JPH0652489B2 - 微細位置決め装置の変位制御装置 - Google Patents
微細位置決め装置の変位制御装置Info
- Publication number
- JPH0652489B2 JPH0652489B2 JP26243786A JP26243786A JPH0652489B2 JP H0652489 B2 JPH0652489 B2 JP H0652489B2 JP 26243786 A JP26243786 A JP 26243786A JP 26243786 A JP26243786 A JP 26243786A JP H0652489 B2 JPH0652489 B2 JP H0652489B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- displacement
- fine
- unit
- fine movement
- positioning device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Control Of Position Or Direction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体製造装置、電子顕微鏡等の微細な変位
調節を必要とする装置に使用される微細位置決め装置に
おいて、当該変位調節をサブミクロンオーダーで行う微
細位置決め装置の変位制御装置に関する。
調節を必要とする装置に使用される微細位置決め装置に
おいて、当該変位調節をサブミクロンオーダーで行う微
細位置決め装置の変位制御装置に関する。
近年、各種技術分野においては、サブミクロンのオーダ
ーの微細な変位調節が可能である装置が要望されてい
る。その典型的な例がLSI(大規模集積回路)、超L
SIの製造工程において使用されるマスクアナライナ、
電子線描画装置等の半導体製造装置である。これらの装
置においては、サブミクロンオーダーの微細な位置決め
が必要であり、位置決めの精度が向上するにしたがつて
その高集積度で高性能の製品を製造することができるよ
うになる。このような微細な位置決めは上記半導体装置
に限らず、電子顕微鏡をはじめとする各種の高倍率光学
装置等においても必要であり、その精度向上により、バ
イオテクノロジ、宇宙開発等の先端技術においてそれら
の発展に大きく寄与するものである。以下、このような
微細位置決めを行う微動ユニツトおよびそれら複数用い
て構成される微細位置決め装置を図により説明する。
ーの微細な変位調節が可能である装置が要望されてい
る。その典型的な例がLSI(大規模集積回路)、超L
SIの製造工程において使用されるマスクアナライナ、
電子線描画装置等の半導体製造装置である。これらの装
置においては、サブミクロンオーダーの微細な位置決め
が必要であり、位置決めの精度が向上するにしたがつて
その高集積度で高性能の製品を製造することができるよ
うになる。このような微細な位置決めは上記半導体装置
に限らず、電子顕微鏡をはじめとする各種の高倍率光学
装置等においても必要であり、その精度向上により、バ
イオテクノロジ、宇宙開発等の先端技術においてそれら
の発展に大きく寄与するものである。以下、このような
微細位置決めを行う微動ユニツトおよびそれら複数用い
て構成される微細位置決め装置を図により説明する。
第4図(a),(b)は平行たわみ梁を用いた微動ユニ
ツト9の側面図である。図で、1a,1b,1cは剛体
部、4a1,4a2は互いに平行に配置され、剛体部1
c,1a間を連結する平行たわみ梁である。平行たわみ
梁4a1,4a2は剛体部にあけた貫通孔2aにより形
成される。4b1,4b2は互いに平行に配置された剛
体部1c,1b間を連結する平行たわみ梁であり、剛体
部にあけられた貫通孔2bにより形成される。6a,6
bは圧電アクチユエータであり、それぞれ貫通孔2a,
2b内に突出した剛体部からの突出部間に装着されてい
る。7はたわみ梁4a1,4b1と剛体部1a,1b,
1cとの連結部近辺の所定個所に貼着されたひずみゲー
ジである。剛体部1cの中心から左方の構成により平行
たわみ梁変位機構9aが、又、右方の構成により平行た
わみ梁変位機構9bが構成される。また2つの平行たわ
み梁変位機構9a,9bにより並進微動ユニツト9が構
成される。
ツト9の側面図である。図で、1a,1b,1cは剛体
部、4a1,4a2は互いに平行に配置され、剛体部1
c,1a間を連結する平行たわみ梁である。平行たわみ
梁4a1,4a2は剛体部にあけた貫通孔2aにより形
成される。4b1,4b2は互いに平行に配置された剛
体部1c,1b間を連結する平行たわみ梁であり、剛体
部にあけられた貫通孔2bにより形成される。6a,6
bは圧電アクチユエータであり、それぞれ貫通孔2a,
2b内に突出した剛体部からの突出部間に装着されてい
る。7はたわみ梁4a1,4b1と剛体部1a,1b,
1cとの連結部近辺の所定個所に貼着されたひずみゲー
ジである。剛体部1cの中心から左方の構成により平行
たわみ梁変位機構9aが、又、右方の構成により平行た
わみ梁変位機構9bが構成される。また2つの平行たわ
み梁変位機構9a,9bにより並進微動ユニツト9が構
成される。
ここで、座標軸を図示のように定める(y軸は紙面に垂
直な方向)。今、圧電アチユエータ6a,6bに同時に
電圧を印加して同一大きさのZ軸方向の力fを発生させ
ると平行たわみ梁4a1,4a2,4b1,4b2には
第4図(b)に示すように曲げ変形が生じ、剛体部1c
はz軸方向に微少距離εだけ変位する。したがつて、例
えば剛体部1cの上面に物体を裁置すればこの物体には
微細変位εが与えられる。以下、このような直線的変位
を並進変位と称する。なお、第4図(b)に示す変形は
理解を容易にするため極端に跨張されて描されている。
上記のように各平行たわみ梁に変形が生じると各ひずみ
ゲージ7には当該変形に応じてひずみが生じその抵抗値
が変化する。この抵抗値の変化をホイートストンブリツ
ジ回路により電気信号として取出せば、この電気信号は
微細変位εに比例する信号となり、微細変位の検出が可
能となる。なお、ひずみゲージ以外の変位検出器、たと
えば電気容量形,渦電流形などの変位検出器を剛体部1
a,1bと1cの間に設け、それらの相対変位εを検出
することも可能でありこれらの変位検出器をも歪ゲージ
のかわりに用いることは可能である。
直な方向)。今、圧電アチユエータ6a,6bに同時に
電圧を印加して同一大きさのZ軸方向の力fを発生させ
ると平行たわみ梁4a1,4a2,4b1,4b2には
第4図(b)に示すように曲げ変形が生じ、剛体部1c
はz軸方向に微少距離εだけ変位する。したがつて、例
えば剛体部1cの上面に物体を裁置すればこの物体には
微細変位εが与えられる。以下、このような直線的変位
を並進変位と称する。なお、第4図(b)に示す変形は
理解を容易にするため極端に跨張されて描されている。
上記のように各平行たわみ梁に変形が生じると各ひずみ
ゲージ7には当該変形に応じてひずみが生じその抵抗値
が変化する。この抵抗値の変化をホイートストンブリツ
ジ回路により電気信号として取出せば、この電気信号は
微細変位εに比例する信号となり、微細変位の検出が可
能となる。なお、ひずみゲージ以外の変位検出器、たと
えば電気容量形,渦電流形などの変位検出器を剛体部1
a,1bと1cの間に設け、それらの相対変位εを検出
することも可能でありこれらの変位検出器をも歪ゲージ
のかわりに用いることは可能である。
第5図(a),(b)は放射たわみ梁を用いた微動ユニ
ツト19の側面図である。図で、11a,11b,11
cは剛体部、14a1,14a2,14b1,14b2
は放射たわみ梁である。各放射たわみ梁14a1,14
a2,14b1,14b2は剛体部11cの中心Oを通
る一点鎖線L1,L2に沿って放射状に配置され、それ
ぞれ隣接する剛体部間を連結している。放射たわみ梁14
a1,14a2は貫通孔12aをあけることにより形成さ
れ、又、放射たわみ梁14b1,14b2は貫通孔12
bをあけることにより形成される。16a,16bは圧
電アクチユエータであり、それぞれ貫通孔12a,12
bに剛体部から突出した突出部間に装着されている。1
7は第4図(a),(b)に示すものと同様のひずみゲ
ージである。点Oの左側の構成により放射たわみ梁変位
機構19aが、又、右側の構成により放射たわみ梁変位
機構19bが構成される。また2つの放射たわみ梁変機
構19a,19bにより回転微動ユニツト19が構成さ
れる。
ツト19の側面図である。図で、11a,11b,11
cは剛体部、14a1,14a2,14b1,14b2
は放射たわみ梁である。各放射たわみ梁14a1,14
a2,14b1,14b2は剛体部11cの中心Oを通
る一点鎖線L1,L2に沿って放射状に配置され、それ
ぞれ隣接する剛体部間を連結している。放射たわみ梁14
