JPH0651005A - 電圧降下法による接地抵抗測定装置 - Google Patents

電圧降下法による接地抵抗測定装置

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JPH0651005A
JPH0651005A JP4224847A JP22484792A JPH0651005A JP H0651005 A JPH0651005 A JP H0651005A JP 4224847 A JP4224847 A JP 4224847A JP 22484792 A JP22484792 A JP 22484792A JP H0651005 A JPH0651005 A JP H0651005A
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JP
Japan
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current
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measured
measurement
voltage
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JP4224847A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kumada
美行 熊田
Akio Oaji
昭夫 大味
Masami Fujii
正視 藤井
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SHIYOUDEN KK
Shoden Corp
Original Assignee
SHIYOUDEN KK
Shoden Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導等の影響を受ける接地極であっても、常
に安定した高精度の測定をおこなう。 【構成】 測定対象接地極38と測定電流通電補助極3
7との間に通電し、昇圧及び降圧絶縁変圧器14により
設定電流値に到達するまで電流を増大する。設定電流値
に到達したら出力電圧計16により出力電圧を一定周期
で複数個サンプリングする。次いで、昇圧及び降圧絶縁
変圧器14を復帰させて測定電流を減少させて0にして
から電流位相反転器13により位相を反転し、再び電流
を増大する。設定電流値に到達したら同様に電圧をサン
プリングする。次いで、測定電流を減少させて0にして
から測定電圧計17により誘導電圧を測定する。さら
に、サンプリングした値の平均値を算出してから接地抵
抗を算出して表示器であるCRT3に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動的に接地抵抗を測
定することのできる電圧降下法による接地抵抗測定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】接地抵抗の測定方法として電圧降下法によ
る接地抵抗測定法がある。この測定法は、測定対象の接
地極に商用電源から電流を通電し(以下、この電流を便
宜上、商用電流という)、対象接地極より遠方に設置し
た電圧極間との接地電圧上昇値を測定し、測定された接
地電圧上昇値を流入した商用電流値で除して接地抵抗を
求めるものである。また、この測定方法では、測定対象
が送電線から誘導を受けている場合、接地流入商用電流
に対する接地電圧上昇値および誘導電圧を測定し、その
測定値をベクトル合成とし、その合成値を商用電流値を
もって除すことにより接地抵抗値を求めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この測定方法では、商
用電流が得られない場合の電源として、移動発電機を用
いることがある。ところで、移動発電機の測定電圧はA
VR等により調整されているものの、周波数が商用電源
周波数50Hzまたは60Hzと必ずしも一致しない。
そのため移動発電機を電源とした場合、接地測定線に商
用電流の誘導を受けることがあり、それによる接地電位
の上昇電圧が振幅変調された波形となって現れてくる。
【0005】その結果、送電線からの誘導により接地電
