JPH0651021Y2 - 電子部品の固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は上部キャビネットの内壁面に設けた挿入孔に電
子部品の端子を挿入したのち、該上部キャビネットを下
部キャビネットに重ね合わせるようにした電子式卓上計
算機等の電子機品における電子部品の固定装置に関する
ものである。

＜従来技術＞ 従来提案されている電子式卓上計算機ではキャビネット
内部に収納する電子部品を第４図に示す様に固定してい
る。

すなわち、第４図において、1aはキーゴム、2aはキーシ
ート、3aは上部キャビネット、4aは下部キャビネットで
あり、特に上部キャビネット3aの内壁面に部品端子の挿
入孔5aを設け、この挿入孔5aに図に示す如く電子部品で
ある電解コンデンサ6aの端子の先端部7aを折り曲げて挿
入したのち、該上部キャビネット3aを下部キャビネット
4aに重ね合わせることにより、キャビネット内に収納し
た電解コンデンサ6aを固定するようにしている。なお、
8aは電解コンデンサ6aの端子を前記キーシート2aの端子
部に圧着するための圧着ゴムであり、この圧着ゴム8aは
上部キャビネット3aの凹部9aに嵌着されている。

従来は上記の様にして電解コンデンサ6aを固定している
ので、キャビネットの組立時にどうしても電解コンデン
サ6aの端子が挿入孔5aから外れ易いという欠点があっ
た。そこで、この欠点を解消する方法として、前記端子
挿入孔5aの口径を部品端子の径よりわずかに大きくする
と共に、該挿入孔を深く形成する方法が考えられるが、
この方法では部品端子の挿入作業が困難となり、その上
上部キャビネット3aの肉厚を厚くする必要がある等、作
業性並びに機器の小型化の点で大きな問題がある。

＜考案の目的＞ 本考案はかかる従来の問題点に鑑みて成されたもので、
その目的とするところは、部品端子の挿入孔に弾性体を
設け、この弾性体により部品端子を弾性的に固定するよ
うにして、電子部品の挿入作業性を改善し且機器の小型
化に寄与できるたいへん実用的な電子部品の固定装置を
提供せんとするものである。

＜実施例＞ 以下図にもどついて本考案を詳細に説明する。第１図は
本考案に係る電子部品の固定装置を説明する図である。

図において、１はキーゴム、２はキーシート、３は内壁
面に部品端子の挿入孔５を設けた上部キャビネット、４
は下部キャビネットである。

前記キーゴム１はオペレータの押圧操作によってその押
圧部分に対応するキーシート２の特定の可動接点と固定
接点とを確実に接触させるために、キーシート２の上に
積層される。８はそのキーゴム１の下端部から図示の如
く右方向に延長形成した延長形成部であり、この延長形
成部８の前記上部キャビネット３に形成された部品端子
挿入孔５に対向する部分には固定すべき電解コンデンサ
６の端子７の径よりも大きな口径の肉厚の薄い円形凹部
９が形成され、さらに該円形凹部９より所定の距離だけ
離れた所には前記電解コンデンサ６の端子７と対向する
側に突起10が膨出形成されている。

本考案実施例では上記の如く構成したので、キャビネッ
ト内に収納する電解コンデンサ６の端子７の先端部を図
に示すように直角に折り曲げ、その先端をキーゴム１の
延長部分８に形成された円形凹部９に押し当てて、図の
如く該凹部９の肉厚の薄い部分を貫通させたのち、上部
キャビネット３と下部キャビネット４を一体化すればよ
く、この場合、電解コンデンサ６の端子７は円形凹部９
のゴムの弾性力によって弾性的に支持される。

又、この実施例によれば、端子７は円形凹部９の弾性力
によって支持されるので、部品端子挿入孔５の口径を大
きく且その深さを浅く形成することができ、したがって
電解コンデンサの端子７の挿入作業が容易となると共に
上部キャビネット３の肉厚を薄く形成することが出来
る。更に、延長形成部分８に突起10を一体形成している
ので従来の如く上部キャビネット３に取付用の凹部を形
成し、またそこに圧着ゴムを装着する等の手間を省くこ
とが出来る。

なお、上記実施例では延長形成部８に薄肉厚の円形凹部
９を形成し、この部分に電解コンデンサの端子７を貫通
させるようにしているが、延長形成部８に単に小さな透
孔を設けておき、その透孔に第２図に示すように端子７
を圧入させるようにしてもよい。

第３図は他の実施例を示すもので、この例では部品端子
挿入孔５に圧着ゴム11を装着し、その圧着ゴムに設けら
れた孔に端子７を圧入するようにしたものであり、上記
実施例同様の効果を奏することができる。

＜効果＞ 以上詳細に説明した様に、本考案の電子部品の固定装置
は、電子部品を収納する凹部を、相互に組み合すことで
構成する上部キャビネット及び下部キャビネットと、前
記上部キャビネットに設けられ、前記電子部品の端子を
折り曲げた状態で挿入させる挿入孔と、前記下部キャビ
ネット上に位置し、前記電子部品の端子と電気的に接続
されるキーシートと、前記上部キャビネット及び下部キ
ャビネットの近傍に設けられ、前記キーシートの接点を
接触させるべく押圧操作されるキーゴムと、前記キーゴ
ムの下端部から前記挿入孔方向に延長形成した、弾性部
材からなる延長形成部と、前記延長形成部の前記挿入孔
の部分に設けられ、前記電子部品の端子を挿入固定する
開口部と、前記開口部を介して前記キーゴムとは反対側
の前記延長形成部に一体形成して設けられ、前記電子部
品の端子を前記キーシートに押接する突起とを設けた構
造を成すので、電子部品の端子が挿入孔から抜け出るこ
となく、電子部品の挿入作業性を改善させることができ
るとともに、延長形成部に設けた突起により確実に電子
部品の端子をキーシートに押接できる。更に、機器の小
型化に寄与することができる等たいへん実用的な電子機
品を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を採用した電子式卓上計算機の例を
示す図、第２図は第１図の要部の他の方法を説明する
図、第３図は他の実施例を示す図、第４図は従来装置を
示す図である。 １はキーゴム、２はキーシート、３は上部キャビネッ
ト、４は下部キャビネット、５は部品端子挿入孔、７は
端子、８は延長形成部、９は円形凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電子部品を収納する凹部を、相互に組み合
   わすことで構成する上部キャビネット及び下部キャビネ
   ットと、 前記上部キャビネットに設けられ、前記電子部品の端子
   を折り曲げた状態で挿入させる挿入孔と、 前記下部キャビネット上に位置し、前記電子部品の端子
   と電気的に接続されるキーシートと、 前記上部キャビネット及び下部キャビネットの近傍に設
   けられ、前記キーシートの接点を接触させるべく押圧操
   作されるキーゴムと、 前記キーゴムの下端部から前記挿入孔方向に延長形成し
   た、弾性部材からなる延長形成部と、 前記延長形成部の前記挿入孔の部分に設けられ、前記電
   子部品の端子を挿入固定する開口部と、 前記開口部を介して前記キーゴムとは反対側の前記延長
   形成部に一体形成して設けられ、前記電子部品の端子を
   前記キーシートに押接する突起と を設けたことを特徴とする電子部品の固定装置。