自由表面のインピーダンスと合致するまでゆ
っくり変化させることによって、インピーダンス不整合
を小さくすることができると述べている。波動インピー
ダンスを変える1つの方法としては、格子高さを先細に
することが有効であるということが確認されていると同
時に波トラッピング・フィンガの幅を先細にすることも
有効であるということが確認されている。高さを変える
か幅を変えるかにかかわらず、これらの高さまたは幅は
STW のエネルギーが基板のバルクに向けて徐々に回折す
る方向で先細となる。すなわち、角度のある、粗面加工
及び先細の各方法は、いずれも基板への波動エネルギー
を回折させることを教示しているだけである。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、送信インターディジタ
ル・トランスデューサと受信インターディジタル・トラ
ンスデューサとの間の伝播領域内にある基板表面の摂動
からの反射の影響を最小化すると共に、基板エッジに向
かう横表面波エネルギーを最大限に吸収することができ
る横表面波デバイスを提供することにある。
【0013】
【発明の概要】本発明により、STW エネルギーを緊密に
トラップし、圧電基板との間のエネルギーの効率的な結
合を確保すると共に、トラップが重要で、エネルギーの
変換及び吸収は問題ではない伝播領域の部分において、
制御されてはいるが幾分緩和されたトラップを行うこと
ができる横表面波(STW) デバイスが提供される。このST
W デバイスは、第1及び第2の対向するエッジを有し、
第1と第2のエネルギー変換領域の間に伝播領域がある
圧電基板よりなる。第1のエネルギー変換領域内には、
送信インターディジタル・トランスデューサが配置され
ており、信号を圧電基板に結合し、第2のエネルギー変
換領域内には、受信インターディジタル・トランスデュ
ーサが配置されており、STW エネルギーを出力信号に変
換する。本発明は、波動エネルギーを次第に圧電基板の
表面のより近くに引き寄せて吸収または変換させるため
の段階的に変化する波トラッピング・フィンガを含む。
本発明の一実施例においては、波トラッピング・フィン
ガの幅が第1と第2のエネルギー変換領域の間の伝播領
域内において階段状に変化させる。これらのフィンガの
厚さと周期(間隔)は、伝播領域全体にわたって均一で
ある。しかしながら、フィンガの幅と隣接フィンガ間の
間隔の比(幅対間隔比)は、各々のインターディジタル
・トランスデューサから離れるに従って小さくなり、伝
播領域の中心で最小となる。すなわち、STW エネルギー
は、インターディジタル・トランスデューサの近くにお
いては伝播領域内に緊密にトラップされ、これらのトラ
ンスデューサから離れるに従ってトラップが緩くなる。
トラップが緊密であると、電気信号とSTW の間の効率的
なエネルギー変換が確保される。この実施例の長所は、
伝播領域の中間部における幅対間隔比を小さくしたこと
により基板の表面摂動の影響が小さくなり、これによっ
て信号の歪み及び伝播損失を最小限に抑えることができ
るということである。第1の実施例と共に使用すること
が好ましい本発明の第2の実施例においては、各インタ
ーディジタル・トランスデューサとこれにそれぞれ対応
する圧電基板・エッジの間に波トラッピング・フィンガ
を設ける。この実施例においては、フィンガの周期は一
定に保ったまま、インターディジタル・トランスデュー
サからエッジ側へ離れるに従って幅対間隔比を大きく
し、これによってSTW エネルギーを徐々に基板表面のよ
り近くに引き寄せる。そして、例えば、ポリイミドフィ
ルムのような適宜の組織を用いて波を吸収する。このよ
うにして、波動エネルギーが圧電基板のエッジに達する
前に基板から取り除かれるので、スプリアス反射はさら
に少なくなる。
【0014】本発明では、幅対間隔比を選択的に変化さ
せることにより、STW デバイスの信号処理性能あるいは
検出性能を改善することができる。また、STW デバイス
を従来のフォトリソグラフィー・プロセスを用いて製造
することによりその耐スプリアス反射特性を改善するこ
とができる。すなわち、製造コストには何ら有意の影響
を及ぼすことなく、改善を達成することができる。
【0015】
【発明の実施例】図1及び図2において、横表面波(su
rface transverse wave,STW)デバイス10は、基板表面
14を有する圧電基板12を含み、圧電材料の物質変位
が伝播方向に対して垂直で、基板表面に対して平行に行
われるせん断横波またはせん断水平波を伝播させる。圧
電材料は、クオーツ、LiTaO3、LiNbO3、または他の当業
者において周知の材料よりなる。この基板は、送信イン
ターディジタル・トランスデューサ16からのエネルギ
ーをせん断横波の形に変換するよう切り込みがなされて
いる。また、基板材料及び切り込み加工は、基板表面1
4に波動エネルギーをトラップすることができるように
選択される。
【0016】送信インターディジタル・トランスデュー
サ16は、多数の電極フィンガ18及び20を有する。
これらの電極フィンガは、基板表面14に被着され、フ
ォトリソグラフィーによってパターン形成されたアルミ
ニウム等の導電材料で形成されている。電極フィンガを
形成する導電材料及び以下に説明する他の導電部材のの
被着は、蒸着またはスパッタ蒸着等の従来の方法により
行われる。入力ライン22と接地24との間の印加電圧
の差が電界を発生させ、この電界が圧電基板12と電気
