JPH06510423A - 非インシュリン依存性糖尿病の診断法 - Google Patents
非インシュリン依存性糖尿病の診断法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
非インシユリン依存性糖尿病の診断法
この発明は、糖尿病またはその遺伝的素質の診断法に関する。
タイプ2の糖尿病(非インシユリン依存性糖尿病、NIDDM)患者は過去数十
年間に急激に増加している。このため、この種の糖尿病を早期に診断するか、ま
たはその遺伝的素質を、この病気の実際の発作よりもできるだけ早期に確実に発
見できる実施容易な方策は重大な関心事となっている。
この発明の課題は、患者にこの病気の遺伝的素質があるかどうかを出来るだけ迅
速かつ正確に診断できる方法を提供することである。
本発明によれば、この課題は、患者の細胞、特に骨格筋細胞中にB型のヒトイン
シュリン−レセプター(HIR−B)が存在するかどうかを調べることを特徴と
する、非インシユリン依存性糖尿病またはその遺伝的素質の診断法によって解決
された。
本発明による診断法は、細胞中に含まれる両方のタイプのヒトインシュリンレセ
プター(HIR−AおよびHIR−B)の存在に関して、糖尿病患者と健康人と
の間には、極めて特異的な差異が認められる、という驚くべき知見に基づくもの
である。
この2種のレセプターは比較的古くから知られており、これらに関する研究は、
例えば、モスタフらの報文[EMBOジャーナル、第9巻、第8号、第2409
頁〜第2413頁(1990年)]および該保父に引用されている先行文献[特
に、エビナら、Proc、 Natl、 Acad、Sci、 USA、第84
巻、第704頁〜第708頁(1987年):ウルリッヒら、ネイチャー、第3
13巻、第756頁〜第761頁(1985年):セイノ(Setno、 S、
)およびベル(Bell、F、1. )、Bi−ochei、 Biophy
s、 Res、 Commun、 、第159巻、第312頁〜第316頁(1
989年)、ヤルデン(Yarden、 Y、 )およびウルリッヒ(Ullr
ich、 A、 )、Annu。
Rev、 Biochem、 、第57巻、箪443頁〜第478頁(1988
年)コに記載されている。これらの研究によって次のことが判明した。即ち、2
種のレセプター(AおよびB)が存在し、両者はジスルフィド架橋によって結合
した同じα−亜単位とβ−亜単位から構成されているが、B型のレセプターのα
−亜単位がC−末端領域に12個のアミノ酸から成るインサートを有するという
点で相違する。インシュリンレセプターに関しては、ひとつの遺伝子のみが同定
されたので、2種の異なる形態AとBの発生に際しては、転写後機構が問題にな
るものと考えられていた。さらに、B型の12個のアミノ酸から成るインサート
は分離されたエキランによってコード化され、両方のレセプターは、転写−次産
物の別のスプライソングによって発生することも確認されている。さらにまた、
HI R−AとHIR−BのRNAの存在は量的にも質的にも組織によって左右
されることも判明している。なお、両方のレセプターはインシュリンに対して異
なる結合特性を示すことも知られている。
本発明は、NU)DM−患者またはNIDDMの遺伝的素質を有する者の組繊細
胞、特に骨格筋細胞中には、ヒトインシュリン−レセプターのA型とB型がほぼ
等量存在するという特異性がみこれるが、健康人の対応する細胞中にはA型のレ
セプターのみが含まれるという知見に基づくものである。この種の細胞は、前述
の引用文献に記載されているようなユニの別異の細胞、即ち、健康人の場合でも
両方のタイプのレセプターが存在するような細胞とは異なる。例えば、ヒトの血
液細胞の場合、組繊細胞とは異なり、糖尿病を煩らっていない者とNIDDM−
患者との間には差異は認められない。即ち、両者の場合、A型のレセプターのみ
が存在し、B型のレセプターの存在は確認されていない。
本発明方法においては、組繊細胞中に存在する両方のタイプのレセプターの区別
を可能にする全ての方法が原理的には利用し得る。組繊細胞は既知の方法、特に
バイオプシーによって患者から採取される。
