JPH0653041A - 磁気ディスク及びその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク及びその製造方法

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JPH0653041A
JPH0653041A JP22361292A JP22361292A JPH0653041A JP H0653041 A JPH0653041 A JP H0653041A JP 22361292 A JP22361292 A JP 22361292A JP 22361292 A JP22361292 A JP 22361292A JP H0653041 A JPH0653041 A JP H0653041A
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JP
Japan
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magnetic
substrate
magnetic layer
magnetic disk
layer
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Pending
Application number
JP22361292A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Hayashi
真一 林
Kenji Omori
賢次 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上へのCrの下地層の形成が不要で製造
が容易であり、かつ、製品コストが安価となる磁気ディ
スク及びその製造方法を提供する。 【構成】 非磁性基板と、該非磁性基板上に形成された
Zrが10〜25原子%、残部がCoからなる磁性層と
からなり、かつ該磁性層中にCo11Zr2相が析出され
てなる磁気ディスク、及び、非磁性基板上に、Zrが1
0〜25原子%、残部がCoからなる磁性層をスパッタ
法または真空蒸着法で形成した後、該基板を真空中で6
00〜650℃で熱処理する磁気ディスクの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録媒体として
有用な磁気ディスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は磁気ヘッドと組み合わせ
て磁気記録によって情報を記憶するもので、電子計算
機、OA機器用の補助記憶装置に用いられている。電子
計算機用の磁気記録媒体には、当初γ-Fe2O3 や CoO・Fe
2O3 等の酸化物磁性粉末をアセテートやポリエステルの
ベースフィルムに塗布した磁気テープが用いられていた
が、磁気テープは大容量の記録媒体であるものの、逐次
呼出でアクセスが遅いという欠点があった。
【0003】そこで、高速アクセスを必要とする磁気記
録媒体には、磁気記録密度が105bit/in2 程度の磁気
ドラムが用いられるようになった。磁気ドラムの磁性層
に必要な保磁力は 350〜700 Oe 程度であり、これには
スパッタ法や真空蒸着法で作製されるCoNi系、CoCrNi
系、CoCrNiSm系等のCo系合金磁性層が使用された。し
かし、磁気ドラムより更に高記録密度の磁気記録媒体が
求められるようになり、106 bit/in2 以上の高記録密
度を有し、かつ記憶装置の小型化が可能となる磁気ディ
スクが替わって登場した。
【0004】磁気ディスクの磁性層には 700 Oe 以上の
保磁力を必要とする。しかし磁気ドラムで用いられたC
o系合金磁性層では保磁力が不足し、また信号対雑音比
(SN比)も悪いため、初期の磁気ディスクには、磁性
層にCo系合金ではなく、γ-Fe2O3 や MnO・Fe2O3 や C
oO・Fe2O3 等の酸化物磁性粉末を樹脂バインダーに混ぜ
て、これをポリカーボネート樹脂、石英ガラス、硼珪酸
ガラス、アルミニウム等の非磁性基板上に塗布して磁性
層を形成する、いわゆる塗布型磁性層が用いられた。こ
れらの磁性層の保磁力は 700〜1380 Oe 程度であり、初
期の磁気ディスクには十分であった。しかし近年に至
り、より一層の記録密度の向上とSN比の向上とが要求
され、これら塗布型磁性層ではもはや対応できない。
【0005】そこで、107 bit/in2 以上の高記録密度
でかつ高SN比を要求する小型磁気ディスク用材料とし
て、スパッタ法や真空蒸着法による新たなCo合金系の
磁性層が開発され、CoCrTa系、CoCrPt系等のSN比が向
上した組成が見いだされた。これらの磁性層は保磁力が
1400 Oe 以上と極めて高く、またCoNi系、CoCrNi系と