圧上昇値に変動が生じ、可動鉄片電圧計等からの指示値
が大きく振れてしまう。測定者はこれら上下に変動する
測定値のおおよその中間値を読み取ってから接地抵抗の
算出を行わなければならず、真値の測定には熟練が必要
であった。そのため、測定値に測定者によるばらつきが
あり、精度の点で不十分なところがあった。本発明は上
記問題点を解決するためになされたもので、その目的と
するところは、誘導等の影響を受けることなく、常に安
定して高精度の接地抵抗を測定することができる電圧降
下法による接地抵抗測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、測定対象の接地極と測定電流通電補
助極との間に流入させる測定電流の設定値を入力する手
段と、電流位相反転器により測定電流の位相を反転させ
る手段と、昇圧及び降圧絶縁変圧器を用いて測定電流を
0から設定電流値までの間で増減調整する手段と、測定
電流が設定電流値に到達したら測定電圧を一定周期で複
数個サンプリングする手段と、接地極における誘導電圧
を測定する手段と、位相を反転してそれぞれにサンプリ
ングされた電圧、電流値および誘導電圧測定値に基づき
接地抵抗値およびその平均値を算出する手段と、算出さ
れた接地抵抗値を画面表示する表示器を備えたことを特
徴とする。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、設定
電流値入力手段により入力された設定電流値を複数個格
納しておく手段と、格納された複数の設定電流値ごとに
それぞれ位相を反転し測定電圧をサンプリングして接地
抵抗値およびその平均値を算出する手段を備えたことを
特徴とする。
【0008】第3の発明は、測定対象の接地極と測定電
流通電補助極との間に流入させる測定電流の設定値を入
力する手段と、電流位相反転器により測定電流の位相を
反転させる手段と、昇圧及び降圧絶縁変圧器を用いて測
定電流を0から設定電流値までの間で増減調整する手段
と、測定電流が設定電流値に到達したら手動操作により
入力されたタイミングで測定電圧をサンプリングする手
段と、接地極における誘導電圧を測定する手段と、位相
を反転してそれぞれにサンプリングされた電圧、電流値
および誘導電圧測定値に基づき接地抵抗値およびその平
均値を算出する手段と、算出された接地抵抗値を画面表
示する表示器を備えたことを特徴とする。
【0009】第4の発明は、第1または第2または第3
の発明において、算出値をグラフ表示して印字出力する
手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】第1の発明においては、始めに設定電流値が設
定されてから測定対象の接地極と測定電流通電補助極と
の間に電流が流入され、設定電流値に到達するまで電流
が増大される。設定電流値に到達したら測定電圧が一定
周期で複数個サンプリングされる。次いで、測定電流が
減少して0になってから位相が反転され、再び電流が増
大される。設定電流値に到達したら測定電圧が一定周期
で複数個サンプリングされる。次いで、測定電流が減少
して0になってから接地極における誘導電圧が測定され
る。こうしてそれぞれ得られた測定値から電圧降下法に
より接地抵抗値およびその平均値が算出されて表示器に
表示される。
【0011】第2の発明においては、設定電流値入力手
段により入力された設定電流値が複数個格納され、その
格納された複数の設定電流値ごとにそれぞれ位相が反転
されて測定電圧および測定電流値がサンプリングされて
接地抵抗値およびその平均値が算出される。
【0012】第3の発明においては、始めに設定電流値
が設定されてから測定対象の接地極と測定電流通電補助
極との間に電流が流入され、設定電流値に到達するまで
電流が増大される。設定電流値に到達したら手動操作に
より入力されたタイミングで測定電圧がサンプリングさ
れる。次いで、測定電流が減少して0になってから位相
が反転され、再び電流が増大される。設定電流値に到達
したら手動操作により入力されたタイミングで測定電圧
がサンプリングされる。次いで、測定電流が減少して0
になってから接地極における誘導電圧が測定される。こ
うしてそれぞれ得られた測定値から電圧降下法により接
地抵抗値およびその平均値が算出されて表示器に表示さ
れる。
