JPH06506599A - パッケージング配列に相補的なアンチセンス核酸によるレトロウイルスの抑制 - Google Patents

パッケージング配列に相補的なアンチセンス核酸によるレトロウイルスの抑制

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JPH06506599A JP4510048A JP51004892A JPH06506599A JP H06506599 A JPH06506599 A JP H06506599A JP 4510048 A JP4510048 A JP 4510048A JP 51004892 A JP51004892 A JP 51004892A JP H06506599 A JPH06506599 A JP H06506599A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 パッケージング配列に相補的な アンチセンス核酸によるレトロウィルスの抑制ウィルス学および医学の分野に属 する本発明は、レトロウィルスのパッケージング配列とハイブリダイズする能力 を有し、それによりレトロウィルス感染を阻止し得るアンチセンスRNA分子を コードするDNA配列、当該アンチセンスRNA配列、当該DNA配列でトラン スフェクトされた宿主、並びに細胞および動物にレトロウィルス感染に対する抵 抗性を付与する方法に関するもレトロウィルスはヒトや動物の健康にとって重大 な脅威になっている。このことは世界中に広がったエイズ伝染病におけるHIV −1の役割によって最も劇的に実証される。今までのところ、レトロウィルス感 染に対する効果的な治療法あるいは救済策は見つかっていない。最近では、感染 因子としてのレトロウィルスが(直接的および間接的に)もたらす損害がメディ カルサイエンスへの最も重大な世界的規模の挑戦になっていることは疑う余地が ない。それ故に、レトロウィルス感染症を予防または治療するための効果的な方 法および組成物の必要性はきわめて明白である。
レトロウィルスは、それらのゲノムRNAを、宿主細胞ゲノムに組み込むことの できるDNAに“逆転写する”性質を有するRNAウィルスの大きいクラスを構 成する。このウィルスクラスの多くのメンバーは腫瘍形成性である。これらのウ ィルスは、宿主細胞または生物体内でそれらの感染周期を完結するために、限ら れた数の遺伝子および遺伝子調節配列を必要とするにすぎない(1−4)。この 注目すべき分子効率により、病原体としてのヒト免疫不全ウィルス(HI V) のようなレトロウィルスの有効性を部分的に説明できる。他と全く異なる遺伝子 および遺伝子産物の存在も、宿主生物におけるレトロウィルス複製の分子減衰軸 o1ecular attenuation)の標的を示唆している。
レトロウィルスは小型の一本鎖ポジティブセンスRNAウィルスである。それら のゲノムは、とりわけ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、つまり逆転写酵素の 配列を含んでいる。逆転写酵素の多くの分子は成熟ウィルス粒子中でゲノムRN Aと密接に会合した状態で見いだされる。細胞に入ると、この逆転写酵素はウィ ルスゲノムの二本鎖DNAコピーを作り、これは宿主細胞のクロマチンに挿入さ れる。いったん挿入されると、ウィルス配列はプロウィルスと呼ばれる。いくつ かの点で、レトロウィルスの組込みは、/ヨウジタウバエのコピア(Copia )および412または酵母のTy−1のような、種々の真核生物の転移遺伝因子 の組込みに類似している。これらの転移遺伝因子およびレトロウィルスの場合に は、高度に保存された配列の長い広がりの両端に逆方向反復配列が存在する。ま た、これらの因子の組込みは宿主細胞のクロマチンの短い直列反復配列を形成さ せることがある。
宿主細胞ゲノムへのレトロウィルスDNAの組込み(プロウィルスDNAの形成 )の詳細はまだ完全には分かっていないが、それについて幾つかの事実が確立さ れている。レトロウィルスの組込みはウィルスタンパク質に直接依存している。
線状ウィルスDNAの両末端(LTR)はプロウィルスDNAの組込みを可能に する構造を形成する。組込み部位には宿主DNAの短い配列の特徴的な重複が存 在する。
宿主DNAへのウィルスDNAの挿入に直接関与するレトロウィルスタンパク質 はインテグラーゼタンパク質(IN)と呼ばれている。INタンパク質の配列は ウィルスポリメラーゼ遺伝子の3°部分にコードされている。翻訳後、それは大 きい前駆体分子から加水分解によりプロセシングされて活性タンパク質(Mo  −MLVでは46kd;トリウィルスおよびヒト免疫不全ウィルスでは32kd )を生成する。組込みの間、INタンパク質は逆転写酵素により作られたウィル スDNAの両鏡の3° ヒドロキシル末端から塩基を取り除く。これらの3°末 端は宿主細胞DNAの5°ホスホリル末端に共有結合で結合される。すべてのレ トロウィルスのINタンパク質は、組込み部位において宿主DNA中に付着末端 切断を形成させるエンドヌクレアーゼ活性をもつと考えられている。宿主DNA へのウィルスDNAの連結後の細胞酵素によるこの付着末端切断の修復により、 宿主DNAの短い配列の重複が生成する。
子孫ウィルスゲノムおよびmRNAは、プロウィルス配列の末端領域にあるロン グ・ターミナル・リピートつまりLTR内の転写調節シグナルに応答して、挿入 されたプロウィルス配列から宿主細胞のRNAポリメラーゼIIにより転写され る。ウィルスタンパク質の生産には宿主細胞のタンパク質生産機構が利用される が、ウィルスタンパク質の多くはウィルスコード化プロテアーゼによるプロセシ ングを受けるまで不活性である。一般に、子孫ウィルス粒子は非分解的に細胞表 面から出芽する。レトロウィルス感染は感染した細胞または生物の正常な生活環 を必ずしも妨げない。
多くのクラスのDNAウィルスは腫瘍形成に関係しているが、レトロウィルスは 腫瘍形成能をもつRNAウィルスの分類学上のグループにすぎない。ヒトの後天 性免疫不全症候群の病原ウィルスであるヒト免疫不全ウィルス(HI V)のよ うな種々のレトロウィルスは、高等動物の免疫系のいくつかの非常に稀な疾病の 原因ともなる。
レトロウィルスはすべて共通の形態学的特徴を共有している。
それらは一般に直径1100n程度の外膜(エンベロープ)をもつウィルスであ る。エンベロープは成熟ウィルスが細胞から出芽するとき宿主細胞の細胞質膜か ら誘導される。それはウィルスゲノムによってコードされる糖タンパク質スパイ クで覆われている。
プロウィルス配列を活発に転写しかつウィルスタンパク質をプロセシングしてい る感染細胞の細胞質膜は、それらの中に挿入されたウィルスのエンベロープ糖タ ンパク質を有している。いくつかの場合には、これらの糖タンパク質が細胞膜の ある領域に集まることが分かっている。さらに、ウィルスはこれらの領域から優 先的に出芽する傾向がある。
エンベロープはウィルスコード化タンパク質から構成される正二十面体キャプシ ドつまり核様体を包囲している。キャプシドはゲノムRNA、逆転写酵素、イン テグラーゼタンパク質、そしてウィルスゲノムの二本鎖DNAコピーの形成に必 要な他の因子を含むリボ核タンパク質複合体を包んでいる。キャプシドが常に存 在する細胞tRNA以外の非ウィルスRNAを少量含むことは普通に見られるこ とである。細胞tRNAはウィルスゲノムの特定の領域に塩基対合され、そして あとで述べるように逆転写において重要な役割を果たしている。さらに、ヌクレ オキャプシドとエンベロープの間にはコアタンパク質から成る内膜(inner  coat)が見られる。
レトロウィルスに適用可能な分類法がいくつかある。たぶん、最も単純な分類法 は形態に基づくものである。レトロウィルスのこの形態学的分類法は電子顕微鏡 で観察できる構造上の類似性をC型およびD型と指定された粒子の4つのグルー プまたは型に分割される。
A型粒子は非伝染性で、細胞の内部にだけ見られる。それらの大きさは660− 90nの範囲である。それらは被膜をもたない。
それらは嚢内または細胞質内に存在することができる。それらの分類はこれに基 づいてさらに再分割される。嚢内A型粒子の役割は知られていないが、細胞質内 粒子は未熟な形態、つまりB型マウス乳癌ピリオンの前駆体であるようだ。それ らはレトロトランスポゾンであるとも推測されている。
B型粒子はそれらのエンベロープ表面上に非常に目立つスパイクを有し、それら の核様体は中心を離れて存在している。マウス乳癌ウィルスがこの型のレトロウ ィルスの代表例である。
C型粒子は最も大きな形態学的クラスのレトロウィルスに相当する。C型ウィル ス粒子のエンベロープスパイクはサイズおよび量の点で大きく変化しているが、 この型のウィルスはすべて成熟ピリオン内に中心に配置されたコアをもっている 。七ロ二−ネズミ白血病ウィルスが代表的なC型ウィルスである。
D型粒子はB型と同様に中心を離れて存在している核様体を示す。しかし、D型 のスパイクはB型のものよりもかなり短い。この型の例は霊長類にだけ見られる 。
ここに提示した多くの概念を理解するためには、代表的なレトロウィルスの機構 を知ることが必要である。七ロ二−ネズミ白血病ウィルス(Mo−MLV)が例 として役立つだろう。ウィルスの全配列は既知であり、Shimnick、 e t al、、 Nature、 293+543−48(1981)およびMi ller and Verma、 J、 Virol、、 49:214−22 (1984)を参照されたい。すべてのレトロウィルスと同様に、M。
−MLVは成熟ウィルス粒子内にそのゲノムRNAを2コピー保有している。レ トロウィルスの二倍体RNAゲノムはウィルスの中でも特異であり、逆転写プロ セスの必要成分である。ウィルスゲノムRNAの同様のサブユニットは真核細胞 のmRNA分子のいくつかの特徴を示す。この分子の5′末端はm RN Aに 典型的なキャップ構造(m’G” ppp”Gm)をもっている。約200残基 のポリAテイルが3′末端に付いており、そして数個の内部アデノシン残基がメ チル化されている。
キャップおよびポリAテイルのほかに、ウィルスRNAには3つの主要なコード 領域と6つの機能領域が確認される。高度に保存されたLTR(つまりロング・ ターミナル・リピート)領域のコピーがこの分子の両端に見られる。二倍体ゲノ ムと同様に、逆転写の成功にはこれらが必要である。5° LTR領域はプロモ ーターおよびエンハンサ−活性を有する配列を含んでいる。LTR領域もポリA 付加シグナルを含む。5’ LTR領域の下流にはU5領域が存在する。次にL (つまり非翻訳リーダー)配列が存在する。L領域はネガティブ鎖DNA合成の 開始のためのプライマー結合(PB)部位を含む。ネガティブ鎖DNA合成の開 始時にプライマーとして用いられるtRNA分子はPB部位に塩基対合される。
これはウィルスゲノムのキャプシド化に必要な部位も含んでいる。
