JPH0653663A - 産業用電子機器のケーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業用電子機器のケーシングの正面枠を簡
単、かつ容易に交換できるようにする。 【構成】産業用電子機器のケーシングは正面開口部２を
有する閉じた本体１を備えている。正面開口部２にはＵ
形の輪郭の交換可能な正面枠１１を備え、この正面枠１
１は肩部１５を有するカバー板１２と、溝１６付きのめ
くら板１３を有し、本体１の枠板３に固定するためのボ
ルト１７を担持している。正面枠１１を取付けた場合、
肩部１５が枠板３と本体１とによって形成された縁部７
を密封して囲み、溝１６内には、鋭角を以て枠板３に取
付けられた、本体１の折り曲げられた末端細片８が係合
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、正面開口部を有し、電
子部品を収容する薄板鋼製の本体と、正面開口部におい
て直角に内側に突き出し、本体と共にエッジを形成する
連続した枠板と、該枠板にある角度を以てつながり、外
向きの、連続した末端細片と、枠板と末端細片の前に位
置し、２つの長いおよび２つの細い脚部を有し、該正面
開口部に取り付けられ、閉じた四角形の正面枠とを有す
る、産業用電子機器のケーシングに関する。

【０００２】

【従来の技術】このようなケーシングは種々のサイズで
独立した卓上機器に用いられる。閉じた本体と、固定さ
れた正面枠を有する、産業用機器のケーシングは種々の
形態で公知である。電子部品を収容するために本体内に
は、アセンブリとプリント基板用担持部材の差込みモジ
ュールとが備えられている（ヨーロッパ特許−ＡＩ−０
３１１７０２号）。しかし、このようなケーシングの場
合は正面枠が全く交換できないか、交換できたとしても
極めて面倒である。埃塵及び水しぶきに対する防護は不
可欠であるが、これはほとんど保証されないか、または
正面枠の交換時に防護機能が失われる。電子装置、特に
侵入できないように構成された電気配線用の、水飛沫防
護された分岐接続箱が公知である。ケーシング上部領域
は特製の蓋で閉じられる。ケーシング上部は防水用に、
内側に突出した側板に直角に繋がっている外向きのカバ
ー板を備えている。縁部がＬ字形に形成された蓋には溝
を備えた短い横木が設けられ、この溝にはパッキン材が
装填される。蓋を閉じると、カバー板が溝と嵌合する。
しかし、正面枠を備えていないこのケーシング構造は産
業用電子機器ケーシングとして使用するのには適さない
（ドイツ実用新案第８７０３１３８号）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ケー
シング用に選択された安全規定を遵守して、種々の技術
的条件と所定の規格に適合させる目的で正面枠を簡単、
かつ容易に交換できる、産業用電子機器のケーシングを
提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の産業用電子機器のケーシングは、正面枠
が、Ｕ形の脚部がほぼ平行に延びた概ねＵ形の輪郭を有
しており、正面枠が、枠板と本体とによって形成された
エッジを囲む、縁部の近傍の肩部を担持し、Ｕ形の脚部
を形成する外側のカバー板を備えており、正面枠が、自
由縁部に末端細片が係合する溝を備えたＵ形の短かい脚
部を形成する内側のめくら板を備えている。

【０００５】

【作用】正面枠のカバー板とめくら板との縁部を上記の
ように構成することによって、正面枠の随意の交換が可
能になるだけではなく、ケーシングの本体と正面枠との
間の優れた防水効果が保証される。

【０００６】外側のカバー板と内側のめくら板とを正面
枠の全面に設けることが特に有利である。

【０００７】本発明の好ましい構成に従って、末端細片
と枠板とが鋭角を形成している。これによって、概ねＶ
字形の管路が形成され、この管路が本体のカバーから正
面枠に侵入した水しぶきを溜め、側方に排水することが
できる。

【０００８】内側のめくら板は外向きの止め板を支持す
ることができる。この止め板は正面枠に取り付けられ
た、金属板、プラスチックまたはガラス製の回転ドアの
ライニングとして機能する。

【０００９】めくら板と止め板との間には、パッキン条
片または飾り詰物を保持する役目の溝を設けることがで
きる。

【００１０】ケーシングもしくはその正面枠にドアが備
えてある場合は、めくら板と止め板とによって形成され
た溝内に、溝周囲を囲み、ドアを閉じたときにドアの内
側に当接する弾性パッキン・リップを挿入することが有
利である。

【００１１】ケーシングの本体に正面枠を取付けるため
に、正面枠はカバー板とめくら板との間に配置された固
定部材を担持し、枠板が該固定部材と対応する固定手段
を備えることが有利である。