【0013】第4の発明においては、算出された値から
グラフが作成されて印字出力される。
【0014】
【実施例】以下、図に沿って本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明に係る電圧降下法による接地抵抗測定
装置の全体構成を示すブロック図である。図において、
測定器本体1は、CPU2の指示に従い自動測定を行い
測定結果をCPU2へ送る。
【0015】CPU2は測定器本体1へ指示を与えて測
定器本体1の動作を制御するとともに測定器本体1の測
定結果から接地抵抗を算出して、CRT3およびプリン
タ4へ送る。CRT3は、CPU2から送られた測定値
および算出値を表示する。プリンタ4は、CPU2から
送られた測定値および算出値を印字出力する。
【0016】図2は、図1の測定器本体1の構成を詳細
に示したブロック図である。CPU2は、入力された測
定諸条件に基づく設定指示を、測定器本体1内の出力電
流設定器11,出力電圧調整器12,電流位相反転器1
3へ送るとともに、所定タイミングの計測指示を測定電
流計15,出力電圧計16,測定電圧計17へ送る。
【0017】それにより、測定電流設定器11,出力電
圧調整器12は測定する電流を設定指示に従い調整し、
電流位相反転器13は測定電流が0になったタイミング
で位相を反転し、昇圧及び降圧絶縁変圧器14も設定指
示に従い測定電流の電圧を出力電圧計16で読み昇圧お
よび降圧をする。こうして調整された測定電流は、測定
電流計15を介してから外部の接地極へ送られる。この
とき測定電流計15は、計測指示に従い測定電流の電流
値および電圧を測定し、測定データとしてCPU2へ送
る。測定電圧計17も同様に接地電圧を測定し、測定デ
ータとしてCPU2へ送る。
【0018】この装置は4種類の測定モードを備えてお
り、測定者が任意のモードを選択することにより測定が
開始される。4種類の測定モードとは、手動モード、半
自動モード、自動モード、パソコンモードである。この
パソコンモードとは、図2に示されたCPU2の上位に
パソコンを接続して、電圧の自動測定や接地抵抗値の自
動算出等の動作を可能にしたものである。
【0019】図3は、測定器本体1の操作パネルの正面
図である。図において、15は測定電流計、16は出力
電圧計、17は測定電圧計であり、いずれも上段がホー
ルド値を下段がリアルタイムで変化する現時点の値を示
す。21は出力電流設定器11に設定値をセットするサ
ムロータリスイッチである。22は出力電圧調整器12
の出力電圧を昇降させるための1対の押しボタンスイッ
チである。
【0020】23は電流位相反転器13を作動させる1
対の押しボタンスイッチである。24は測定電源の入り
・切りをする開閉器である。25は測定電源の電流値を
示す電流計である。26はモードセレクトスイッチであ
る。27は非常停止スイッチである。28は半自動モー
ドにおける1対の操作スイッチである。29は検定を受
けた電流計(以下検定電流計と称す)を接続するための
端子である。30,31は検定を受けた電圧計(以下検
定電圧計と称す)を接続するための端子である。31は
検定電圧計を接続するための端子である。
【0021】図4は、モードの選択と測定の手順を説明
するフローチャートである。図に示されるように、測定
開始時にモードが選択される(S1)。手動モードが選
択されると、以後、測定者の入力操作に従い、電極への
通電を開始し(S2)、電流が設定値に到達するまで電
流を増大する。電流が設定値に到達したら、電圧Vs1
目視により測定する(S3)。次いで、電流を減少させ
て0になると位相を反転し(S4)、再度、設定値に到
達するまで電流を増大する。電流が設定値に到達した
ら、電圧Vs2を目視により測定する(S5)。
【0022】次いで、電流を減少させて0になったら、
誘導電圧V0を目視により測定して(S6)、手動モー
ドによる測定を終了する。また、S1のモード選択で自
動モード(パソコンモード)が選択されると、入力条件
を待機し、条件1,2等が入力されるとCPU2へ送る
(S7)。ここで入力される条件とは、設定電流値のこ
とであり、例えば10A,20Aという値が入力され
る。
【0023】次に、条件1の設定電流値に基づき、測定
を開始する(S8)。初めにCPU2の指示に従い、電