比較して著しくSN比が改善された。上記磁性層を用い
た小型磁気ディスクは、半導体記憶素子と比較しても記
憶容量当たりの価格が安く、今日幅広く利用されてい
る。
【0006】上記CoCrTa系、CoCrPt系等の磁性層を非磁
性基板上に直接形成すると、その層はアモルファス状態
となって十分な保磁力を得ることはできない。アモルフ
ァス状態の磁性層に熱処理を施して結晶化させることも
考えられるが、これまで知られている組成ではこの方法
で保磁力が向上することはなかった。そこで、これらの
材料では、例えば膜厚 1000〜6000 Åの非磁性Crの下
地層を、通常石英ガラスや合成樹脂やテクスチャ加工を
施したNi−Pメッキアルミニウム等の非磁性基板上に
形成し、その層上に例えば 250〜500 Åの磁性層を積層
するようにしていた。
【0007】このようにあらかじめCrの下地層を形成
するのは、基板上ではCrがある特定の結晶方向に優先
的に成長するため、下地形成後基板表面にCrの特定の
結晶面が現れ、この面に磁性層を形成すると磁性層もそ
のCrの特定の結晶面に従って結晶化し、エピタキシャ
ル成長して保磁力を有するようになるからである。磁性
層を形成する際、例えばスパッタ原料であるターゲット
と基板との間に遮蔽板を設けたり、ターゲット径を小さ
くするなどしてスパッタ粒子を基板に対して斜め方向に
入射させると、結晶の容易磁化方向が磁気ディスクの径
方向よりも周方向に揃えることができ、磁気ディスクの
周方向に異方性が生じて保磁力を更に向上させることが
できる。
【0008】Co−Zr系では、従来の磁性層形成方法
によっては高い保磁力が現れないため、これまで磁気デ
ィスク用磁性材料として注目されたことはなく、また、
磁性層形成後に基板に熱処理を施すことは、一般には結
晶粒が成長して保磁力が低下するので、Co−Zr系を
磁気ディスク用材料に応用しようとする試みは全く無か
ったのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の磁気
ディスクで必要とされる保磁力を得るためには、Crの
下地層を形成しなければならない。また、磁性層に白金
が用いられる場合、製品コストも高くなる。そこで本発
明の目的は、Crの下地層の形成が不要で製造が容易で
あり、かつ、製品コストが安価である磁気ディスク及び
その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため今まで顧みられなかったCo−Zr系につ
いて種々研究した結果、組成と熱処理条件の組み合わせ
により、磁気ディスク用材料として好適な磁性層が得ら
れることを見いだした。即ち、本発明の磁気ディスク
は、非磁性基板と、該非磁性基板上に形成されたZrが
10〜25原子%、残部がCoからなる磁性層からな
り、かつ該磁性層中にCo11Zr2相が析出されている
点に特徴がある。またそのような磁気ディスクを製造す
るため本発明の方法は、非磁性基板上に、Zrが10〜
25原子%、残部がCoからなる磁性層をスパッタ法ま
たは真空蒸着法で形成した後、該基板を真空中で600
〜650℃で熱処理する点に特徴がある。
【0011】本発明の磁気ディスクの非磁性基板には、
600〜650℃の加熱に耐える材料であれば何れも使
用でき、石英ガラス、硼珪酸ガラス等のガラス基板が適
当である。この非磁性基板にはCrの下地層は必要ない
が、あるとCo11Zr2相が析出し易くなるので、あっ
ても差し支えはない。
【0012】非磁性基板上に形成される磁性層は、Co
とZrとの二元系で組成がZr10〜25原子%、残部
がCoである。Zrの量が10原子%未満ではα-Co
相の割合が多くなって保磁力が低下し、25原子%を超
えるとCo4Zr1相やCo2Zr相の割合が多くなって
また保磁力が低下する。加熱処理された磁性層の組織中
にはCo−Zr系アモルファス相、CoにZrが固溶し
たα-Co相、Co11Zr2相、Co4Zr相、Co2Zr
相、その他の相が存在し得る。
【0013】磁性層中に結晶化して析出したCo11Zr
2相は、 1272 ℃まで安定に存在する硬磁性相で、本発
明の磁気ディスクの磁気特性向上に寄与する相である。
この相は、磁性層中重量比で1割以上を占めていれば良
い。1割未満では十分な保磁力が得られない。
【0014】本発明の磁気ディスクの製造方法におい
て、非磁性基板上の磁性層は、スパッタ法または真空蒸
着法で形成される。スパッタ法または真空蒸着法は、Z
rが10〜25原子%、残部がCoからなる合金層の形
成が可能であれば、公知のいかなる方式、装置によって
も良い。
【0015】Co11Zr2相の析出のための基板熱処理
の雰囲気は、真空度が高い程良く、好ましくは10-3To
rr以上の真空である。真空度が低いと熱処理中に磁性層
が酸化し保磁力が低下する。また、熱処理の温度は60