機械的に相互作用して、圧電基板の伝播領域に沿って横
表面波を送出させる。送信インターディジタル・トラン
スデューサ16は、伝播路沿いに電極フィンガ28及び
30を有する受信インターディジタル・トランスデュー
サ26に向けて音響波を送り出す。受信インターディジ
タル・トランスデューサは、出力ライン32及び接地3
4と接続し、受信した音響波に対応する電気信号を出力
する。
【0017】動作については、交流電圧を送信インター
ディジタル・トランスデューサ16に供給し、電極フィ
ンガ18と電極フィンガ20との間に電界を発生させ
る。電気機械的作用によって圧電基板12に応力場(str
ess field)が発生する。圧電基板特有の結晶構造のため
に、この応力場は設計周波数のせん断横波を発生する。
このせん断横波は、受信インターディジタル・トランス
デューサ26に向けて伝播し、電極フィンガ28と電極
フィンガ30の間に電界を生じさせ、出力ラインン32
に出力信号を発生させる。
【0018】せん断横波は、送信インターディジタル・
トランスデューサ16から受信インターディジタル・ト
ランスデューサ26まで伝播する際に、圧電基板12の
バルクに向けて回折するという固有の性質を有する。2
つのトランスデューサ間の伝播領域内には、波動エネル
ギーを基板表面14から数波長以内にトラップするた
め、波トラッピング・フィンガのアレイ36が設けられ
ている。典型的には、アレイ36はフォトリソグラフィ
ーによってパターン形成されたアルミニウム等の金属層
よりなる。ただし、二酸化ケイ素のような他の材料を用
いることも可能である。アレイ36の波トラッピング・
フィンガは、せん断横波を減速させることにより、圧電
基板12の深さに向けて波動関数の減衰が生じる。トラ
ップの効力がある「減速効果」は、アレイ36の個々の
フィンガからの複数の反射に起因するものである。金属
は特に稠密(dense) であるため、金属のフィンガは、機
能的に比較し得る他の材料の波トラッピング・フィンガ
より薄くすることができる。さらに、金属フィンガのア
レイは、圧電基板12をその上面で短絡させ、これによ
って基板上面の硬さ(stiffness) を低減させる。その結
果、せん断横波のトラップを増加させることができる。
【0019】アレイ36内の波トラッピング・フィンガ
の中心距離または周期は、通常、送信及び受信インター
ディジタル・トランスデューサ16及び26の電極フィ
ンガ18、20、28及び30の周期に等しい。例え
ば、アレイ36のフィンガ及びトランスデューサ16、
26の周期は4ミクロンとすることができる。アレイ3
6内の波トラッピング・フィンガの周期はトラッピング
効果に影響を及ぼすということは知られている。しかし
ながら、この周期は、STW のブラッグ散乱の影響を狭い
周波数範囲に限定するために、一定にすべきである。ま
た、アレイ内の波トラッピング・フィンガの厚さ(thick
ness) または高さが波動エネルギーの基板中への浸透に
影響を及ぼすということも知られている。厚い金属層は
緊密なトラップを可能とする。しかしながら、異なる厚
さは、横表面波デバイス10の製造時に、追加の工程ま
たはより複雑な工程が必要となるので、通常は、フィン
ガの厚さは均一である。波動エネルギーの緊密トラップ
は、信号の減衰を小さくし、インターディジタル・トラ
ンスデューサ16及び26との間におけるパワーの結合
を強める効果がある。緊密トラップにおける1つの問題
は、STW が圧電基板中またはその表面上の不均ーな部分
を通って伝播する際の悪影響が大きくなることである。
例えば、基板表面14に汚染物質があると、波に望まし
くない摂動が生じる。不連続性も同様の効果をもたら
す。このように、フィンガのアレイ36の最適周期及び
最適厚さの選択においては、パワーの結合性能と汚染物
質や不連続性で生成される摂動に対するSTW デバイスの
感度(susceptiblity) の間でトレードオフされている。
【0020】本発明は、このトレードオフの必要性を著
しく小さくするものである。アレイ36中のフィンガの
幅と隣接フィンガ間の間隔の比(幅対間隔比)を選択的
に変えることにより、非常に効率的な結合状態を維持す
ることができ、かつ摂動に対する感度を低下することが
できるということを見い出した。この幅対間隔比は、イ
ンターディジタル・トランスデューサ16及び26のす
ぐ近くのフィンガ38及び40で最も大きくなってい
る。この幅対間隔比は、急激に変化すると反射誘発性の
不連続性が生じ、STW デバイス10の性能に影響を及ぼ
し、電極フィンガ18、20、28及び30の幅対間隔
比と等しくすべきである。幅対間隔比はフィンガ42及
び44が基板の伝播領域の中心に近付くにつれて徐々に
減少する。この比は、2つのインターディジタル・トラ
ンスデューサ16と26からほぼ等距離にあるフィンガ
46で最小になる。アレイ36中には15本のフィンガ
38〜46しか示されていないが、通常、圧電基板12
の伝播領域にはこれより多数のフィンガが形成される。
フィンガの周期及び厚さは一様であるが、幅対間隔比が
徐々に変化する。この比は、たとえば伝播領域の中心部
等、伝播領域の一部においては一定としてもよい。
【0021】動作については、入力信号は、入力ライン
22から供給され、そのエネルギーが受信インターディ
ジタル・トランスデューサ26に向かう一連のせん断横
波に変換される。幅の広いフィンガ38は、圧電基板1