この発明の好ましい態様においては、骨格筋細胞中にB型のレセプターが存在す
るか否かの検査を、特異的なオリゴヌクレオチドを用いておこなう。該細胞のR
NAから得られるcDNAのHI R−AおよびHIR−Bに対するPCR−増
幅反応において該オリゴヌクレオチドを使用する場合、コード化するDNAが増
幅される。この態様においては、骨格筋組織から既知の方法によってRNAを調
製し、次いで該RNAから既知の方法によってcDNAを合成する。
この場合、RNAは特別に開発された方法によって調製することができ、最少量
の組織(20〜40mg)から十分な量のmRNAを得ることができる(後述す
る実施例1の(b)項参照)。
このようにして得られるA RNAはcDNAの合成に用いる。cDNAは好ま
しいことには、ヒトインシュリン−レセプターA cDNA−シーケンスのヌク
レオチド2858〜2879の相補性ストランドシーケンスと対応するオリゴヌ
クレオチドと特異的に結合する[番号付けはウルリッヒらの方法にょる:ネイチ
ャー、第313巻、第756頁〜第761頁(1985年)参照コ。cDNAの
最初のストランドの合成は、例えば、サムブルーフらの方法によっておこなわれ
る[C8Hラボラトリ−プレス、第2版(1989年)参照]。
cDNAはさらに精製することなく、多数回、例えば約40回のポリメラーゼ連
鎖反応サイクルに付す。プライマーとしてはオリゴヌクレオチドを用いるのが好
ましく、該オリゴヌクレオチドは、レセプターBの場合に挿入される36個のヌ
クレオチドに対する挿入部位に隣接する。オリゴヌクレオチドは、最初のオリゴ
ヌクレオチドおよび2番目のオリゴヌクレオチドが挿入部位に位置するシーケン
スの上流および下流と混成するように選択される。この場合、最初のオリゴヌク
レオチドのシーケンスはRNA(UではなくてT)のシーケンスと等しく、2番
目のオリゴヌクレオチドは相補性ストランドのシーケンスと等しくなる。本発明
の好ましい態様においては、最初のオリゴヌクレオチドはヒトインシュリン−レ
セプターA cDNAのヌクレオチド2136〜2257と対応し、2番目のオ
リゴヌクレオチドはヌクレオチド2327〜2348の相補性シーケンスと対応
する。反応はモスタフらの方法[EMBOジャーナル、第9巻、第2409頁〜
第2413頁(1990年)参照コに従っておこなうことができ、好適なオリゴ
ヌクレオチドを用いる場合には、112個(HIR−A)または148個(HI
R−B)の塩基対を有する特異的なフラグメントが得られる。
両方のレセプター変異体が存在する場合、PCR反応において2種の増幅生成物
が得られるが、A型のmRNAのみが存在する場合には、1種の増幅生成物のみ
が得られる。
HIR−Aに関する増幅生成物の存在は、検査においては肯定的なコントロール
として利用することができ、また、HIR−Aに対するHIR−Bの相対量はこ
れによって評価できる。HIR−Aに比べてHIR−Bが相当量存在する場合に
は、非イン/ニリン依存性糖尿病またはその遺伝的素質の存在の可能性がでてく
る。
本発明によれば、組織から単離されるRNAおよび該RNAから得られるcDN
AのPCR反応を迅速におこなう簡単な方法によって、NIDDMまたはその素
質の存在を示す組織中でのHIR−B RNAの形成の可否を確認することがで
き、また、患者にNIDDMおよびその特別な素質の存在を否定することになる
HIR−A RNAのみの存在の可否も確定することができる。
本発明の別の対象は、組繊細胞のRNAからのcDNAの合成およびPCR反応
においてブライマーシーケンスとして好適に使用できるオリゴヌクレオチドであ
る。
本発明を添付図に基づき、以下の実施例によって説明する。
図1は、健康人と非イン/ニリン依存性糖尿病患者の骨格筋組織由来のPCR生
成物であって、電気泳動法によって分離したものを示す。
図2は、図1の場合に対応する被験者の血液細胞に関する比較試験の結果を示す
。
実施例1
(a)組織試料
骨格筋試料し腓腹筋(Musculus gastroenaemius)]は
、60〜80才の糖尿病患者(N=10)と非糖尿病患者(N=6)から切開法
またはバイオプシーによって採取した。採取後の全試料は直ちに0.3gの小片