a1,14a2は貫通孔12aをあけることにより形成さ
れ、又、放射たわみ梁14b1,14b2は貫通孔12
bをあけることにより形成される。16a,16bは圧
電アクチユエータであり、それぞれ貫通孔12a,12
bに剛体部から突出した突出部間に装着されている。1
7は第4図(a),(b)に示すものと同様のひずみゲ
ージである。点Oの左側の構成により放射たわみ梁変位
機構19aが、又、右側の構成により放射たわみ梁変位
機構19bが構成される。また2つの放射たわみ梁変機
構19a,19bにより回転微動ユニツト19が構成さ
れる。
今、圧電アクチユエータ16a,16bに同時に所定の
電圧を印加して同一の大きさの、点Oを中心とする円に
対する接線方向の力fを発生させると放射たわみ梁14
a1,14a2,14b1,14b2には第5図(b)
に示すように曲げ変形が生じ、点Oを通り剛体部11c
上に放射状に配置されていた直線L1,L2は直線
L1′,L2′に移動する。即ち、剛体部11cは点O
を通り紙面に垂直な軸のまわりに両直線の移動に相当す
る微小角度δだけ変位する。したがつて、例えば剛体部
11cの上面に物体を裁置すればこの物体には微細な角
度変位が与えられる。以下、このような変位を回転変位
と称する。第5図(b)においても、その変形は極端に
跨張して描かれている。又、さきの並進変位の場合と同
様、回転変位δはひずみゲージ17により検出すること
ができる。なお、ここにおいても第4図におけると同様
にひずみゲージ以外の種々の変位検出器を用いて剛体部
相互の相対変位を検出可能なことは明らかである。
電圧を印加して同一の大きさの、点Oを中心とする円に
対する接線方向の力fを発生させると放射たわみ梁14
a1,14a2,14b1,14b2には第5図(b)
に示すように曲げ変形が生じ、点Oを通り剛体部11c
上に放射状に配置されていた直線L1,L2は直線
L1′,L2′に移動する。即ち、剛体部11cは点O
を通り紙面に垂直な軸のまわりに両直線の移動に相当す
る微小角度δだけ変位する。したがつて、例えば剛体部
11cの上面に物体を裁置すればこの物体には微細な角
度変位が与えられる。以下、このような変位を回転変位
と称する。第5図(b)においても、その変形は極端に
跨張して描かれている。又、さきの並進変位の場合と同
様、回転変位δはひずみゲージ17により検出すること
ができる。なお、ここにおいても第4図におけると同様
にひずみゲージ以外の種々の変位検出器を用いて剛体部
相互の相対変位を検出可能なことは明らかである。
以上説明した各微動ユニツト9,19においては、各々
2つの平行たわみ梁変位機構および放射たわみ梁変位機
構が対称的に結合構成されているが、これらの機構が単
体であつても微細変位を発生させることができるのは明
らかであり、それら単体変位機構をも微動ユニツトとし
て用いることができる。以上述べた平行たわみ梁変位機
構,放射たわみ梁変位機構を用いた微動ユニツト9,1
9の特徴はそれぞれ主変位である並進変位ε,回転変位
δ方向のみの変位を生じ、他の方向の変位成分が非常に
小さいという点である。さらにその主変位方向以外の剛
性が高いので、負荷や他のアクチユエータによつて外力
を加えられてもそれらによつて影響を受けることが非常
に少なく、変位が他から影響を受けることが少ない。こ
のことは先に述べたひずみゲージなどによる変位検出に
とつて非常に有利な特徴である。
2つの平行たわみ梁変位機構および放射たわみ梁変位機
構が対称的に結合構成されているが、これらの機構が単
体であつても微細変位を発生させることができるのは明
らかであり、それら単体変位機構をも微動ユニツトとし
て用いることができる。以上述べた平行たわみ梁変位機
構,放射たわみ梁変位機構を用いた微動ユニツト9,1
9の特徴はそれぞれ主変位である並進変位ε,回転変位
δ方向のみの変位を生じ、他の方向の変位成分が非常に
小さいという点である。さらにその主変位方向以外の剛
性が高いので、負荷や他のアクチユエータによつて外力
を加えられてもそれらによつて影響を受けることが非常
に少なく、変位が他から影響を受けることが少ない。こ
のことは先に述べたひずみゲージなどによる変位検出に
とつて非常に有利な特徴である。
次に、平行たわみ梁変位機構および放射たわみ梁変位機
構で構成された微動ユニツトを選択的に組合わせること
により、x,y,z軸方向成分の並進変位、およびx,
y,z軸まわりの回転変位を発生させることができる現
在検討中の微細位置決め装置について図により説明す
る。
構で構成された微動ユニツトを選択的に組合わせること
により、x,y,z軸方向成分の並進変位、およびx,
y,z軸まわりの回転変位を発生させることができる現
在検討中の微細位置決め装置について図により説明す
る。
第6図は6軸の微細位置決め装置の分解斜視図である。
図で、x,y,zは互いに直交する座標軸を示す。25
は剛性の高い部材より成る中心剛体部、26aは中心剛
体部25からy軸方向に張出した張出し部、26bは中
心剛体部25から張出し部26aと反対向きに張出した
張出し部、27aは中心剛体部25からx軸方向に張出
した張出し部、27bは中心剛体部25から張出し部2
7aと反対向きに張出した張出し部である。28a,2
8bはそれぞれ張出し部26a,26bの端部下部に設
けられた固定部、29a,29bはそれぞれ張出し部2
7a,27bの端部上端に設けられた連結部である。張
出し部26a,26b,27a,27b、固定部28
a,28bおよび連結部29a,29bはそれぞれ中心
剛体部25と同じ材質で構成され、中心剛体部25とと
もに1つのブロツクから加工成形されることが望まし
い。
図で、x,y,zは互いに直交する座標軸を示す。25
は剛性の高い部材より成る中心剛体部、26aは中心剛
体部25からy軸方向に張出した張出し部、26bは中
心剛体部25から張出し部26aと反対向きに張出した
張出し部、27aは中心剛体部25からx軸方向に張出
した張出し部、27bは中心剛体部25から張出し部2
7aと反対向きに張出した張出し部である。28a,2
8bはそれぞれ張出し部26a,26bの端部下部に設
けられた固定部、29a,29bはそれぞれ張出し部2
7a,27bの端部上端に設けられた連結部である。張
出し部26a,26b,27a,27b、固定部28
a,28bおよび連結部29a,29bはそれぞれ中心
剛体部25と同じ材質で構成され、中心剛体部25とと
もに1つのブロツクから加工成形されることが望まし
い。
26Mza,26Mzbはそれぞれ張出し部26a,26b
に構成された放射たわみ梁変位機構であり、互いに中心
剛体部25の中心点Oに対して対称的に構成されてい
る。放射たわみ梁変位機構26Mza,26Mzbは共働し
てz軸まわりに回転変位を発生する回転微動ユニツト2
6Mz(記号図示せず)を構成する。26Fxa,26F
xbはそれぞれ張出し部26a,26bにおける放射たわ
み梁変位機構26Mza,26Mzbの外方に構成された平
行たわみ梁変位機構であり、互いに中心剛体部25を通
るx軸に対して対称的に構成されている。平行たわみ梁
変位機構26Fxa,26Fxbは共働してx軸方向の並進
変位を発生する、並進微動ユニツト26Fx(記号図示
せず)を構成する。
に構成された放射たわみ梁変位機構であり、互いに中心
剛体部25の中心点Oに対して対称的に構成されてい
る。放射たわみ梁変位機構26Mza,26Mzbは共働し
てz軸まわりに回転変位を発生する回転微動ユニツト2
6Mz(記号図示せず)を構成する。26Fxa,26F
xbはそれぞれ張出し部26a,26bにおける放射たわ
み梁変位機構26Mza,26Mzbの外方に構成された平
行たわみ梁変位機構であり、互いに中心剛体部25を通
るx軸に対して対称的に構成されている。平行たわみ梁
変位機構26Fxa,26Fxbは共働してx軸方向の並進
変位を発生する、並進微動ユニツト26Fx(記号図示
せず)を構成する。
27Fya,27Fybはそれぞれ張出し部27a,27b
に構成された平行たわみ梁変位機構であり、互いに中心
剛体部25を通るy軸に対して対称的に構成されてい
る。平行たわみ梁変位機構27Fya,27Fybは共働して
y軸方向の並進変位を発生する並進微動ユニツト27F
x(記号図示せず)を構成する。27F2a,27F2bは
それぞれ張出し部27a,27bにおける平行たわみ梁
変位機構27Fya,27Fybの外方に構成された平行た
わみ梁変位機構であり、互いに中心剛体部25の中心点
Oを通るz軸に対して対称的に構成されている。平行た
わみ梁変位機構27F2a,27F2bは共働してz軸方向
の並進変位を発生する並進ユニツト27Fz(記号図示
せず)を構成する。平行たわみ梁変位機構27F2a,2
7F2bの上端部は前述の他の部分に対して高くなるよう
に形成されている。上記放射たわみ梁変位機構26
M2a,26M2b、平行たわみ梁変位機構26Fxa,26
Fxb,27Fya,27Fyb,27F2a,27F2bは各張