次に3つの主要なコード領域が存在する:ウイルスのコアタンパク質をコードす るgag、つまりグループ特異的抗原遺伝子;ウィルスのポリメラーゼ(つまり 逆転写酵素)をコードするp。
1;およびエンベロープタンパク質および糖タンパク質をコードするe n V  oこれらの後にPB十部位が続き、この部位はポジティブ鎖DNA合成に用い られるプライマーと結合する。次にウィルスエンハンサ−およびプロモーターを 含むU3領域が存在する。
U3領域の下流にはLTR領域の2番目のコピーが存在する。
MLVの成熟ウィルス粒子は9種類の主要なタンパク質を含んでいる。これらは −次翻訳産物の翻訳後プロセシングにより作られる。これらのタンパク質は19 74年に導入されたシステムに従って命名される。このシステムでは、記号″p ” (タンパク質)またはgp” (糖タンパク質)の後に、ドデシル硫酸ナト リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で測定されたタ ンパク質のおよその分子量(kDa)を示す数字を記載する(23)。4つの内 部構造タンパク質はウィルスgag遺伝子の産物である。それらは次のものであ る:主要キャプシドタンパク質のp30;疎水性マトリックスタンパク質のp1 5;ヌクレオキャプシド内に見られる塩基性タンパク質のplO;および酸性リ ンタンパク質のp12(これはしばしばpp12と呼ばれ、そのピリオン位置お よび機能はこれがら決定されねばならない)。
env遺伝子によりコードされる2つの主要なエンベロープ結合タンパク質が存 在する。それらは糖タンパク質のgp70と非グリコジル化p15タンパク質で ある。p15タンパク質はgD70に結合して、それを膜に定着させるトランス メンブランタンパク質である。gp70タンパク質は成熟ピリオンを細胞表面の ウィルスレセプターに結合させる。
ウィルスのポリメラーゼタンパク質もp70と呼ばれる。M。
−MLVでは、このタンパク質は非共有結合とジスルフィド結合によって結合さ れた2量体であるようだ(26)。RNA依存性DNAポリメラーゼとして作用 するほかに、逆転写酵素はRNaseH活性も有し、RNA−DNAハイブリッ ド中のRNAを短いオリゴヌクレオチドに消化する。2つの他のタンパク質は( 少なくとも一部のレトロウィルスにおいては)pol遺伝子の産物であると考え られる。ウィルスプロテアーゼのp14は他のウィルスタンパク質の成熟化に寄 与する。インテグラーゼタンパク質p46(MuLVのもの)は、二本鎖DNA コピーのウィルスゲノムを宿主細胞DNAに接合または挿入するように働<(2 7゜28、 29. 30)。
他のレトロウィルスは別のレトロウィルス遺伝子に特色がある。
かくして、HTLV−ルトロウイルス中に、我々はtaxおよびrexを見いだ すことができる。ウィルスの複製に不可欠なtaxの産物は、ウィルスの遺伝子 発現を高めるトランス作用転写活性因子である(Seiki、 M、 et a l、、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci。
USA、 80:3618−3622 (1983); 5odorski、  J、G、 et al、、 5cience。
225:381−385 (1984); Chen、 1. et al、、  5cience、 229:54−58(1987) )。やはりウィルスの 複製に必要とされるrex遺伝子は、ウィルス遺伝子発現の転写後の調節遺伝子 である(Hidaka。
M、 et al、、 EMBOJ、、 7:519−523 (1988);  Inoue、 J、 et al、。
Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 USA、 84:3652− 3657 (1988) )。
HIV−ルトロウイルスもウィルス複製を調節する遺伝子をもち、vi f、v pr、tat、rev、vpuおよびnefを含んでいる(Haseltrne 、 W、A、、 J、 Acquired Immune Deficienc ySyndrome、 l:217240 (198B))。
レトロウィルス複製に必要なもう1つの因子は、ウィルス粒子へのゲノムウィル スRNA分子の特異的キャプシド化に必要とされるシス作用ウィルスゲノム配列 である(4−10)。Psiと呼ばれるこれらのパッケージング配列が同定され 、そして遺伝子移入用にデザインされたレトロウィルスベクターの構築に利用さ れた(10−13)。機能的なパッケージング配列は宿主細胞内でのレトロウィ ルス複製に絶対に必要である。レトロウィルスゲノムからパッケージング配列を 欠失させ(ウィルスの増殖を阻止するため)、このDNAを宿主細胞内に導入す ると、細胞はウイルスタンパク質とウィルスRNAをすべて生産できたが、ウィ ルスRNAゲノムを伝染性粒子にパッケージすることができなかった。しかし、 この種の細胞は“ヘルパー”細胞として役立ち、レトロウィルスのLTRとパッ ケージング配列のみを含むDNAベクターを補足することができた。“ヘルパー ”細胞は次のものを供給した: (a)ベクターRNAをパッケージするのに必 要なgagコード化タンパク質: (b)キャプシドを形成するためのエンベロ ープタンパク質;および(C)感染細胞に到達した際にRNAゲノムをDNAコ ピーに変換するための逆転写酵素。ピリオンへのRNAパッケージングに必要な 配列が規定され、gag遺伝子の初期部分の先端と5’ LTRとの間にあるこ とが分かった。
B、アンチセンスRNA 遺伝子発現はDNA鋳型からのプレメツセンジャーRNAの転写、プレメツセン ジャーRNAの成熟メツセンジャーRNAへのプロセシング、およびメツセンジ ャーRNAの1以上のポリペプチドへの翻訳を伴う。最近では、細胞および生物 内のRNA機能を阻止するためにアンチセンスRNAを使用することが大いに関 心をもたれている(14−16)。アンチセンスRNAは高度に特異的な方法て その相補配列(“センスRNA”)に結合することができる。これはセンスRN Aのプロセシングおよび翻訳を阻止し、配列特異的RNA結合タンパク質との相 互作用を破壊することもある(17−20)。例えば、正常なチミジンキナーゼ (TK)mRNAに相補的なRNAの転写を支配するプロモーターを担うプラス ミドが構築された。このようなプラスミドを、正常に発現されるTK遺伝子を含 むプラスミドと共に、TKを欠失している突然変異マウスL細胞に注入すると、 アンチセンス遺伝子の存在が正常プラスミドからのTKの発現を実質的に低下さ せた(Izant et al、、 Ce11.36:1007 (1984) )。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは種々のウィルス系において抑制的であること が見いだされた。Zamecnik and 5tephensen。
Biochemistry、 75:280−84 (1978)は、培地に3 °および5° LTRの13ヌクレオチドに相補的なオリゴデオキシヌクレオチ ドを加えることにより、培養CEF細胞内でのラウス肉腫ウィルス(レトロウィ ルス)の生産を抑制した。このDNAはエキソヌクレアーゼに対するその感受性 を低下させるべく末端でブロックされた。彼らは、このアンチセンスDNAが環 状化、DNAの組込み、DNAの転写、翻訳開始またはリポソーム結合を阻止す ることによって機能しうると推測した。パッケージングの阻止については何も言 及されていないことに留意されたい。
Chang and 5tollzfus、 J、 Virol、、 61:9 21−24 (1987)は、アンチセンスRNA (それらはenv遺伝子の コード領域または5′あるいは3′ フランキング領域にハイブリダイズした) を用いて同じウィルスを抑制した。
Gupta、 J、 Biol、 Chem、、 262ニア492−96 ( 1987)は、5′フランキング領域に相補的なアンチセンスDNAを用いてセ ンダイウィルスのヌクレオキャプシドタンパク質(N P)およびリンタンパク 質(P、C)mRNAの翻訳を抑制した。コード領域に相補的なオリゴヌクレオ チドは翻訳に何の影響も与えなかった。彼らは有効性におけるこの差異を説明す ることができなかった。
上に示した知見に基づいて、多くの研究所が、アンチセンスRNAてウィルス遺 伝子発現を阻止することにより、エイズの原因ウィルスであるHIV−1の伝播 を防止しようとした。これまでのところ、これらの努力のとれも成功していない 。
アンチセンス実験が考案され、そしてNIHにより行われた。
S、 Am1ni、 Mo1. Ce11. Biol、 (1986) 6( 7):2305; M、 Matsukura。
PNAS (1987) 84ニア706; J、 Ho1t、 MCB (1 988) 8(2)+963;に、Croen、 5cience News  (1989) 132:356゜この種の実験は一般にレトロウィルスの複製を 阻止するアンチセンス剤の能力をテストすることに向けられる。当分野では、最 近の動向として、複製の阻止はRevタンパク質のようなウィルスタンパク質の 発現の阻止を意味するという考えが力説されている。この力説のために、抗ウィ ルス活性についてアンチセンス配列をテストするためのアッセイはHIV−1遺 伝子産物の発現を測定している。S、 Gott。
J、 Virol (1981) 38(1):239 (RTの試験) ;  J、 McDougal、 J。
In+n1uno1. Meth、 (1985) 76:171 (抗原の検 出)を参照されたい。
HI V−Jのアンチセンス核酸阻止の試験に最もよく用いらる発現アッセイで あるRNAノザンプロット分析(Thomas、 PNAS。
77:3201.1980 )は、ウィルスパッケージング配列に相同性の有用 なアンチセンス配列を検出することができない。
Ruden and G11boa、 J、 Viral、 63:677−6 82 (Feb、 1989)は、アンチセンスRNAを発現するように遺伝子 操作した一次ヒトT細胞においてHTLV−1の複製を抑制した。1つのアンチ センスRNAはtax遺伝子cDNAの最初のキロベースに対して誘導された。
他方はプロウィルスDNAの5′末端からの1. 1キロベースのHindII I−Ps t Iフラグメントてあった。後者の標的は5′スプライス部位、t RNAプライマー結合部位、および“おそらく”ゲノムウィルスRNAのパッケ ージングのためのシグナルを含むと書かれている。アンチセンスをコードするD NAはSV40初期プロモーターまたはサイトメガロウィルス即時型プロモータ ーに機能しつる状態で連結された。CMVプロモーターの制御下でアンチセンス RNAを発現するベクターのみが細胞増殖に対して抑制効果を及ぼしたが、SV 40初期プロモーター/アンチtax遺伝子もウィルス生産を低下させた。
Ruden and G11boaにより提唱された種類の大きいアンチセンス 分子はい(つかの欠点を有している。それらは合成するのが困難である(特に、 以下で述べるように異常な塩基が組み込まれている場合)。それらは、ことによ ると、もとのウィルス、他のウィルス、または腫瘍遺伝子と再結合するだろう。