に切断した後、液体窒素中で凍結させ、−80℃で保存した。これらの試料は以
下の方法による定性的検査によって評価した:
(1)組織の顕微鏡検査、電子顕微鏡検査および組織化学的特性、(2)乳酸デ
ヒドロゲナーゼEC1,1,1,27(LDH)、ホスホフラクトキナーゼEC
2,7,1,11(PFK)、ホスホクリセレートキナーゼEC2,72,3(
PGK)およびホスホグルコムターゼEC2,7,5,1(PGM)の酵素活性
、および
(3)筋肉組織の正常領域における非コラーゲンタンパク質(NCP)の検査。
上記方法の実施法や形態的および酵素的検査法はオーバーマイヤー−ラスラーら
の報文[J、 Biol、 Che!1. 、第164巻、第9497頁〜第9
503頁]に記載されている。
血液試料(5ml)は、12時間の断食期間後の朝、5人のNIDDM患者と5
人の健康人から採取した。採取した血液は、凝固を防止するためにEDTAと混
合した後、直ちに液体窒素中で凍結させた。
(b)RNAの調製
ポリトロンを有する凍結筋肉組織0,02〜1gを緩衝液A[0,5M NaC
l!、1%SDS、10mM)リス−HC1(pH7,5)、1gM EDTA
、200μg/mlプロティナーゼK]1+1中に加え、均一化した後、37℃
で1時間培養した。
オリゴ(dT)セルロース懸濁液(媒体:緩衝液A)20〜50μlを添加した
後、試料を37℃で1時間振盪させた。オリゴ(dT)セルロースに結合したm
RNAは卓上遠心分離機を用いる短時間の遠心分離処理に付すことによってペレ
ット化させた後、a新液B[0,5M NaC1,0,2%SDS、10mMト
’JスーHC1(pH75)、1+M EDTA、1mM PMSFコを用いて
2回洗浄し、次イテ緩衝液C[0,5M NaC1,10caMトリスーHCA
’(pH7,5)、l+*M EDTA]を用いて1回洗浄した。得られたmR
NAは水20ulを用いる洗浄処理に3回付すことによってオリゴ(dT)セル
ロースから溶離させ、次いで68℃での加温処理に5分間性した後、直ちに氷で
冷却させた。
血液からRNAを単離するために、ウルリッヒらの方法[サイエンス、第196
巻、第1313頁(1977年)参照コに従って、血液5mlを2倍量のグアニ
ジンチオンアネート溶液を用いて希釈し、均一化させた後、LiCJを用いて沈
澱を生成させた。
(c)cDN、A合成とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)完全RNA5〜10μ
gをcDNA合成に用いた。cDNAは、ヒトインシュリンレセプターAシーケ
ンス[ウルリッヒら、ネイチャー、第313巻、第756頁〜第761頁(19
85年)参照]のヌクレオチド2858〜2879を包含するオリゴヌクレオチ
ドと特異的に結合する。第1ストランド−cDNA合或は、実質的にはサムブル
ーフらの方法[C8Hラボラトリ−プレス、第2版(1989年)コに従って、
全容積が20μlの培養液[KCA’50ミリモル/11トリス−HC/(pH
8,3)10ミリモル/L MgCl24ミリモル/I、dNTPslミリモル
/l。
BSA(牛血清アルブミン)10μg/ml、プライマー50ピコモルおよびリ
バーサー・トランスクリブターゼ500ユニット含有コ中における37℃で1時
間の培養処理によっておこなった。反応生成物はさらに精製することな(,4o
サイクルのPCR反応に付した。PCR反応は、モスタフらの方法[EMBOジ
ャーナル、第9巻、第2409頁〜第2413頁(1990年)参照]に従って
、12個のアミノ酸挿入部位に隣接するオリゴヌクレオチドを用いておこなった
。使用したオリゴヌクレオチドはヌクレオチド2136〜2257およびヒトイ
ンシュリンレセブターシーケンスのヌクレオチド2327〜2348の相補性シ
ーケンスを有しており(ウルリッヒの前記文献参照)、112個(HIR−A)
および148個(HIR−B)の塩基対を有する特異的なフラグメントを生成す
る(図1および図2参照)。図1は、N[)DM患者と糖尿病を煩らっていない
者がら採取した筋肉試料から得られたHIR−、AシーケンスおよびHIR−B
シーケンスのPCR分析の結果を示す。コントロール痕跡(C)は、クローニン