流の通電を開始し、電流が設定値に到達するまで電流を
増大する。電流が設定値に到達したら、電圧Vs1を測定
してCPU2へ送る(S9)。次いで、電流を減少させ
て0になったら、位相を反転させ(S10)、再度、設
定値に到達するまで電流を増大する。電流が設定値に到
達したら、電圧Vs2を測定してCPU2へ送る(S1
1)。次いで、電流を減少させて0になったら、接地極
におるけ誘導電圧V0を測定しCPU2へ送る(S1
2)。
【0024】次に、条件2の設定電流値に基づき、測定
を開始する(S13)。ここではCPU2の指示に従
い、条件1の場合と同様な手順で電圧Vs1、電圧Vs2
誘導電圧V0を測定しCPU2へ送る(S14〜S1
7)。ここで、測定を継続するか否かをCPU2へ問い
合わせ(S18)、他に条件が設定されていなければ測
定を終了する。
【0025】次に、CPU2は入力された測定値から接
地抵抗を算出し、CRT3に表示するとともにプリンタ
4からも出力する。なお、フローチャートには記載して
いないが、測定動作が終了すると、音声により終了した
旨の案内がある。また、測定中に断線等の異常が発生し
た場合はブザー鳴動等により警報を発する。さらに、こ
のフローチャートでは、半自動モードおよび自動モード
の動作を省略した。
【0026】次に図5〜図7により、各モードの動作を
個々に説明する。図5は、手動モードが選択された場合
の操作および動作シーケンスと電流の変化を示した説明
図である。以下、図に沿って操作および動作を説明す
る。 (1)最初に開閉器24を閉じて電源をオンする。 (2)押しボタンスイッチ23を操作して位相を選択す
る。 (3)押しボタンスイッチ22のUP側を押し、出力電
圧の昇圧を開始する。
【0027】(4)押しボタンスイッチ22のUP側が
押下されている間は、測定電流計15の指示値が上昇す
る。 (5)測定電流計15の指示値が設定電流に到達した
ら、押しボタンスイッチ22の押下を停止し、電圧Vs1
を測定する。 (6)押しボタンスイッチ22のDOWN側を押して、
出力電圧の降圧を開始する。 (7)押しボタンスイッチ22のDOWN側が押下され
ている間は、測定電流計15の指示値が下降する。
【0028】(8)測定電流計15の指示値が0に到達
したら、押しボタンスイッチ22の押下を停止する。 (9)押しボタンスイッチ23を操作して位相を反転す
る。 (10)押しボタンスイッチ22のUP側を押し出力電
圧の昇圧を開始する。 (11)押しボタンスイッチ22のUP側が押下されて
いる間は、測定電流計15の指示値が上昇する。
【0029】(12)測定電流計15の指示値が設定電
流に到達したら、押しボタンスイッチ22の押下を停止
し、電圧Vs2を測定する。 (13)押しボタンスイッチ22のDOWN側を押し
て、出力電圧の降圧を開始する。 (14)押しボタンスイッチ22のDOWN側が押下さ
れている間は、測定電流計15の指示値が下降する。 (15)測定電流計15の指示値が0に到達したら、押
しボタンスイッチ22の押下を停止する。 (16)測定電圧計17より誘導電圧を測定する。 (17)最後に開閉器24を開いて電源をオフにする。
【0030】図6は、半自動(セミ・オート)モードが
選択された場合の操作および動作シーケンスと電流の変
化を示した説明図である。以下、図に沿って操作および
動作を説明する。 (1)最初に開閉器24を閉じて電源をオンする。 (2)サムロータリスイッチ21により測定電流値を設
定する。 (3)操作スイッチ28を押して、半自動測定を開始さ
せる。 (4)自動により位相が選択される。
【0031】(5)自動により指示計器15〜17の表
示値がリセットされる。 (6)自動により出力電圧調整器12が作動し、昇圧及
び降圧絶縁変圧器14を介して出力電圧の昇圧が開始さ
れる。 (7)測定電流が設定電流に到達したら、自動により出
力電圧調整器12が停止される。 (8)手動により、出力電圧計16の表示値をホールド
し電圧Vs1を読み取る。 (9)再び、半自動測定が開始されて、出力電圧の降圧
が開始される。 (10)出力電圧が0に戻ると、自動により出力電圧調
整器12が停止される。
【0032】(11)自動により、位相が反転される。 (12)自動により出力電圧調整器12が作動して出力
電圧の昇圧が開始される。 (13)測定電流が設定電流に到達したら、自動により