また、それらはウィルス標的へのそれらの結合を妨げる二次構造を形成しやすい 。
さらに、それらは細胞DNAとハイブリダイズする傾向があり、その結果おそら く必須遺伝子の発現を抑制するだろう。
通常の塩基を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用に加えて、研究者らは 遺伝子発現を抑えるためにヌクレオシドまたはヌクレオチドの類似体を利用して いる。このような類似体はヌクレアーゼ加水分解に対する抵抗性および培養下の 哺乳動物細胞の透過向上といった有利な性質を備えている(Miller、 P 、S、 et al。
、 Biochemistry、 20:1874−1880 (1981))  o例えば、16s rRNAのシャインーダルガルノ配列に相補的なオリゴ( デオキシリボヌクレオシドホスホネート)は大腸菌においてタンパク質合成を抑 制したが、哺乳動物細胞では抑制しなかった(Jayaraman。
に、 et al、、 Proc、 Natl、 Acad、 Set、 US A、 78:1537−1541(1983) )。ウサギグロビンm RN  Aの開始コドン領域に相補的なこの種のオリゴマーは無細胞系において翻訳を抑 制した(Blake、 K、R,et at、、 Biochemistry、  24:6139−6145 (1985) )。
一方、水庖性口内炎ウィルスmRNAの開始コドンに相補的なオリゴマーは感染 し細胞においてウィルスを抑制したが、細胞タンパク質の合成を抑制しなかった (Miller、 P、 et al、、 Feder。
Proc、 43. absけ、 1811 (1984)) 、最近になって 、単純庖疹ウィルスl型の即時型プレmRNA4および5のスプライス部位に相 補的なオリゴ(ヌクレオシドメチルホスホネート)は、ウィルス感染を選択的に 抑制することが見いだされた(S+n1th、 C,C,etal、、 Pro c、 Natl、 Acad、 Sci、 USA、 83:2787−279 1 (1986) )。
発明の要約 本発明の目的は、上記の欠点を克服することにある。
より詳細には、本発明者らは、アンチセンスRNAを本質的にウィルスゲノムの パッケージング配列にのみハイブリダイズさせることにより、ウィルスパッケー ジングの阻止に基づいてレトロウィルス複製を抑制する新規な方法を採用した。
1つの態様において、本発明者らは、ネズミ白血病ウィルスのプロウィルスPs i (パッケージング)配列を、リンパ球性ウィルスプロモーター/モロニーM uLV LTRまたはサイトメガロウィルス即時型領域由来の調節因子の転写制 御下で逆方向に挿入した組換えプラスミドを構築した。これはPsjに相補的な アンチセンスRNAの生成をもたらし、そして生産的ウィルス感染を完全に阻止 する。
これらのアンチセンス配列をin viけ0で細胞に導入し、安定した形質転換 細胞系を単離すると、これらの細胞はM −M u L V感染に抵抗し、そし てパッケージされたウィルスRNAを全く含まないウィルスだけを生産した。
これらのプラスミドに由来するアンチセンスPsiおよび適当な転写調節配列を 含む線状フラグメントを、接合体マイクロインジェクションによりマウスの生殖 細胞系に導入した場合は、アンチセンスPsiRNAの存在がこれらのトランス ジェニックマウスのリンパ球に検出された。相応のレトロウィルスCM−MuL V)を導入しても、アンチセンスPsi)ランスジェニックマウスのどれも白血 病の徴候を現さなかった。
より一般的には、本発明は、レトロウィルスのパッケージング配列に特異的にハ イブリダイズする能力を有し、それによりレトロウィルスのゲノムRNAのパッ ケージングのみを本質的に抑制することができるアンチセンス分子に向けられる 。好ましくは、アンチセンス分子は約100塩基より小さく、約60塩基よりも 小さいことがより好ましい。それはDNA、RNAまたはそれらの類似体であり 得る。アンチセンス分子は薬剤のように直接投与することができ、また、RNA の場合は、導入された遺伝子の発現により被験者においてin vivoでそれ を生成させることもできる。アンチセンス分子を直接投与する場合、それは細胞 膜透過性でヌクレアーゼ抵抗性のRNAまたはDNA類似体から成るものである 。
本発明は、このようなアンチセンス分子に転写可能なりNA配列を含む組換えD NA分子、および上記DNA配列で形質転換またはトランスフェクションされた 宿主、好ましくは哺乳動物細胞宿主、最も好ましくはヒト細胞を含むものである 。
本発明はさらに、プロモーターに機能しつる状態で連結されたDNA配列を細胞 のゲノムに挿入することから成る、レトロウィルスによる生産的感染に対する抵 抗性を細胞に付与する方法に関するものであり、その際DNA配列はアンチセン スRNA分子に転写可能であり、このアンチセンスRNA分子はパッケージング 配列にハイブリダイズし、それによりレトロウィルスのゲノムRNAのパッケー ジングを抑制して、生産的感染に対する抵抗性を細胞に付与する。
本発明は、哺乳動物の本質的にすべての生殖細胞および体細胞のゲノムに、プロ モーターおよび調節因子に機能しうる状態で連結された逆方向のレトロウィルス パッケージング配列を含むDNA配列またはそのセグメントを挿入することから 成る、レトロウィルスによる生産的感染に対する抵抗性を哺乳動物のようなを椎 動物に付与する方法を包含する。その際DNA配列またはセグメントはアンチセ ンスRNA分子に転写可能であり、このアンチセンスRNA分子はレトロウィル スのゲノムRNAのパッケージングを抑制して、感染に対する抵抗性を哺乳動物 に付与する。このDNA配列は胚期の哺乳動物またはその先祖に導入することが 好ましい。
従って、本発明はさらに、本質的にすべての生殖細胞および体細胞が上記DNA 配列を含むヒト以外のトランスジェニック補乳動物に関するものであり、トラン スジェニックでは前記DNA配列が胚期の哺乳動物またはその哺乳動物の先祖に 導入されている。
少なくとも一部の細胞が上記DNA配列を含むキメラ動物(ヒトを含む)も意図 される。
図面の簡単な説明 図1は、プラスミドpLPPsユas(A)およびpCPPs±as(B)の構 築を示す模式図である。
図2は、パッケージング配列を含む領域のモロニーネズミ白血病ウィルス(M− MuLV)の部分配列(配列番号;工)である。
CAP、プライマー結合部位、スプライス供与部位、コアパッケージング配列、 およびgag遺伝子の最初部分には印が付けである。
我々は、MoMLVのプライマー結合部位またはスプライス供与部位に相補的で 、パッケージング配列には相補的でないアンチセンス分子がウィルス感染を有意 に抑制しないが、オーブンボールド配列すなわちパッケージング部位のコア(塩 基301−350)に相補的なアンチセンスオリゴを用いた場合はウィルス感染 の最大抑制が観察されることを見いだした。
図3は、ウシ白血病ウィルスのゲノムRNAの部分配列(配列番号=2)であり 、領域(341−415)はオーブンボールド文字で示されたパッケージングシ グナルを含むと予想される。
図4は、プラーク検定の結果を示す。
図5は、パッケージング配列を含む領域のHI I−1の部分配列(配列番号: 3)である。
好ましい態様の説明 パッケージングに必要なウィルスゲノムRNAのPsi配列とピリオンキャプシ ドタンパク質問の特異的相互作用の妨害はレトロウィルスの複製サイクルを遮断 するだろう。この妨害は、パッケージング配列にハイブリダイズし、それにより 複製を阻止する、パッケージング配列の一部に相補的なアンチセンス核酸(DN AまたはRNA)の使用により達成される。
レトロウィルス遺伝子に対して誘導されたアンチセンス配列は、本発明のアンチ センス分子はど効果的に複製を阻止しないだろう。
レトロウィルス遺伝子に対して誘導されたアンチセンスRNA分子は、リポソー ムRNAへの結合について通常のメツセンジャーRNAと競合するが、パッケー ジング配列に対して誘導されたものはゲノムRNAへの結合についてgagコー ド化コアタンパク質と競合する。RNA−RNAの相互作用はRNA−タンパク 質の相互作用よりも強い。
細胞および動物体においてレトロウィルス複製を阻止するアンチセンスRNAの 効力を調べるために、本発明者らは、モロニーネズミ白血病ウィルス(M−Mu LV)のPsi配列に相補的なRNA配列を発現するトランスジェニックマウス を作製した。この種の動物はこの白血病ウィルスによる感染に完全に抵抗するこ とが判明した。
かくして、本発明は、病因がレトロウィルスである疾病を予防および治療する薬 剤としての、レトロウィルスパッケージング配列に相補的なアンチセンスRNA およびDNA分子の使用に向けられる。
アンチセンスRNAおよびそれをコードする遺伝子は、レトロウィルスのパッケ ージング配列にハイブリダイズし得る配列を包含するものである。本発明の好ま しいレトロウィルスにはヒトと他の動物のレトロウィルスが含まれる。好ましい ヒトのレトロウィルスとしてはヒト免疫不全ウィルス−1(HIV−1)(また はヒトTリンパ球性ウィルス−3もしくはリンパ節症関連ウィルス)、ヒト免疫 不全ウィルス−2(HIV−2) 、ヒトTリンパ球性ウィルス−1(HTLV −1) 、およびヒトTリンフく球性ウィルス−2(HTLV−2)がある。ま た、他の動物種、特に農業上重要な動物(例えば、雌ウシやニワトリ)およびペ ット(例えば、イヌやネコ)の別のレトロウィルスも本発明の範囲に含まれる。
本発明の範囲に含まれる他のレトロウィルスの非限定的なリストを以下の表Iに 示す。レトロウィルスについてはWeiss、 R9らの編集によるRNA T umor Viruses、”Mo1ecular Biology ofTu mor Viruses” 、 Co1d Spring Harbor La boratory、 ColdSpring Harbor、 N、Y、、 1 984に詳細に記載されており、参照によりここに引用するものとする。
レトロウィルス感染を抑制するために本発明のアンチセンスRNAがハイブリダ イズすべき標的パッケージング配列は、レトロウィルスゲノムの配列の研究に基 づいて選択されるべきである。
研究したすべてのレトロウィルスのパ・yケージング配列は、5゜LTRのちょ うど3°側のプライマー結合部位と最初のコード化ウィルスタンパク質(通常は gagタンパク質コード配列)の開始配列の間に位置しているので、この領域内 の配列(例えば、HIV−1、単離物ELIのプロウィルスゲノムでは塩基20 〇−340)がめるアンチセンスの好ましい候補である。種々のレトロウィルス 間のこの領域の相同性のために、ある特定のウィルスのためにデザインされたア ンチセンス配列を使って、他のウィルスの複製を効果的に抑制することができる だろう。