グされたHIR−A −cD N AまたはHIR−B−cDNAから得られた
PCRフラグメントを含有する。HIR−、AコントロールまたはHIR−Bコ
ントロールと同じ高さまで移動しないフラグメントは、PCR反応において非特
異性副生成物または個々のストランドからの副生成物が生成することを示す。図
2は、ヒトの血液細胞中のHIR−AシーケンスおよびHIR−Bシーケンスの
PCR分析の結果を示す。コントロール痕跡(C)は、クローニングされたHI
R−A−cDNAおよびHIR−B−cDNAから得られたPCRフラグメント
の混合物を含有する。両方の図における痕跡(M)はサイズマーカーを含有する
。この実施例から明らかなように、NIDDM患者の場合には、骨格筋のPCR
分析によってHIR−Bの存在を証明することができ、これによって健康人との
間の差異を明らかにすることができる。血液細胞の場合には、このような識別は
不可能である。
Fig−2
非糖尿病者 NIDDM
1’−−−−−−−−−−−−1cl’−−−−−−−−−−−−1M国際調査
報告 QrTlf:Q Q9/nnQ+IQ1ユ。1.1□−、、、、、PCT
/EP 92100949フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT、BE、CH,DE。
DK、ES、FR,GB、GR,IT、LU、MC,NL、SE)、0A(BF
、BJ、CF、CG、CI、CM、GA、GN、ML、MR,SN、TD、TG
)、AT、 AU、 BB、 BG、 BR,CA、 CH,C3,DE。
DK、ES、FI、GB、HU、JP、KP、KR,LK、LU、MG、MN、
MW、NL、No、PL、RO、RU、SD、 SE、 US
(72)発明者 ウルリッヒ、アクセルドイツ連邦共和国デー−80538ミユ
ンヘン、工一ミールーリーデルーシュトラーセ8番
Claims (7)
- 1.被験者の組織細胞、特に骨格筋細胞について、B型のヒトインシュリンレセ プター(HIR−B)の存在を検査することを特徴とする、非インシュリン依存 性糖尿病またはその遺伝的素質の診断法。
- 2.組織のRNAから得られるcDNAのHIR−AおよびHIR−Bに対する PCR増幅反応においてプライマーとして使用したときに、RNAの識別を可能 にする特異的オリゴヌクレオチドを用いて検査をおこなう請求項1記載の方法。
- 3.組織のRNAからcDNAを生成させるために、ヒトインシュリンレセプタ ーAcDNAシーケンスのヌクレオチド2858〜2879に対して相補的なオ リゴヌクレオチドプライマーを使用する請求項2記載の方法。
- 4.ヒトインシュリンレセプターAをコード化するcDNAシーケンスのヌクレ オチド2327〜2348のシーケンスに対して相補的をオリゴヌクレオチドを 最初に使用し、次いで、A型のヒトインシュリンレセプターをコード化するcD NAシーケンスのヌクレオチド2136〜2257のシーケンスに対応するオリ ゴヌクレオチドを使用する請求項2または3記載の方法。
- 5.請求項1から4いずれかに記載の方法においてブセイマーとして使用し得る オリゴヌクレオチドであって、ヒトインシュリンレセプターAcDNAシーケン スのヌクレオチド2327〜2348に対して相補的なシーケンスを包含するこ とを特徴とするオリゴヌクレオチド。
- 6.請求項1から4いずれかに記載の方法においてプライマーとして使用し得る オリゴヌクレオチドであって、ヒトインシュリンレセプターAcDNAシーケン スのヌクレオチド2136〜2257のシーケンスに対応するシーケンスを包含 することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
- 7.組織細胞、特に骨格筋細胞のRNAからcDNAを生成させるために使用し 得るオリゴヌクレオチドであって、ヒトインシュリンレセプターAcDNAシー ケンスのヌクレオチド2858〜2879のシーケンスに対して相補的なシーケ ンスを包含することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
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