出力電圧調整器12が停止される。 (14)手動により、出力電圧計16の表示値をホール
ドし電圧Vs2を読み取る。
【0033】(15)再び、半自動測定が開始されて、
出力電圧の降圧が開始される。 (16)出力電圧が0に戻ると、自動により出力電圧調
整器12が停止される。 (17)自動により、位相が反転される。 (18)自動により、測定電圧計17に表示される誘導
電圧が読み取られる。 (19)最後に手動により開閉器24を開いて電源をオ
フにする。 以上のようにして、半自動モードでは、測定電流が増大
されて設定電流に到達したら自動的に固定されるため、
面倒な電流設定操作がなくなり測定操作が簡単になる。
【0034】図7は、自動モードが選択された場合の操
作および動作シーケンスと電流の変化を示した説明図で
ある。以下、図に沿って操作および動作を説明する。 (1)最初に開閉器24を閉じて電源をオンする。 (2)サムロータリスイッチ21により測定電流値を設
定する。 (3)操作スイッチ28を押して、自動測定を開始させ
る。 (4)自動により位相が選択される。
【0035】(5)自動により指示計器15〜17の表
示値がリセットされる。 (6)自動により出力電圧調整器12が作動して出力電
圧の昇圧が開始される。 (7)測定電流が設定電流に到達したら、自動により出
力電圧調整器12が停止される。 (8)自動により、出力電圧計16の表示値が一定周期
で所定回数サンプリングされる。 (9)自動により、出力電圧の降圧が開始される。 (10)出力電圧が0になったら、自動により出力電圧
調整器12が停止される。
【0036】(11)自動により、位相が反転される。 (12)自動により出力電圧調整器12が作動して出力
電圧の昇圧が開始される。 (13)測定電流が設定電流に到達したら、自動により
出力電圧調整器12が停止される。 (14)自動により、出力電圧計16の表示値が一定周
期で所定回数サンプリングされる。 (15)自動により、出力電圧の降圧が開始される。 (16)測定電流が0になったら、自動により出力電圧
調整器12が停止される。
【0037】(17)自動により、位相が反転される。 (18)自動により、測定電圧計17に表示される誘導
電圧が読み取られる。 (19)最後に手動により開閉器24を開いて電源をオ
フにする。 以上のようにして、自動モードでは測定電流の設定およ
び位相の反転操作が自動的に行われるとともに、電圧が
複数個サンプリングされるため、その値を平均化するこ
とにより、誘導による変動がある場合でも高精度の測定
が可能になる。
【0038】図8はこの自動モードにおける測定値のサ
ンプリングの一例を示す説明図である。図示例は、移動
発電機を電源として測定している場合に、商用電源から
の誘導による測定誤差を最小にするため、測定電圧値の
サンプリングを400ms周期とし、サンプリング回数
を10回とした場合の初めの期間を示したものである。
こうしてサンプリングした測定値の最大値と最小値を除
いた8個の平均を算出して測定値とする。なお、サンプ
リング回数は10回に限定されるものでなく、電圧の変
動の周期やサンプリング周期を考慮して決定される。こ
のようにして変動する電圧を複数回サンプリングし、そ
の測定値を平均化することで、商用電源からの誘導によ
る電圧変動が排除され測定精度が向上する。
【0039】さらに、パソコンモードについて説明す
る。このパソコンモードは図示しないが、以下、順に操
作および動作を説明する。 (1)最初に開閉器24を閉じて電源をオンする。 (2)測定条件として、必須の出力電流値および測定回
数以外に、測定場所、測定年月日、測定者、使用極材、
埋設深さ、測定電流等を対話形式により入力する。 (3)パソコンのキーボードから測定開始を指示する。 (4)自動モードの手順で、設定された回数に到達する
までそれぞれの設定電流における自動測定を繰り返す。
【0040】(5)測定値とそれから算出された接地抵
抗値および入力データを表1のような形式でCRT3に
表示する。なお、図9は表1の測定試験項目にそれぞれ
該当する位置を示す測定結線図である。図中の36は電
圧検出補助極、37は測定電流通電補助極、38は測定
対象接地極であり、他の部分の構成は他の図と共通であ
るので説明を省略する。また、図10は測定された電圧