出し部26a,26b,27a,27bの所定個所に所
定の貫通孔を形成することにより構成される。
に構成された平行たわみ梁変位機構であり、互いに中心
剛体部25を通るy軸に対して対称的に構成されてい
る。平行たわみ梁変位機構27Fya,27Fybは共働して
y軸方向の並進変位を発生する並進微動ユニツト27F
x(記号図示せず)を構成する。27F2a,27F2bは
それぞれ張出し部27a,27bにおける平行たわみ梁
変位機構27Fya,27Fybの外方に構成された平行た
わみ梁変位機構であり、互いに中心剛体部25の中心点
Oを通るz軸に対して対称的に構成されている。平行た
わみ梁変位機構27F2a,27F2bは共働してz軸方向
の並進変位を発生する並進ユニツト27Fz(記号図示
せず)を構成する。平行たわみ梁変位機構27F2a,2
7F2bの上端部は前述の他の部分に対して高くなるよう
に形成されている。上記放射たわみ梁変位機構26
M2a,26M2b、平行たわみ梁変位機構26Fxa,26
Fxb,27Fya,27Fyb,27F2a,27F2bは各張
出し部26a,26b,27a,27bの所定個所に所
定の貫通孔を形成することにより構成される。
31は剛体部材で作られた支持板である。32Mya,3
2Mybは支持板31上に対称的に配置された単体の放射
たわみ梁変位機構である。各単体の放射たわみ梁変位機
構32Mya,32Mybはy軸方向に延びる共通の1つの
軸のまわりに回転変位を発生せしめるように配置されて
おり、それらが供働してy軸まわりの回転変位を発生す
る回転微動ユニツト32My(記号図示せず)を構成す
る。32Mxa,32Mxbは支持板31上に対称的に配置
された単体の放射たわみ梁変位機構であり、それぞれx
軸方向に延びる共通の1つの軸のまわりに回転変位を発
生せしめるように配置されており、それらが供働してx
軸まわりの回転変位を発生する回転微動ユニツト32M
x(記号図示せず)を構成する。
2Mybは支持板31上に対称的に配置された単体の放射
たわみ梁変位機構である。各単体の放射たわみ梁変位機
構32Mya,32Mybはy軸方向に延びる共通の1つの
軸のまわりに回転変位を発生せしめるように配置されて
おり、それらが供働してy軸まわりの回転変位を発生す
る回転微動ユニツト32My(記号図示せず)を構成す
る。32Mxa,32Mxbは支持板31上に対称的に配置
された単体の放射たわみ梁変位機構であり、それぞれx
軸方向に延びる共通の1つの軸のまわりに回転変位を発
生せしめるように配置されており、それらが供働してx
軸まわりの回転変位を発生する回転微動ユニツト32M
x(記号図示せず)を構成する。
33a,33bはそれぞれ放射たわみ梁変位機構32M
ya,32Mybを構成する一方の剛体部(他方の剛体部は
支持板31)、34a(記号図示せず),34bはそれ
ぞれ放射たわみ梁変位機構32Mxa,32Mxbを構成す
る一方の剛体部(同じく他方の剛体部は支持板31)で
ある。35a,35bはそれぞれ剛体部34a,34b
に固定されたL字形の連結部、36は剛体部33a,3
3bに固定された微動テーブルである。この微動テーブ
ル36上には微細位置決めされる対象物体が載置固定さ
れる。
ya,32Mybを構成する一方の剛体部(他方の剛体部は
支持板31)、34a(記号図示せず),34bはそれ
ぞれ放射たわみ梁変位機構32Mxa,32Mxbを構成す
る一方の剛体部(同じく他方の剛体部は支持板31)で
ある。35a,35bはそれぞれ剛体部34a,34b
に固定されたL字形の連結部、36は剛体部33a,3
3bに固定された微動テーブルである。この微動テーブ
ル36上には微細位置決めされる対象物体が載置固定さ
れる。
この微細位置決め装置は、微動テーブル36に任意の微
細並進変位および微細回転変位を発生させることができ
る。このような各変位を発生させる動作は、第4図
(a),(b)および第5図(a),(b)に示す各微
動ユニツトの動作の説明から明らかであるので、その説
明は省略する。
細並進変位および微細回転変位を発生させることができ
る。このような各変位を発生させる動作は、第4図
(a),(b)および第5図(a),(b)に示す各微
動ユニツトの動作の説明から明らかであるので、その説
明は省略する。
上記第6図に示す微細位置決め装置における、対称形又
は単体の各平行たわみ梁変位機構および各放射たわみ梁
変位機構で構成された微動ユニツトは、それらが駆動さ
れたとき所定方向の並進又は回転変位のみが生じ、それ
以外の方向の変位(干渉変位)はほとんど生じないとい
う特徴を有する。したがつて、このような微動ユニツト
を組合せて構成された上記微細位置決め装置は精度の高
い位置決めを行うことができる。さらに、図6からわか
るように、各微動ユニツトはお互みに主変位方向が直交
する形に構成されており、前述のように平行たわみ梁変
位機構,放射たわみ梁変位機構を用いた微動ユニツト
9,19は、その主変位方向以外の剛性が高く、外力の
影響を受けにくいので、ひずみゲージなどの変位検出器
を設けて微動ユニツト自体の変位を測定することが可能
となる。このことは従来の構成では不可能であつた。
は単体の各平行たわみ梁変位機構および各放射たわみ梁
変位機構で構成された微動ユニツトは、それらが駆動さ
れたとき所定方向の並進又は回転変位のみが生じ、それ
以外の方向の変位(干渉変位)はほとんど生じないとい
う特徴を有する。したがつて、このような微動ユニツト
を組合せて構成された上記微細位置決め装置は精度の高
い位置決めを行うことができる。さらに、図6からわか
るように、各微動ユニツトはお互みに主変位方向が直交
する形に構成されており、前述のように平行たわみ梁変
位機構,放射たわみ梁変位機構を用いた微動ユニツト
9,19は、その主変位方向以外の剛性が高く、外力の
影響を受けにくいので、ひずみゲージなどの変位検出器
を設けて微動ユニツト自体の変位を測定することが可能
となる。このことは従来の構成では不可能であつた。
第6図に示す微細位置決め装置は、平行たわみ梁変位機
構および放射たわみ梁変位機構で構成された微動ユニツ
トを組合せて構成されていることにより大きな干渉変位
を発生することはなく他の従来のものに比べて著るしく
高い精度の位置決めを行うことができる。しかしなが
ら、サブミクロンオーダーの位置決めにおいては、極く
僅かな干渉変位でも問題となる。そして、仮に各微動ユ
ニツトが干渉変位をもたない理想的な特性を有していた
としても、各微動ユニツト相互の取付部分の加工精度や
組立精度には限界があるため、サブミクロンオーダーの
高精度の変位を得るのは困難である。これを図により説
明する。
構および放射たわみ梁変位機構で構成された微動ユニツ
トを組合せて構成されていることにより大きな干渉変位
を発生することはなく他の従来のものに比べて著るしく
高い精度の位置決めを行うことができる。しかしなが
ら、サブミクロンオーダーの位置決めにおいては、極く
僅かな干渉変位でも問題となる。そして、仮に各微動ユ
ニツトが干渉変位をもたない理想的な特性を有していた
としても、各微動ユニツト相互の取付部分の加工精度や
組立精度には限界があるため、サブミクロンオーダーの
高精度の変位を得るのは困難である。これを図により説
明する。
第7図は第6図に示す微細位置決め装置の特性を説明す
るブロツク図である。図で、V1〜V6は各微動ユニツ
トに与えられる駆動電圧、U1〜U6は各駆動電圧V1
〜V6によつて各微動ユニツトに生じる変位(微動ユニ
ツト変位)を示す。x,y,z,θx,θy,θzは第
6図に示す微細位置決め装置の微動テーブル36上に定
められたある個所(以下、この個所を基準点と称す
る。)の変位成分を示す。この変位および変位成分を基
準点変位および基準点変位成分と称する。B1〜B6は
それぞれ各駆動電圧V1〜V6と各微動ユニツト変位U
1〜U6間のゲイン特性、Cは各微動ユニツト変位U1
〜U6と基準点変位成分x,y,………θzとの関係を
表わす変位干渉特性を示す。
るブロツク図である。図で、V1〜V6は各微動ユニツ
トに与えられる駆動電圧、U1〜U6は各駆動電圧V1
〜V6によつて各微動ユニツトに生じる変位(微動ユニ
ツト変位)を示す。x,y,z,θx,θy,θzは第
6図に示す微細位置決め装置の微動テーブル36上に定
められたある個所(以下、この個所を基準点と称す
る。)の変位成分を示す。この変位および変位成分を基
準点変位および基準点変位成分と称する。B1〜B6は
それぞれ各駆動電圧V1〜V6と各微動ユニツト変位U
1〜U6間のゲイン特性、Cは各微動ユニツト変位U1
〜U6と基準点変位成分x,y,………θzとの関係を
表わす変位干渉特性を示す。
今、例えば基準点をX軸方向に並進変位させるべく、所
定の微動ユニツト(第6図に示す場合、平行たわみ梁変
位機構26Fxa,26Fxbにより構成される26Fx)
に電圧V1を加えると、当該微動ユニツトは微動ユニツ
