JPH06504454A - 人工換気手段付き気管内チューブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 人工換気手段付き気管内チューブ 本発明は、患者の気管内への挿管による入院患者の機械的人工換気実施に使用さ れる気管内チューブに関する。更に詳しく言えば、本発明は、気管内チューブカ フ上に蓄積する汚染分泌物を潅注および／または排出する手段を有し、それによ ってこのような汚染分泌物が患者の肺内部に侵入する危険性を削減する気管内チ ューブに関する。

発明の背景 気管内挿管とは、気管内チューブとして公知の管状器具を患者の気管内へ挿入す ることである。気管内チューブは気管を介して通過し、第２と第４胸椎間の位置 の腹側であるカリナ上の位置で終端している。したがって、ガスは気管内チュー ブを介して患者の肺内Ｉこ流入する。

気管内挿管の主要な目的は、疾患により患者の正常呼吸誘発換気が阻止された場 合に患者の肺を機械的人工換気する、あるし１は外科手術治療中に麻酔ガスを投 与することである。このような機械的人工換気を達成するのに充分な空気圧を産 出し、管を通過するガスの漏出を阻止するためには、気管内チューブ周囲の路を 密封する必要がある。密封状態は、気管内チューブ周囲に、また気管内チューブ と一体に形成される膨張可能カフの使用によって産出される。気管内チューブを 患者の気管内に挿入した場合、膨張可能カフは、通常は管状気管内でカリナの約 ３〜５ｃｍ上に配置される。

次に膨張可能カフを気管壁と係合するように膨張させ、それによって気管を密封 し、気管内チューブを介して挿入されるガスがチューブ周囲を逆流するのを阻止 する。この種類の治療が、慢性あるいは急性呼吸器疾患患者において有効である ことが証明されている一方で、数種類の合併症の危険性も絶えず存在する。

特に、気管内挿管を実施した患者の多数は、恐らく、挿管中に咽頭蓋を迂回して 気管および肺に侵入した貯留汚染分泌物に誘発される肺の感染症の結果、肺炎を 発症する。咽頭蓋は通常、気管および肺への入口を選択的に閉鎖する弁として作 動し、分泌物および粒状物質の侵入を阻止する。しかし、気管内チューブが配置 された場合、咽頭蓋は開放位置に保持され、分泌物は通常は気管より逸れて消化 管系に流入するのだが、その替わり、気管内チューブの路を伝って気管内チュー ブの膨張可能カフ上に貯留する。

このような感染性分泌物が肺に到達する危険性が最大になるのは、機械的人工換 気の中止時である。特に、気管内挿管の必要性がなくなり、気管内チューブを患 者力、）ら抜去するために気管内チューブの膨張カフを脱気する時である。膨張 可能カフ上に貯留した感染性分泌物が放出され、肺内部に自由に流入し、そこで 気管支炎あるいは肺炎が急速に発症することがある。また、気管内チューブカフ を通過した分泌物の誤嘆により、感染性分泌物が挿管中に肺に到達する危険性も ある。

これらの危険性を克服するために、単一管腔吸引チューブと気管内チューブとを 組み合わせることは、従来技術で公知である。吸引チューブは気管内チューブに 適切な方法で接合され、吸引チューブの端は拡張可能カフ上の位置で終端する。

吸引チューブは、拡張可能カフ上の気管内に蓄積した貯留分泌物を吸引または排 出する手段を提供する。しかし、このような従来技術の器具は、吸引チューブの ために単一管腔を使用しているため、気管粘膜に直接的吸引力が加わり、その結 果粘膜に損傷を発現させるという欠点を有する。

ポーター（Ｐｏｒｔｅｒ）　３世の米国特許第４．８４０．１７３号では、気管 内チューブに合体した単一管腔吸引チューブを有する気管内チューブが記載され ている。特に、この特許では、人工換気チューブの外側に吸引チューブが積層さ れて、吸引チューブは拡張可能カフの真上の位置で終端している。吸引チューブ は、拡張可能カフ上に貯留する分泌物排出に使用される多数の開口部を包含する 。更に、吸引チューブ端に近接し、拡張可能カフの残部より可撓性が少ない部分 を、拡張可能カフが包含することによって、膨張可能カフの可撓性材料が吸引チ ューブ開口部に吸引されないことを確実にしている。ポーター（Ｐｏｒｔｅｒ） 　３世の特許に記載の気管内チューブは、単一管腔吸引チューブが気管粘膜に吸 引力を加えて、その結果粘膜を損傷させるという前述の欠点を有する。更に、ポ ーター（Ｐｏｒｔｅｒ）　３世の器具は、相対的に複雑な設計で、困難な製法が 必要であり、その結果製品が高額となる。

発明の目的 本発明の目的は、気管内チューブを患者の気管内に配置した場合に、気管内チュ ーブの膨張可能カフ上に貯留することのある感染性分泌物を排出あるいは吸引す る手段を有する気管内チューブを提供することにある。