2への効率的なパワーの結合を容易にする幅対間隔比を
提供する。波トラッピング・フィンガ42及び46に沿
って幅対間隔比が徐々に小さくなるよう変化することに
より、せん断横波はより多く圧電基板12の内部に浸透
することができる。この増加した浸透は、デバイス10
は汚染物質及び不連続性による摂動の感度を低下させ
る。この後、幅対間隔比は徐々に大きくなり、受信イン
ターディジタル・トランスデューサ26に付近になると
トラップが増加する。その結果、受信インターディジタ
ル・トランスデューサへのパワーの結合効率が高くな
る。
【0022】所与の格子周期(p=STW の波長(λ)の
0.475倍)と一定の格子高さ(h=0.01p)に
おいて、様々な幅対間隔比(r)の結果を計算によって
求めた。 ケース1: r=0.4では、STW パワーは7λの深さ
で基板表面の値の25%に減衰する。 ケース2: r=0.5では、STW パワーは6λの深さ
で基板表面の値の25%に減衰する。 ケース3: r=0.6では、STW パワーは4λの深さ
で基板表面の値の25%に減衰する。 ケース4: r=0.8では、STW パワーは3λの深さ
でその基板表面の値の25%に減衰する。 ケース5: r=1.0では、STW パワーは2λの深さ
で基板表面の値の25%に減衰する。
【0023】上記の幅対間隔比の例は本発明の一実施例
であり、本願の第2の実施例は、第1の実施例と同時に
利用することが好ましく、やはり図1及び図2に示され
ている。第2の実施例は、圧電基板12の互いに対向す
るエッジ52及び54の近くにある格子48及び50内
の波トラッピング・フィンガの幅対間隔比を基板の中心
に向けて先細にさせる点に特徴がある。送信インターデ
ィジタル・トランスデューサ16は、せん断横波を互い
に反対の方向に同時に送り出す。受信インターディジタ
ル・トランスデューサ26は、どちらの方向からでも波
を受け取ることが可能である。その結果、圧電基板12
の第1及び第2のエッジ52及び54からの反射が望ま
しくない反射を作り出し、望ましい主信号を歪ませる。
格子48及び50は、デバイス10の性能に悪影響を及
ぼすような反射を少なくするように設計されている。
【0024】本発明の格子48及び50は、第1及び第
2のエッジ52及び54に達する前に、圧電基板12と
のパワーの結合を解除するために波を処理するよう設計
されている。送信インターディジタル・トランスデュー
サ16から送り出された波はトランスデューサから離
れ、第1のエッジ52に近づくにつれて、徐々により緊
密にトラップされる。このようにトラップを緊密にする
と、ポリイミドフィルム56のような吸収材によって波
が吸収され易くなる。トラップの増加は、格子48内の
フィンガの幅対間隔比を変えることにより達成される。
送信インターディジタル・トランスデューサ16の近く
の格子フィンガ58は、トランスデューサの電極フィン
ガ18及び20とほぼ等しい幅対間隔比を有するべきで
ある。このように幅対間隔比を整合することによって、
せん断横波が反射を引き起こすような不連続性に遭遇す
るのを確実に防ぐことができる。しかし、インターディ
ジタル・トランスデューサ16から遠い格子フィンガ6
0は幅が大きくなっており、これによってトラップがよ
り緊密となる。ポリイミドフィルム56の吸収材は、第
1のエッジ52へ向けて送出される好ましくない波を吸
収するよう格子フィンガに被着されている。ポリイミド
フィルム以外に使用可能な吸収材としては、RTV(室
温硬化シリコーンゴム)、ブラックワックス及びエポキ
シ樹脂がある。これらの吸収材は、現在、弾性表面波(S
AW) デバイスにおいて使用されているものであり、米国
特許第4,931,752号に記載されている。
【0025】受信インターディジタル・トランスデュー
サ26と第2のエッジ54の間の格子50内のフィンガ
62及び64の幅対間隔比も同様にエッジ54に向けて
徐々に増加する。トランスデューサ26からエッジ54
側へ離れ、幅対間隔比が大きくなるにつれて、波動エネ
ルギーはより緊密にトラップされ、ポリイミドフィルム
66によってより効率的に吸収される。吸収性フィルム
56の場合と同様に、吸収性フィルム66はポリイミド
以外の材料で形成してもよい。波動エネルギーは基板表
面14から1波長以内に引き寄せられ、より効率的なせ
ん断横波の吸収が可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、幅対間
隔比を選択的に変化させることにより、STW デバイスの
信号処理性能あるいは検出性能を改善することができ
る。また、STW デバイスを従来のフォトリソグラフィー
・プロセスを用いて製造することによりその耐スプリア
ス反射特性を改善することができる。すなわち、製造コ
ストには何ら有意の影響を及ぼすことなく、改善を達成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のー実施例の概略図。
【図2】図1の断面図。
【符号の説明】
10:STW デバイス 12:圧電基板 16:送信インターディジタル・トランスジューサ 26:受信インターディジタル・トランスジューサ 18、28:電極フィンガ 36:アレイ 44、50:格子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・エル・ベア アメリカ合衆国カリフォルニア州ロスアル トス、コロニアル・オーク・ドライブ 1280