かくして、例えば、好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドはM o −M  u L V配列の塩基280−330の領域に特異的である。その理由は、それ が)IIV−1に相同であるからである。HIV−1のさまざまの単離物は(ゲ ノム内のわずかに異なる位置に)同じパッケージング配列をもつので、同一の配 列がすべてのHIV−1株において有効であろう。
1つの好ましいアンチセンス配列は、すべてのレトロウィルスパッケージング配 列に実質的に相補的であるため“万能”インヒビターとして役立つものである。
HIV−1由来のコアパッケージング配列(J、 Virol、、 63:40 85.1989を参照)に相補的な配列はこの点て考慮するに値する。これとは 別に、1組のレトロウィルスのパッケージング配列に対し高度の相補性を有する “共通”のパッケージング配列、あるいは特定のレトロウィルスに特異的なパッ ケージング配列であるオリゴヌクレオチド配列を作ることもてきよう。
HIV−1の抑制に有用で、ウィルスゲノムRNA、ウィルスmRNAおよびウ ィルスDNA配列に相補的な、本発明による代表的なオリゴヌクレオチド配列を 以下に示す。HIV−1のパッケージング配列については、Lever、 J、  Virol、、 63(9):4085−4097 (1989); Kor man、 et al、、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci、  USA。
84:2150−2]54 (1987)を参照されたい。
配列番号=4はHIV−1のパッケージング配列に相補的な、以下に示した44 mer配列である。
CTCATGCGG CCGATCTTCCTCTCTにの配列はS、D部位の すぐ後で始まり(5’ ) 、gag/Met部位のすぐ前で終わる(3′)。
下線を引いた19個の塩基はHIVパッケージング配列の“コア”に相補的であ る。このコア領域に相補的な19−merアンチセンス分子、およびコアと両側 の4個のフランキング塩基に相補的な27−marも本発明において同様に使用 できる。本発明はこれらのパッケージング部位指向性配列のいずれにも限定され ず、より短いまたは長い配列をも含むものである。
表IVは対象となる多くのパッケージング配列を示す。
本発明のアンチセンス分子(例、RNA)は、好ましくは、(ウィルスDNAの 一方の鏡上の)パッケージング配列の少なくとも有意なサブ配列に対し100% の相補性を有する。かくして、このRNAをコードするDNA鎖は、パッケージ ング配列に相補的なりNA鎖に対し100%相同であるべきである。他の態様に おいて、この配列はもっと低い相同度(例えば少なくとも約60または80%) であってもよい。相同は、アンチセンスRNAがその目的(すなわち、ウィルス パッケージングの抑制)を達成するに足る親和性で標的パッケージング配列にハ イブリダイズするように十分でなければならない。
このようなハイブリダイゼーションの効率はハイブリダイズする配列の長さと構 造の関数である。配列が長くなればなるほど、そして相補性が完全に近くなれば なるほど、相互作用は強くなる。
塩基対のミスマツチの数が増えるにつれて、ノλイブリダイゼーション効率は低 下するだろう。さらに、パッケージング配列DNAまたはアンチセンスRNAの GC含有量も、AT(またはAU)塩基対に比べてGC塩基対に存在する付加的 な水素結合のために、ハイブリダイゼーション効率に影響を及ぼすだろう。従っ て、GC含有量が豊富な標的サブ配列が標的として好ましい。
分子内ハイブリダイゼーションのために二次構造を形成するアンチセンスRNA の配列は避けることが望ましい。なぜなら、アンチセンスRNAがその意図する 目的に対し乏しい活性をもつようになるか、または不活性になるからである。当 業者は、配列が二次構造を形成する傾向をもつか否かを容易に判別できるだろう 。
二次構造はパッケージング部位内の異なる標的サブ配列を選択することによって 回避することができる。
長さが約15−100塩基で、レトロウィルスのパッケージング領域の標的サブ 配列に相補的なオリゴヌクレオチドは、天然のモノヌクレオシドから、あるいは 非架橋性リンに結合した酸素に置換基を有するモノヌクレオシドから合成するこ とができる。好ましい類似体は天然に存在するモノヌクレオシドのメチルホスホ ネート類似体である。より一般的には、モノヌクレオシドは、類似体の使用が( a)細胞膜を通って拡散する能力の向上および/または(b)被験者の体内での ヌクレアーゼ消化に対する抵抗性といった利点を有するオリゴヌクレオチドをも たらす類似体である(Miller、 P、S、 et at、、 Bioch emistry、 20:1874−1800(1981))。このようなヌク レオシド類似体は当分野で公知であり、遺伝子発現の抑制におけるそれらの使用 は多くの文献に詳述されている(Miller、 P、S、 et al、、前 掲; Jayaraman、 K、 et at、、前掲; Blake、 K 、R,et al、、前掲; Miller、 P、 et al、、 Fed er。
Proc、、 43. abstr、 1811 (1984); Sm1th 、 C,C,et al、、前掲)。
本発明に従って組換えDNAおよびRNA分子を構築するための基本的な方法は 、Sambrook、 J、 et al、、 In: MolecularC loning: A Laboratory Manual、5econd E dition、Co1d Springl(arbor Press、 Co1 d Spring Harbor、 NY (1989)に記載されており、こ の文献を参照によりここに引用するものとする。
標的レトロウィルスパッケージング配列に相補的なアンチセンスRNAをコード する鎖を有するオリゴヌクレオチド分子は、当業者によく知られた方法を使って 製造することができる(Belagaje、 R,、et al、、 J、 B iol、 Chew、、 254:5765−5780(1979); Man ia目s、 T、、 et al、、In: Mo1ecular Mecha nisms 1nthe Control of Gene Expressi on、 N1erlich、 D、P、、 et al、。
Eds、、 Acad、 Press、 NY (1976); Wu、 R, 、et al、、 Prog、 Nucl。
Ac1d Res、 Mo1ec、 Biol、、 21:101−141 ( 1978); Khorana、 R,G、。
5cience、 203+614−625 (1979) )。さらに、DN A合成は自動合成機を使っても達成し得る。核酸ハイブリダイゼーションの手法 は、Sambrookら(前掲)およびHaymes、 B、D、ら(In:  NucleicAcid Hybridization、 A Practic al Approach、 IRL Press。
Washington、 DC(1985))によって開示されており、これら の文献を参照によりここに引用するものとする。
“発現ベクター”とは、(適当な転写および/または翻訳調節配列の存在のため に)ベクターにクローニングされたDNA (またはcDNA)分子を発現して 、それによりRNAまたはタンパク質産物を生産することができるベクターのこ とである。クローン化配列の発現は、発現ベクターを適当な宿主細胞中に導入し たときに起こる。原核生物の発現ベクターを用いる場合は、クローン化配列を発 現し得る原核細胞が相応の宿主細胞となるだろう。
同様に、真核生物の発現ベクターを用いる場合は、クローン化配列を発現し得る 真核細胞が相応の宿主細胞となるだろう。
本発明のアンチセンスRNAをコードするDNA配列は、連結のための平滑末端 または付着末端、適当な末端をもたらす制限酵素消化、適宜に付着末端の修復、 望ましくない接合を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、適当なりガーゼ による連結を含む慣用方法に従ってベクターDNAと結合させることができる。
このような遺伝子操作の技法は、Sambrookら(前掲)により開示されて おり、当分野でよく知られている。
DNAのような核酸分子は、それが転写調節情報を含むヌクレオチド配列を含み かつこの配列がRNAをコードするヌクレオチド配列に“機能しうる状態で連結 される”とき、mRNAを“発現し得る”と言える。遺伝子発現に必要とされる 調節領域の正確な性質は生物によって変化するが、一般にはRNA転写の開始を 支配するプロモーターを含む。この種の領域にはTATAボックスのような転写 の開始に関係した5′非コ一ド配列が含まれる。
所望により、目的のRNA産物をコードする遺伝子配列の3゜側の非コード領域 を上記の方法により得ることができる。この領域はその転写終結調節配列(例え ば、終結やポリアデニル化を提供する配列)のために保持されるものである。か くして、自然界でコード配列に隣接する3゛領域を保持しておくことにより、転 写終結シグナルが得られる。転写終結シグナルが発現宿主細胞中で満足に機能し ない場合は、宿主細胞中で機能的な3′領域を代わりに使うことができる。
2つのDNA配列(例えば、プロモーター領域配列とコード配列)は、これら2 つのDNA配列間の連結の性質が、(1)目的遺伝子配列の転写を支配するプロ モーター領域配列にフレームシフト変異を導入しない、あるいは(3)プロモー ター領域配列により転写される遺伝子配列の能力を妨げないとき、機能しつる状 態で連結されていると言える。プロモーター領域は、そのプロモーターがDNA 配列の転写をもたらす能力をもつならば、DNA配列に機能しつる状態で連結さ れているだろう。“機能しうる状態で連結される”ためには、2つの配列が互い に直接隣接している必要はない。
原核または真核細胞宿主において本発明のDNA配列を生産させるために、本発 明のプロモーター配列は原核生物、真核生物またはウィルスのいずれのものであ ってもよい。適当なプロモーターは誘導可能性、抑制可能性、より好ましくは構 成性である。適当な原核細胞プロモーターの例にはT4ポリメラーゼを認識し得 るプロモーター(Malik、 S、 et al、、 J、 Biol、 C hem、、 263:1174−1181 (1984); Rosenber g、 A、H,et al、、 Gene、 59:191−200C1987 ): Shinedling、 S、 et al、、 J、 Mo1ec、  Biol、、 195:471−480 (1987); I(u、 M、 e t al、、 Gene、 42:21−30 (1986) ) 、T 3、 spa、およびT 7 (Chamberlin、 M、 et al、、 N ature、 228:227−231 (1970);Ba1ley、 J、 N、 et at、、 Proc、 Natl、 Acad。
Sci、 (U、S、A、) 80:2814−2818 (1983); D avanloo、 P、 et al、。
Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 (U、S、A、) 81:2 035−2039 (1984) ) ;バ゛ クテリオファージλのPアおよ びPLプロモーター(TheBacteriophage Lambda、 H ershey、 A、D、、 Ed、、 Co1d SpringHarbor  Press、 Co1d Spring Harbor、 NY (1973 ); Lambda IT。
Hendrix、 R,W、、 Ed、、 Co1d Spring Harb or Press、 Co1d SpringHarbor、 NY (198 0) ) ;大腸菌のtrp、recA、熱ショック、およびI acZプロモ ーター;バクテリオファージλのintプロモーター; pBR322のβ−ラ クタマーゼ遺伝子のblaプロモーター:およびpPR325のクロラムフェニ コールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターなどが含まれる 。原核細胞プロモーターはG11ck、 B、R,、(J、 Ind、 Mic robiol。
、 I:277−282 (1987)); Cenatiempo、 Y、  (Biochimie、 68:505−516 (1986)); Wats on、 J、D、 et at、 (In: Mo1ecular Biolo gy ofthe Gene、 Fourth Edition、 Benja min Cumm1ns、 Menlo Park。
CA (1987))およびGottesman、 S、 (Ann、 Rev 、 Genet、、 18:415−442 (1984))によって検討され ている。
(本頁以下余白) 真核細胞プロモーターにはマウス・メタロチオネインI遺伝子のプロモーター( Hamer、 D、、 et al、、 J、 Mo1. Appl、 Gen 、、 l:273−288 (1982));ヘルペスウィルスのTKプロモー ター(McKnigt+t、 S、、 Ce11.31:355−365 (1 982)); S V 40初期プロモーター(Benoist、 C,、et  al、、 Nature (London)、 290:304−310 ( 1981));および酵母ga14遺伝子プロモーター(Johnston。
S、A、、 et al、、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci、  (USA)、 79:6971−6975(1982); 5ilver、  P、A、、 et al、、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci。
(USA)、 81:5951−5955 (1984))が含まれる。
レトロウィルス感染の阻止に用いるベクターを作製する場合、感受性真核細胞ま たは動物体では、上記のような真核細胞プロモーターを使用しなければならない 。好ましいプロモーターおよび付加的な調節因子(例えば、ポリアデニル化シグ ナル)は、レトロウィルスが感染する細胞型において最大の発現をもたらすもの である。かくして、例えば、HIV−1,HIV−2、HTLV−1、HTLV −2、およびモロニー・ネズミ白血病ウィルスはすべてリンパ系細胞に感染する が、これらのウィルスの1種(またはそれ以上)のパッケージング配列に相補的 なアンチセンスRNAを効率よく発現させるために、リンパ系細胞(または組織 )において効率のよい発現をもたらす転写調節単位(プロモーターおよびポリア デニル化シグナル)が選択される。以下に例示するように、好ましいプロモータ ーは、場合によりウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル(33)と共に用い られるサイトメガロウィルス即時型プロモーター(32) 、およびリンパ球性 レトロウィルスの場合に用いられるモロニーMuLV LTRのプロモーターで ある。モロニーMuLV LTRプロモーターの望ましい性質は、それがレトロ ウィルスと同じ組織向性をもつ点である。
CMVプロモーターも同様に主としてリンパ球で発現される。メタロチオネイン プロモーターは誘導可能であるという利点を有する。SV40初期プロモーター はウシ骨髄細胞において1nvitroて高レベルの発現を示す。
アンチセンスRNA分子は、予防または治療しようとするヒトもしくは他の動物 に、適合しうるどのような投与経路(例えば、静脈内、筋肉内、皮下または腹腔 内)で注入してもよく、経口摂取や吸入で投与することもてきる。徐放性カプセ ルやインブラントのような特殊な剤形も適宜に使用される。また、アンチセンス DNA分子も提供しうる。DNAはRNAよりもin vitroで比較的簡単 に合成できる。
アンチセンス分子はDNAまたはRNAの類似体であってもよい。本発明は特定 のDNAまたはRNA類似体の使用に限定されない。たたし、類似体はパッケー ジング配列の相補ゲノムDNAに十分にハイブリダイズする能力を有し、十分な ヌクレアーゼ耐性と、十分な生物利用能および細胞取込みを有するものである。
DNAやRNAはヌクレオシド間結合を修飾することによって(例えば、メチル ホスホネートまたはホスホロチオエート)、あるいは修飾ヌクレオシド(例えば 、2′−〇−メチルリポースまたは1°−α−アノマー)を組み入れることによ って、ヌクレアーゼのような酵素によるin vivo分解に耐性を示すように なる。
自然界に存在する結合は次のものである:0゛−P 口 0゜ 05’ これに代わる結合には次のものが含まれる:コI0 l0 NR2−P ” 0 05’ (ここでRは水素および/またはアルキルである)05’ (ここてRは水素またはアルキルである)また、3’ 0−P−05“を他の結 合、例えば3° OCHtC(0)−05′、3’ O−C(0)−NH5’  、および3’ C−CH2CH25−C5’ で置き換えることもできる。
アンチセンス分子の全体をこのような修飾結合で形成してもよく、また5“およ び3′末端のようなある部分だけをこのように修飾してエキソヌクレアーゼ耐性 を与えてもよい。
本発明で用いるのに適したアンチセンス分子には、ジデオキシリポヌクレオシド メチルホスホネート(Mill、 et al、。
Biochemistry、 18:5134−43 (1979)を参照)、 オリゴデオキシヌクレオチドホスホロチオエート(Matsukura、 et  al、、 Proc。
Natl、 Acad、 Sci、 (USA)、 84ニア706−10 ( 1987)を参照)、挿入剤(intercalating agent)に共 有結合で結合したオリゴデオキシヌクレオチド(2eria1. et al、 、 Nucleic Ac1ds Res、、 15:9909−19(198 7)を参照)、ポリ(L−リジン)と結合したオリゴデオキシヌクレオチドCL eonetti、 et al、、 Gene、 72:32−33 (198 8)を参照)、およびリボース誘導サブユニットから構成されたカルバメート結 合オリゴ7− (Summerton、 J、、 Antisense Nuc leicAcids Conference、 37:44 (New Yor k 1989)を参照)が含まれるが、これらに限定されない。
アンチセンス核酸薬剤の直接投与は急性の防御をもたらすが、防御期間はこの分 子の半減期に依存する。しかも、アンチセンス核酸の供給量は追加の投与によっ てのみ増加される。従って、アンチセンスRNAの自己補給源を確保するために 、前記アンチセンスRNAを転写し得る組換えDNA分子をヒトまたは動物体の 1以上の細胞に導入することにより、レトロウィルス感染への抵抗性を高めたト ランスジェニックまたはキメラ動物を作ることが望ましいだろう。組換えDNA は、例えば卵母細胞期の動物への発現カセットのマイクロインジェクション、胚 へのレトロウイルスベクタートランスフエクンヨン、あるいは胎児または生後の 動物へのレトロウィルスベクターの静脈内注射により動物に投与することかでき る。
かくして、本発明はさらに、動物の生殖細胞および体細胞がレトロウィルスのパ ッケージング配列にハイブリダイズし得るアンチセンスRNAをコードする本発 明の組換えゲノムDNAを含む、トランスジェニック真核動物(好ましくはを椎 動物、より好ましくは哺乳動物)に向けられる。′アンチセンス” DNAは、 トランスジェニックにしようとする動物またはその動物の先祖に、胚の段階で、 好ましくはl細胞期つまり受精した卵母細胞期に、そして一般には約8細胞期よ り遅くならないように導入される。ここで用いる“トランスジーン”という用語 は、動物のゲノムに組み込まれて、動物内で発現され、その結果としてトランス ジェニック動物内にトランスジーンのRNA転写物を存在させる遺伝子を意味す る。
遺伝子が染色体に組み込まれて発現されるように、遺伝子を動物の胚のゲノムに 導入する方法はい(つか知られている。DNAは受精卵の雄または雌の前核にマ イクロインジェクションで導入し得る。また、それは胚細胞の細胞質にもマイク ロインジェクションで導入できる。トランスジーンを保有するレトロウィルスで 細胞をトランスフェクションすることもできる。レトロウィルストランスフェク ションの使用は胚期に限られない。胎児または生後の動物に静脈注射または腹腔 内注射によりベクターを導入することもできる。
受精した卵母細胞期に目的の遺伝子配列を導入することにより、トランスジーン は確実にトランスジェニック動物のすべての生殖細胞および体細胞に存在するこ とになり、かつトランスジーンは確実にすべての細胞で発現される可能性をもつ ことになる。トランスジェニック“創始”動物の生殖細胞中にトランスジーンが 存在するということは、すべてのその子孫がそれらの生殖細胞および体細胞のす へてにトランスジーンをもつことを意味する。創始動物に、より遅い胚期でトラ ンスジーンを導入すると、トランスジーンは創始動物の一部の体細胞系列中に存 在するだけである。
しかし、創始動物の生殖細胞からトランスジーンを受け継いでいるこの創始動物 の子孫はすべて、それらの生殖細胞および体細胞のすべてにトランスジーンをも つだろう。
体細胞および生殖細胞の全部ではなく一部が本発明のアンチセンスDNAを含む キメラ哺乳動物、例えば桑実胚または胞胚の細胞の一部がトランスジェニック哺 乳動物を作る過程でトランスフェクションされるときに作られる動物、も本発明 の範囲内に含まれるものである。キメラ動物はトランスジーンが一般には誕生後 に導入される“遺伝子治療”によって作られるだろう。
使用できる技法には、Wagner、 T、 et al、、 Proc、 N atl、 Acad。
Sci、 (USA)、 78:6376−6380 (1981); Wag nerらの米国特許第4.873,191 号 (1989); Pa1m1t er、R,et al、、Ann、Rev、Genet、。