ト変位U1を発生する。なお、この場合駆動電圧V2〜
V6、および微動ユニツト変位U2〜U6は0である。
当該微動ユニツトに変位U1が発生すると、理想的には
基準点に変位成分xが生じ、他の基準点変位成分y〜θ
zは0となる。しかしながら、さきに述べたように加工
精度や組立精度に限界があるため、僅かではあるが他の
基準点変位成分は0とはならず、それらのすべて又は一
部にある数値が生じるのを避けることはできない。即
ち、x軸方向の並進変位成分以外の変位成分が現れる。
定の微動ユニツト(第6図に示す場合、平行たわみ梁変
位機構26Fxa,26Fxbにより構成される26Fx)
に電圧V1を加えると、当該微動ユニツトは微動ユニツ
ト変位U1を発生する。なお、この場合駆動電圧V2〜
V6、および微動ユニツト変位U2〜U6は0である。
当該微動ユニツトに変位U1が発生すると、理想的には
基準点に変位成分xが生じ、他の基準点変位成分y〜θ
zは0となる。しかしながら、さきに述べたように加工
精度や組立精度に限界があるため、僅かではあるが他の
基準点変位成分は0とはならず、それらのすべて又は一
部にある数値が生じるのを避けることはできない。即
ち、x軸方向の並進変位成分以外の変位成分が現れる。
したがつて、サブミクロンオーダーの高い位置決め精度
が要求される場合、上記微細位置決め装置は加工精度や
組立精度を極限的な精度で実現しない限り、そのままで
使用することはできないことになる。そして、このよう
な極限的な精度を得ることはほとんど不可能に近く、仮
に実現できたとしても微細位置決め装置が極めて高価な
ものとなる。この問題点は、上記構成の微細位置決め装
置に限ることはなく、複数の微動ユニツトより成る微細
位置決め装置のすべてが有する問題点である。
が要求される場合、上記微細位置決め装置は加工精度や
組立精度を極限的な精度で実現しない限り、そのままで
使用することはできないことになる。そして、このよう
な極限的な精度を得ることはほとんど不可能に近く、仮
に実現できたとしても微細位置決め装置が極めて高価な
ものとなる。この問題点は、上記構成の微細位置決め装
置に限ることはなく、複数の微動ユニツトより成る微細
位置決め装置のすべてが有する問題点である。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、通常の加工精
度や組立精度で製作した微細位置決め装置であつても、
極めて高精度の位置決めを行うことができる微細位置決
め装置の変位制御装置を提供するにある。
度や組立精度で製作した微細位置決め装置であつても、
極めて高精度の位置決めを行うことができる微細位置決
め装置の変位制御装置を提供するにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、2つの剛体間に
対向配置された板状たわみ梁および前記各剛体間に力を
作用させるアクチユエータを備え、このアクチユエータ
の駆動電圧に応じた相対変位を前記各剛体部の間に発生
させる微動ユニツトを複数組み合わせて構成した微細位
置決め装置において、前記微細位置決め装置の所定点の
目標変位を出力する目標変位設定部と、前記微動ユニツ
トの変位と前記所定点の変位との関係を表わす特性行列
の逆特性を有し前記目標変位に基づき前記逆特性にした
がつて前記各微動ユニツトに対する駆動電圧を演算する
特性補償演算部とを設けたことを特徴とする。
対向配置された板状たわみ梁および前記各剛体間に力を
作用させるアクチユエータを備え、このアクチユエータ
の駆動電圧に応じた相対変位を前記各剛体部の間に発生
させる微動ユニツトを複数組み合わせて構成した微細位
置決め装置において、前記微細位置決め装置の所定点の
目標変位を出力する目標変位設定部と、前記微動ユニツ
トの変位と前記所定点の変位との関係を表わす特性行列
の逆特性を有し前記目標変位に基づき前記逆特性にした
がつて前記各微動ユニツトに対する駆動電圧を演算する
特性補償演算部とを設けたことを特徴とする。
目標変位設定部に所望の値の変位を設定すると、この値
は、各微動ユニツトに与える駆動電圧と微細位置決め装
置の所定点の変位との関係を表わす特性行列の逆特性を
もつ特性補償演算部に入力され、当該特性行列の逆特性
にしたがつた演算が実行され、この演算の結果、特性補
償演算部からは前記所定点に所望の変位を与えることが
できる駆動電圧が出力される。
は、各微動ユニツトに与える駆動電圧と微細位置決め装
置の所定点の変位との関係を表わす特性行列の逆特性を
もつ特性補償演算部に入力され、当該特性行列の逆特性
にしたがつた演算が実行され、この演算の結果、特性補
償演算部からは前記所定点に所望の変位を与えることが
できる駆動電圧が出力される。
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1の実施例に係る微細位置決め装置
の変位制御装置のブロツク図である。図で、40は複数
の微動ユニツトで構成された第6図に示されるような微
細位置決め装置である。41は目標変位設定部であり、
微細位置決め装置40の基準点の目標値が設定される。
42は特性補償演算部であり、目標変位設定部41から
の目標変位を入力し、この目標変位に基づいて所定の演
算を行い、微細位置決め装置40の基準点に所望の変位
を発生させるための各微動ユニツトの駆動電圧を出力す
る。
の変位制御装置のブロツク図である。図で、40は複数
の微動ユニツトで構成された第6図に示されるような微
細位置決め装置である。41は目標変位設定部であり、
微細位置決め装置40の基準点の目標値が設定される。
42は特性補償演算部であり、目標変位設定部41から
の目標変位を入力し、この目標変位に基づいて所定の演
算を行い、微細位置決め装置40の基準点に所望の変位
を発生させるための各微動ユニツトの駆動電圧を出力す
る。
次に、特性補償演算部42の演算について説明する。
今、例えば基準点に変位成分x(他の変位成分y〜θz
は0)を得る場合を考えると、第7図に示す特性におい
て、1つの微動ユニツトに駆動電圧V1を与えて微動ユ
ニツト変位U1を発生させても、前述のように、所望の
基準点変位(x,0,0,……,0)は得られない。そ
して、そのような所望の基準点変位を得るには、他の微
動ユニツトに対して、本来0であるべき基準点変位成分
y〜θxに僅かではあるが発生している変位成分を打消
す変位を発生させる必要がある。特性補償演算部42
は、目標変位設定部41目標変位(x,0,……,0)
が入力されたとき、どの微動ユニツトに対してどれだけ
の電圧を印加して微動ユニツト変位を発生させてやれば
よいかを演算するものである。
今、例えば基準点に変位成分x(他の変位成分y〜θz
は0)を得る場合を考えると、第7図に示す特性におい
て、1つの微動ユニツトに駆動電圧V1を与えて微動ユ
ニツト変位U1を発生させても、前述のように、所望の
基準点変位(x,0,0,……,0)は得られない。そ
して、そのような所望の基準点変位を得るには、他の微
動ユニツトに対して、本来0であるべき基準点変位成分
y〜θxに僅かではあるが発生している変位成分を打消
す変位を発生させる必要がある。特性補償演算部42
は、目標変位設定部41目標変位(x,0,……,0)
が入力されたとき、どの微動ユニツトに対してどれだけ
の電圧を印加して微動ユニツト変位を発生させてやれば
よいかを演算するものである。
ここで、各微動ユニツトにおいて、主変位Uこのみを生
じ、それ以外の方向の変位成分である干渉変位がほとん
ど0とみなし得ると考えると、駆動電圧V1〜V6と微
動ユニツト変位U1〜U6との関係は次式で表わされ
る。
じ、それ以外の方向の変位成分である干渉変位がほとん
ど0とみなし得ると考えると、駆動電圧V1〜V6と微
動ユニツト変位U1〜U6との関係は次式で表わされ
る。
一方、微動ユニツト変位U1〜U6と基準点変位x〜θ
zとの関係は次式で表わされる。
zとの関係は次式で表わされる。
(2)式において、36個の係数C11〜C66は、6つの
微動ユニツトにある変位を発生させたときの各基準点変
位x〜θzを測定し、さらに各微動ユニツトにさきの変
位と異る変位を発生させたときの各基準点変位x〜θz
を測定するという動作を少なくとも6回行い、それによ
つて得られる数式を解くことにより知ることができる。
なお、この基準点変位成分x〜θzの測定はレーザ変位
計等の外部に設置されたセンサにより行われる。
微動ユニツトにある変位を発生させたときの各基準点変
位x〜θzを測定し、さらに各微動ユニツトにさきの変
位と異る変位を発生させたときの各基準点変位x〜θz
を測定するという動作を少なくとも6回行い、それによ
つて得られる数式を解くことにより知ることができる。
なお、この基準点変位成分x〜θzの測定はレーザ変位
計等の外部に設置されたセンサにより行われる。
上記(1),(2)式の各行列を次のように略記する。
そうすると、(1),(2)式は次のように表わされ
る。
る。