についての補正を示すベクトル図である。
【0041】
【表1】
【0042】なお、表1中のIsは測定電流、V0はIs
が0のときの電圧計の読み、Vs1は一方の位相の電圧計
の読み、Vs2は極性を反転した他方の位相の電圧計の読
み、Rは接地抵抗である。 (6)さらに、必要な場合は、表示内容をそのままプリ
ンタ4より印字する。 (7)またさらに、異なる設定電流で複数回の測定をし
た場合は、図11のように、設定電流と接地抵抗の関係
をグラフ表示する。また、表示内容をそのままプリンタ
4より印字する。
【0043】次に、上述したパソコンモードによる接地
抵抗の測定と従来法による測定との比較試験について説
明する。この比較試験は、いずれも発変電規定JEAC
−5001に準拠して測定をおこなったものであり、測
定対象は送電線からの誘導電圧が大きい地点で、しかも
測定電源に移動発電機を使用した測定値に大きな変動が
ある接地極について実施した。その試験結果は、表2の
ような値がそれぞれ得られた。
【0044】
【表2】
【0045】表中の測定電圧のうち従来法のものは、図
8のように変動する電圧の表示値を測定者が読み取り、
その値の上限と下限の中でほぼ中間と思われる値を見定
めて取り出したものである。さらに測定者がこの読み取
った値をいったん紙面に書き写してから、測定者自身が
計算を行い接地抵抗Rを求めた。
【0046】それに対して本発明の接地抵抗測定装置に
よるCPU法で得られた測定電圧は、400msのサン
プリング周期で10回読み取った値の範囲を示したもの
であり、これらの中の最大値と最小値を除いた残りの8
個の平均値から接地抵抗Rが自動的に算出され出力され
る。この値には測定者の読み取りの際のくせが含まれる
ことがなく、客観的な測定値となる。
【0047】すなわち、この発明の電圧降下法による接
地抵抗測定装置は、その性格上、従来のJEAC準拠測
定結果と同等または近似値でなければならないが、比較
試験の結果のように、双方の測定値にほぼ同一の値を得
ることができ、実用上十分使用可能であることが確認で
きた。
【0048】このように本発明を用いた接地抵抗の測定
では、誘導の影響により測定電圧に変動がある場合に客
観的で信頼性のある測定値が得られ、しかもその測定値
に基づく接地抵抗が自動的に算出されるため、測定者の
負担が軽くなり、測定操作の熟練も不要になる等の利点
がある。
【0049】次にこの接地抵抗測定装置の他の機能につ
いて説明する。図12は測定器本体の結線をさらに詳細
に示した結線図であり、図示されるように、測定電流計
15と直列に接続端子29が設置され、検定電流計45
の接続を可能にしている。また、出力電圧計16および
測定電圧計17と並列に接続端子30,31がそれぞれ
設置され、検定電圧計46,47の接続を可能にしてい
る。
【0050】これらの各接続端子29〜31にそれぞれ
検定計器45〜47を接続することにより、並行測定が
可能になる。また、電流位相反転器13の両側に手動切
替えタップ35が設置されて手動による位相切り替えを
可能にしている。なお、図中の出力電圧計16には実効
値測定ディジタルメータが使用される。図中の他の部分
の構成は他の図と共通であるので説明を省略する。ま
た、この測定器に商用電源を使用し測定しても何ら問題
を生じることはない。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように第1の発明によれば、
予め設定した電流値での実際の電圧の値等が自動的にサ
ンプリングされてそれらの値から接地抵抗値およびその
平均値が算出されて表示される。その結果、誘導等によ
り電圧の値に変動があってもそれらが平均化されて正確
な接地抵抗値を求めることができ、測定者への負担が少
なくなる。
【0052】第2の発明によれば、複数の設定電流値を
格納して、複数の設定電流値ごとに出力電圧をサンプリ
ングするため、より高精度に接地抵抗値を算出できる。
【0053】第3の発明によれば、設定電流値に到達し
てからの出力電圧のサンプリングを手動操作により行え
るため、変動を見極めてから最適と思われる値を任意の
タイミングでサンプリング可能となり、使い勝手が向上
する。
【0054】第4の発明によれば、算出された値がグラ
フとして印字出力されるため、測定値の解析や保存が容