20:465−99 (1986);およびLederの米国特許第4.736 .866号に記載されるものが含まれ、これらの全内容を参照によりここに引用 するものとする。マイクロインジェクションを受けた卵から産まれた子孫マウス 、並びに普通に繁殖させたトランスジェニック動物の子供の分析は、DNA抽出 およびトランスジーンの存在についてのDNAのスロット・プロットハイブリダ イゼーションにより達成される(McGrane、 M、 et al、、 J 、 Biol、 Chem、、 263:11443−11451 (1988 ))。
アンチセンスRNAは遺伝子治療法によってエイズ患者のリンパ球に導入するこ とができるかもしれない。例えば、HIVのノ(ッケージング配列に相補的なア ンチセンスRNAをコードしかつ発現するDNA配列を含む複製欠損組換えレト ロウィルスベクターで骨髄細胞を処置することができる。この方法では、患者か ら骨髄細胞を取り出し、組換えレトロウィルスベクターで処置し、そしてベクタ ーのDNAゲノムが染色体に組み込まれた細胞を、レトロウィルスベクターに組 み込まれた光視覚化マーカー(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)に基づ< FAC3細胞選別により選択する。その後、これらのベクターを組み込んだ骨髄 細胞は、照射による他の骨髄細胞の除去後に、患者に再導入されよう。
その結果として、患者はHIVパッケージング配列に対するアンチセンスRNA 配列をコードするリジンで球のみをもつことになり、ここに記載したトランスジ ーン・ツクマウスがM−MuLViこ抵抗するように、エイズに対して抵抗する であろう。
商業動物の場合は、動物系列へのトランスジーンの導入力(最適きるとは思えな い。なぜなら、この治療法はあまり1こ複雑で、高et al、、 J、 Bi ol、 Chem、、 263:14621; 1988)、あるt+14;! 筋細胞へこれらの方法を使って、レトロウィルスのパッケージング配列に対して 誘導されたアンチセンスRNAをコードするDNA構築物を動物に注入すること ができるだろう。これらの“DNA注入”は、使用したDNAデリバリ−システ ムが標的とした組織においてウィルス感染を防御するだろう。この方法は、アン チセンスRNAをコードするDNA分子、またはレセプター指向性リガンドに結 合させたDNA分子の注入を必要とするだけなので、動物とヒトの両方にとって 非常に魅力的である。この注入は1年に数回行う必要があるかもしれないが(例 えば、レトロウィルス疾患の発生が一定の地域で起こる場合)、必要な時にレト ロウィルス感染を防御するだろう。
アンチセンスRNAをコードするDNAは、動物(ヒトを含む)がすでに感染し ているときに、あるいは予防手段として感染前に導入することができる。後者の 場合は、調節可能なプロモーターの使用が望ましい。
本発明について一般的に説明してきたが、本発明は、例示のためのものであって 本発明を限定するものではない以下の実施例を参照することにより、一層理解し やすくなるだろう。
(本頁以下余白) 実施例1.プラスミド びpcPPsiasを構築した。プラスミドpLJ (21)をSmaIて開裂 してM−MuLV配列を含む540bpのSmal断片を単離した。3’ M− MuLV LTR(22)を含むプラスミドp3° −LTR−2をSma I で線状となし、DNAリガーゼを用いてpLJからの540bpの断片に両方向 で融合した。
KpnI消化のパターンに基づいてアンチセンスの方向性をもつpLPPs工の クローンを選択した。CMVIE CAPのちょうど3°のXmalI[部位に 導入したsbpのBglIIリンカ−をもつプラスミドp CMV I E−B GH(30)をBglI[およびSma Iで開裂し、CMVプロモーター、b GHポリ−A付加部位およびテトラサイクリン耐性選択マーカーを含む5.4k bの断片を単離した。この断片の”付着末端”をDNAポリメラーゼIクレノウ 断片の存在下にデオキシヌクレオシド三リン酸(A。
T、GおよびC)とともにインキュベートすることによって修復し、平滑末端を pLJからの540bpのSmaI断片と両方向でライゲーションした。Kpn l消化パターンに基づいてアンチマウス受精卵の雄の前核にDNAを直接マイク ロインジェクションすることによってトランスジェニックマウスを作製する方法 が文献に記載されている(24)。マウス尾からのDNA抽出およびマイクロイ ンジェクションした卵から得られる子供のスロットプロットハイブリダイゼーシ ョン分析は文献記載の方法により行った(25)。
実施例3.細胞培養 マウスNIH3T3細胞をlO%Nu−血清を含むダルベツコの改変イーグル培 地(DMEM)で維持した。修飾したDEAEデキストラン−ジメチルスルフオ キシドショック法(26)を用いて、pCPPs ias (36μg)および psV40neo (0,36μg)(ATCC33964)で同時形質転換す るこした。
実施例4.DNAおよびRNA分析並びに酵素アッセイトランスジェニックマウ スへのDNA配列の取り込みをサザン法(27)により分析した。F ico  I 1−Hypaqueグラジェント単離法(29)を用いて、リンパ球からの RNAを1段階単離法(2日)で調製した。次いてRNAを1.2%アガロース /ホルムアルデヒドゲル中、70Vで4.5時間電気泳動にかけ、文献記載の方 法(30)でニトロセルロース紙に移してハイブリダイゼーションとラジオオー トグラフィーを行った。文献記載の方法(3I)で逆転写酵素アッセイを行った 。アンチセンスのRNA鎖を見分けるために、鎖特異的RNAプローブを用いて リンパ球RNAのノーザンハイブリダイゼーションアッセイを行った。SF3  RNAポリメラーゼおよび標識したグアノシン5°−三リン酸を用いて、センス の方向性で挿入した540bpのSmaI Psi配列含有断片を含むpSP6 5ベクターからこのプローブを合成した(Promega Riboprobe System、Promega Corp、、MadisonWisconsi n)。
M−MuLV LTRまたはサイトメガロウィルス即時型プロモーターの制御下 に逆方向でM−MuLVパッケージング配列をEcoRI−CIaI断片として それぞれ調製した。
これらの配列をマウス生殖細胞系列に導入するために、これらの断片をマウス受 精卵の前核に別々にマイクロインジェクションした(卵1個当たり200から5 00コピー)。次いでこれらの卵を偽妊娠した養い親である受容体マウスの卵管 に移植した。得られる子供が約1カ月になったときに、各動物の尾の切片を切り 取り、これからDNAを調製した。トランスジェニックマウスはDNAスロット プロットとサザントランスファーハイブリダイゼーションで検出した。2系列の トランスジェニックマウス(LP2.2kbのHindI[I断片のマイクロイ ンジェクションによって得られた単一の創始マウスにまで出所がさかのぼり、ま たCP3kbのEcoRI−C1a!断片のマイクロインジェクションによって 得られた単一の創始マウスにまで出所がさかのぼる。
LPPsias創始者およびその子供からの尾部DNA (l Oμg)は5a clおよびEcoRI制限酵素で消化し、またcPPsias創始者およびその 子供のDNAはKpnlで消化して次いで0. 8%アガロースゲル中、50V で9時間電気泳動にかけた。DNAをサザン法(27)によりニトロセルロース 紙に移し取った。インキュベーションの後、ニトロセルロース紙を、LPPsi as DNAについてはpBR322から調製したニックトランスレーションし たDNAプローブ(5xlO’から10xlo’cpm/μg)(このプローブ は構築物中にpBR322配列が存在するのでLPPsiユaS配列とハイブリ ダイズするが、動物中に存在する内在性レトロウィルス配列とは交差ハイブリダ イズをしない)と、またはCPP5ias DNAについてはpCPPsユから の1.3kbのSac I−EcoRI断片とハイブリダイズさせた。洗浄およ び乾燥後、ニトロセルロースを一70℃で16時間Kodakフィルムに露光す ることによりオートラジオグラフに付した。サザンプロットから、LPPsia SおよびCPPΣ±aSマウスはいずれも、その染色体成分中に組み込まれた5 40bpのアンチセンス配列を生産するための完全な転写単位をもっていること が明らかとなった。LPPsiasDNAについては、各LPPsiasマウス によって示される1470bpのハイブリダイズするSac I−EcoR1断 片により適当な配列の存在が確認され、また各動物からのCPP5 iaSマウ スDNAが特徴のある400bpのハイブリダイズするKpnI断片を示してい た。
実施例6.LPPsiasおよびCPP5j工asトランスジエニツクマウスに おけるアンチセンス旦Σ± RNAの発現これら2系列のマウスに導入された転 写単位は、M−MuLVのリンパ球標的組織内においてアンチセンスRNAの転 写に対して適当な組織向性を与えるように構築された。LPPsiasマウス内 において、M−MuLV LTRがらのU3Rプロモーター/エンハンサ−要素 およびRU5ポリアデニル化シグナルを含む転写単位は、完全なM−MuLVの 転写制御配列と実質的に同一であり、ウィルス複製部位においてアンチセンスR NAを産生ずることが予期される。
サイトメガロウィルス即時型プロモーター(32)およびウシ成長ホルモンポリ アデニル化シグナル(33)を含むCPP5iaSマウス内における転写制御単 位もまた、リンパ球組織向性を有すると予期される(34)。これらのマウスの リンパ球組織内においてアンチセンスM−MuLV RNAが産生されているこ とを確認するために、LPPΣiasおよびCPP5±aSマウスから単離した リンパ球からのRNAのノーザンハイブリダイゼーション分析を行った。CPP 5iasおよびLPPsjas7ウスのどちらから得られたRNAも、l−5x l O’cpm/μgの比活性を有する、M−MuLVアンチセンスPs工配列 色配列的な鎖特異的RNAプローブとハイブリダイズした。すべてのれた750 bのハイブリダイズするRNAによって、LPPs iaSおよびCPP5 i 工asトランスジェニックマウスの白血球中におけるM −M u L Vのア ンチセンスPsi配列の産生を確認した。
LPPsiasマウスとCPP5iasマウスのアンチセンスRNAで長さが異 なるのは、これら2系列のマウスに導入した遺伝子構築物が異なるためである。
CPP5iasマウスはウシ成長ホルモン遺伝子からのエクソン5の小さい部分 およびウシ成長ホルモンポリA付加シグナルを含む遺伝子構築物を含み、その結 果より長いアンチセンスRNA産物が得られる。
寒旌PJ6.アンチセンスPsユ RNAを発現する細胞中でのM−MuLV複 製の阻害 修飾したDEAE−デキストラン・ジメチル−スルフオキシドショック法(26 )を用いて、線状pCPPs ias (36μg)およびpsV40neo  (0,36μg)(ATCC33694)てマウスNIH3T3細胞を同時形質 転換することによって、アンチセンスPsi配列を発現する安定な細胞系を樹立 した。