{Ui}={Bi}・{Vi} ……………(3) {Xj}={Cji}・{Ui} ……………(4) 以下の説明において、上記以外のパラメータについても
同様の方法により表記することとする。
同様の方法により表記することとする。
さて、前述の説明から、特性補償演算部42では次式を
満足するような駆動電圧{Vi}を求めればよい。即
ち、まず駆動電圧{Vi}と基準点変位{Xj} {Xj}={Dji}・{Vi} ……………(5) を求める。ここで(5)式の行列{Dji}は(2)式の
行列{Cji}を求めるのと同じ手法で求めることができ
る。上記(5)式から、所望の基準点変位{Xj}を得
るための駆動電圧{Vi}は次式による演算により求め
ることができる。
満足するような駆動電圧{Vi}を求めればよい。即
ち、まず駆動電圧{Vi}と基準点変位{Xj} {Xj}={Dji}・{Vi} ……………(5) を求める。ここで(5)式の行列{Dji}は(2)式の
行列{Cji}を求めるのと同じ手法で求めることができ
る。上記(5)式から、所望の基準点変位{Xj}を得
るための駆動電圧{Vi}は次式による演算により求め
ることができる。
{Vi}={Dji}-1・{Xi} …………(6) 結局、特性補償演算部42は上記(5)式により求めた
特性行列{Dji}の逆特性{Dji}-1を補償特性として
有し、この逆特性{Dji}-1にしたがつて演算が行われ
る。
特性行列{Dji}の逆特性{Dji}-1を補償特性として
有し、この逆特性{Dji}-1にしたがつて演算が行われ
る。
次に、本実施例の動作を説明する。目標変位設定部41
に、基準点の目標変位(これを行列{X0j}2¥表わ
す)を設定すると、この目標変位{X0j}は特性補償演
算部42に入力され、上記(6)式の演算が実行され
る。その演算結果は(6)式において、基準点変位{X
j}を目標変位{X0j}としたものになることは明らか
である。この演算により得られた駆動電圧{Vi}を微
細位置決め装置40に入力すれば、その基準点に変位
{X0j}が発生することになる。
に、基準点の目標変位(これを行列{X0j}2¥表わ
す)を設定すると、この目標変位{X0j}は特性補償演
算部42に入力され、上記(6)式の演算が実行され
る。その演算結果は(6)式において、基準点変位{X
j}を目標変位{X0j}としたものになることは明らか
である。この演算により得られた駆動電圧{Vi}を微
細位置決め装置40に入力すれば、その基準点に変位
{X0j}が発生することになる。
これをさきの具体例で述べると、基準点に所望の並進変
位(x,0,……,0)を発生させるため、目標変位入
力部にx=x,y=0,z=0,θx=0,θy=0,
θz=0を設定すると、これらの値は特性補償演算部4
2に入力され、(6)式の演算、即ち、 が実行され、駆動電圧V1〜V6が得られ、これらが出
力される。この場合、さきに述べたように駆動電圧V2
〜V6は必らずしもすべて0ではなく、行列{Dji}に
おける係数D11〜D66により求まる行列{Dji}-1の各
係数によつて定まる値を有する。このようにして出力さ
れた駆動電圧V1〜V6により複数の微動ユニツトが駆
動され、これにより基準点に目標とする変位(x,0,
……,0)が発生する。
位(x,0,……,0)を発生させるため、目標変位入
力部にx=x,y=0,z=0,θx=0,θy=0,
θz=0を設定すると、これらの値は特性補償演算部4
2に入力され、(6)式の演算、即ち、 が実行され、駆動電圧V1〜V6が得られ、これらが出
力される。この場合、さきに述べたように駆動電圧V2
〜V6は必らずしもすべて0ではなく、行列{Dji}に
おける係数D11〜D66により求まる行列{Dji}-1の各
係数によつて定まる値を有する。このようにして出力さ
れた駆動電圧V1〜V6により複数の微動ユニツトが駆
動され、これにより基準点に目標とする変位(x,0,
……,0)が発生する。
以上、本実施例について説明したが、各微動ユニツトが
前述のように干渉のない理想的な特性の場合には前記
(3),(4)式から、 {Xj}={Cji}・{Bi}・{Vi}………(7) が成立する。(7)式と(5)式を比較すると、 {Dji}={Cji}・{Bi} となる。したがつて、補償特性演算部42の補償特性
{Dji}-1は、行列{Bi},{Cji}の積の逆行列と
して求めることもできる。この場合、(3),(4)式
における微動ユニツト変位{Ui}は第4図(a),
(b)、第5図(a),(b)に示されるような各微動
ユニツトに設けられたひずみゲージにより測定される。
もちろん、前述のように歪ゲージ以外の変位検出器によ
つても可能である。
前述のように干渉のない理想的な特性の場合には前記
(3),(4)式から、 {Xj}={Cji}・{Bi}・{Vi}………(7) が成立する。(7)式と(5)式を比較すると、 {Dji}={Cji}・{Bi} となる。したがつて、補償特性演算部42の補償特性
{Dji}-1は、行列{Bi},{Cji}の積の逆行列と
して求めることもできる。この場合、(3),(4)式
における微動ユニツト変位{Ui}は第4図(a),
(b)、第5図(a),(b)に示されるような各微動
ユニツトに設けられたひずみゲージにより測定される。
もちろん、前述のように歪ゲージ以外の変位検出器によ
つても可能である。
このように、本実施例では、特性補償演算部において微
細位置決め装置の基準点に所望変位を発生させるために
必要な駆動電圧を演算し出力するようにしたので、通常
の加工精度や組立精度で製作した微細位置決め装置であ
つても、極めて高精度の変位を得ることができる。
細位置決め装置の基準点に所望変位を発生させるために
必要な駆動電圧を演算し出力するようにしたので、通常
の加工精度や組立精度で製作した微細位置決め装置であ
つても、極めて高精度の変位を得ることができる。
第2図は本発明の第2の実施例に係る微細位置決め装置
の変位制御装置のブロツク図である。図で、第1図に示
す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。43は微細位置決め装置40の基準点の変位を検出
する外部変位センサであり、検出した変位に比例した電
気信号を出力する。外部変位センサとしては、一般にレ
ーザ変位計が用いられ、これを微細位置決め装置40の
外部に設置して基準点変位を検出する。44は外部変位
センサ43の検出出力{Xj}と目標変位設定部41に
設定された目標変位{X0j}との差を演算する減算部、
45は所定の係数K1を発生する係数発生部、46は減
算部44から出力される偏差{ΔXj}に係数K1を乗
算する乗算部、47は目標変位{X0j}と乗算部46で
得られた値を加算する加算部である。本実施例では、さ
きの実施例の構成にいわゆるフイードバツク制御を適用
した構成であり、係合K1はフイードバツクゲインであ
る。
の変位制御装置のブロツク図である。図で、第1図に示
す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。43は微細位置決め装置40の基準点の変位を検出
する外部変位センサであり、検出した変位に比例した電
気信号を出力する。外部変位センサとしては、一般にレ
ーザ変位計が用いられ、これを微細位置決め装置40の
外部に設置して基準点変位を検出する。44は外部変位
センサ43の検出出力{Xj}と目標変位設定部41に
設定された目標変位{X0j}との差を演算する減算部、
45は所定の係数K1を発生する係数発生部、46は減
算部44から出力される偏差{ΔXj}に係数K1を乗
算する乗算部、47は目標変位{X0j}と乗算部46で
得られた値を加算する加算部である。本実施例では、さ
きの実施例の構成にいわゆるフイードバツク制御を適用
した構成であり、係合K1はフイードバツクゲインであ
る。
次に、本実施例の動作を説明する。目標変位設定部41
に基準点の目標変位{X0}が設定されると、さきの実
施例と同じく特性補償演算部42から駆動電圧{Vi}
が出力され、微細位置決め装置40の基準点が変位す
る。この変位{Xj}は外部変位センサ43により検出
され、減算部44において目標変位{X0j}との偏差
{ΔXj}({ΔXj}={X0j}−{Xj})が減算
される。減算された偏差{ΔXj}には乗算部46で係
数K1が乗算され、その値K1・{ΔXj}は加算部4
7に入力され、これにより目標変位{X0j}が修正され
る。この修正値は特性補償演算部42に入力され、これ
に応じて新たな駆動電圧{Vi}が出力され、微細位置
決め装置40の基準点の変位が修正される。
に基準点の目標変位{X0}が設定されると、さきの実
施例と同じく特性補償演算部42から駆動電圧{Vi}
が出力され、微細位置決め装置40の基準点が変位す
る。この変位{Xj}は外部変位センサ43により検出
され、減算部44において目標変位{X0j}との偏差