【００１２】正面枠用の固定部材として、固定部材とし
て作用する枠片の穴を貫通する、正面枠の背面に形成さ
れたボルトが突き出していることが有利である。

【００１３】ボルトの端部に、穴を貫通し、枠片の背面
において固定用ナットを保持するねじを備えることが有
利である。ねじの代わりに平滑な円筒状の端部を設け、
そこにばね付勢された止め板を取り付けてももよい。

【００１４】正面枠は、特にサイズが比較的小さいケー
シングの場合には一体部品として製造され、プラスチッ
クまたは金属射出成形部品であることが合目的である。

【００１５】経済性の目的のために、正面枠を同じ形状
の２つの長いＵ形材と、同じ形状の２つの短いＵ形材と
から組み立てることができる。その場合、長いＵ形材の
両端を折り曲げることができる。

【００１６】

【実施例】次に、本発明の実施例について添付図面を参
照して説明する。

【００１７】図示した産業用電子機器のケーシングは、
薄い鋼板からできて、電子部品を収容する役目をする直
方体の本体１を有している。電子部品を保持するため
に、本体１は床部と側壁とにいくつかの固定レール、担
持部材およびその他の保持部材（図示せず）を有してい
る。本体１は全面が完全に閉鎖されており、長方形の正
面開口部２だけを有し、この正面開口部２を通して本体
１の内部の電子部品にアクセスすることができる。

【００１８】正面開口部２には枠板３が設けられてい
る。枠板３は内側に直角に突き出して本体１に取付けら
れ、もしくは本体１に接合されている。枠板３は本体１
と共に、すなわち本体１の上壁と、側壁５と、床４と共
に輪状の直角のエッジ７を形成している。

【００１９】枠板３には外向きの末端細片８がつながっ
ている。この末端細片８も接合され、枠板３に対して鋭
角９を以て傾いている。それによって、枠板３と末端細
片８との間に断面がＶ字形の低い管路１０が形成され、
この管路１０は上方から侵入した水を側壁５の方向に排
出する。

【００２０】正面開口部２には、短形の閉じた正面枠１
１が固定され、この正面枠１１は枠板３と末端細片８の
前に位置し、これらを覆っている。各正面枠１１は上壁
４と床６とに平行な、２つの上下の長い側面と、本体１
の側壁に平行な２つの短い側面とを有している。正面枠
１はプラスチックまたは金属の射出成形部品でもよい。

【００２１】正面枠１１は実質的にＵ形の輪郭を有して
おり、その両Ｕ形側面は平行に延び、長さが異なってい
る。正面枠１１はＵ形の側面を形成する外側のカバー板
１２と、Ｕ形の輪郭の他のＵ形の側面を形成するめくら
板１３とから形成されている。カバー板１２とめくら板
１３とはＵ字形の底部とみなすことができる正面板１４
で互いに連結されている。

【００２２】正面枠１１の外側のカバー板１２は縁の近
傍に直角の肩部１５を担持しており、この肩部１５は枠
板３と本体１とから形成された縁部７を囲み、水しぶき
や飛沫がケーシング内に侵入しにくくする迷路状の構造
を縁部７と共に形成している。

【００２３】正面枠１１の内側のめくら板１３はその自
由縁部に断面がＶ字形に形成された溝１６を備えてい
る。この溝１６には本体１の末端細片８の外縁が係合す
る。

【００２４】カバー板１２とめくら板１３は、正面枠１
１の上下の（上壁４と床６とに平行な）双方の側面だけ
でなく、本体１の双方の側壁５に平行な正面枠１１の双
方の短かい両側面にも設けられている。

【００２５】正面枠１１は本体１に取外し可能に固定さ
れている。このために、めくら板１２とカバー板１３と
の間に設けられ、正面枠１１の内側に突出した、円柱状
のジャーナル１７の形をした固定部材が設けられてい
る。このジャーナル１７は、対応する固定手段の役割を
する、枠板３の穴を貫通し、固定ナット２０を支持する
ねじ１８を端部に備えている。

【００２６】止め板２１とめくら板１３との間には断面
が短形の溝２３が設けられ、この溝２３内に弾性パッキ
ン・リップ２４が押込まれている。このパッキン・リッ
プ２４はドア２２を閉じたときに背面からドア２２の縁
部に密着して当接する。

【００２７】正面枠１１は少なくともサイズが小さいケ
ーシングの場合は一体に製造される。しかし、この正面
枠１１はそれぞれ同じ形状の２つの長いＵ形材と、同じ
形状の２つの短いＵ形材とから構成することもでき、こ
れらの長短のＵ形材は差込み、または嵌込み式の連結手
段を用いて工具や装置を使用せずに互いに連結される。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、正面枠の
カバー板とめくら板との縁部を請求項１のよう構成する
ことにより、正面枠の随意の交換が可能になるだけでは
なく、ケーシングの本体と正面枠との優れた防水効果が
保証される効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面枠を有するケーシングの第１の実施例の背
面のケーシング部分の縦断面図である。