易となり使い勝手が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1の要部を詳細に示したブロック図である。
【図3】測定器本体の操作パネルの正面図である。
【図4】測定の手順を説明するフローチャートである。
【図5】手動モードにおるけ操作および動作シーケンス
の説明図である。
【図6】半自動モードにおるけ操作および動作シーケン
スの説明図である。
【図7】自動モードにおるけ操作および動作シーケンス
の説明図である。
【図8】自動モードにおける測定値のサンプリングの一
例を示す説明図である。
【図9】測定試験項目の該当する位置を示す測定結線図
である。
【図10】測定された電圧についての補正を示すベクト
ル図である。
【図11】設定電流と接地抵抗の関係を表示したグラフ
である。
【図12】測定器本体をさらに詳細に示した結線図であ
る。
【符号の説明】
1 測定器本体 2 CPU 3 CRT 4 プリンタ 11 出力電流設定器 12 出力電圧調整器 13 電流位相反転器 14 昇圧及び降圧絶縁変圧器 15 測定電流計 16 出力電圧計 17 測定電圧計 21 サムロータリスイッチ 22,23 押しボタンスイッチ 24 開閉器 25 電流計 26 モードセレクトスイッチ 27 非常停止スイッチ 28 操作スイッチ 29〜31 接続端子 35 手動切替えタップ 36 電圧検出補助極 37 測定電流通電補助極 38 測定対象接地極 45 検定電流計 46,47 検定電圧計

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の接地極と測定電流通電補助極
    との間に流入させる測定電流の設定値を入力する手段
    と、 電流位相反転器により測定電流の位相を反転させる手段
    と、 昇圧及び降圧絶縁変圧器を用いて測定電流を0から設定
    電流値までの間で増減調整する手段と、 測定電流が設定電流値に到達したら測定電圧を一定周期
    で複数個サンプリングする手段と、 接地極における誘導電圧を測定する手段と、 位相を反転してそれぞれにサンプリングされた電圧、電
    流値および誘導電圧測定値に基づき接地抵抗値およびそ
    の平均値を算出する手段と、 算出された接地抵抗値を画面表示する表示器と、 を備えたことを特徴とする電圧降下法による接地抵抗測
    定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電圧降下法による接地抵
    抗測定装置において、 設定電流値入力手段により入力された設定電流値を複数
    個格納しておく手段と、 格納された複数の設定電流値ごとにそれぞれ位相を反転
    し測定電圧をサンプリングして接地抵抗値およびその平
    均値を算出する手段と、 を備えたことを特徴とする電圧降下法による接地抵抗測
    定装置。
  3. 【請求項3】 測定対象の接地極と測定電流通電補助極
    との間に流入させる測定電流の設定値を入力する手段
    と、 電流位相反転器により測定電流の位相を反転させる手段
    と、 昇圧及び降圧絶縁変圧器を用いて測定電流を0から設定
    電流値までの間で増減調整する手段と、 測定電流が設定電流値に到達したら手動操作により入力
    されたタイミングで測定電圧をサンプリングする手段
    と、 接地極における誘導電圧を測定する手段と、 位相を反転してそれぞれにサンプリングされた電圧、電
    流値および誘導電圧測定値に基づき接地抵抗値およびそ
    の平均値を算出する手段と、 算出された接地抵抗値を画面表示する表示器と、 を備えたことを特徴とする電圧降下法による接地抵抗測
    定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の電圧降下法による接地抵抗測定装置において、 算出値をグラフ表示して印字出力する手段を備えたこと
    を特徴とする電圧降下法による接地抵抗測定装置。
JP4224847A 1992-07-31 1992-07-31 電圧降下法による接地抵抗測定装置 Pending JPH0651005A (ja)

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