{ΔXj}({ΔXj}={X0j}−{Xj})が減算
される。減算された偏差{ΔXj}には乗算部46で係
数K1が乗算され、その値K1・{ΔXj}は加算部4
7に入力され、これにより目標変位{X0j}が修正され
る。この修正値は特性補償演算部42に入力され、これ
に応じて新たな駆動電圧{Vi}が出力され、微細位置
決め装置40の基準点の変位が修正される。
この一連の動作が繰返えされることにより、目標変位
{X0j}に対する基準点の変位の誤差が修正されてゆ
き、当該基準点はその変位が目標変位と一致したとこで
静止することになる。
{X0j}に対する基準点の変位の誤差が修正されてゆ
き、当該基準点はその変位が目標変位と一致したとこで
静止することになる。
なお、上記実施例の説明では、上記フイードバツク制御
を効果的に行うため、偏差{ΔXj}にフイードバツク
ゲインK1を乗算する比例制御の手法を用いる例につい
て説明したが、これに限ることなく、いわゆる積分制
御、微分制御を用いることができるのは当然である。そ
こで、加算部47において目標変位{X0i}に加算する
信号を一般化して、偏差{ΔXj}に応じた信号という
ことができる。
を効果的に行うため、偏差{ΔXj}にフイードバツク
ゲインK1を乗算する比例制御の手法を用いる例につい
て説明したが、これに限ることなく、いわゆる積分制
御、微分制御を用いることができるのは当然である。そ
こで、加算部47において目標変位{X0i}に加算する
信号を一般化して、偏差{ΔXj}に応じた信号という
ことができる。
このように、本実施例では、さきの実施例の構成に対し
て、微細位置決め装置の基準点の変位をフイードバツク
するフイードバツク制御を適用したので、より高い精度
で基準点の変位を行うことができる。即ち、特性補償演
算部の補正特性{Dji}-1を求める過程に何等かの原因
で誤差が内在したり、又は当該補償特性を電気回路で構
成した場合その中にドリフト特性や非線形特性が存在し
ているとき、さきの実施例の構成では必ずしも望ましい
精度で基準点の変位を行うことはできなくなる。しかし
ながら、本実施例のようにフイードバツク制御を適用す
ると、補償特性の誤差又は電気回路のドリフト特性や非
線形特性による影響を避けることができ、高精度の位置
決めを行うことができる。
て、微細位置決め装置の基準点の変位をフイードバツク
するフイードバツク制御を適用したので、より高い精度
で基準点の変位を行うことができる。即ち、特性補償演
算部の補正特性{Dji}-1を求める過程に何等かの原因
で誤差が内在したり、又は当該補償特性を電気回路で構
成した場合その中にドリフト特性や非線形特性が存在し
ているとき、さきの実施例の構成では必ずしも望ましい
精度で基準点の変位を行うことはできなくなる。しかし
ながら、本実施例のようにフイードバツク制御を適用す
ると、補償特性の誤差又は電気回路のドリフト特性や非
線形特性による影響を避けることができ、高精度の位置
決めを行うことができる。
第3図は本発明の第3の実施例に係る微細位置決め装置
の変位制御装置のブロツク図である。図で、第2図に示
す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。40cは微細位置決め装置40の各微動ユニツトに
貼着されたひずみゲージ{第4図(a),(b)、第5
図(a),(b)に示されている}およびこれらにより
構成されるホイートストンブリツジ回路に代表される内
部変位センサであり、各微動ユニツトの変位{Ui}に
比例した信号を出力する。もちろん他の種類の変位検出
器を用いてもよい。45′はフイードバツクゲインK2
を発生する係数発生部である。48は目標変位信号{X
0j}をこれに相当する微動ユニツト変位信号{U0i}に
変換する変位変換部である。本実施例は図から明らかな
ようにフイードバツク制御系を構成する。
の変位制御装置のブロツク図である。図で、第2図に示
す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。40cは微細位置決め装置40の各微動ユニツトに
貼着されたひずみゲージ{第4図(a),(b)、第5
図(a),(b)に示されている}およびこれらにより
構成されるホイートストンブリツジ回路に代表される内
部変位センサであり、各微動ユニツトの変位{Ui}に
比例した信号を出力する。もちろん他の種類の変位検出
器を用いてもよい。45′はフイードバツクゲインK2
を発生する係数発生部である。48は目標変位信号{X
0j}をこれに相当する微動ユニツト変位信号{U0i}に
変換する変位変換部である。本実施例は図から明らかな
ようにフイードバツク制御系を構成する。
ここで、上記変位変換部48についてさらに詳細に説明
する。変位変換部48は上述のように、目標変位信号
{X0j}が入力されたとき、微細位置決め装置40の基
準点に変位{X0j}を発生させるには、各微動ユニツト
をどのように変位させればよいかを求める機能を有す
る。この機能を発揮させるためには、基準点変位
{Xj}と微動ユニツト変位{Ui}とを関連づける特
性が必要である。そして、このような特性は、前記
(4)式における変位干渉特性{Cji}によつて示され
る。したがつて、変位変換部48は当該変位干渉特性
{Cji}の逆特性{Cji}-1を有することになり、この
逆特性{Cji}-1を用いて演算を行うことにより、目標
変位{X0j}を得るための微動ユニツト変位信号
{U0i}を出力することができる。
する。変位変換部48は上述のように、目標変位信号
{X0j}が入力されたとき、微細位置決め装置40の基
準点に変位{X0j}を発生させるには、各微動ユニツト
をどのように変位させればよいかを求める機能を有す
る。この機能を発揮させるためには、基準点変位
{Xj}と微動ユニツト変位{Ui}とを関連づける特
性が必要である。そして、このような特性は、前記
(4)式における変位干渉特性{Cji}によつて示され
る。したがつて、変位変換部48は当該変位干渉特性
{Cji}の逆特性{Cji}-1を有することになり、この
逆特性{Cji}-1を用いて演算を行うことにより、目標
変位{X0j}を得るための微動ユニツト変位信号
{U0i}を出力することができる。
次に、本実施例の動作を説明する。上述のように、目標
変位設定部41に目標変位{X0j}が設定されると、変
位変換部48では微細位置決め装置の基準点に当該目標
変位{X0j}を発生させるための微動ユニツト変位信号
{U0i}が演算され、出力される。又、特性補償演算部
42では目標変位{X0j}が入力されると、これに応じ
た駆動電圧{V0i}が出力される。この駆動電圧
{V0i}は加算部47を経て駆動電圧{Vi}となり微
細位置決め装置40の各微動ユニツトに印加される。こ
のため、各微動ユニツトを構成する平行たわみ梁、放射
たわみ梁が変形して微動ユニツトを変位せしめ、これに
より微細位置決め装置40の基準点が変位する。
変位設定部41に目標変位{X0j}が設定されると、変
位変換部48では微細位置決め装置の基準点に当該目標
変位{X0j}を発生させるための微動ユニツト変位信号
{U0i}が演算され、出力される。又、特性補償演算部
42では目標変位{X0j}が入力されると、これに応じ
た駆動電圧{V0i}が出力される。この駆動電圧
{V0i}は加算部47を経て駆動電圧{Vi}となり微
細位置決め装置40の各微動ユニツトに印加される。こ
のため、各微動ユニツトを構成する平行たわみ梁、放射
たわみ梁が変形して微動ユニツトを変位せしめ、これに
より微細位置決め装置40の基準点が変位する。
一方、平行たわみ梁、放射たわみ梁が変形すると、その
変形に応じてそこに貼着された複数のひずみゲージの抵
抗値が変化する、これらひずみゲージはホイーストンブ
リツジ回路に構成されており、当該ホイートスンブリツ
ジ回路からはその微動ユニツトの変位に比例した信号が
出力される。即ち、内部変位センサ40cからは各微動
ユニツトの変位{Ui}が出力される。
変形に応じてそこに貼着された複数のひずみゲージの抵
抗値が変化する、これらひずみゲージはホイーストンブ
リツジ回路に構成されており、当該ホイートスンブリツ
ジ回路からはその微動ユニツトの変位に比例した信号が
出力される。即ち、内部変位センサ40cからは各微動
ユニツトの変位{Ui}が出力される。
減算部44では変位変換部48から出力される目標の微
動ユニツト変位信号{U0i}と内部変位センサ40cか
ら出力される実際の微動ユニツト変位{Ui}の偏差
{ΔUi}({ΔUi}={U0i}−{Ui})が減算
される。減算された偏差{ΔUi}には乗算部46で係
数K2が乗算され、その値K2・{ΔUi}は加算部4
7に入力され、これにより特性補償演算部42の駆動電
圧{V0i}が修正されて新たな駆動電圧{Vi}が出力
され、微細位置決め装置40の基準点の変位が修正され
る。このような修正が繰返されることにより、目標変位