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】せん断横波伝播を指示する基板表面を有す
    る圧電手段と、前記基板表面は対向する第1と第2のエ
    ッジおよび第1と第2の変換領域を有し、前記第1と第
    2の変換領域間に伝播領域を有するものであり、複数の
    送信電極フィンガを有する前記第1の変換領域内の送信
    インターディジタル・トランスジューサと、前記送信電
    極フィンガはそれぞれ前記基板表面と前記せん断横波伝
    播と平行な第1の幅を有するものであり、前記第2の変
    換領域内に受信インターディジタル・トランスジューサ
    と、前記基板表面に近づくにつれてせん断横波の波動エ
    ネルギを、前記受信インターディジタル・トランスジュ
    ーサおよび第1、第2のエッジのひとつに向けて増加さ
    せる階段状トラップ手段とを具備することを特徴とする
    せん断横波デバイス。
JP5066160A 1992-03-02 1993-03-02 せん断横波デバイス Pending JPH0653773A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/844,360 US5220234A (en) 1992-03-02 1992-03-02 Shear transverse wave device having selective trapping of wave energy
US844,360 1992-03-02

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JPH0653773A true JPH0653773A (ja) 1994-02-25

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ID=25292504

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JP5066160A Pending JPH0653773A (ja) 1992-03-02 1993-03-02 せん断横波デバイス

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US (1) US5220234A (ja)
EP (1) EP0559343A1 (ja)
JP (1) JPH0653773A (ja)

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US5220234A (en) 1993-06-15
EP0559343A1 (en) 1993-09-08

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