本発明の別の目的は、加える吸引力を相対的に軽度にして、気管粘膜損傷の発現 を阻止するような前述の気管内チューブを提供することにある。

本発明の更に別の目的は、下記の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう 。

発明の概要 本発明の目的は、気管内チューブに付随するデュアル管腔トラップ機構の排出手 段を有する気管内チューブを提供することによって達成される。特に本発明の気 管内チューブは、気管内チューブ壁内に形成されるデュアル管腔排出手段を包含 し、その排出手段は気管内チューブの膨張可能カフ上に配置されている吸引小穴 で終端する図面の簡単な説明 図１は、本発明による気管内チューブの遠位端の詳細を示す透視図である。

図２は、図１の面Ａ−Ａに沿って切った端面図である。

図３は１本発明による気管内チューブの吸引小穴の詳細を示す拡大図である。

図４は、本発明による気管内チューブの近位端の詳細を示す透視図である。

発明の詳細な説明 図１は、本発明に従った気管内チューブｌＯを示している。気管内チューブＩＯ は、気管内チューブの全長に延在する主管腔１１を包含し、換気ガスを外部供給 源より患者の肺に供給する手段を提供する。

気管内チューブは、更に、気管内チューブｌＯ壁内に形成されており気管内チュ ーブ１０の近位端より、膨張可能カフ１４の内部に配設され内部へと開口してい る膨張用開口部１３にまで延在するカフ管腔１２を介して膨張および脱気される 標準の膨張可能カフ１４を包含する。

本発明による気管内チューブはまた、第１の管腔１５と第２の管腔１６とから成 るデュアル管腔排出手段を包含する。第１の管腔１５と第２の管腔１６もまた気 管内チューブ１０壁内に形成されており、気管内チューブ１０の近位端より、膨 張可能カフの近位に位置する吸入小穴１７まで相互に平行し近接して延在してい る。

図２は、図１の面Ａ−Ａに沿って切った端面図であり、気管内チューブ１０の種 々の管腔の配列を示している。特に、主管腔１１は気管内チューブ１０の中央を 介して延在し、カフ管腔１２、第１の管腔１５および第２の管腔１６とは夫々、 気管内チューブ１０壁内に形成されている。好適な配置では、カフ管腔１２は、 第１の管腔１５および第２の管腔１６とは反対側の気管内チューブ内に形成され ている。

図３は、本発明の気管内チューブｌＯの吸引小穴１７の詳細を示す拡大図である 。特に、図３に示すように、第１の管腔１５と第２の管腔１６は、気管内チュー ブｌＯの近位端より、吸引小穴１７から僅かに近位の位置にまで、隔壁３０によ って仕切られている。好適な実施例では、隔壁３０は、気管壁の直接吸引を防止 するために、吸引小穴の始まりより約５ｍｍ近位で終端している。隔壁３０のた めに、第１の管腔１５と第２の管腔１６とは、その全長の大部分に沿って仕切ら れており、吸引小穴の位置に相当する位置で、それらの遠位端においてのみ結合 している。

図４は、デュアル管腔排出手段をを操作するための接続アダプタを包含する気管 内チューブ１０の近位端の詳細を示している。特に、トラップあるいは洗浄コネ クタ４０は第１の管腔１５に接続されており、排出コネクタ４２は第２の管腔に 接続されている。また、標準の膨張コネクタ（図示なし）はカフ管腔に接続され ている。トラップコネクタ４０および排出コネクタ４２は協働して気管内チュー ブのデュアル管腔排出手段を作動するが、そのことに関しては下記に詳細に説明 する。

操作中は、気管内チューブＩＯを、標準の気管内挿管技術を使用して患者の気管 内に挿入する。気管内チューブ１０を適切な位置に配置するとすぐに、膨張可能 カフ１４が気管を充分に密封するまで、カフ管腔を介して膨張媒体を供給するこ とによって、膨張可能カフな膨張させる。次に、患者の肺の機械的人工換気を、 標準の操作手順を使用して実施する。挿管中、膨張可能カフ１４上の気管内に貯 留した分泌物を、本発明のデュアル管腔排出手段を使用して下記の方法で排出す る。空気をトラップコネクタ４０を介して供給し、一方、排出コネクタ４２を真 空にする。このような方法で、空気は第１の管腔１５を下り、隔壁３０の遠位端 を廻って第２の管腔１６を上昇して循環する。ｃ図３の矢印Ｂを参照）。第１の 管腔１５と第２の管腔１６とを介するこの循環は、吸引小穴１７を介して加えら れる吸引力を穏やかにし、その吸引力は、膨張可能カフ１４周囲からの貯留分泌 物を、第２の管腔１６を介して排出コネクタ４２の外に排出する。（図３の矢印 Ｃを参照）。隔壁３０を吸引小穴１７の始まりよりわずかに近位の位置で終端す ることによって、気管壁の直接吸引を回避している。吸引量および吸引力は、ト ラップコネクタ４０を介して供給する空気量および排出コネクタ４２に加える真 空度を制御することによって容易に制御可能である。機械的人工換気の必要性が もはやなくなった場合、感染性分泌物が患者の肺内に流入する危険性もなく、膨 張可能カフ１４を脱気し、気管内チューブ１０を、標準の挿管手順を使用して抜 去可能である。