{X0j}に対する基準点の誤差が修正されてゆき、当該
基準点はその変位が目標変位と一致したところで静止す
る。
動ユニツト変位信号{U0i}と内部変位センサ40cか
ら出力される実際の微動ユニツト変位{Ui}の偏差
{ΔUi}({ΔUi}={U0i}−{Ui})が減算
される。減算された偏差{ΔUi}には乗算部46で係
数K2が乗算され、その値K2・{ΔUi}は加算部4
7に入力され、これにより特性補償演算部42の駆動電
圧{V0i}が修正されて新たな駆動電圧{Vi}が出力
され、微細位置決め装置40の基準点の変位が修正され
る。このような修正が繰返されることにより、目標変位
{X0j}に対する基準点の誤差が修正されてゆき、当該
基準点はその変位が目標変位と一致したところで静止す
る。
なお、フイードバック制御に、本実施例の比例制御のみ
ならず、積分制御、微分制御の手法を用いることができ
るのはさきの実施例の場合と同じである。さらに、内部
変位センサとして、ひずみゲージに代えて電気容量形変
位センサ、渦電流形変位センサを用いることもできるこ
とも前の実施例と同じである。
ならず、積分制御、微分制御の手法を用いることができ
るのはさきの実施例の場合と同じである。さらに、内部
変位センサとして、ひずみゲージに代えて電気容量形変
位センサ、渦電流形変位センサを用いることもできるこ
とも前の実施例と同じである。
又、上記実施例の説明において、変位変換部48の演算に
は変位干渉特性{Cji}の逆特性{Cji}-1を用いる例
について説明した。この例は、第7図および前記(1)
式に示すように、駆動電圧{Vi}が所定の微動ユニツ
トに印加されるとき、その主変位Ui方向のみが変位
し、他の方向には何等の変位をも生じない理想的な微動
ユニツトを用いることが前提となつている。しかし、厳
密にみると、このような状態はほとんど存在せず、駆動
電圧{V1}が印加されたとき、主変位方向の電位{U
i}以外に僅かながら干渉変位成分が生じるのが通常で
ある。このように干渉変位成分が存在するとき、本実施
例の如く変位変換部48における変換を微動ユニツト変
位{Ui}と基準点変位{Xj}との間の関連のみ、即
ち変位干渉特性{Cji}の逆特性{Cji}-1のみで考え
てよいのか否かという問題が生じる。しかしながら
(2)式,(4)式で定義される{Cji}を、実際の微
細位置決め装置を構成する各微動ユニツトの駆動電圧
{Vi}を加えたときに発生する微動ユニツト変位{U
i}と基準点変位{Xj}の関係と定義しなおすことに
よつて、(2)式,(4)式のままの変換干渉特性{C
ji}には前述の新たな干渉成分を含めてすべての干渉変
位成分が含まれていることになる。したがつて、微動ユ
ニツト変位{Ui}に干渉変位成分が存在しても、変位
変換部48で新たに定義しなおされた{Cji}の逆特性
{Cji}-1に基づく変換を行なえば、全ての干渉成分を
含めて補償演算される。もちろんこの新たな定義による
{Cji}は前述の定義による{Cji}と何ら矛盾するも
のではないことは明らかである。
は変位干渉特性{Cji}の逆特性{Cji}-1を用いる例
について説明した。この例は、第7図および前記(1)
式に示すように、駆動電圧{Vi}が所定の微動ユニツ
トに印加されるとき、その主変位Ui方向のみが変位
し、他の方向には何等の変位をも生じない理想的な微動
ユニツトを用いることが前提となつている。しかし、厳
密にみると、このような状態はほとんど存在せず、駆動
電圧{V1}が印加されたとき、主変位方向の電位{U
i}以外に僅かながら干渉変位成分が生じるのが通常で
ある。このように干渉変位成分が存在するとき、本実施
例の如く変位変換部48における変換を微動ユニツト変
位{Ui}と基準点変位{Xj}との間の関連のみ、即
ち変位干渉特性{Cji}の逆特性{Cji}-1のみで考え
てよいのか否かという問題が生じる。しかしながら
(2)式,(4)式で定義される{Cji}を、実際の微
細位置決め装置を構成する各微動ユニツトの駆動電圧
{Vi}を加えたときに発生する微動ユニツト変位{U
i}と基準点変位{Xj}の関係と定義しなおすことに
よつて、(2)式,(4)式のままの変換干渉特性{C
ji}には前述の新たな干渉成分を含めてすべての干渉変
位成分が含まれていることになる。したがつて、微動ユ
ニツト変位{Ui}に干渉変位成分が存在しても、変位
変換部48で新たに定義しなおされた{Cji}の逆特性
{Cji}-1に基づく変換を行なえば、全ての干渉成分を
含めて補償演算される。もちろんこの新たな定義による
{Cji}は前述の定義による{Cji}と何ら矛盾するも
のではないことは明らかである。
このように、本実施例では、第1の実施例の構成に対し
て、微細位置決め装置の微動ユニツトの変位を検出して
フイードバツクし、これを、目標変位に対応する微動ユ
ニツト変位信号と比較するフイードバツク制御を適用し
たので、第2の実施例と同様、より高い精度の変位を行
うことができる。しかも、本実施例はこれに加えて次の
ような顕著な効果をも有する。即ち、第2の実施例のよ
うに、微細位置決め装置の基準点の変位を検出する外部
変位センサとしてはサブミクロンオーダの検出が可能で
あるレーザ変位計が用いられる。ところが、このレーザ
変位計は据付け調整が極めて面倒であり、これに多くの
手間と時間を要するばかりでなく、レーザ変位計自体が
極めて高価である。しかしながら、本実施例において
は、外部変位センサは使用せず、微細位置決め装置自体
が有する内部変位センサを用いるので、構成が極めて簡
素になり、装置を容易かつ安価に構成することができ
る。そして、このような効果は、微動ユニツトとして平
行たわみ梁変位機構、放射たわみ梁変位機構が用いられ
ることにより他の微動ユニツトの駆動によつて各微動ユ
ニツトの変位検出に影響が全く出ないために、各微動ニ
ツト毎の独立した変位検出が可能となり、その結果はじ
めて実現し得るものである。
て、微細位置決め装置の微動ユニツトの変位を検出して
フイードバツクし、これを、目標変位に対応する微動ユ
ニツト変位信号と比較するフイードバツク制御を適用し
たので、第2の実施例と同様、より高い精度の変位を行
うことができる。しかも、本実施例はこれに加えて次の
ような顕著な効果をも有する。即ち、第2の実施例のよ
うに、微細位置決め装置の基準点の変位を検出する外部
変位センサとしてはサブミクロンオーダの検出が可能で
あるレーザ変位計が用いられる。ところが、このレーザ
変位計は据付け調整が極めて面倒であり、これに多くの
手間と時間を要するばかりでなく、レーザ変位計自体が
極めて高価である。しかしながら、本実施例において
は、外部変位センサは使用せず、微細位置決め装置自体
が有する内部変位センサを用いるので、構成が極めて簡
素になり、装置を容易かつ安価に構成することができ
る。そして、このような効果は、微動ユニツトとして平
行たわみ梁変位機構、放射たわみ梁変位機構が用いられ
ることにより他の微動ユニツトの駆動によつて各微動ユ
ニツトの変位検出に影響が全く出ないために、各微動ニ
ツト毎の独立した変位検出が可能となり、その結果はじ
めて実現し得るものである。
以上述べたように、本発明では、微細位置決め装置の前
段に特性補償演算部を設け、微細位置決め装置の各微動
ユニツトの駆動電圧を補償するようにしたので、通常の
加工精度や組立精度で製作した微細位置決め装置であつ
ても、サブミクロンオーダーの極めて高い精度の位置決
めを行うことができる。
段に特性補償演算部を設け、微細位置決め装置の各微動
ユニツトの駆動電圧を補償するようにしたので、通常の
加工精度や組立精度で製作した微細位置決め装置であつ
ても、サブミクロンオーダーの極めて高い精度の位置決
めを行うことができる。
第1図,第2図および第3図はそれぞれ本発明の第1,
第2および第3の実施例に係る微細位置決め装置の変位
制御装置のブロツク図、第4図(a),(b)は平行た
わみ梁を用いた変進微動ユニツトの側面図、第5図
(a),(b)は放射たわみ梁を用いた回転微動ユニツ
トの側面図、第6図は6軸の微細位置決め装置の分解斜
視図、第7図は第6図に示す微細位置決め装置の特性を
説明するブロツク図である。 40……微細位置決め装置、40c……内部変位セン
サ、41……目標変位設定部、42……特性補償演算
部、43……外部変位センサ、44……減算部、47…
…加算部、48……変位変換部
第2および第3の実施例に係る微細位置決め装置の変位
制御装置のブロツク図、第4図(a),(b)は平行た
わみ梁を用いた変進微動ユニツトの側面図、第5図
(a),(b)は放射たわみ梁を用いた回転微動ユニツ
トの側面図、第6図は6軸の微細位置決め装置の分解斜
視図、第7図は第6図に示す微細位置決め装置の特性を
説明するブロツク図である。 40……微細位置決め装置、40c……内部変位セン
サ、41……目標変位設定部、42……特性補償演算
部、43……外部変位センサ、44……減算部、47…