0〜650℃であることが必要で、600℃未満ではC
11Zr2相がほとんど析出しないので保磁力が向上せ
ず、また650℃を超えると磁性層の酸化、基板と磁性
層との反応、結晶粒の肥大化が進行し、磁気特性がかえ
って劣化する。
【0016】基板熱処理において、基板が最高温度に達
するまでの昇温速度と降温時間は特に限定されないが、
熱処理時間が長いと磁性層の酸化が進行するので、好ま
しくは降温、昇温とも毎分1℃以上である。また、基板
が熱衝撃で破損しない限り、急速昇温、急冷を行っても
差し支えない。熱処理時間は最高温度に達してからの保
持時間が5〜30分であることが好ましく、5分未満で
は効果がなく、30分を超えると磁性層の酸化が進行
し、磁気特性が劣化する。熱処理には通常の真空熱処理
炉が使用できる。
【0017】
【作用】本発明の磁気ディスクが下地層の形成を必要と
せずに高い保磁力を有するのは、Co−Zr系合金層を
形成した基板を真空中で熱処理することで、アモルファ
ス合金層が非磁性基板上で良好に結晶化し、微細なCo
11Zr2相が分散析出して保磁力が向上するからであ
る。この結晶化したCo11Zr2相は一軸磁気異方性を
有するため、Co−Zr系磁性層中にこれが一定量以上
存在すると、磁化を発生させる他の相との相乗効果によ
り磁性層が単磁区微粒子型の構造になって磁気特性を発
揮すると考えられる。
【0018】
【実施例】厚さ 1.2 mmの硼珪酸ガラスの基板上に、
日電アネルバ(株)製のマグネトロンスパッタ装置(S
PF−530H)を用いて、組成の異なる膜厚 2000 Å
のCo−Zr系の磁性層を形成した。この磁性層形成時
には、装置内の到達真空度を8×10-5Torr、スパッタ
ガスを圧力 0.40 Pa のArガス、ターゲット電流を 1.
20 A、スパッタ電力を 400 W、ターゲット−基板間距
離を 100 mm、基板温度を 300 ℃とした。
【0019】磁性層形成後、この基板を真空中で熱処理
した。この熱処理は、到達真空度を8×10-5Torr、昇
温速度を毎分 30 ℃、最高温度を 600〜670 ℃、最高温
度保持時間を 10〜25 分、常温までの冷却時間を 30 分
とした。次に、熱処理後の各基板を切断して試料とし、
各組成分析と磁気特性とを評価した。組成分析はEPM
A分析と化学分析とを併用し、磁気特性の評価は試料振
動型磁力計により行った。表1に、磁性層の組成(Zr
原子%)、基板の真空中熱処理の最高温度(℃)、同保
持時間(分)、試料の保磁力(Oe)を示した。保磁力は
1400 Oe 以上あれば十分である。
【0020】
【表1】
【0021】結果は、Zr量が10〜25原子%、真空
中の熱処理温度が 600〜650 ℃の試料ではいずれも保磁
力 1400 Oe 以上を示した。一方、この範囲以外の条件
で熱処理した基板試料は、保磁力が不十分であった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、下地層を形成すること
なく、成膜と熱処理のみで磁気ディスクを製造すること
ができ、安価な磁気記録装置の提供に寄与することがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板と、該非磁性基板上に形成さ
    れたZrが10〜25原子%、残部がCoからなる磁性
    層とからなり、かつ該磁性層中にCo11Zr2相が析出
    されてなる磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 非磁性基板上に、Zrが10〜25原子
    %、残部がCoからなる磁性層をスパッタ法または真空
    蒸着法で形成した後、該基板を真空中で600〜650
    ℃で熱処理することを特徴とする磁気ディスクの製造方
    法。
JP22361292A 1992-07-31 1992-07-31 磁気ディスク及びその製造方法 Pending JPH0653041A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5949681A (en) * 1996-03-15 1999-09-07 Fuji Machine Mfg. Co., Ltd. Electronic-component supplying apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5949681A (en) * 1996-03-15 1999-09-07 Fuji Machine Mfg. Co., Ltd. Electronic-component supplying apparatus

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