【図２】正面枠を有するケーシングの、背面のケーシン
グ部分を破断第２の実施例の図１と対応する縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 正面開口部 ３ 枠板 ４ 上壁 ５ 側壁 ６ 床 ７ 縁 ８ 末端細片 ９ 鋭角 １０ 管路 １１ 正面枠 １２ カバー板 １３ めくら板 １４ 正面板 １５ 肩部 １６ 溝 １７ ジャーナル １８ ねじ １９ 穴 ２０ 固定ナット ２１ 止め板 ２２ ドア ２３ 溝 ２４ パッキン・リップ

フロントページの続き (72)発明者 ハー． ベルント ベンツ ドイツ連邦共和国 デー−7570 バーデン −バーデン 21 ローゼンシュトラーセ 15アー (72)発明者 パウル マズーラ ドイツ連邦共和国 デー−7516 カールス バート／ランゲンシュタインバッハ ベー トーヴェンシュトラーセ 20 (72)発明者 ハンス マルティン シュヴェンク ドイツ連邦共和国 デー−7541 シュトラ ウベンハルト ヴィーゼンヴェーク ９

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正面開口部（２）を有し、電子部品を収
   容する薄鋼板製の本体（１）と、 前記正面開口部（２）において直角に内側に突き出し、
   前記本体（１）と共にエッジ（７）を形成する連続した
   枠板（３）と、 該枠板（３）にある角度を以てつながり、外向きの、連
   続した末端細片（８）と、 前記枠板（３）と前記末端細片（８）の前に位置し、２
   つの長いおよび短い脚部（１２、１３）を有し、該正面
   開口部（２）に取り付けられ、閉じた四角形の正面枠
   （１１）とを有する、産業用電子機器のケーシングにお
   いて、 該正面枠（１１）が、Ｕ形の脚部がほぼ平行に延びた概
   ねＵ形の輪郭を有しており、前記正面枠（１１）が、枠
   板（３）と本体（１）とによって形成されたエッジ
   （７）を囲む、縁部の近傍の肩部（１５）を担持し、Ｕ
   形の脚部を形成する外側のカバー板（１２）を備えてお
   り、前記正面枠（１１）が、自由縁部に末端細片（８）
   が係合する溝（１６）を備えたＵ形の短かい脚部を形成
   する内側のめくら板（１３）を備えていることを特徴と
   する産業用電子機器のケーシング。
2. 【請求項２】 前記外側のカバー板（１２）と前記内側
   のめくら板（１３）とが前記正面枠（１１）の全面に設
   けられている請求項１記載のケーシング。
3. 【請求項３】 前記末端細片（８）と前記枠板（３）と
   が鋭角（９）をなしている請求項１または２に記載のケ
   ーシング。
4. 【請求項４】 前記内側のめくら板（１３）が外向きの
   止め板（２１）を担持している請求項１から３のいずれ
   か１項に記載のケーシング。
5. 【請求項５】 前記めくら板（１３）と前記止め板（２
   １）との間に溝（２３）が設けられている請求項４記載
   のケーシング。
6. 【請求項６】 弾性のある密閉リップ（２４）が前記溝
   （２３）内に挿入されている請求項５記載のケーシン
   グ。
7. 【請求項７】 前記正面枠（１１）が、前記カバー板
   （１２）と前記めくら板（１３）との間に配置された固
   定部材を担持し、前記枠板（３）が該固定部材と対応す
   る固定手段を備えている請求項１から６のいずれか１項
   記載のケーシング。
8. 【請求項８】 固定手段として、穴（１９）を貫通し、
   固定部材として形成されたボルト（１７）が突き出てい
   る請求項８記載のケーシング。
9. 【請求項９】 前記ボルト（１７）が、穴（１９）を貫
   通し、固定用ナット（２０）を担持するねじ（１８）を
   端部に備えている請求項８記載のケーシング。
10. 【請求項１０】 前記正面枠（１１）がプラスチック射
    出成形部品である請求項１から９のいずれか１項記載の
    ケーシング。
11. 【請求項１１】 前記正面枠（１１）が金属射出成形部
    品である請求項１から９のいずれか１項記載のケーシン
    グ。
12. 【請求項１２】 前記正面枠（１１）が、同じ形状の２
    つの長いＵ形材と、同じ形状の２つの短いＵ形材とで組
    立られている請求項１から９のいずれか１項記載のケー
    シング。