…加算部、48……変位変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 健 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭60−263206(JP,A) 特開 昭60−201412(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】2つの剛体間に対向配置された板状たわみ
梁および前記各剛体間に力を作用させるアクチユエータ
を備え、このアクチユエータの駆動電圧に応じた相対変
位を前記各剛体部の間に発生させる微動ユニツトを複数
組合わせて構成した微細位置決め装置において、前記微
細位置決め装置の所定点の目標変位を出力する目標変位
設定部と、前記各微動ユニツトに与える駆動電圧と前記
所定点の変位との関係を表わす特性行列の逆特性を有し
前記目標変位に基づき前記逆特性にしたがつて前記各微
動ユニツトに対する駆動電圧を演算する特性補償演算部
とを設けたことを特徴とする微細位置決め装置の変位制
御装置 - 【請求項2】特許請求の範囲第(1)項において、前記
目標変位設定部と前記特性補償演算部との間には、前記
目標変位と、前記所定点の変位を検出する外部の変位検
出器で検出された変位と前記目標変位設定部が出力した
目標変位との差に応じた信号とを加算する加算手段が挿
入されていることを特徴とする微細位置決め装置の変位
制御装置 - 【請求項3】特許請求の範囲第(1)項において、前記
特性補償演算部と前記微細位置決め装置との間には、前
記特性補償演算部から出力される駆動電圧と、前記各微
動ユニツトの変位を検出する内部の変位検出器で検出さ
れた変位と前記目標変位設定部が出力した目標変位を各
微動ユニツトに駆動電圧を与えたときに生じる当該各微
動ユニツトの変位と前記基準点の変位の関係に基づいて
変換された各微動ユニツトの目標変位との差に応じた信
号とを加算する加算手段が挿入されていることを特徴と
する微細位置決め装置の変位制御装置
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26243786A JPH0652489B2 (ja) | 1986-11-04 | 1986-11-04 | 微細位置決め装置の変位制御装置 |
DE3788773T DE3788773T2 (de) | 1986-09-09 | 1987-09-08 | Vorrichtung zur Feinverstellung und Vorrichtung zum Steuern dieser Verstellungen. |
EP87201701A EP0264147B1 (en) | 1986-09-09 | 1987-09-08 | Fine positioning device and displacement controller therefor |
US07/244,102 US5005298A (en) | 1986-09-09 | 1988-09-14 | Displacement controller for fine positioning device |
US07/244,168 US4888878A (en) | 1986-09-09 | 1988-09-14 | Fine positioning device |
US07/244,169 US4920660A (en) | 1986-09-09 | 1988-09-14 | Fine positioning device and displacement controller therefor |
US07/244,101 US4991309A (en) | 1986-09-09 | 1988-09-14 | Fine positioning device and displacement controller therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26243786A JPH0652489B2 (ja) | 1986-11-04 | 1986-11-04 | 微細位置決め装置の変位制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63116217A JPS63116217A (ja) | 1988-05-20 |
JPH0652489B2 true JPH0652489B2 (ja) | 1994-07-06 |
Family
ID=17375775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26243786A Expired - Fee Related JPH0652489B2 (ja) | 1986-09-09 | 1986-11-04 | 微細位置決め装置の変位制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0652489B2 (ja) |
-
1986
- 1986-11-04 JP JP26243786A patent/JPH0652489B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63116217A (ja) | 1988-05-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4920660A (en) | Fine positioning device and displacement controller therefor | |
US10890496B2 (en) | Force sensor | |
JP6713151B2 (ja) | 力覚センサ | |
CN116577000A (zh) | 使用耦合载荷和较少应变计的扭矩传感器 | |
KR20020080611A (ko) | 초정밀 위치결정시스템 | |
Peng et al. | A Cr-N thin film displacement sensor for precision positioning of a micro-stage | |
Adachi et al. | Integration of a Cr–N thin-film displacement sensor into an XY micro-stage for closed-loop nano-positioning | |
JP2009271685A (ja) | 3軸工具ユニットの制御装置、および加工機 | |
JPH0927443A (ja) | ステージ駆動制御装置 | |
JPH07334245A (ja) | 超精密送り装置およびこれを用いたxyテ−ブル並びにテ−ブル移送装置 | |
JPH0652489B2 (ja) | 微細位置決め装置の変位制御装置 | |
Kim et al. | On-machine self-calibration of a two-dimensional stage using an absolute x–y–θ position sensor | |
JPH0433006A (ja) | ロボツトシステムの制御方法 | |
JPH07109566B2 (ja) | 微細位置決め装置 | |
Bansevičius et al. | Mechatronic means for machine accuracy improvement | |
JPH05173639A (ja) | 位置制御装置及びその制御方法 | |
Havlik et al. | Some quality measures in designing compliant mechanisms for robotic devices | |
JP2798873B2 (ja) | 三次元位置制御システム | |
JP3130647B2 (ja) | 微動機構 | |
JPH071451B2 (ja) | 微細位置決め装置の変位制御装置 | |
JP3279880B2 (ja) | 微動位置決め制御装置 | |
JPH071454B2 (ja) | 微細位置決め装置の制御装置 | |
JPH071453B2 (ja) | 微細位置決め装置の制御装置 | |
Kataoka et al. | 1505 Measurement of angular error motions of a precision linear stage by using a high resolution clinometer | |
Kearney et al. | FE MODEL OF A NANOPOSITIONING FLEXURE STAGE FOR DIAGNOSIS OF TRAJECTORY ERRORS |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |