JPH0652821A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH0652821A
JPH0652821A JP4224649A JP22464992A JPH0652821A JP H0652821 A JPH0652821 A JP H0652821A JP 4224649 A JP4224649 A JP 4224649A JP 22464992 A JP22464992 A JP 22464992A JP H0652821 A JPH0652821 A JP H0652821A
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聡 前橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気管の絶縁不良を適時に確実に検出してク
リーニング時期を報知するイオン注入装置を提供する。 【構成】 真空排気ポンプ11で排気された高真空下
で、イオン源13で発生したイオンを質量分析して所定
のイオンを選択して取り出し、取り出されたイオンを加
速する高電圧部24を備え、この高電圧部24で加速さ
れたイオンを半導体ウエハW内に注入するイオン注入装
置10において、上記高電圧部24に設置された真空排
気ポンプ11の排気管25を、導電性部材からなる第1
排気管25Aとこの第1排気管25Aの途中に介在し且
つ高電圧部24をグランドから絶縁する絶縁性部材から
なる第2排気管25Bとから構成すると共に、第2排気
管25Bより外方の第1排気管25Aとグランド間に第
2排気管25Bのリーク電流を検出する電流計27を接
続し、この電流計27によって第2排気管25Bの絶縁
状態を検出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は、例えば、真空排気ポ
ンプで排気された10-6Torrという高真空下で、グラン
ドに対して数10KVという高電圧が印加されたイオン
源でBF3、PH3、AsH3等のガスをプラズマ状態にし
て複数種イオンを発生させ、このイオン源で発生した複
数種のイオンを質量分析によって分離し、この複数種の
イオンから所定のイオンを選択して取り出し、取り出さ
れたイオンをグランドに対して−50〜200KVとい
う高電圧を印加して加速し、加速されたイオンを半導体
ウエハ等の被処理体内に不純物として注入するように構
成されてものである。そして、このイオン注入装置は、
被処理体へのイオンの注入量を物理的に精確に制御でき
るため、半導体の高集積化、薄膜化に伴う半導体ウエハ
への不純物の導入装置として益々その重用性が高まって
いる。
【0003】また、稼動中のイオン注入装置の内部は常
に真空排気ポンプによって排気して上述のように高真空
に保持され、その排気ガスを真空排気ポンプに接続され
た排気管を介して外部へ排気するように構成されてい
る。更に、この真空排気ポンプは上述のように高電圧に
保持された高電圧部に収納されているため、この高電圧
部の真空排気ポンプから延設された排気管で高電圧部を
絶縁しているが、この絶縁には通常塩化ビニル樹脂等の
絶縁性部材によって形成された排気管が用いられてい
る。
【0004】ところが、イオン注入装置のイオン源等か
らの排気ガスにはオイル、ダスト等の浮遊物が含有され
ているため、これらの浮遊物が排気管の内面に徐々に付
着して排気管の内面が浮遊物によって汚れ、遂には排気
管の絶縁破壊に基づいた絶縁不良が引き起こされる。そ
のため、排気管の内面を定期的にクリーニングしてその
内面に付着した浮遊物を除去しているが、そのクリーニ
ングの間隔は稼動条件、ガスの種類等によって区々であ
るため、その間隔を経験的に決めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
絶縁性材料からなる排気管を用いたイオン注入装置で
は、排気管のクリーニング間隔を経験的に決めているた
め、その管理が面倒であると共に、稼動条件によっては
予定の間隔が変動し、間隔が予定よりも短くなったり、
長くなったりする。そして、間隔が短くなった場合に
は、排気管の内面の汚れに気付かずにそのまま稼動し続
けると排気管の絶縁破壊、更にはその焼損事故を招き、
また、逆に間隔が長くなった場合には、本来稼動を続行
できるにも拘らず稼動を無駄に停止させてスループット
を低下させるという課題があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、排気管の絶縁不良を適時に確実に検出して
クリーニング時期を報知するイオン注入装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン注入装置
は、真空排気ポンプで排気された高真空下で、イオン源
で発生したイオンを質量分析して所定のイオンを選択し
て取り出し、取り出されたイオンを加速する高電圧部を
備え、この高電圧部で加速されたイオンを被処理体内に
注入するイオン注入装置において、上記高電圧部に設置
された上記真空排気ポンプの排気管を、導電性部材から
なる第1排気管とこの第1排気管の途中に介在し且つ上