本発明の気管内チューブｌ口は、従来技術で公知の気管内チューブを凌駕する幾 つかの利点を提供する。特に、デュアル管腔排出手段は、膨張可能カフ１４周囲 の気管内に貯留する分泌物を迅速且つ容易に排出させ、それによって、患者の肺 の感染症の危険性を減少させる。

更に、本発明の気管内チューブＩＯは、本発明のデュアル管腔排出手段を介して 加えられる吸引力が気管粘膜への損傷を防止するという、単一管腔排出手段を有 する従来技術の気管内チューブを凌駕する利点を有する。換言すれば、吸引小穴 １７を介して加えられる吸引力は、間接的、つまり、第１の管腔１５と第２の管 腔１６とを介する空気の循環によって生じるのであり、したがって、気管粘膜損 傷の危険性は大幅に減少する。この間接的吸引力は、第１の管腔１５と第２の管 腔間の隔壁３０を、吸引小穴１７の始まりよりわずかに近位の位置で終端するこ とによって可能となる。

更に、カフ管腔１２と第１の管腔１５と第２の管腔１６とを気管内チコーーブ壁 内に形成することによって、製品の製造が容易で廉価となっており、最終製品は 耐用性および信頼性が高くなる。

更に、本発明のデュアル管腔排出手段を、液剤を循環させることによって、貯留 分泌物の蓄積領域の殺菌に使用してもよい。液剤にり４２は真空にしないため、 液剤は吸入小穴１７の外に出る。次に液剤は気管内に液剤自体の貯留を形成し、 それが感染性分泌物と混合し、このような分泌物内の細菌を無毒化する。液剤の 補充が必要となった場合は、混合貯留物全部を、デュアル管腔排出手段を前述の ように操作することによって排出する。この同じ工程を、気管内チューブの存在 が原因で発現する炎症等、気管内で発症する可能性のある他の障害を処理するの に使用してもよい。

明細書本文は、本発明の好適な実施例の例示に過ぎず、本発明を限定するもので はない。多数の変形、変更例および詳細な変更は本発明の範囲に含まれる。

国際調査報告　ＰＣＴ／ＬＩＳ　９１１０７４９１国際調査報告

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. １．患者の肺の機械的人工換気を可能とする、患者の気管内挿入用気管内チュー ブであって、前記気管内チューブの本体を形成し、患者の肺の外部供給源より換 気ガスを供給する手段から構成される単一管腔チューブと， 前記単一管腔チューブの遠位端近くの位置で、前記単一管腔チューブに、またそ の周囲に封着することによって、前記気管内チューブが患者の体内に適切に配置 された場合に、患者の気管を密封するように膨張される拡張可能カフと， 前記拡張可能カフを膨張および脱気する手段と，気管内チューブの周囲で、膨張 可能カフ上の気管内に貯留する可能性のある分泌物を潅注あるいは吸引除去する デュアル管腔排出手段とから成る気管内チューブ。
2. ２．前記デュアル管腔排出手段が、前記単一管腔チューブ壁内に形成されており 、前記単一管腔の近位端より、前記単一管腔チューブ壁の一部を介して形成され ており前記膨張可能カフの近位に位置する吸引小穴にまで相互に平行し近接して 延在する第１の管腔と第２の管腔とから成る請求の範囲第１項に記載の気管内チ ューブ。
3. ３．前記第１の管腔と前記第２の管腔とが、前記単一管腔チューブの近位端より 、前記吸引小穴の始まりより近位の位置にまで、第１と第２の管腔の全長の大部 分に沿って仕切られていることによって前記第１の管腔と前記第２の管腔とが、 前記吸引小穴の位置にほぼ相当する位置で結合している請求の範囲第２項に記載 の気管内チューブ。
4. ４．前記隔壁が、前記単一管腔チューブの近位端より、前記吸引小穴の始まりよ り約５ｍｍ近位の位置にまで延在している請求の範囲第３項に記載の気管内チュ ーブ。
5. ５．前記膨張可能カフを膨張および脱気させる前記手段が、前記単一管腔チュー ブ壁内に形成されており、前記単一管腔チューブの近位端より、前記単一管腔チ ューブ壁の一部を介して形成されており前記膨張可能カフ内部と連通している膨 張開口部にまで延在するカフ管腔から成る請求の範囲第１項に記載の気管内チュ ーブ。
6. ６．前記気管内チューブの近位端が、前記デュアル管腔排出手段を操作するため の操作手段に接続されるのに適している請求の範囲第１項に記載の気管内チュー ブ。
7. ７．前記気管内チューブの近位端が、前記デュアル管腔排出手段を操作するため の操作手段に接続されるのに適している請求の範囲第２項に記載の気管内チュー ブ。
8. ８．前記操作手段が、前記第１の管腔に装着されたトラップあるいは洗浄コネク タと、前記第２の管腔に装着された排出コネクタとを包含する請求の範囲第７項 に記載の気管内チューブ。