JPH0652215U - 広帯域プリントアンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、従来の小型無線機に問題とされて
いたインピーダンスの変動、ＶＳＷＲ変動、指向性、感
度の変動を解消し、さらに、外部にアンテナが露出する
ことから来る外力による破損も防止することを目的とす
る。 【構成】 レピーターケース内に素子長を短くし、両端
を折り曲げたダイポール形状のアンテナ素子をプリント
基板の片面もしくは、両面に装着し、インピーダンス補
正用のコンデンサをアンテナ中心部の給電部に設けてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、特定小電力無線に使用するレピーターケース内のアンテナ装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、アース板を有するモノポール系のアンテナを使用していたが、小型無 線機は、アース板が無く、ボディーが樹脂性であるので、実際には無線機をにぎ った際に無線機を持つ手、すなわち人体がアースの役割をし、図５に示すように 無線機のにぎり方、持ち方の違いによってインピーダンスが大きく変動した。（ ボディーエフェクト）又、ＶＳＷＲ変動が高く、アンテナの平衡度も悪く、ケー ブル外被に電流が乗ってしまい、指向性、感度が不安定に変動してしまうこと、 更に、従来の無線機が外部にアンテナを露出することから来る外力による破損も 生じた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の欠点を解消すべく、小型軽量であり、平衡型アンテナを無線 機のケース内に設置することによってボディーエフェクトが無くＶＳＷＲ、平衡 度、指向性、感度が安定し、更に、広帯域化も実現できるアンテナを提供するこ とを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するために、レピーターケース内に、小型化及び、 両端を折り曲げてダイポールアンテナを形成したアンテナ素子と、給電部に接続 するプリントバルーンとをプリント基板上の片面もしくは、両面に形成して実装 し、アンテナ中心部の該給電部には、インピーダンス補正用コンデンサと該イン ピーダンス補正用コンデンサを装着する為のランドパターンを設けたことを特徴 としている。

【０００５】

【作用】

図３の（ｂ）は、共振を得るために、素子長の折り曲げ部を少しずつ切ってい く様子を示しており、図３の（ａ）のＡＮＴインピーダンスローカス（スミスチ ャート）に示すように、Ａ点は、フリースペース（自由空間）におけるプリント アンテナのインピーダンスであり、空のレピーターケースに入れると、Ａ点から Ｂ点にインピーダンスは変化する。次にケース内に図４に示すＴＸコンバイナー １０とＴＲＸ（送受信）ユニット１３を入れるとインピーダンスはＣ点に変化し 、ケースにカバーをするとＣ点からＤ点へ移動する。最後に、インピーダンス補 正用のコンデンサをアンテナのランドパターンに装着し、プリントアンテナの折 り曲げ部を切断（例えば図３（ｂ）の部分まで）することによって、最良点Ｅ にインピーダンスを移し、プリントアンテナをレピーターケース内に実装可能と する。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案の実施例を示した図であり、プリントアンテナ素子１はＰＣＢ （Ｐｒｉｎｔ Ｃｉｒｃｕｉｔ Ｂｏａｒｄ）４の片面もしくは両面に設けられ るものであり、本考案の実施例に使用されるものは、素子の長さは、λ／４波長 を乗せるもので、約１５８ｍｍであり、ＰＣＢ４のε（誘電率）が大きいため通 常のアンテナの短縮率（９８％〜９６％）に比べ短縮率が９３％になり、アンテ ナの大きさを小型にすることができる。又、更に、小型化のためアンテナ素子１ の両端を折り曲げてあり、折り曲げた素子Ａと素子Ｂとでダイポールアンテナを 形成している。

【０００７】 ランドパターン２には、リアクタンス補正用のチップコンデンサ３を半田付し 、ＰＣＢ４はＦＲ−４（ガラスエポキシ）を使用している。

【０００８】 プリントバルーン部５は電気的に平衡であるプリントアンテナ部と不平衡であ る同軸部分を整合するために用いられている。

【０００９】 図２は、本考案の他の実施例であり、両面のプリント板の表面の素子（表アン テナ６）の長さと、裏面の素子（裏アンテナ７）の長さとを変えてスルーホール ８等の手段により結合し、ダブルダイポールを構成して広帯域化を計ることがで きる。

【００１０】 図４は、本考案をプラスチックのレピーターケース１４内に実装した際の図で あり、本考案のプリントアンテナは、ＴＸ（以下送信と称す）用とＲＸ（以下受 信と称す）用に使用され、レピーターケースの内壁にＴＸ用プリントアンテナ９ は、ＴＸコンバイナー１０と対峙して設けられ、ＲＸ用プリントアンテナ１１は ＲＸ分配器１２と対峙して設けられる。そして、ＴＸコンバイナー１０とＲＸ分 配器１２の間に、ＴＲＸ（送受信）ユニット１３が組み込まれる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、レピーターケース内に、アンテナを小型にして収納したことによっ て、雨天時の水滴によるＶＳＷＲ悪化や感度低下、雑音発生を防止でき、破損す る事も無くすることができる。そして、両端を折り曲げ、ダイポールアンテナと したことにより、偏波面も水平及び垂直の両方を同時輻射出来るので、複雑伝搬 での使用が効果的である。

【００１２】 又、プリント基板を利用したことによりプリント基板の裏表に、各々、共振周 波数の異る素子を設けることが可能でスルーホール等により結合することによっ て、広帯域化も計ることも可能であり、さらに、プリント基板の利用は、特性の 同じアンテナを多量に作る事が可能で品質のバラツキが少なく、安価な製品を提 供する事が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示した図

【図２】本考案の他の実施例を示した図

【図３】（ａ）本考案のプリントアンテナのインピーダ
ンスを表わしたＡＮＴインピーダンスローカス（スミス
チャート） （ｂ）本考案のプリントアンテナの素子を切断する例を
示した図

【図４】本考案の実施例をレピーターケース内に実装
し、蓋を取った際の斜視図

【図５】従来の小型無線機の使用状態の外観図を示した
図

【符号の説明】

１ プリントアンテナ素子 ２ ランドパターン ３ チップコンデンサ ４ ＰＣＢ ５ プリントバルーン部 ６ 表アンテナ ７ 裏アンテナ ８ スルーホール ９ ＴＸ用プリントアンテナ １０ ＴＸコンバイナー １１ ＲＸ用プリントアンテナ １２ ＲＸ分配器 １３ ＴＲＸユニット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レピーターケース内に、小型化及び、両
   端を折り曲げて、ダイポールアンテナを形成したアンテ
   ナ素子をプリント基板上の片面もしくは、両面に形成し
   て実装し、アンテナ中心部の該給電部には、インピーダ
   ンス補正用コンデンサと該イナピーダンス補正用コンデ
   ンサを装着する為のランドパターンを設けたことを特徴
   とする広帯域プリントアンテナ。