記高電圧部をグランドから絶縁する絶縁性部材からなる
第2排気管とから構成すると共に、上記第2排気管より
外方の第1排気管とグランド間に上記第2排気管のリー
ク電流を検出する電流計を接続し、この電流計によって
上記第2排気管の絶縁状態を検出するように構成された
ものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、真空排気ポンプで排気した高
真空下でイオン源に高電圧を印加してイオンを発生さ
せ、更にこのイオンを質量分析して所定のイオンを選別
した後、選別されたイオンを加速して被処理体の表面に
注入してその内部に不純物として導入する間、真空排気
ポンプからの排気ガス中に含有されている浮遊物が排気
管の内面に付着して第2排気管の内面が汚れると、この
浮遊物の付着によって第2排気管の絶縁性が徐々に低下
して絶縁破壊が引き起こされて第2排気管をリーク電流
が流れ、更にリーク電流が第1排気管を経由して電流計
を流れると、この電流計でそのリーク電流が検出されて
第2排気管の絶縁不良を知らせる。
【0009】
【実施例】以下、図1、図2に示す実施例に基づいて本
発明を説明する。
【0010】本実施例のイオン注入装置10は、図1、
図2に示すように、真空排気ポンプ11によって例えば
10-6Torr程度の高真空に排気された状態下でガス導入
ボックス12から定量的に導入されたBF3、PH3、A
sH3等のガスに数10KVという高電圧を印加し、この
ガスをプラズマ状態にして複数種イオンを発生させるイ
オン源13と、このイオン源13からイオンビームとし
て引き出された複数種のイオンをイオン電荷に応じて分
離する質量分析器14と、この質量分析器14で分離さ
れたイオンビームから所定のイオンのみを通過させる可
変スリット15と、この可変スリット15によって選別
されたイオンビームを所定の速度に加速する加速管16
と、この加速管16で加速されたイオンビームを収束す
るレンズ17と、このレンズ17によって収束されたイ
オンビームの軌道を定めるYスキャンプレート18及び
Xスキャンプレート19と、この両スキャンプレート1
8、19で軌道の定められたイオンビームをファラデー
20を経て被処理体である半導体ウエハWの表面に照射
してその内部にイオンを不純物として注入するように構
成されている。
【0011】そして、上記真空排気ポンプ11から加速
管16までの各構成機器は、図1に示すように、ターミ
ナルボックス21内に収納され、更にこのターミナルボ
ックス21はエンクロージャー22によって包囲されて
いる。つまり、上記各構成機器は、上記ターミナルボッ
クス21と上記エンクロージャー22からなる二重構造
の室内に収納され、上記ターミナルボックス21はグラ
ンドに対して碍子23によって絶縁されて例えば200
KVの高電圧部24として構成されている一方、上記エ
ンクロージャー22はグランドに接地された接地電位に
保持されている。また、このターミナルボックス21内
に収納された上記真空排気ポンプ11は、上記イオン源
13を高真空状態に排気する第1真空ポンプ11Aと、
この高真空ポンプ11Aに接続され、上記イオン源13
の内部を粗引きする第2真空ポンプ11Bとから構成さ
れている。
【0012】そして、上記高電圧部24に設置された第
2真空ポンプ11Bには、図1に示すように、排気ガス
を外部へ排気する排気管25が接続されている。この排
気管25は、ステンレス等の導電性部材からなる第1排
気管25Aと、この第1排気管25Aに介在する塩化ビ
ニル樹脂等の絶縁性材料からなる第2排気管25Bとを
有し、この第2排気管25Bによって高電圧部24とグ
ランド間を電気的に絶縁するように構成されている。即
ち、上記排気管25は、第2真空ポンプ11Bに接続さ
れた高電圧部24側の第1排気管25Aと、この第1排
気管25Aに接続され且つ上記ターミナルボックス21
及びエンクロージャー22の天面を貫通する第2排気管
25Bと、この第2排気管25Bに上記エンクロージャ
ー22天面の外側で接続された第1排気管25Aと、こ
の第1排気管25Aに接続された第2排気管25Bと、
この第2排気管25Bに接続された第1排気管25Aと
から構成されている。そして、最下流側の第1排気管2
5Aはそのまま延設されて排気ポンプ(図示せず)によ
って排気ガスを排出するように構成されている。
【0013】更に、上記第2排気管25B、25B間に
介在する第1排気管25Aと接地されたエンクロージャ
ー22との間には導線26A、26Bを介して電流計2
7が接続され、この電流計27によって高電位の第1排
気管25Aから第2排気管25Bを経てグランド側へリ
ークする電流を検出し、このリーク電流によって第2排
気管25Bの絶縁不良を検出するように構成されてい
る。また、2箇所の第2排気管25B、25Bのうち、
下流側の第2排気管25Bは、上流側の第2排気管25
Bからのリーク電流を第1排気管25Aに封じ込め、こ
のリーク電流を確実に上記電流計27へ導く役割を果た
すように構成されている。そして、この電流計27は、
そのメータ27Aが設定値、例えば100μAを超えた
時に制御装置28を介して警報を発し、排気管25に絶
縁不良が生じた旨を作業員に報知すると共に、装置への
高電圧の印加を停止してその稼動を自動的に中断するよ
うに構成されている。また、上記設定値は、系内に導入
されるガスの種類によって0〜200μAの範囲で適宜
変更できるように構成されている。尚、図2において、
29はロードロック室、30はターンテーブル、31は
半導体ウエハWを収納したカセットである。
【0014】次に、動作について説明する。イオン注入
装置10を稼動している間に、真空排気ポンプ11から
の排気ガスが排気管25内を流れ外部へ排気される際
に、この排気ガス中のオイル、ダスト等の浮遊物が第2
排気管25Bの内面に付着して蓄積されると、蓄積され
た浮遊物によって上流側の第2排気管25Bの絶縁性が
徐々に低下し、この付着した浮遊物によってこの第2排
気管25Bの絶縁不良が引き起こされると、高電圧部2
4と接地間の高い電位差によって第2排気管25Bの絶
縁破壊が生じて第2排気管25Bをリーク電流が流れ、
このリーク電流が第1排気管25Aを経由して確実に電
流計27へ流れ、更に浮遊物が第2排気管25Bに蓄積
されてリーク電流が電流計27の設定値である100μ
Aに達する。この時、電流計27から電気信号が制御装
置28へ送信され、この制御装置28を介して自動的に
警報を発すると共に装置の稼動を自動的に停止して作業
員に排気管25の汚れが限界に達したこと、即ち排気管
25がクリーニング時期に達したことを知らせ、排気管
25のリーク電流による焼損が自動的に防止されると共
に、作業員は排気管25をクリーニングしたり、必要に
応じて第2排気管25Bを交換したりすることができ
る。
【0015】以上説明したように本実施例によれば、排
気管25を導電性部材からなる第1排気管25Aと、こ
の第1排気管25Aに介装された第2排気管25Bとで
構成すると共に、第2排気管25Bのリーク電流を検出
する電流計27を設けたことにより、排気管25内面の
汚れをクリーニングすべき時期を自動的に知ることがで
き、第2排気管25Bの焼損を招く虞がない。また、排
気管25のクリーニング間隔を作業員の単なる経験に頼
ることなく、その間隔を精確に知ることができる。ま
た、上流側の第2排気管25Bからのリーク電流は、下
流側の第2排気管25Bによって全て電流計27へ流れ
込むため、電流計27によるリーク電流の検出を確実に
行なうことができる。
【0016】尚、上記実施例では第2排気管25Bを2
箇所に設け、下流側の第2排気管25Bでリーク電流を
これら両者間25B、25B間に介在する第1排気管2
5Aに封じ込めるようにしたものについて説明したが、
下流側の第2排気管25Bは設けなくても、電流計27
の感度を高めることによって実質的に同様の機能を確保
することができる。従って、本発明は、上記実施例に何
等制限されるものでなく、真空排気ポンプの排気管を、
導電性部材からなる第1排気管とこの第1排気管の途中
に介在し且つ上記高電圧部24をグランドから絶縁する
絶縁性部材からなる第2排気管とから構成し、第2排気
管より外方の第1排気管とグランド間に電流計を接続
し、この電流計をを流れる電流から第2排気管の絶縁状
態を検出するように構成したものであれば、全て本発明
の包含される。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、排
気管の絶縁不良を適時に確実に検出してクリーニング時
期を報知するイオン注入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン注入装置の一実施例の一部を破
断して示す全体の斜視図である。
【図2】図1に示すイオン注入装置の全体を示す構成図
である。
【符号の説明】
10 イオン注入装置 11 真空排気ポンプ 12 ガス導入ボックス 13 イオン源 14 質量分析器 24 高電圧部 25 排気管 25A 第1排気管 25B 第2排気管 27 電流計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空排気ポンプで排気された高真空下
    で、イオン源で発生したイオンを質量分析して所定のイ
    オンを選択して取り出し、取り出されたイオンを加速す
    る高電圧部を備え、この高電圧部で加速されたイオンを
    被処理体内に注入するイオン注入装置において、上記高
    電圧部に設置された上記真空排気ポンプの排気管を、導
    電性部材からなる第1排気管とこの第1排気管の途中に
    介在し且つ上記高電圧部をグランドから絶縁する絶縁性
    部材からなる第2排気管とから構成すると共に、上記第
    2排気管より外方の第1排気管とグランド間に上記第2
    排気管25Bのリーク電流を検出する電流計を接続し、
    この電流計によって上記第2排気管の絶縁状態を検出す
    るように構成したことを特徴とするイオン注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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