JPH0652982B2 - 電機子の構成方法、及び、電機子の構造 - Google Patents

電機子の構成方法、及び、電機子の構造

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JPH0652982B2
JPH0652982B2 JP13560488A JP13560488A JPH0652982B2 JP H0652982 B2 JPH0652982 B2 JP H0652982B2 JP 13560488 A JP13560488 A JP 13560488A JP 13560488 A JP13560488 A JP 13560488A JP H0652982 B2 JPH0652982 B2 JP H0652982B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転式電気機器の電機子の構成方法及び電機
子構造に関するものである。
〔従来の技術〕
電機子に関しては、特公昭60−37696号公報に記
載の技術が公知である。
上記の公知技術に係る電機子は、コイルが巻回された鉄
心を装着してなる電機子シャフトに、絶縁されていない
環状整流子導体を挿入して、鉄心から引出されたコイル
の先端と、導体部のコイル接続部とを接続していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、コイルと導体部とを接続する場合、導
体部の内部に空間を介してシャフトが位置し、また比較
的重い鉄心も位置するため、導体部とシャフトとの位置
の精度を保ちながら溶接することは非常に困難である。
本発明の目的は、接続時に鉄心やシャフトの無い状態で
接続し得る、電機子の構成方法、及び、上記方法の実施
に好適な電機子の構造を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、また絶縁部材と一体的に結合されていない
環状の整流子導体部と、コイルとを前もって接続してお
き、別途製作された提供とシャフトとの組立品のスロッ
トにコイルの先端を挿入し、スロットの長手方向に所定
の位置まで挿入後、その先端部を接続して、鉄心,シャ
フト,導体部の位置を保持しながら絶縁材を含浸また
は、一体モールドすることで達成される。また導体部の
シャフトの間隙空間において、下コイルをバックピッチ
寸法だけ湾曲させることによってコイルエンドを省略で
きる。
上記は目的を達成するための手段の概要であるが、これ
に付随して下記のようにすることが必要である。
イ.前記の、未だ結合されていない整流子導体部材とコ
イルとを接続するには、多数の整流子導体部を環状に配
列し保持しなければならない。
このため、上記多数の整流子導体を相互に仮連結するこ
とが必要である。この仮連結は、最終工程もしくはその
直前に除去し得る仮連結手段であることを要する。
ロ.整流子導体部に接続されたコイル(上コイルおよび
下コイル)をスロットの長手方向に挿入する際は、摩擦
計数の小さい電機絶縁性の部材を挟んで滑らせることが
必要である。
〔作用〕
上記の方法によれば、積層鉄心やシャフトを組みつける
前に、導体部とコイルとの接続を済ませてしまう。
このため、該接続操作に際して、鉄心やシャフトの重量
を支承する必要もなく、また鉄心やシャフトによって接
続操作が妨げられることも無い。
このため、接続操作を確実、容易、かつ迅速に実施でき
る。
また、その後の工程で電機絶縁材を充填してこれらの部
材相互の関係位置を固定するので、容易に高精度が得ら
れる。
〔実施例〕
次に、本発明に係る電機子の構成方法を用いて、本発明
に係る電機子構造を組み上げる例について第1図乃至第
4図を順次に参照しつつ説明する。
(第1図参照) 導体部1に、コイル接続部であるライザ2が一体成形さ
れ、リブ3によって環状に仮連結されている。このリブ
3の役目は、電機子の構成を終えるまで、多数の整流子
導体部を環状に配列した状態に保持することであって、
構成を終えたとき(最終工程もしくはそれ以前に)除去
される。また本発明の応用例として、除去しなくても支
障を生じないような手段で仮連結しておくことも考えら
れる。
本実施例におけるリブ3は、第1図に示したように、導
体部1を構成している多数の整流子片相互に橋を架けた
形に、隣接する整流子片を跨いだ形に固着されている。
本発明を実施する際、リブ3の形状は必ずしも本実施例
と同様でなくても良いが、本実施例のように構成してお
くと、この電機子を構成する最終工程においてライザ2
の端面2aを軽く切削もしくは研削することによってリ
ブ3を容易に除去できるから好都合である。
上コイル4とライザ2は任意の接続法によって接続さ
れ、下コイル5は、環状に並んでいる導体部1の中を通
って、該導体部1の反ライザ側の端部11と接続された
後、導体部1の内周部で下コイル引出部5aのように、
バックピッチ寸法だけ螺旋状に旋回せしめて引出され
る。本第1図は多数のコイル中の、各1本の上下コイル
のみを示しており、実際は上下コイルともスロット数だ
け構成して接続されている。上記上下コイル4,5の先
端を、鉄心7(仮想線で示す)の端面形状と略同形の絶
縁板6に挿入し、上下コイル4,5が鉄心7のスロット
10に、その長手方向に挿入し易くしている。鉄心7の
スロット10に上下コイル4,5を挿入すると、前記の
絶縁板6は、第2図に示すごとく鉄心7の端面とライザ
2の端面との間の絶縁部材となる。スロット10の内面
に絶縁紙や絶縁層の塗装によるアース絶縁を必要とす
る。この部分に上下コイル4,5をスロットの長手方向
に挿入することから、絶縁層の塗装もしくは絶縁紙は滑
り易いものであることが望ましい。
以上に述べたように、上,下コイル4,5をスロット1
0に挿入する作業は、第1図に示したように上,下コイ
ルを上下方向にして(垂直姿勢ならしめて、上方から下
方に向けて挿入すると、該上,下コイルが撓まないので
好都合である。
第2図は構成途中の半製品の説明図であって、前もって
製作された積層の鉄心7とシャフト8との組立品に、第
1図の組立品を挿入し、上下コイル4,5の先端をバッ
クピッチ寸法だけ折り曲げて接続部9で接続した状態を
描いてある。
第3図は本実施例の完成品の部分断面図である。導体部
1と、シャフト8及び鉄心7との関係位置を保持するた
め、絶縁材13を充填して固め、リブ3を切削除去し
て、導体部1やライザ2を独立させる。これを展開する
と第4図のような回路に形成される。スプライン状の溝
14は、シャフト8と、鉄心7及び導体部1などの固着
性を向上させるためにシャフト8の表面に形成する。第
5図は、導体部1に上,下コイル4,5を接続した状態
を示した展開図で、この状態ではフロントピッチ寸法y
fの亘りは上,下コイル4,5で等分に行うのでコイル
エンド寸法lを有し、軸長は長くなる。
第4図に示した寸法yfはフロントピッチ、ybはバッ
クピッチである。
以上述べた構成方法によれば、第1図に示した段階で、
導体部のライザ2と上コイル4とを接続し、かつ、導体
部1と下コイル5と(詳しくは下コイルの引出部5a
と)を接続するので、接続操作が容易である。(鉄心7
やシャフト8が邪魔になったり、これら部材の重みが掛
かったりしない)。
また、第2図に示した段階では、導体部材1とシャフト
8とが相互に固定されていない。
これらの部材を、適宜の治具により同心に保持して、第
3図に示した絶縁材13を充填・固化させると、高精度
かつ容易に同心度が確保される。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、導体部1とコイル4,5とを単
独で接続できるため、任意の溶接法で自由に接続でき
る。これにより接続部による耐熱性の低下を防止でき
る。また導体部側のコイルエンドは導体部1とシャフト
8との間の空間で引出部5aの如く捩った形に形成され
るため、軸長を短縮できる。また整流子のモールド成形
とコイルのワニス処理の2通りの作業を一度に行うた
め、作業の簡略化が計られるなどの効果がある。
また、本発明の構造に係る電機子は、上記の発明方法を
適用して構成するに適していて、その効果を充分に発揮
せしめることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は本発明の一実施例を示し、第1図は
環状導体部にコイルを接続した状態の説明図、第2図は
コイルを鉄心に挿入した状態の説明図、第3図は絶縁材
を充填した電機子の断面図、第4図はコイルの展開図で
ある。第5図は上記と異なる実施例のコイル展開図であ
る。 1…導体部、2…ライザ、3…リブ、4…上コイル、5
…下コイル、6…絶縁板、9…接続部、10…スロッ
ト、11…端部、12…接続部、13…絶縁材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)整流子の導体部を環状に配列し、後
    述する工程(i)において除去し得る手段により、上記
    導体部を相互に仮連結し、 (b)上記の整流子導体部のライザ部に上コイルを接続
    し、 (c)下コイルの一端を、前記の環状に配列された整流
    子の導体部の中に通して、該下コイルの一端を整流子導
    体部のライザ部の反対側に接続し、 (d)上記の下コイルを、前記の環状に配列された導体
    部内で、バックピッチ寸法だけ折り曲げてライザ側に引
    き出し、 (e)前記上コイルおよび下コイルのそれぞれと積層鉄
    心のスロットとの間に摩擦係数の低い絶縁性材料を介在
    せしめて、該上コイルおよび下コイルのそれぞれを上記
    スロットの中へ長手方向に挿入し、 (f)スロットを通過して突出した端部の上,下コイル
    を相互に接続し、 (g)前記の環状に配列された導体部にシャフトを同心
    状に貫通せしめて保持し、 (h)前記の導体部と、積層鉄心と、シャフトとの間に
    形成されている隙間空間を、電気絶縁性材料で充填し
    て、上記各部材を相互に固定し、 (i)整流子の仮連結部分を除去することを特徴とす
    る、電機子の構成方法。
  2. 【請求項2】前記(e)項の工程で上,下コイルを積層
    鉄心のスロットに挿入する際、予め、該上,下コイル
    を、上記積層鉄心の端面と同一の輪郭を有する絶縁板に
    挿入することを特徴とする、請求項1に記載した電機子
    の構成方法。
  3. 【請求項3】(a)環状に配列した整流子導体部と、 (b)上記導体部のライザ部に接続された上コイルと、 (c)上記の、環状に配列された整流子導体部とシャフ
    トとの間を通り、該導体部の反ライザ側端部に接続され
    た下コイルと、 (d)上記上,下コイルを挿入されたスロットを有する
    積層鉄心と、 (e)上記積層鉄心に貫通固着され、かつ、前記の環状
    に配列された導体部と同心状に配置されたシャフトと、 (f)上記積層鉄心と、導体部と、シャフトとに挟まれ
    た隙間空間を充填した電気絶縁性部材と、 よりなることを特徴とする、電機子の構造。
JP13560488A 1988-06-03 1988-06-03 電機子の構成方法、及び、電機子の構造 Expired - Lifetime JPH0652982B2 (ja)

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