G418DMEM培地中で安定な形質転換体を選択し、サザン法を用いて取り込 まれたCPP5ias配列の存在を確認し、そしてノーザン分析を行ってクロー ン化細胞系によるアンチセンスM−MuLV RNA産生の存在を確認した。対 照マウスNIH3T3細胞およびCPP5iasで形質転換した細胞系の両方を M−MuLV (4x l O’PFU/75 cmプレート)で24時間感作 して、洗浄によりウィルスを除き、さらに48時間培養し、0.45μmのフィ ルターで濾過して培地から細胞および細胞性物質を除き、ショ糖グラジェント遠 心法(35)によって培地からウィルス粒子を濃縮した。フェノール−クロロホ ルム抽出法(35)によってウィルスベレットからRNAを調製し、M−MuL Vウィルス特異的プローブとしてランダムプライマー標識したpCPPs±as からの540bpのSmal DNA断片(lxi O”−5xl O@cpm /μg)を用いて、ノーザン分析によってM−MuLVゲノムRNAの存在を検 出した。M−MuLVて感作した後アンチセンスPsi RNAを発現するNI H3T3細胞からはウィルスRNAが産生されなかったが、M−MuLVで感作 した対照NIH3T3細胞からはかなりの量のウィルスゲノムRNA (8,3 kb)が産生された。
M−MuLVを感染させた後のアンチセンスPsi RNAを発現する安定な細 胞系から得た上清中の逆転写酵素活性を測定して、M−MuLVを感染させた正 常マウスNIH3T3細胞と比較した(31)。この同じ上清にはウィルスゲノ ムRNAが欠けていることが示されたが、かなりの逆転写酵素活性が観察された (表■参照)。
実施例7.アンチセンスPsi RNAを発現するトランスジェニックマウスに おける白血病の抑制 アンチセンスPsi)ランスジェニックマウスにおけるM−MuLV誘導白血病 の抑制レベルを試験するために、同腹の子の対照およびトランスジェニックマウ スを誕生時にM−MuLVで感作した。トランスジェニック雄LPs±aSおよ びCPsi工aSマウス(C57B6およびSJLのF1ハイブリッド)を非ト ランスジェニック(C57B6/5JL)雌と交配した。それぞれの交配から得 られた各子供に、誕生後数時間以内に1xlO5M−MuLV伝染性ウィルス粒 子を含む0.1mlを腹腔的注射した。4週齢に達したとき、各子マウスの尾部 からのDNAサンプルをスロットプロットハイブリダイゼーションによって分析 し、各マウスの耳にトランスジェニックまたは非トランスジェニックの子供であ ることを示す印を付けた。l 2−14週齢に達したときに、トランスジェニッ クマウスおよび対照マウスを殺して、白血病の症状を示しているかをアッセイし た。以下の3つの基準二0.5g以上の膵臓重量、35%以下のへマドクリット 値およびギムザ染色したリンパ球における典型的白血病形態を示していればマウ スを白血病と判断した(36)。典型的白血病の形態においては、赤血球(RB  C)の数が激減し、RBCの形が異常であり、リンパ球細胞の数と大きさが顕 著に増加し、またリンパ球の形が悪性の外観を呈するように変化する。正常な血 液細胞の形態では、細胞の大部分が赤血球細胞であり、赤血球細胞は円形で滑ら かに見える。典型的なスライドでは1個または2個のリンパ球が見られるのみで ある。表■に各トランスジェニックマウスおよび対照マウスのデータを示す。対 照マウスのかなりの割合(33くの対照マウスが明らかに重度の障害をもってお り、0.5g以上の膵臓重量を含む典型的白血病のリンパ球形態を示し、幾つか のマウスでは1.0g以上の膵臓を有していた(図6)が、アンチセンスPsi )ランスジェニックマウスはいずれも殺す前には異常であるようには見えず、肥 大した膵臓、低いヘマトクリット値または白血病のリンパ球形態を示さなかった 。対照マウスとトランスジェニックマウスとの膵臓重量の差は22倍もの大きさ となった(# 13/# 17)。
したがって、パッケージングの阻害は、ウィルスで感作した後も対照マウスとは 対照的に、正常な血液細胞の形態の保持、正常な膵臓重量および正常なヘマトク リット値をもたらす結果となった。
表■に示すデータは、アンチセンスRNAを産生ずるマウスにおいてM−MuL V複製依存性である白血病の開始の強い阻害を明らかに示唆している。これらの マウスで産生されるアンチセンスRNAはM −M u L Vパッケージング 配列に相補的な配列を含むだけで、コード配列(21)に相補的な配列を含まな いので、ウィルス復製における阻害部位はパッケージング段階であると結論され る。Psi工配列配列補的なRNAは、Psi工とキャプシドタンパク質問の相 互作用との競合において非常に効果的であるようだ。
実施例8.PsiエアンチセンスRNAを発現する細胞中におけるin Vit rOでの生産的ウィルス感染の抑制を発現する安定な細胞系を作製してM−Mu LVで感作した。対照細胞は、細胞上清から得られたRNA調製物中にかなりの 量のM−MuLVウィルスRNAを示したが、アンチセンスPsiRNAを発現 する細胞系から得られた上清はM−MuLVゲノムウィルスRNAを欠いており 、このことはこれらの細胞がパッケージされたウィルスRNAを含む機能的ウィ ルスを生産できないことを示唆する。細胞上清中にはウィルスRNAが含まれな いにもかかわらず、高感度の逆転写酵素アッセイ(31)を用いるとかなりの逆 転写酵素活性が測定され(表■)、このことはパッケージング過程でアンチセン スによる阻止があるために、アンチセごとを示唆している。
実施例9.エイズ治療においてHIV−1のパッケージング配列に相補的なアン チセンス配列を使用することの可能性HTV−1、単離物ELIのパッケージン グ配列は塩基200−340に位置する。このウィルスの塩基280−330と M−M u L Vウィルスのパッケージング配列の間には有意の相同性が存在 する。塩基対280−330の間のHIV−1領域のパッケージング配列(HI V−1、単離物ELIのプロウィルスゲノム中にある)と相補的なオリゴヌクレ オチドを標準法により合成する。このようなオリゴヌクレオチドのうちで最長の ものは長さが50塩基であり、280−330の全配列と相補的である。これと は別に、既知の方法で天然型モノヌクレオシドのメチルホスホネート類似体を含 む50塩基のオリゴヌクレオチドを合成する。
天然または類似体ヌクレオチドのいずれかをもつこれらのアンチセンスオリゴヌ クレオチドを約500mgからlOgの投与量でエイズ患者に数週間、毎日静脈 内注射する。
実施例IO,ウシ白血病の治療においてウシ白血病ウィルスのパッケージング配 列に相補的なアンチセンス配列を使用することの可能性 塩基対341−417の間のウシ白血病ウィルス(BLV)のパッケージング配 列と相補的なオリゴヌクレオチドを標準法により合成する。このようなオリゴヌ クレオチドのうちで最長のものは長さが50塩基であり、355−405の配列 と相補的である。
これとは別に、天然型モノヌクレオシドのメチルホスホネ−1・類似体を含む2 塩基のオリゴヌクレオチドを既知の方法により合成する。
天然または類似体ヌクレオチドのいずれかをもつこれらのアンチセンスオリゴヌ クレオチドを約500mgから100gの投与量でウシ白血病ウィルスに感染し たウシに静脈内注射する。
実施例11.M○−MLVに対する各種アンチセンス分子の急性阻害効果を比較 するプラークアッセイ Mo−MLVのパッケージング配列ψ+(69−106)およびψ(216−5 70)に対する各種アンチセンス分子(30mer、38mer、40mer、 50merおよび60me r)の相対阻害効果を測定するためにプラークアッ セイを行った。これらの分子の標的配列は以下の通りである:38mer:U5 領域の5゛側の半分に位置する塩基69から塩基106まで 60me r :塩基216から塩基275まで50me r :塩基301か ら塩基350まで40me r +塩基429から塩基468まで30me r  :塩基541から塩基570まで[上記の塩基位置はシニックら(Shinn ick et at、、 Nature 293:543−548(1981) )のウィルスゲノムRNA配列に基づいている。]ププラーク内容物は一般にク レメントら(Klement et al、、 P。
N、A、S、 13ニア53−58(1969))およびロウエ(Rowe e t al、、 VirologY、 42:1136−39(1970))の方 法により実施した。NIH3T3細胞は6ウエルのプレートに播いた。翌日、1 +nlの1xlO’PFU/ウエルて、Mo−MLV感染させた。5−6日後、 細胞にUVを30−45秒照射してその成長を制限し、次いで0.5x105細 胞/ウエルでNIH3T3細胞の上にXC細胞を置いた。
3−4日後に、細胞を2m1/ウエルのメタノールで固定しく1分)、l m  l /ウェルのヘマトキンリンで染色した(304分)。
プラークを解剖用顕微鏡で低倍率で計数した。結果を図4に示す。
異なるオリゴヌクレオチドを用いるウィルスプラークアッセイの結果は50me  rのオリゴヌクレオチドが最良の阻害効果を有することを示した。これは対照 と比較して、50me rのオリゴヌクレオチドがプラーク数を6−7倍減少さ せたことを意味する。
50me r配列(RNA 300b−350b;3’GACATAGACCG CCTG GGCACCACCT TGACT GCTCA AGCCT TG TGG GCCGG 5’)(配列番号=5)はMo−MuLVパッケージング 配列のコアと相補的な配列を含む。重要なことに、これはまた、HI V−1パ ツケ一ジング配列のコア部分(19bp)と相補的な配列を含む。
同様な方法でセンス鎖を用いても何ら効果はなく、したがって明らかにアンチセ ンス配列が関与していることを示している。
図4の3日目で、対照細胞では約7倍のプラーク数があり、50me rで処理 した細胞ではウィルス阻害を明瞭に示していることに注意されたい。細胞ヌクレ アーゼによって徐々に分解されるアンチセンス分子でただ1度だけ細胞を処理し たときには、プラーク内容物が後に収束することが予期される。ヌクレアーゼ耐 性の類似体を使用するか、またはアンチセンス分子を追加投与して補充するか、 あるいはアンチセンス分子の細胞内発現を提供することによってこの問題は解決 されるであろう。
トリ赤芽球症ウィルス ニワトリ白血病ウィルス(またはリンパ球白血病ウィルス)トリ骨髄芽球症ウイ ルス ヒビ内在性ウィルス ウシ白血病ウィルス ウシシンシチウムウイルス ヤギ脳炎−関節炎ウィルス(またはヤギ白質脳炎ウィルス)トリ骨髄球症ウイル ス アカダイショウレトロウイルスチキンシンシチウムウイルスアヒル伝染性貧血ウ ィルス シカ腎臓ウィルス ウマ皮膚線維肉腫ウィルス ウマ伝染性貧血ウィルス エソンユ(Esh)肉腫ウィルス ネコ白血病ウィルス ネコ肉腫ウィルス ネコンンシチウム形成ウイルス フジナミ(Fu j inami)肉腫ウィルスギボン類人猿白血病ウィルス( またはサルリンノく腫つィルス、またはサル骨髄性白血病ウィルス) キンケイ(Golden Pheasant)ウィルスリンパ球増殖疾患ウィル ス 骨髄芽球症関連ウィルス 骨髄球症ウィルス ミンク細胞フォーカス誘導ウィルス 骨髄球症ウィルス13 ミンク白血病ウィルス ネコ白血病ウィルス マウス乳癌ウィルス メイソンーファイザ−(Mason−Pf 1zer)サルウイルス ネコ肉腫ウィルス 骨髄性白血病ウィルス 骨髄球症ウィルス 進行性肺炎ウィルス ラット白血病ウィルス ラット肉腫ウィルス ラウス(Rous)関連ウィルス0 ラウス関連ウイルス60 ラウス関連ウィルス61 細網内皮症関連ウィルス 細網内皮症ウィルス 細網内皮症ウィルス−形質転換体 キジ(Ring−Necked Pheasant)ウィルスラウス肉腫ウィル ス サルフォーミー(Foamy)ウィルス膵臓フォーカス形成ウィルス リスザルレトロウィルス 膵臓壊死ウィルス ヒツジ肺腺疾患/がん腫ウィルス サル肉腫関連ウィルス(またはラボトリック属すル(Woolly Mo n  k e y)白血病ウィルス)サル肉腫ウィルス(またはラボトリック属すルウ ィルス)表■ 逆転写酵素(RT)アッセイ 感染ウィルス lOOとした) 表■ モロニーネズミ白血病ウィルスで感染した対照マウスとアンチセンスWトランス ジェニックマウスにおける白血病の頻度2 なし 33% 0.25 + 3 なし 49% 0.15 4 なし 46% 0+16 − 5 なし 43% 0.13 6 なし 35% 0.63 4+4 17 なし 35% 0.18 + 8 なし 42% 0.13 9會 なし −−−1,02+++ 110 なし 10% 1−32 +++ + 111 なし 49% 0.12 12 なし 46% 0.08 13 なし 30% 176 ++++ −18なし 48% 0.11 19 なし 49% 0.18 22 なし sos o、oa 23會 なし −−−0,51÷命中 −2411なし −−−0,86+−+ + /29 なし 39% 0.14 土 31すし 42% 0.13 35 なし 35% 1.05 ++++ 136 なし 42% 0.13  土 37 なし 47% 0.11 − 38 なし 47% 0.11 − 39 なし 42% 0.11 40 なし 31% 0.87 ++++ I41 なし 21% 0.77  +←◆ I43 なし 48% 0.13 45 なし 52% 0.12 48 なし 41% 0.11 49 なし 49% 0.18 52 なし 20% 0.97 ++++I60 なし 48% 0.11 14 なし 45% 0.15 is Cl軸1 46% 0.13 16 01as 54% 0.09 17 CWag 45% 0.08 20 CWas 48% 0.11 21 Cl軸1 47% 0.11 25 G軸s 55% 0.15 26 CW a s 46% 0.12 −27 CWas 49% 0.10 28 CWas 44% 0.10 30 CWas 43% 0.14 34 CS軸II 48% 0.12 42 CWas 49% 0.14 46 LWas 42% 0.17 47 L%4ms 46% 0.25 50 LWas 49% 0.19 51 L淘1 48% 0.18 53 LWas 4B% 0.17 54 LWas 50% 0.12 55 LWas 49% 0.19 56 LWag 49% 0.16 −57 LWas 40% 0.09 59 L%4am 49% Q、L3 −61 Lhiat、 46% 0.0 9 −62 LWag 44% 0.12 63 LWall 51% O,14 表■ パッケージング配列の表 以下の各文献は報告されているゲノム配列一般につ(1ての文献と該ゲノム中の パッケージング配列の位置についての文献を含む。
■、細網内皮症ウィルス(Rev) ゲノム:Wilhelmsen、 et al、 J、 Virol、 52: 172−182(1984)。
塩基1−3 L 49 ; Shimotohno、 et al、 Ntur e 285:550−554(1980)。塩基3150−3607、ノくツケ ージング配列(ψ)=プロウィルスの51末端に対して0.676kbpのKp n I部位と0.820kbpO間の144塩基。
J、 Embretson and H,Tem1n、 J、 Virol、  61(9):2B75−2683(1987)。
2、ヒト免疫不全ウィルスl型(HIV−1)3、モロニーネズミ白血病ウィル ス(Mo−MuLV)ライス部位とAUG部位の間の350ヌクレオチド。l、  1ann。
存在。J、 Murphy and S、 Goff、 J、 Virol、  63(1)+319−327(1989)。
4、トリ肉腫ウィルス(A S V) 1)末端から300と600塩基の間の150塩基。P、 5hankand  M、 Lin1a1. J、 Virol、 36(2):450−456(1 980)。
5、ラウス肉腫ウィルス(RS V) 6、ウシ白血病ウィルス(BLV) 1−4680; Segata et al、 Proc、 Natl、 Ac ad、 Sci、 82:677−681゜1985、完全BLVプロウィルス 。パツケーシング配列:本発明者らはそれが約塩基340のプライマー結合部位 の末端と約塩基41−8のgagの開始コドンの間に存在すると予測している。
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Natl、 Acad、 Sci、USA 83:2787−2791(198 6) (アンチウィルス研究において用いる相補的オリゴヌクレオチド法)38 、 Ruden、 T、 and E、 G11boa、 J、 Virol、  63:677−682(1989)本明細書に引用された文献はすべて、特別 に取り込まれたが否かにかかわらず、参照として本明細書に包含される。
本発明を特定の態様と関連させて記載してきたが、さらなる修飾が可能なことが 理解されるであろう。本出願は本発明の原理に一般的に従うすべての変更、用途 または応用を含み、また本発明の開示しないものであっても、本発明の属する分 野で既知の、または慣用の方法によって達成できるもの、あるいは付属の請求の 範囲に記載する本質的な特徴に応用できるものを含む。
M−MuLV 配列(一部) AACLIGACGAGtJUCGGAACACC口GGCCGGAACCCU GGCiAGACGIJCCCACiGGACulJCGGGGGCCCUIJ IJUtJGUGGCCCGACCIJGAGUCCAAAAALICCCGA LIC(iLILILILhGG くr HIVパッケージング配列: AACCAGAGGAGCLICLICUCGACGCAGGACLJCGGC LJL!GCUGAS、D。
ψ 50marと相同 AGALIGGGLIGCGAGAGAGCGet −一−◆qact 国際調査報告 フロントページの続き (51) Int、 C1,5識別記号 庁内整理番号A 61 K 4810 0 8314−4CC12N 5/10 I

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.本質的にレトロウイルスのパッケージング配列にのみ実質的な相同を有し、 それにより細胞中でレトロウイルスRNAのビリオン粒子へのパッケージングを 阻止することができる、アンチセンス核酸分子。 核酸がRNAである、請求項1記載のアンチセンス核酸分子。 核酸がDNAである、請求項1記載のアンチセンス核酸分子。 核酸が1個以上の自然界に存在しないヌクレオシドおよび/またはヌクレオシド 間結合の存在により特徴づけられるDNAまたはRNAの自然界に存在しない類 似体である、請求項1記載のアンチセンス核酸分子。 5.核酸が1個以上のメチルホスホネートを含む、請求項1記載のアンチセンス 核酸分子。 6.100塩基未満の長さを有する、請求項1記載のアンチセンス核酸分子。 7.細網内皮症ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス1型、モロニーネズミ白血病ウ イルス、トリ肉腫ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、およびウシ白血病ウイルスよ り成る群から選ばれるレトロウイルスのパッケージング配列の少なくとも一部に 実質的に相補的である、請求項1記載のアンチセンス核酸分子。 8.請求項2に記載のアンチセンスRNA分子に転写可能なDNA配列を含む組 換えDNA分子であって、該DNA配列が適当な宿主細胞内でその転写を支配す ることのできるプロモーターに機能しうる状態で連結されている、上記組換えD NA分子。 9.前記プロモーターがネズミモロニー白血病ウイルスのLTRから誘導される 、請求項8記載の組換えDNA分子。 10.前記プロモーターがサイトメガロウイルスの即時型領域(immedia te early region)から誘導される、請求項8記載の組換えDN A分子。 11.請求項8記載の組換えDNA分子で形質転換またはトランスフェクション された宿主細胞。 12.アンチセンスRNA分子が宿主細胞の必須ヌクレオチド配列のどれとも本 質的にハイブリダイズしない、請求項11記載の宿主細胞。 13.レトロウイルスによる生産的感染に対する抵抗性を細胞に付与する方法で あって、本質的にレトロウイルスのパッケージング配列にのみハイブリダイズし 、その結果レトロウイルスのゲノムRNAのパッケージングを阻止する請求項2 に記載のアンチセンスRNA分子に転写可能な、プロモーターに機能しうる状態 で連結されたDNA配列を該細胞のゲノムに挿入し、これにより該細胞に上記感 染に対する抵抗性を付与する方法。 14.レトロウイルスによる生産的感染に対する抵抗性を哺乳動物に付与する方 法であって、該動物の少なくとも一部の細胞のゲノムに、本質的にレトロウイル スのパッケージング配列にのみハイプリダイズし、その結果レトロウイルスのゲ ノムRNAのパッケージングを阻止する請求項2に記載のアンチセンスRNA分 子に転写可能な、プロモーターに機能しうる状態で連結されたDNA配列を導入 し、これにより該動物に上記感染に対する抵抗性を付与する方法。 15.前記DNA配列が胚の段階で前記哺乳動物または前記哺乳動物の先祖に導 入される、請求項14記載の方法。 16.前記アンチセンスRNAを発現する請求項14の方法によりつくられたヒ ト以外のトランスジェニックまたはキメラ哺乳動物、およびその子孫。 17.レトロウイルスによる生産的感染に対する抵抗性を哺乳動物に付与する方 法であって、本質的にレトロウイルスのパッケージング配列にのみハイブリダイ ズし、その結果レトロウイルスのゲノムRNAのパッケージングを阻止する請求 項1に記載のアンチセンス核酸分子を該哺乳動物に投与し、これにより該動物に 上記感染に対する抵抗性を付与する方法。
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